千葉県立中央博物館分館海の博物館メールマガジン バックナンバー
『海からのたより』第208号
配信日時:2022/06/01 08:30
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  千葉県立中央博物館分館 海の博物館メールマガジン

 『海からのたより』 第208号
                          2022年6月1日発行

                 千葉県立中央博物館分館 海の博物館
                 http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/
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 海の博物館は、新型コロナウイルス感染防止対策を講じた上で開館していま
す。入館時には、引き続き体温計測、手指消毒等にご協力ください。また展示
室では間隔を空けてご観覧ください。

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│目次
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★6月、7月の主催行事のご案内
★研究員ノート -波打ち際で見られるクサフグの産卵行動-
★海の博物館周辺の情報

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│★6月、7月の主催行事のご案内
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【展覧会】
 ●令和4年度収蔵資料展「九十九里浜の海の生きもの」
 房総半島の東岸に約60kmにわたって広がる九十九里浜は、日本でも有数の
規模を誇る砂浜海岸です。この展示では、九十九里浜に住む海の生きものに焦
点を当て、砂浜海岸にはどのような種類が住んでいるのか、砂浜の環境で生き
ていくために生きものたちはどのような生活をしているのかなどを紹介します。
・会期:7/16(土)~9/4(日)

【観察会】

  研究員の解説を聞きながら、自然の中で生きものをじっくりと観察します。
 保険料としてお一人様50円が必要です。
 荒天等の事情により、中止または日程や内容が変更となる場合があります。

 ●「磯で見られるヘンな生きもの」  講師 海の博物館研究員
 勝浦の磯で形や生態、名前がヘンな生きものを探し、じっくり観察します。
 ・日時:6/15(水・県民の日) 10:00~12:00
 ・対象:小学生以上(小学生は保護者同伴)
 ・定員:15名

 ●「親子で磯の魚を探そう」  講師 海の博物館研究員
 磯の潮だまりで見られる魚を捕まえて、その特徴や生態を紹介します。
 ・日時:7/29(金) 10:00~12:00
 ・対象:小学生と保護者
 ・定員:15名

【海の生きもの観察ツアー】

 研究員の案内で海の博物館の前の磯を歩き、さまざまな海の生きものを観察
します。磯観察初心者向けのミニ観察会です。
 ・日時:6/ 4(土) 13:00~14:00
          6/18(土) 13:00~14:00
     7/ 3(日) 13:00~14:00
          7/16(土) 12:00~13:00
     7/17(日) 13:00~14:00
          7/31(日) 11:30~12:30
 ・対象:小学生以上(小学生は保護者同伴)
 ・定員:各回15名

【みんなで工作 海の生きもの】

 海の生きものにちなんだ簡単な工作を行います。 

 ●「海で見つけた材料でオリジナルオブジェを作ろう」
 海で見つけた材料でオリジナルフォトフレームを作ります。
 ・日時:7/24(日) ①10:45~11:45 ②13:30~14:30
 ・対象:5才以上(小学生以下は保護者同伴)
 ・定員:各回16名
 ・材料費:一人50円
  

≪参加方法≫
 行事ごとに、以下を明記の上、開催日2週間前必着で、海の博物館あてに
ハガキ・FAX・電子メールのいずれかでお申し込み下さい。
  定員を越えた場合は抽選となります。抽選結果はご連絡いたします。
   ※博物館ロビー受付でもお申し込みいただけます。

・記入事項(希望者全員の情報を記入)
  1.氏  名
  2.住  所(郵便番号も)
  3.電話番号
  4.年  令
  5.ご希望の行事名と日時

≪お申し込み・お問い合わせ先≫
  千葉県立中央博物館分館海の博物館
   〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
   電話 0470-76-1133  FAX 0470-76-1821
   電子メール umihaku@chiba-muse.or.jp

※野外で行われる観察会は、保険料としてお一人50円が必要です。
※荒天等の事情により、中止または日程や内容が変更となる場合があります。
※新型コロナウイルスの感染状況によっては、中止となる場合があります。

