千葉県立関宿城博物館メールマガジン バックナンバー
せきはくマガジン第179号(257)
配信日時:2021/07/20 09:05
千葉県立関宿城博物館メール情報∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

          せきはくマガジン

http://www2.chiba-muse.or.jp/SEKIYADO/
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞第179号(257) 2021年7月20日∞
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 もくじ
[1]8月のイベント情報及び8月の休館日について
[2]8月中に募集が開始されるイベントについて
[3]せきはく豆事典「江戸時代のお札(さつ)」
[4]季節だより
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[1]8月のイベント情報及び8月の休館日について

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、講座等のイベントにつきましては、中止や内容等の変更が生じることがあり
ます。新しい情報につきましては、随時ホームページでご確認をお願いいたします。
 また、入館の際にはマスクの着用と検温にご協力ください。
 
●開館時間 9時開館、16時30分閉館
                       
★(1)パネル展「雲と、お天気」
    さまざまな表情を見せる雲。雲の写真から、お天気のことを楽しく学びましょう。
   期  日   6月29日(火)~9月26日(日)
        (休館は月曜日。月曜日が祝日にあたる場合は開館し、翌日休館。)
   時  間   9時~16時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 3階多目的室
   入場料  一般200円(団体160円)、高大生100円(団体80円)、
         中学生以下・65歳以上無料  ※団体扱いは20名以上

★(2)体験教室「河川敷のいきものさがし(小学生向け)」
    当館調査協力員及び自然科学系ライターの「わぴちゃん」こと岩槻秀明氏の解説を聞きながら、河川敷で色々な
    いきものを採集・スケッチして、そのいきものについて学びます。夏休みの自由研究に最適です。
   期  日   8月1日(日)(※好評につき、定員間近。)
   時  間   9時30分~12時30分
   場  所   博物館周辺の河川敷及び館内集会室
   定  員  15名
   対 象  小学生とその保護者
   参加費  50円
   申込み  7月1日(木)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

★(3)博物館セミナー「下総印旛・相馬二郡に屹立する生首持型庚申塔」
    当館の調査協力員、石田年子氏による博物館セミナーです。江戸時代中期に下総国印旛・相馬二郡に限定して生
    首持型と呼ばれる特異な青面金剛像が造られました。これは40年にわたりこの地で石屋を営んだ人物の作品と考
    えられます。謎の石屋とその作品について紹介します。
   期  日  8月22日 (日)
   時  間  13時30分~15時30分
   場  所  千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  15名
   対 象  一般
   受講料  100円
   申込み  7月22日(祝・木)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

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◆◆◆8月の休館日について◆◆◆
8月2日(月)・10日(火)・16日(月)・23日(月)・30日(月)は休館します。
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[2]8月中に募集が開始されるイベントについて
   (新型コロナウイルス感染拡大防止のため、中止となることがあります。)

◆(1)歴史講座「古文書を読む(初級編)《3回連続》」
    古文書によく出てくる基本的な単語や慣用句が読めるようにし、解読辞典の使い方も習得します。
   期  日   9月4日(土)・10月9日(土)・11月20日(土)
   時  間   10時~12時
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  15名(連続で参加できる方)
   対 象  一般
   受講料  200円(初回のみ)
   申込み  8月4日(水)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

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[3]せきはく豆辞典「江戸時代のお札(さつ)」
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 日本のお札(さつ)のはじまりは、一般的に、日本最古の紙幣である「山田羽書(はがき)」からといわれます。17世
紀初めに伊勢山田地方(現在の三重県)で伊勢神宮の門前町の御師(おんし:布教や参拝客の宿泊の世話などを行う一方、
商品の流通や為替取引も担う商人)が発行したもので、銀貨との交換を保証する言葉と額面金額が印刷された紙片(端書
=羽書)でした。これは、その周辺の商業地域だけに流通していた「私札」で、商人の信用力を背景に江戸時代を通じ流
通しました。
 本格的な紙幣は、「藩札」といい、通説では、越前福井藩が寛文元年(1661)に発行した銀札が最初と言われています。
これは、各藩が有力商人の協力を得て、幕府の貨幣や米など価値のある物との交換を保証し、藩領内だけで通用させた信
用通貨でした。
 江戸時代の幣制(へいせい)は三貨制で、幕府が金・銀・銭貨の基本貨幣を発行していました。しかし、大都市やその
周辺以外の諸藩はこれを十分確保するのは難しく、財政構造が脆弱な藩や、天災や飢饉の発生などにより財政の窮迫した
藩では、藩札を発行することが多かったのです。また、藩札の発行は経済発展に伴う貨幣不足の解消を意味しており、専
売仕法と結びつくこともありました。そして、財政難を解消するために藩札を乱発することで信頼を失い、価値が暴落す
る事もしばしばあったそうです。
 藩札は、幕府の金札発行の抑制により銀建て(銀札)がその大部分を占め、銀遣いの近畿以西の諸藩を中心に、寛文元
年からの約40年間に50余藩が発行していきました。その後、幕府は貨幣を流通させる為、宝永4年(1707)~享保15年
(1730)にかけて一時禁止しますが、それ以降、明治初期まで西日本を中心に244の藩が藩札の発行を行いました。
 この西日本に飛地を持つ関宿藩も、利根川水運の中継地として経済発展の可能性を有し、貨幣不足の解消が必要なこと
と、河川に囲まれていることで多くの水害がおこり、藩財政を補填する資金の確保が必要であったことから、文政10年
(1827)に銀1匁及び5分の藩札を和泉国の飛地(大阪府堺市)で発行しました。そして、本領地でも、同様な理由から藩
札を発行しますが、ここでは茶栽培を奨励し、「猿島茶」の名で販売、安政6年(1859)には欧米に輸出されるようにな
り、正貨を入手して兌換(だかん)準備金を確保することができました。生産地の農村から物産会所に集まった茶は、本
領の藩札で買い上げることで、農村に専売仕法が確立していくための重要な産品であったと考えられています。これらの
藩札にもそれぞれ、その地域の有力者が札元になることで、兌換準備金の十分な確保ができ、その経済力をよりどころに
した信用によって、藩札の円滑な流通を行うことができたのでした。
 当館2階にも、和泉国の飛地と、関宿本領地でそれぞれ発行・通用した銀1匁と5分の藩札が2種類展示してあります。こ
の江戸時代に発行された関宿藩の紙幣に思いをはせてみてはいかがでしょうか。            (土井瑞穂)

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[4]季節だより
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 例年よりいくらか早く、関東地方も梅雨が明けましたが、7月前半には各地で豪雨による被害のニュースが多く聞かれ
ました。被災地の皆様にはお見舞い申し上げます。
 昔も梅雨明けのタイミングには、雷雨が3日間ぐらい続いた記憶があります。しかし近年は昔と違って、雨の降り方が
ものすごく、道路もすぐに冠水してしまいます。
 現在、パネル展「雲と、お天気」を開催中です。梅雨の間は灰色の空でしたが、じきに青い空に浮かぶ白い雲、夕焼け
雲の美しい季節となる模様です。
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せきはくマガジン第179号(257)
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