千葉県立関宿城博物館メールマガジン バックナンバー
せきはくマガジン第185号(263)
配信日時:2022/01/20 09:00
千葉県立関宿城博物館メール情報∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

          せきはくマガジン

http://www2.chiba-muse.or.jp/SEKIYADO/
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞第185号(263) 2022年1月20日∞
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 もくじ
[1]2月のイベント情報及び2月の休館日について
[2]2月中に募集が開始されるイベントについて
[3]せきはく豆事典「織田完之の印旛沼開拓計画と渋沢栄一」
[4]季節だより
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[1]2月のイベント情報及び2月の休館日について

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、講座等のイベントにつきましては、中止や内容等の変更が生じることがあり
ます。新しい情報につきましては、随時ホームページでご確認をお願いいたします。
 また、入館の際にはマスクの着用と検温にご協力ください。
 
●開館時間 9時開館、16時30分閉館
                       
★(1)昔のくらし展
    昔なつかしい民俗資料を中心に、「住まう」「食べる」「着る」「働く」「遊ぶ」の五つのテーマに沿って、
    昭和の頃の暮らしを紹介します。
   期  日  1月18日(火)~4月17日(日)
        (休館は月曜日。月曜日が祝日にあたる場合は開館し、翌日休館。)
   時  間  9時~16時30分
   場  所  千葉県立関宿城博物館 3階多目的室
   入場料  一般200円(団体160円)、高大生100円(団体80円)、中学生以下・65歳以上無料
        ※団体扱いは20名以上

★(2)博物館セミナー「浮世絵に描かれた船」
    当館の調査協力員、松井哲洋氏による博物館セミナーです。浮世絵にはよく船が描かれていますが、その船がどの
    ような船なのか、詳細な説明はほとんどなされていないようです。そこで今回は、いくつかの浮世絵について描か
    れている船の関連資料(板図、古文書や模型など)を使い、紹介します。
   期  日   2月13日(日)
   時  間   13時30分〜15時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  15名
   参加費  100円
   申込み  1月13日(木)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

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◆◆◆2月の休館日について◆◆◆
2月7日(月)・14日(月)・21日(月)・28日(月)は休館します。
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[2]2月中に募集が開始されるイベントについて
   (新型コロナウイルス感染拡大防止のため、中止となることがあります。)

◆(1)博物館セミナー「近世初頭関宿周辺の河川改修と開発」
    当館の調査協力員、新井浩文氏による博物館セミナーです。簗田氏に関する系図・系譜や近世前期の河川絵図等
    から、関宿周辺の河川改修と新田開発の歴史について取り上げます。
   期  日   3月13日(日)
   時  間   13時30分〜15時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  15名
   参加費  100円
   申込み  2月13日(日)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

◆(2)体験教室「関宿城下を歩こう(城下町コース)」
    千葉県立関宿城博物館の周辺を歩いて、江戸時代の関宿藩にゆかりのある史跡(関宿城本丸跡、筋違い十字路、
    外堀・土塁跡、関宿関所跡石碑、随庵堀と随庵碑)や寺院(昌福寺、時間次第で宗英寺)を学芸員が案内し、
    解説します。
   期  日   3月21日(祝・月)
   時  間   10時~12時(現地解散)
   場  所   【集合場所】千葉県立関宿城博物館 集会室
        【見学場所】千葉県立関宿城博物館周辺の史跡や寺院
   定 員  15名
   対 象  一般
   参加費  50円
   申込み  2月22日(火)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

