千葉県立関宿城博物館メールマガジン バックナンバー
せきはくマガジン第191号(269)
配信日時:2022/07/20 09:00
千葉県立関宿城博物館メール情報∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

せきはくマガジン

http://www2.chiba-muse.or.jp/SEKIYADO/
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞第191号(269) 2022年7月20日∞
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 もくじ
[1]8月のイベント情報及び8月の休館日について
[2]8月中に募集が開始されるイベントについて
[3]せきはく豆事典「千代田之(ちよだの)御表(おんおもて)とその時代」
[4]季節だより
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[1]8月のイベント情報及び8月の休館日について

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、講座等のイベントにつきましては、
 中止や内容等の変更が生じることがあります。新しい情報につきましては、随時
 ホームページでご確認をお願いいたします。
 また、入館の際にはマスクの着用と検温にご協力ください。
 
●	開館時間 9時~16時30分
                       
★(1)パネル展「関宿周辺 歴史探検」
   関宿とその周辺に残る古代から近代までの史跡を、写真で紹介します。
 期  日   6月28日(火)~9月25日(日)
     (休館は月曜日。月曜日が休日の場合は開館し、翌日休館。)
 時  間   9時~16時30分
 場  所   3階多目的室
 入場料  一般200円、高大生100円、中学生以下・65歳以上・
      障害者手帳などをお持ちの方とその介護者は無料 

★(2)博物館セミナー2「川船の旅-木下茶船で三社詣-」
   当館の調査協力員、松丸明弘氏による博物館セミナーです。令和3年度に、
  関宿城博物館でパネル展「船の旅」が開催されました。そこで 紹介された史料
  とともに江戸時代に利根川流域で人気のあった三社(香取神宮、鹿嶋神宮、息栖神社)
  を巡る利根川クルーズ(船旅)について紹介します。
 期  日  8月21日 (日)
 時  間  13時30分~15時30分
 場  所  集会室
 定 員  30名(新型コロナウイルス感染拡大防止のため、定員を減らす場合が
      あります。
      また、状況により中止となる場合があります。)
 対 象  一般
 受講料  100円
 申込み  7月21日(木)9時から電話で申込み受付(先着順)
      04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

★(3)夏休み子どもスケッチ「高瀬船を描こう」
   第3展示室にある高瀬船の模型をじっくり見て、高瀬船をスケッチしながら高瀬船
  について学習します。夏休みの自由研究に最適です。参加された方には、缶バッジの
  プレゼントがあります。
 期  日  7月23日(土)~8月31日 (水)
 時  間  9時~16時30分
 場  所  第3展示室
 入場料  一般200円、高大生100円、中学生以下・65歳以上・
      障害者手帳などをお持ちの方とその介護者は無料 

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◆◆◆8月の休館日について◆◆◆
8月1日(月)・8日(月)・15日(月)・22日(月)・29日(月)は休館します。
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[2]8月中に募集が開始されるイベントについて
   (新型コロナウイルス感染拡大防止のため、中止となることがあります。)

◆(1)歴史講座「古文書を読む(初級編)《3回連続》」
   古文書によく出てくる基本的な単語や慣用句を読めるようにし、解読辞典の
  使い方も習得します。
 期  日   9月3日(土)、10月8日(土)、11月19日(土)
 時  間   10時~12時
 場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室
 定 員  30名(新型コロナウイルス感染拡大防止のため、定員を減らす場合が
      あります。また、状況により中止となる場合があります。)
 対 象  一般(3回連続参加できる方)
 受講料   初回のみ200円
 申込み   8月3日(水)9時から電話で申込み受付
      04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)



