千葉県立中央博物館メールマガジン バックナンバー
★ ちば中央博メール 2021年8月号 ★
配信日時:2021/08/10 08:00
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   ちば中央博メール 2021年8月号(2021年8月10日発行・第180号)
        http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/ 

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目 次
1.お知らせ
2.イベント情報
(1)中央博物館本館・生態園
(2)大利根分館
(3)大多喜城分館
3.中央博の窓−143 チバニアンを正しく理解するために
4.研究室から−116 「釣り針を飲み込んだ魚の行く末は?」
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1.お知らせ
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◆博物館の再開館について
 本館・生態園は10:00〜16:30まで開館・開園しています。
 なお、生態園オリエンテーションハウスは土・日・祝日のみ開館(10:00〜16:30)
しております。

講座・観察会については、新型コロナウイルスや自然災害などの対応により変更や中
止の可能性がありますので、くわしくはホームページをご覧ください。↓
http://www2.chiba-muse.or.jp/www/NATURAL/contents/1520009714819/index.html 


年間パスポートの期限延長を行っています。くわしくはホームページをご覧くださ
い。↓
http://www2.chiba-muse.or.jp/www/NATURAL/contents/1584073375870/index.html# 
年間パスポート

◆現在休止中の展示・サービス
・1階ホール
・「たいけんのもり」を含むハンズオン展示
・野鳥観察舎(生態園)
・団体受付(一般団体)
・ミュージアム・トーク
・図書閲覧サービス

※開館日をご確認の上ご来館ください。開館日カレンダー↓
  
http://www2.chiba-muse.or.jp/www/NATURAL/contents/1517539269054/index.html#k 
aikanbi

なお、感染拡大の状況などにより変更が生じる場合がございます。ご了承くださるよ
うお願いいたします。

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2.イベント情報
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(1)中央博物館本館・生態園
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■令和3年度夏の展示「うみ鳥っぷ [umi-Trip] -海鳥とめぐる島の旅・半島の旅-」
会期:〜9月12日(日)
会場:第一企画展示室
内容:海鳥の暮らしは、島や半島、それらが織りなす海洋環境と深くかかわっていま
す。本展では、海鳥を案内役として、島や半島の魅力を見つける旅に出るような展示
の世界を表現します。また、人と海鳥のかかわりについても取り上げ、海鳥の恩恵を
受けて育まれてきた産業や文化、海鳥を取り巻くさまざまな課題についても紹介しま
す。

■ミニトピックス展 「千葉県指定文化財『明治2年奥州出征米国船ハーマン号勝浦
沖遭難絵巻』新指定記念展」
会期:〜9月5日(日)
会場:歴史展示室前廊下
内容:ハーマン号遭難絵巻の部分展示と併せて新指定絵巻の全体を写真で紹介し、ま
た慰霊祭を通じた勝浦市と熊本やアメリカとの交流、日本水中考古学会による潜水調
査の結果なども紹介します。

