千葉県立中央博物館分館海の博物館メールマガジン バックナンバー
海からのたより 第197号
配信日時:2021/07/01 08:30
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  千葉県立中央博物館分館 海の博物館メールマガジン

 『海からのたより』 第197号
                          2021年7月1日発行

                 千葉県立中央博物館分館 海の博物館
                 http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/
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 海の博物館は、新型コロナウイルス感染防止対策を講じた上で通常どおり開
館しています。
 入館時には体温計測、手指消毒、来館者情報記載等にご協力ください。

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│目次
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★収蔵資料展「イカ展」が始まります(7/17~)
★令和3(2021)年度7、8月の主催行事のご案内
★研究員ノート -地域史料の調査で垣間見える歴史災害-
★海の博物館周辺の情報

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│★収蔵資料展「イカ展」が始まります(7/17~)
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 この夏、海の博物館にイカやタコのなかまが大集合します!
ダイオウイカの大人と子供のペア、神秘的なユウレイイカ、ちょっと変わった
姿のトックリイカ、ユーモラスなメンダコ、危険なヒョウモンダコなど、海の
博物館の収蔵品からとっておきのイカやタコの標本を紹介します。
 現在、オープンに向けて準備の真っ最中です。

 会期:7/17(土)~9/5(日)

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│★令和3(2021)年度7月、8月の主催行事のご案内
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【観察会】
 研究員の解説を聞きながら、自然の中で生きものをじっくりと観察する行事
です。
 対象は小学生以上(小学生は保護者同伴)、定員は各回10名です。

●「海の生きもの観察ツアー」  講師 海の博物館研究員
 海の博物館の前の磯を歩き、さまざまな海の生きものについて解説します。
 ・時間:約1時間
 ・開催日時:
    7/10(土)10:30~  7/13(火)12:30~   
   ※申込期限を過ぎていますが、定員になり次第受付を締め切ります
 ・持ち物:
   手網・観察用小バケツ等

【講座】
●「磯で見られるウミウシを知ろう」
 海の博物館前の磯で見られるウミウシを紹介するとともに、探し方や観察す
るコツも解説します。
 対象は中学生以上、定員は8名です。
 ・開催日時:7/18(日)13:30~14:30
 ・申込締め切り:7/4(日)

●「イカを調べよう」
 イカの体のつくりを実際に解剖等を行いながら調べます。
令和3年度収蔵資料展関連講座です。
 対象は中学生以上、定員は8名です。
 ・開催日時:8/1(日)13:30~15:00
 ・申込締め切り:7/18(日)
 
●「図鑑の使い方入門」
 植物や昆虫図鑑の使い方を、図鑑で生きものを調べながら学びます。
 対象は中学生以上、定員は8名です。
 ・開催日時:8/14(土)13:30~15:00
 ・申込締め切り:7/31(土)

≪申込方法≫
 行事ごとに、以下を明記の上、開催日2週間前必着で、海の博物館あてに
ハガキ・FAX・電子メールのいずれかでお申し込み下さい。
  定員を越えた場合は抽選となります。抽選結果はご連絡いたします。
   ※博物館ロビー受付でもお申し込みいただけます。

・記入事項(希望者全員の情報を記入)
  1.氏  名(小学生は同伴者名も)
  2.住  所(郵便番号も)
  3.電話番号
  4.年  令
  5.ご希望の行事名と日時

≪お申し込み・お問い合わせ先≫
  千葉県立中央博物館分館海の博物館
   〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
   電話 0470-76-1133 FAX 0470-76-1821
   電子メール umihaku@chiba-muse.or.jp

※野外で行われる観察会は、保険料としてお一人50円が必要です。
※荒天等の事情により、中止または日程や内容が変更となる場合があります。
※新型コロナウイルスの感染状況によっては、中止となる場合があります。

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│★研究員ノート -地域史料の調査で垣間見える歴史災害-
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 災害史の調査では個人所有の文書類を拝見する機会が多くあります。主には
江戸時代から昭和初期頃までの文書ですが、その中には歴史上に大きく取り上
げられる災害を由来とする記事も見ることがあります。

