千葉県立中央博物館分館海の博物館メールマガジン バックナンバー
海からのたより 第201号
配信日時:2021/11/01 08:30
  千葉県立中央博物館 分館海の博物館メールマガジン

 『海からのたより』 第201号
                          2021年11月1日発行

                 千葉県立中央博物館 分館海の博物館
                 http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/
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  海の博物館は、新型コロナウイルス感染防止対策を講じた上で通常どおり
 開館しています。
  入館時には体温計測、手指消毒、来館者情報記入等にご協力ください。
 また展示室では間隔を空けてご観覧ください

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│目次
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★令和3(2021)年度11月、12月の主催行事のご案内
★研究員ノート -形と色で勝負-
★海の博物館周辺の情報

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│★令和3(2021)年度11月、12月の主催行事のご案内
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            ※11月は海の博物館が主催する行事はありません

【講座】
 研究員がスライドやビデオ等を使って、海の生き物や自然を紹介する行事
 です。
 
 ●「海の博物館の魚類標本が出来るまで」  講師 海の博物館研究員
 海の博物館には約15,000点の魚類標本が収蔵されています。これらの標本が
 どのように収蔵され、標本として整理・保管されていくのかを紹介するとと
 もに、その活用のされ方や意義について解説します。
 ・開催日時:12/11(土)13:30~14:30
 ・対象:中学生以上
 ・定員:8名


≪申込方法≫
 行事ごとに、以下を明記の上、開催日2週間前必着で、海の博物館あてに
ハガキ・FAX・電子メールのいずれかでお申し込み下さい。
  定員を越えた場合は抽選となります。抽選結果はご連絡いたします。
   ※博物館ロビー受付でもお申し込みいただけます。

・記入事項(希望者全員の情報を記入)
  1.氏  名
  2.住  所(郵便番号も)
  3.電話番号
  4.年  令
  5.ご希望の行事名と日時

≪お申し込み・お問い合わせ先≫
  千葉県立中央博物館分館海の博物館
   〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
   電話 0470-76-1133  FAX 0470-76-1821
   電子メール umihaku@chiba-muse.or.jp


※新型コロナウイルスの感染状況によっては、中止となる場合があります。


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│★研究員ノート  -形と色で勝負-
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 たまに会う親戚から挨拶がわりに「どう?水族館の仕事忙しい?」と語りか
けられます。私の勤務先が海の博物館であることをだいぶ前に聞いて、それが
水族館に変換されてしまっているようです。勤めている立場からすると水族館
と自然誌博物館はまったく異なりますが、この違いを説明しだすと小一時間は
要するので、だいたい無視して「お陰様で...」などと返事をします。そもそ
も、日本では水族館も公立の自然誌博物館も「博物館法」という法律の下に置
かれる社会教育施設なので、実はそれほど的外れな勘違いではないのですが..。

 来館者目線で見ると、水族館と自然誌博物館の大きな違いは展示手法ではな
いかと思われます。水族館は水生生物の生きた個体を飼育展示し、優雅な動き
や色彩などを、海や川など自然の中に行かずとも観察できる施設です。一方、
自然誌博物館の展示は、動植物を主に剥製や模型、液浸標本などの状態で展示
しており、生きものの体の作りなどをじっくり観察してもらうことに軸足を置
いています。特に微細な体の作りは、顕微鏡などを使ってその構造がよくわか
るよう展示しているところが少なくありません。

 ところが、新型コロナウイルス感染予防対策の一環として、顕微鏡など、接
触型の手法を用いる展示がNGとされるようになりました。コロナ蔓延期間中に
企画展示を担当した同僚は、この手法を避けなければならないため、博物館と
して伝えたいことを伝えることができず、展示ストーリーを苦心しながら検討
していました。私も来たる令和4年2月26日(土)から開催予定の当館企画展
示「令和3年度マリンサイエンスギャラリー 千葉県エビ・カニ大集合!」の
担当として展示の準備をしています。この先、コロナが収束してくれることを
願うばかりですが、この状態が続くようであれば、接触型展示は避けざるを得
ません。幸い、今回のテーマとなるエビやカニでは、その形が多岐に渡り、標
本や剥製、画像を見ただけでその違いがよくわかります。例えば、千葉県には
分類学的にはイセエビに近いのですが、体が扁平で触角が短く、とてもエビと
は思えないゾウリエビという種類がいます。また、カニと一口にいっても、よ
く目にするカニとは大きく形が異なる種類は少なくありません。お祝いごとに
使われる「水引き」のように体も手足も細長いミズヒキガニはとてもカニとは
思えないスリムさですが、標本をよく観察すればカニの特徴を持っていること
がわかります。また、カラッパというグループのカニは、半球形の甲羅と幅広
いハサミの下に歩脚が完全に隠れてしまい、全体が半分に割ったメロンパンの
ようです。さらに、海産のテナガエビ科のエビ類には、他の無脊椎動物や魚類
と共生関係を持つ種類が多く、これらの色彩は種類ごとに大きく異なります。
今回の展示では、千葉県のエビやカニの豊かさを、形や色の違いから皆さんに
知っていただくことを念頭に準備を進めています。

(主任上席研究員 奥野淳兒)

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│★海の博物館周辺の情報
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【観光情報】

・かつうら海中公園海中展望塔
  海の博物館の真ん前にあります。水深8mの海中展望室から季節ごとの魚や
 海底の様子を楽しむことができます。
  詳しくは勝浦海中展望塔のホームページをご覧ください。
   http://www.katsuura.org/index.php 

・勝浦朝市は通常どおり(6時半頃~11時頃・水曜休み)開催されています。
  詳しくは勝浦市観光協会のホームページをご覧ください。
   https://www.katsuura-kankou.net/asaichitop/


【施設情報】

・勝浦市郷土資料室がオープン
  勝浦市立図書館の中に開設されました。郷土の歴史や文化財などをそれ
 ぞれのテーマを設けて展示紹介しています。
  休室日:月曜日・祝日(図書館の休館日と同じ)  
  問合せ先:勝浦市教育委員会生涯学習課生涯学習係
       0470-73-6665
  
・勝浦海中公園無料休憩所
  施設取り壊しのため利用できません。

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今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただきありがとうござ
いました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
    http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU
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