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(2)大利根分館 http://www.chiba-muse.or.jp/OTONE/ 電話:0478-56-0101 
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夏休み展示「躍進の佐原 —新聞記者の見た戦前の暮らしと世相—」
会期:7月17日(土)〜8月31日(火)
会場:千葉県立中央博物館大利根分館 第3展示室
内容:昭和6年から14年にかけて佐原駐在の朝日新聞記者真田健一氏が撮影し整理
した写真アルバム「躍進の佐原(やくしんのさわら)」(香取市教育委員会蔵)に収
められた約千点の写真から当時の世相を表すものを選び、当館の収蔵資料とともに展
観し、約90年前の佐原を顧みます。
 ※開館日をご確認の上ご来館ください。開館日カレンダー↓
http://www2.chiba-muse.or.jp/www/OTONE/contents/1515477238236/index.html 
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(3)大多喜城分館 http://www.chiba-muse.or.jp/SONAN/ 電話:0470-82-3007 
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収蔵資料展「古文書にみる近世の大多喜」
会期:7月8日(木)〜10月17日(日)
会場:大多喜城分館 展示室
内容:大多喜城分館が所蔵している古文書から見える近世初期の大多喜周辺の様子を
紹介します。
 ※開館日をご確認の上ご来館ください。開館日カレンダー↓
http://www2.chiba-muse.or.jp/www/SONAN/contents/1518773150906/index.html 
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3.中央博の窓−143 チバニアンを正しく理解するために
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昨年1月、市原市田淵の養老川沿いの崖が、新生代第四紀更新世の前期と中期の境界
を示す、国際境界模式層断面とポイント(GSSP)に認定され、地球の歴史に千葉に
ちなんだ時代名「チバニアン(期)」が誕生しました。中央博では令和元年度に、地
磁
気の逆転境界の地層のはぎ取り標本を製作しました。さらに、令和2年度には解説動
画「チバニアン誕生-地層が語る房総の大地のなりたち-」を制作し、現在、はぎ取り
標本とあわせて房総の地学展示室で公開しています。
 動画では、チバニアン期の地層が房総にどのように広がっているか、チバニアン期
を通じて房総半島はどのように形成されてきたかなどについて、わかりやすく解説し
ています。
GSSPとなった市原市田淵の崖は外見上目立った特徴がない、いわば何の変哲もない
、黒っぽいのっぺりした崖です。そこで現地を訪れる際には、中央博の動画とはぎ取
り標本で予習してから行かれてはいかがでしょうか。すでに現地に行かれた方も、動
画を見ていただければ断然理解が深まります!
(地学研究科 加藤久佳)
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4.研究室から−116 「釣り針を飲み込んだ魚の行く末は?」
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 4月から教育普及課員となった乃一哲久です。専門は魚類学並びに水産学で、趣味
は魚釣りです。私は分館海の博物館勤務が長く、本館勤務は通算3回・4年目となり
ます。今回は、魚の自己防御と回復力に関する分館海の博物館での驚きの体験を紹介
します。
 魚釣りをしていると、釣糸が切れ、魚に逃げられることがあります。逃げた魚の口、
あるいは、さらにその奥には、当然、釣針が刺さっています。一方で、その様な状態
の魚が釣れることは、極めて稀です。これらから想像できることは、「釣針が刺さっ
た魚は死んでしまう」、もしくは、「刺さった釣針はやがて外れる」です。しかし、
一般的な釣針には「カエシ」と呼ばれる部分があり、これによって、釣針は刺さると
簡単には外れない構造になっています。このため、私は、口元ならともかく、喉元深
く釣針が刺さった魚の行く末は、多くは前者であろうと思っていました。ところが、
平成27年度に分館海の博物館で収蔵資料展「外房・川の生きものミニ水族館」(菊地
則雄研究員企画)を開催した際、この認識を一変させられる出来事に遭遇しました。
 この展示会は、博物館周辺の河川に住む魚やカニ、カメなど、淡水の生きものを水
槽展示で紹介するもので、私も魚の採集と飼育管理に協力しました。その際、ウナギ
とニゴイは、開会日の前日になっても、釣りで採集した喉の奥深くに釣針が刺さった
ままの個体しか用意できていませんでした。この2種2個体は、開会日の1週間ほど前
に採集し、以来、あまり動かず、餌も食べない状態が続いていました。このままでは
死なせてしまうと思い、針外しやプライヤー等の道具を使って何度も釣針の摘出を試
みましたが、カエシのため、どうしても外せませんでした。そうこうしているうちに
期日となり、長くは持たないと思いつつもそれらを展示せざるを得なくなりました。
開会して5日ほど過ぎた日、ニゴイの水槽の底に、釣針が沈んでいました。その何日
か後には、ウナギの水槽の中にも釣針を見つけました。両方とも、まぎれもなく私が
採集に使い、飲み込ませてしまった赤色の釣針でした。私が手も足も出せなかった釣
針を、手も足もない魚が自ら外し、排出したのです。そして、この後は、ともに餌を
食べるようになり、順調に回復して水槽の中を泳ぐ姿は、長らく観覧者の注目を集め
ました。このことは、死を待つばかりと思っていた私にとっては青天の霹靂で、野生
生物の生命力の強さをまざまざと見せつけられた出来事として記憶に残りました。
釣糸が切れて逃げた魚は、自然界でも私が思っていた以上に生き残っているのかもし
れません。「逃がした魚は大きい」という言葉があります。これまでに釣り逃した数
々の大物がどこかで生きているなら、再び私の釣針を咥えてもらいたいものです。
(教育普及課 乃一哲久)
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 千葉県立中央博物館
 〒260-8682 千葉市中央区青葉町955-2
 電話:043-265-3111 FAX:043-266-2481
 URL:http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/ 
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