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│★研究員ノート  -波打ち際で見られるクサフグの産卵行動-
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 フグのなかま(フグ科魚類)は、世界から約160種、日本から54種が知られ
ています。この中には、高級魚の代表格トラフグのように、食としてわれわれ
になじみ深い種も含まれています。しかしながら、彼らが実際に海中でどのよ
うな生活を送っているのか、わかっていないことがたくさんあります。
 例えば、トラフグでは水深数10 mの砂礫の海底で受精卵が見つかっている
ことから、そのような場所で産卵が行われていることが推測されます。しかし
ながら、一体いつ(時期、1日のうちの時間、周期性など)、どのような個体
が(なわばり制や配偶システムなど)、どのようにして産卵するのか(ペア産
卵・群れ産卵、放卵・放精のタイミングや頻度など)、海中で確認した人はま
だ誰もいません。これまでにフグのなかまで水中観察によって繁殖行動が詳し
く報告されているのは、シマキンチャクフグ(キタマクラに近いなかま)、ア
マミホシゾラフグ(「ミステリーサークル」をつくることで話題になったフグ
)などに限られています。フグに限らず魚の産卵行動を初めて海中で観察しよ
うとする場合、その時間や場所を手探りで見つけていかなければならないため
、容易なことではないのです。
 これに対して、クサフグの産卵行動は古くから知られており、誰でも間近に
観察することができます。実は、クサフグは海岸に群れで押し寄せて、波打ち
際で産卵しているのです。毎年5月から7月頃に全国各地の海岸で産卵が観察さ
れることから、初夏の風物詩としてよく新聞などに取り上げられます。
 クサフグが産卵場所としてよく利用している場所は、転石や粗い砂利のある
海岸で、千葉県では鴨川市小湊などで産卵が確認されています。勝浦市興津で
は、防波堤の周りに敷かれている岩の上で産卵することも確認されています。
ただし、産卵前に人の気配を感じると、クサフグはなかなか波打ち際に近づか
なかったり、すぐに岸から離れていったりしてしまいます。
 クサフグの産卵は地域によって異なりますが、房総沿岸では潮汐周期に合わ
せて行われています。潮まわりでいうと大潮前後の日で、1日でいうと満潮時
刻の数時間前から産卵が始まります。波打ち際ではお腹の大きなメスを複数の
オスが取り囲み、波の打ち寄せるタイミングで放卵と放精が繰り返されます。
すると、辺りの海は大量に放出された精子で真っ白に濁ります。一般に群れで
産卵する魚は、雌雄のペアで産卵する魚より大量の精子を放出することが知ら
れています。これはオスがなるべくたくさんの精子を放精することにより、自
分の精子で卵を受精させる確率を高め、自分の子孫をより多く残そうとする戦
略の一つであると考えられています。
                    (主任上席研究員 川瀬 裕司)

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│★海の博物館周辺の情報
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【観光情報】

・かつうら海中公園海中展望塔
    海の博物館の真ん前にあります。水深8mの海中展望室から季節ごとの魚や
 海底の様子を楽しむことができます。
   〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾174
  詳しくは勝浦海中展望塔のホームページをご覧ください。
   http://www.katsuura.org/index.php 

・勝浦朝市は通常どおり(6時半頃~11時頃・水曜休み)開催されています。
  詳しくは勝浦市観光協会のホームページをご覧ください。
  〒299-5233 千葉県勝浦市浜勝浦319
   https://www.katsuura-kankou.net/asaichitop/

【施設情報】

・勝浦市郷土資料室
  勝浦市立図書館の中に開設されました。郷土の歴史や文化財などをそれ
 ぞれのテーマを設けて展示紹介しています。
  休室日:月曜日・祝日・年始(図書館の休館日と同じ)  
  問合せ先:勝浦市教育委員会生涯学習課生涯学習係
  〒299-5235 千葉県勝浦市出水1297     ?0470-73-6665

・勝浦海中公園無料休憩所
  新たな施設の建設のため廃止となりました。

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今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただきありがとうござ
いました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
    http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU
お問い合わせはこちらへ umihaku@chiba-muse.or.jp
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の可能性も指摘されていますので、ご留意ください。)

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