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せきはくマガジン第180号(258)
配信日時:2021/08/20 09:00
千葉県立関宿城博物館メール情報∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

          せきはくマガジン

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∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞第180号(258) 2021年8月20日∞
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 もくじ
[1]9月のイベント情報及び9月の休館日について
[2]9月中に募集が開始されるイベントについて
[3]せきはく豆事典「関宿城降参のこと -第三次関宿合戦の様子-」
[4]季節だより
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[1]9月のイベント情報及び9月の休館日について

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、講座等のイベントにつきましては、中止や内容等の変更が生じることがあり
ます。新しい情報につきましては、随時ホームページでご確認をお願いいたします。
 また、入館の際にはマスクの着用と検温にご協力ください。
 
●開館時間 9時開館、16時30分閉館
                       
★(1)パネル展「雲と、お天気」
    さまざまな表情を見せる雲。雲の写真から、お天気のことを楽しく学びましょう。
   期  日   6月29日(火)~9月26日(日)
        (休館は月曜日。月曜日が祝日にあたる場合は開館し、翌日休館。)
   時  間   9時~16時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 3階多目的室
   入場料  一般200円(団体160円)、高大生100円(団体80円)、
         中学生以下・65歳以上無料  ※団体扱いは20名以上

★(2)関宿城写生コンクール作品展
    関宿城周辺を題材とした写生画を公募し、作品を展示します。
   期  日   9月14日(火)〜10月3日(日)
        (休館は月曜日。休館日が祝日・振替休日に当たる場合は翌日休館。また、9月27日(月)~9月
         30日(木)は展示替えのため休館します。)
   時  間   9時~16時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 エントランスホール・集会室
   入場料  一般200円(団体160円)、高大生100円(団体80円)、
        中学生以下・65歳以上無料
        ※10月1日からの企画展開催中は別料金
        ※団体扱いは20名以上
        ※写生コンクールのみの見学は無料です。

※以下のイベントにつきましては、定員に達しましたので、受付を終了しています。ご参加ありがとうございました。

★(3)歴史講座「古文書を読む(初級編)《3回連続》」
    古文書によく出てくる基本的な単語や慣用句が読めるようにし、解読辞典の使い方も習得します。
   期  日   9月4日(土)・10月9日(土)・11月20日(土)(※好評につき、定員となりました。)
   時  間   10時~12時
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  15名(連続で参加できる方)
   対 象  一般
   受講料  200円(初回のみ)

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◆◆◆9月の休館日について◆◆◆
9月6日(月)・13日(月)・21日(火)と、27日(月)~30日(木)(展示替えのため)は休館します。
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[2]9月中に募集が開始されるイベントについて
   (新型コロナウイルス感染拡大防止のため、中止となることがあります。)

◆(1)体験教室「河川敷のいきものさがし(一般向け)」
    当館調査協力員及び自然科学系ライターの「わぴちゃん」こと、岩槻秀明氏の解説を聞きながら、河川敷特有の
    植生環境を観察し、江戸川流頭部まで散策します。
   期  日   10月17日(日)
   時  間   10時~12時
   場  所   【集合場所】千葉県立関宿城博物館 集会室
        【見学場所】江戸川や利根川の河川敷
   定 員  15名(新型コロナウイルス感染拡大防止のため、定員を減らしました。)
   対 象  一般
   参加費  50円
   申込み  9月17日(金)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

◆(2)野外講座「歴史散歩-栗橋関所と古河の城下町を訪ねる-」(日帰りの旅)
    企画展の関連事業です。日光街道の利根川渡河地点に設けられた栗橋関所跡を見学し、電車で移動した後、古河
    の城下町や歴史博物館を巡ります。
   期  日   10月24日(日)
   時  間   13時~16時(現地集合・解散)
   場  所   【集合場所】JR栗橋駅東口
        【見学場所】栗橋関所跡、日光道中古河宿道標、福法寺、古河歴史博物館
        【解散場所】古河歴史博物館
   定 員  15名
   対 象  一般
   参加費  600円(保険料・入場料・資料代。集合場所までと、栗橋・古河間の移動に係る交通費等は各自負担)
   申込み  9月24日(金)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

◆(3)体験教室「関宿城下を歩こう(城下町コース)」
    千葉県立関宿城博物館の周辺を歩いて、江戸時代の関宿藩にゆかりのある史跡(関宿城本丸跡、筋違い十字路、
    外堀・土塁跡、関宿関所跡石碑、随庵堀と随庵碑や寺院(昌福寺、時間次第で宗英寺)を学芸員が案内し、解説
    します。
   期  日   10月30日(土)
   時  間   10時~12時(現地解散)
   場  所   【集合場所】千葉県立関宿城博物館 エントランスホール
        【見学場所】千葉県立関宿城博物館周辺の史跡や寺院
   定 員  15名
   対 象  一般
   参加費  50円
   申込み  10月1日(金)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