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[3]せきはく豆事典「千代田之御表とその時代」
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 千代田之御表(ちよだのおんおもて)は、1897年(明治30)に楊州周延(ようしゅうちかのぶ)に
よって描かれ、地本(江戸で作って売る大衆本)問屋の4代具足屋、福田初次郎によって出版
されました。これは、江戸城での将軍家の生活や年中行事などを大判三枚続(上野御成のみ六枚続)
に描いた、三十二からなる揃物(シリーズ)の浮世絵版画です。これは、周延が1890年代頃に
かけて、江戸時代には描けなかった江戸城内での武家社会の風俗や、江戸城大奥の女性たちを
数多く描いた時期に描かれたものです。これらが描かれた背景には、大日本帝国憲法公布と
同じ年の1889年(明治22)、旧幕臣たちにより、上野で盛大に開催された江戸開府300年を
祝う東京開市300年祭や、明治30年、徳川慶喜が30年ぶりに東京に戻るなど、当時の人々の
徳川家や江戸時代への郷愁と、今まで見られなかったものが見られる、という好奇心が、
影響を与えたのではないでしょうか。
 この作品を描いた楊州周延は、本名を橋本直義といい、1838年(天保9)8月8日、江戸詰の
高田藩士橋本弥八郎直恕(なおひろ)の嫡男として生まれます。
 彼は、藩士時代から浮世絵師、歌川国芳のもとで修行し、芳鶴(二代)の号を得ました。
国芳の死後は、歌川国貞の門人となりますが、彼も没します。国貞が没した翌年1865年
(慶応元)にその弟子、豊原国周の門人となり楊州周延と号すようになります。
 周延は、戊辰戦争で彰義隊と共に神木隊(高田藩の江戸詰藩士らが結成)隊士として戦った
経験からか、1877年(明治10)西南戦争をきっかけに、多くの戦争絵を描き、浮世絵師として
頭角を現します。
 明治時代の浮世絵版画は、文明開化の新しい建物、風俗を描いた開化絵が生まれ、その中で、
小林清親は
光や影を細密に捉え、輪郭を抑えた新たな風景版画「光線画」を、月岡芳年は、歴史上の
人物や事件を写実的に描いた「歴史画」を打ち立てました。そして、日清・日露戦争を題材
とした「戦争画」を最後に、1907年(明治40)頃には石版や写真版に押され衰退していきます。
 そんな中、周延は、頭角を現してから、およそ10年、役者絵、開化錦絵(文明開化を描いた
多色刷り版画)、歴史画(物語絵、稗史絵)、これまで描かれなかった明治天皇・皇后、
官女を描いた御所絵など、様々なジャンルで日本の近代を象徴する作品を描きます。そして
1886年(明治19)、洋装が正式に皇族夫人たちの礼装になると、数多くの洋装姿の御所絵や
美人画を描きます。しかし、それは1890年(明治23)頃までで、当時の世相から江戸への
郷愁が呼び起こされ「千代田之大奥」(1894〜1896年頃)など江戸城大奥の女性たちや、
江戸の女性風俗を数多く描くのです。千代田之御表もこの時期に描かれています。そして、
彼の代表作「真美人」(1897〜98年)では、それまでの江戸の風俗を描いたものとは異なり、
江戸と明治の価値観が入り混じる時代、その中で生きる女性たちを美人画に投影させ、明治と
いう時代の今をいきいきと描き出していったのではないでしょうか。
 当館にも周延の千代田之御表が、1階第三展示室入り口側、展示ケースにあります。
これは、三十二あるシリーズの三枚続きの1つで、「松戸宿船橋」といい、江戸時代、将軍が、
官牧である小金原(千葉県松戸市)に御鹿狩をしに行く途中、金町松戸間の江戸川に仮の橋、
船橋を架け、そこを将軍一行が渡る様子と御座船が描かれたものです。
ぜひ、博物館に足を運び、江戸の郷愁から生まれた、明治の一枚を見て頂ければ幸いです。
                                  (土井 瑞穂)
                                                    
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[4]季節だより
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 例年よりも早い梅雨明けとなりました。気温もぐんと上がり、この暑さに熱中症などで体調を
崩す人が増えています。また、新型コロナウィルスの感染拡大が心配されます。お身体にお気を
付けてお過ごしください。
 パネル展「関宿周辺 歴史探検」が開催中です。この夏の思い出に、足を運んでみませんか?
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せきはくマガジン第191号(269)
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