 その一つが富士山の噴火です。最近富士山の噴火ハザードマップが新しい知
見等を加えたものに改定されました(『富士山ハザードマップ(改定版)検討委
員会報告書』令和3年3月 富士山火山防災対策協議会)。富士山の噴火でよく知
られているのは、江戸時代の宝永四年(1707)に富士山中腹に宝永山を形成した
富士山宝永噴火がありますが、内房地域でこの時の噴火の状況や付近の様子を
時系列で詳細に記録した名主の文書等を以前(本メルマガ107号)紹介しました。

 同じく江戸時代中期の元禄十六年(1703)の元禄地震については、房総の津波
被害を記した多くの文書が知られています。そうしたなか、直接に地震や津波
の状況を記録したものではありませんが、長生郡睦沢町内の宝永二年(1705)の
年貢訴訟文書(前半部欠失)のなかには、元禄地震の被害(未の年は上総一同の日
損)や前後年の暴風雨(風損)により百姓たちは命が危うい(大小の百姓渇命に及
ぶ)状態にあることが記されています。

 また、江戸時代後期の安政二年(1855)の安政江戸地震では、震央が江戸直下
であったことから江戸市中の被害が甚大で、強い揺れによる建物倒壊や火災に
よる焼失が多くありました。江戸には全国各地に所領を持つ大名や旗本などの
屋敷があったことから、これらの被害も大きいものでした。いすみ市内の名主
宅の文書『書付』には、この地震と翌安政三年(1856)の暴風雨で領主の住居や
長屋等が倒壊し、その復旧のため通常収める年貢のほかに、御普請御用金100
両を領内の3か村が3か年で分割納付することが記されています。しかし3年目
には免除してほしい旨を歎願し、聞き入れられています。これは知行地のいす
み地域と周辺では、安政三年の暴風だけでなく、翌四年には暴風と暴風雨の2
度にわたっての災害で疲弊し、御用金支払いに応じられなくなってしまったこ
とによるものでした。これは他の災害資料と併せ見ることで知ることができま
した。

 一方、近代の文書を見てみると、いすみ市内の別のお宅の『自作分収入明細
帳』には、大正六年(1917)9月30日の台風(本メルマガ181号)や大正十二年(1
923)9月1日の大正関東地震(関東大震災)の記録が見えます。前者の台風では家
屋に被害があったようで、同家大正三年(1914)起『諸職工手間並扶持米覚帳』
には修繕に関する記録もありました。後者の大正関東地震(関東大震災)につい
ては、同家大正十二年の『金銭支出明細帳』では、10月12日付で4円を寄付し
たとの記録があります。さらに同家の昭和八年(1933)の『金銭支出明細帳』に
は、3月3日の昭和三陸地震津波への寄付も行った記録も見えます。

 このように歴史上でよく知られている災害について、災害状況そのものを記
してはいないものの、これに係る記録が多く存在していることに驚かされます。
これからも丹念に史料を読み込みながら、こうした記録を見出していきたいも
のです。
                    (主任上席研究員 本吉正宏)
 
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│★海の博物館周辺の情報
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【観光情報】

・かつうら海中公園海中展望塔
  海の博物館の真ん前にあります。水深8mの海中展望室から季節ごとの魚や
 海底の様子を楽しむことができます。
  詳しくは勝浦海中展望塔のホームページをご覧ください。
   http://www.katsuura.org/index.php 

・勝浦朝市は通常どおり(6時半頃~11時頃・水曜休み)開催されています。
  詳しくは勝浦市観光協会のホームページをご覧ください。
   https://www.katsuura-kankou.net/asaichitop/

・勝浦市内の海水浴場
  今シーズンの市内海水浴場(勝浦中央・鵜原・守谷・興津)は、全て開設
 中止となりました。博物館の前の海岸も含め監視所・ライフセイバーが配置
 されていない海岸での遊泳は非常に危険です。遊泳はお控えください。

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 今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただきありがとうご
ざいました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
    http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU
お問い合わせはこちらへ umihaku@chiba-muse.or.jp
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