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[3]せきはく豆辞典「関宿城降参のこと -第三次関宿合戦の様子-」
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 室町時代、京の室町幕府が東国の統治役として置いた「鎌倉公方」は足利氏世襲の役職でした。しかし、鎌倉の足利氏
はその後幕府と対立して古河に逃れ、「古河公方」を名乗ります。初代古河公方、足利成氏の母は簗田一族の出身でした。
簗田氏はこれ以降、関宿に城を構え、古河公方の外戚として、また筆頭家臣として数代にわたりこれを支えました。
 ところが、関東に勢力を伸ばしてきた小田原の後北条氏が、古河の足利家を事実上乗っとってしまいます。後北条と簗
田の対立は深まり、後北条氏は永禄8年(1565)、永禄11年(1568)と2回にわたり関宿城に攻め入りました(第一次、第二
次関宿合戦)。この2度の合戦に耐えた関宿城でしたが、ついに天正2年(1574)、3度目の攻撃(第三次関宿合戦)で、
簗田氏は城を明け渡すのです。
 この第三次関宿合戦の様子が、『小田原記』の「関宿城降参之事」という一節に詳しく記されています。『小田原記』
は後北条氏の歴史を軸としているため、簗田側は敵方として描かれています。ここに、ほぼ原文のまま少しだけ現代語に
訳してご紹介しましょう。

 「天正元年(1573)、10月下旬、関宿城主、簗田中務大輔(晴助)は、佐竹と一味をなして反逆した。このため、小田原
より北条氏政が出陣し、関宿城のそばに陣を張って合戦となった。
 この城は、二方は大河に面していて要害無双の地である。江戸衆・小金衆・臼井の衆・千葉氏の家来衆らは皆、船にて
川より押し寄った。また持ち場の攻め口を受け持ち、方々より攻め寄った。籠城する簗田側にも「ふんけんと小造(※原
文のまま)」などという、一人当千の侍どもが突き出て、防ぎ戦った。
 その日、大勢で攻め寄り、また城からも敵が討って出てきた。大手口にて攻め合いとなり、小田原方の武州古浜城主、
千葉次郎殿が黄色の陣羽織を着て一番に攻めかかり、城方の物頭、菊間図書という者と組み合って落ち、千葉殿はここに
て討ち死にとなった。
 さて、敵が引き入る間に小田原方が一同に追いかかり、塀に乗った。陸奥守(北条氏輝)家中の津野戸氏の下人、藤五
郎が一番に塀へ乗ったので、津野戸にお尋ねがあり、小森という苗字を賜った。しかし、既に日が暮れてきたため、大将
が下知して、あげ貝(引き揚げの合図のほら貝)を吹き、城には乗り込まなかった。
 この頃、佐竹(義重)・越後衆(上杉謙信)より敵方に加勢があり、関宿の後詰め(籠城を助ける援軍)として羽丹生
(埼玉県羽生市)へ出陣してきた。しかし、味方の備えが堅固であったため、佐竹衆は後詰めがかなわず、退散した。
 明けて5月11日(天正2年閏11月19日)、佐竹(義重)、宇都宮(広綱)を通して降参した場合の条件などが示され、こ
れにより簗田(晴助)は城を明け渡して佐竹の元へ退いた。世にいう「関宿合戦」とはまさにこのことである。」
  ※底本:国立国会図書館蔵「小田原記」(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2563312?tocOpened)

 この書には異本が多く、内容や言い回しも少しずつ異なっています。作者や年代も不明の「軍記物語」つまり史実を元
にした物語文学であるため、全てが正確な内容とはいえません。しかし、当館で保管している簗田家文書とも内容が一致
しており、かなりの部分が史実に近い描写と考えられます。
 元の位置さえ分からない戦国時代の関宿城ですが、この文からは、二方を大きな川に囲まれており船で攻め込むしかな
かったこと、また城の周りは堅固な塀で囲まれていたことなどがうかがえます。450年の時を経てた今も、武者たちの鬨
(とき)の声やほら貝の音が聞こえて来るようです。                        (榎 美香)

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[4]季節だより
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 秋雨前線の停滞で、しばらく不順な天候が続きましたが、残暑の本番はこれからといったところでしょうか。熱中症に
もお気を付けください。
 9月になると、恒例の関宿城写生コンクール作品展の作品受付開始です。小学生、中学生、高校生の皆さんの作品をお
待ちしております。
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