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[3]せきはく豆辞典「織田完之の印旛沼開拓計画と渋沢栄一」
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 印旛沼の干拓は、江戸時代に田沼意次や水野忠邦などにより3度にわたって計画・着工されましたが、難工事のため資金
不足となったり、完成目前に大災害に見舞われたり、主導者が失脚したりして、いずれも途中で中断されてしまいました。
 この、見捨てられた印旛沼開拓計画に、明治になってから再度チャレンジした人がいます。織田完之という人物です。若
い頃は幕末の勤王の志士として活動していましたが、一旦投獄された後、明治新政府の大蔵省や農商務省の官吏となって土
木行政に力を注ぎました。
 織田は印旛沼を検見川につなげて東京湾まで通し、通船と新田開発を実現しようと、明治17年頃から本格的に活動を始め
ます。明治21年には「大明会」という組織を作り、ここには織田の他、伊藤博文や三島通庸、岩崎弥之助、奈良原繁そして
渋沢栄一など、財政界の要人を含む13名が名を連ねました。
 明治21年11月2日には、織田は渋沢栄一の私邸を訪ね、これまでの経緯や計画を詳しく説明しました。これを聞いた渋沢
は大いに賛同し、自ら署名調印します。そして「君、これをがんばりたまえ。成功すれば国家の大業となる。しかし、もし
成功しなくとも、それは恥辱ではない。」と励ましたそうです。12月7日には東京浜町の料亭に織田や渋沢など関係者9名が
会し、大いに気勢を揚げ皆で酒杯を傾けたといいます。
 渋沢栄一は単に名義を貸すだけでなく、予算書の確認をしたり、測量を依頼したオランダ人技師デレーケの派遣を伊藤博
文を介して催促してもらうなど仲介の労もとっています。
 こうして本格的な計画が進められたのですが、明治22年ようやく完成したデレーケの測量報告書を見た織田完之は、「そ
の主義のある所、曖々昧として明瞭ならず。口述の趣と差あり」と書いています。つまり、内容は曖昧で、また直接聞いて
いた話とは違っていると、がっかりしているのです。更に詳細な調査が必要とされましたが、この頃から資金繰りも厳しく
なってきました。その後は、たらいまわしのように扱われ、最後には内務省依頼の技師が明治25年に学生の卒業論文として
作成させた設計計画が最終版となりましたが、実行されないままお蔵入りとなってしまいました。
 こうした経緯を織田は『印旛沼経緯記』という書物にまとめ、明治26年に刊行しました。恐らく人生を賭けようとした大
事業発起のいきさつを記録に残し、区切りとしたかったのでしょう。この本には、渋沢栄一の「考古今験(古きを考え今を
験(ため)す)」の書が寄せられています。そして中には織田が描いた幻の「印旛沼開鑿成功予期図」の地図も折り込まれ
ています。志半ばで挫折した織田は土木農政事業から身を引き、平将門や楠木正成などの復権運動に献身するようになりま
した。
 この後、印旛沼の治水工事としては、大正11年に利根川と印旛沼をつなぐ長門川に水門が作られますが、東京湾への疎水
工事は手つかずのままとなりました。
 しかし第二次世界大戦後、食糧難対策の新田開発のための大規模干拓と東京湾に水路を通す疎水工事が行われることにな
りました。工事の速度はゆっくりで、昭和44年に完成した時には既に食糧難の状況は解消されていました。しかし、かつて
は湿地帯が広がっていた印旛沼の周辺には、現在広大な水田が広がり、先人たちが夢見た光景を目の当たりにすることがで
きます。                                            (榎 美香)

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[4]季節だより
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 このメルマガが配信される1月20日は、暦の上で「大寒」です。1年で一番寒い時期なんですね。でも、その先には
(各地で時期の違いはかなりあると思いますが)、確実に春の足音が聞こえてきます。
 当館3階多目的室では、「昔のくらし展」を開催中です。懐かしい昭和の時代を知る人も、そうでない人もぜひこの展示
をお楽しみください。皆様のご来館をお待ちしております。 

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 せきはくマガジン第185号(263)をお送りしました。毎月当館の新鮮な情報をお届けします。皆様からのお声をお待ちして
おります。お気軽にお寄せ下さい。
(お声を当マガジンに掲載させていただく場合もあります。)
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せきはくマガジン第185号(263)
発行:千葉県立関宿城博物館
      〒270-0201
      千葉県野田市関宿三軒家143-4 TEL 04-7196-1400  FAX 04-7196-3737
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