千葉県立中央博物館分館海の博物館メールマガジン バックナンバー
『海からのたより』 第210号
配信日時:2022/08/01 08:30
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
  千葉県立中央博物館分館 海の博物館メールマガジン

 『海からのたより』 第210号
                          2022年8月1日発行

                 千葉県立中央博物館分館 海の博物館
                 http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 海の博物館は、新型コロナウイルス感染防止対策を講じた上で開館していま
す。入館時には、引き続き体温計測、手指消毒等にご協力ください。また展示
室では間隔を空けてご観覧ください。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
│目次
└──────────────────────────────────
★8月、9月の主催行事のご案内
★研究員ノート - 九十九里浜の海の生きもの  -
★海の博物館周辺の情報

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
│★8月、9月の主催行事のご案内
└──────────────────────────────────

【展覧会】
 ●令和4年度収蔵資料展「九十九里浜の海の生きもの」
 房総半島の東岸に約60kmにわたって広がる九十九里浜は、日本でも有数の
規模を誇る砂浜海岸です。この展示では、九十九里浜に住む海の生きものに焦
点を当て、砂浜海岸にはどのような種類が住んでいるのか、砂浜の環境で生き
ていくために生きものたちはどのような生活をしているのかなどを紹介します。
・会期:7/16(土)~9/4(日)

【観察会】
  海の博物館前の海岸で、研究員の解説を聞きながら、生きものをじっくりと
観察します。
 保険料として、お一人様50円が必要です。
 荒天等の事情により、中止または日程や内容が変更となる場合があります。

 ●「親子で磯の魚を探そう」  講師 海の博物館研究員
 磯の潮だまりで見られる魚を捕まえて、その特徴や生態を紹介します。
 ・日時:7/29(金) 10:00~12:00
 ・対象:小学生と保護者
 ・定員:15名

【海の生きもの観察ツアー】
 研究員の案内で海の博物館の前の磯を歩き、さまざまな海の生きものを観察
します。磯観察初心者向けのミニ観察会です。
 ・日時:8/10(水)  9:30~10:30
          8/27(土) 10:30~11:30
          9/10(土) 10:00~11:00
 ・対象:小学生以上(小学生は保護者同伴)
 ・定員:各回15名

【みんなで工作 海の生きもの】
 海の生きものにちなんだ簡単な工作を行います。 
 ・対象:5才以上(小学生以下は保護者同伴)
 ・定員:各回16名   ・材料費:一人50円
 ・時間:①10:45~11:45 ②13:30~14:30

 ●「海で見つけた材料でオリジナルオブジェを作ろう」
 海で見つけた材料でオリジナルフォトフレームを作ります。
 ・開催日:8/7(日)

 ●「海藻おしばを作ろう」
 色とりどりの海藻を使って海藻おしばを作ります。
 ・開催日:8/21(日) 


≪参加方法≫
 行事ごとに、以下を明記の上、開催日2週間前必着で、海の博物館あてに
ハガキ・FAX・電子メールのいずれかでお申し込み下さい。
  定員を越えた場合は抽選となります。抽選結果はご連絡いたします。
   ※博物館ロビー受付でもお申し込みいただけます。

・記入事項(希望者全員の情報を記入)
  1.氏  名
  2.住  所(郵便番号も)
  3.電話番号
  4.年  令
  5.ご希望の行事名と日時

≪お申し込み・お問い合わせ先≫
  千葉県立中央博物館分館海の博物館
   〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
   電話 0470-76-1133  FAX 0470-76-1821
   電子メール umihaku@chiba-muse.or.jp

※野外で行われる観察会は、保険料としてお一人50円が必要です。
※荒天等の事情により、中止または日程や内容が変更となる場合があります。
※新型コロナウイルスの感染状況によっては、中止となる場合があります。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
│★研究員ノート  - 九十九里浜の海の生きもの -
└──────────────────────────────────

 千葉県の大部分を占める房総半島は、西・南・東の三方を海に囲まれていま
す。西は波の静かな東京湾に面した内湾の海(現在は人工海岸化が進んでいま
すが、元は干潟の広がる海岸でした)、南は岩場の多い磯を主体とする海岸、
そして東は外洋に面した砂浜海岸である九十九里浜と、それぞれ異なった環境
の海で特徴づけられます。今回は、海の博物館の展示や生きものの解説では登
場する機会の少ない九十九里浜と、生きものから見た砂浜海岸の特徴について
ご紹介しましょう。
 九十九里浜は、静岡県から愛知県にかけて位置する遠州灘に次ぐ、日本で2
番目の規模といわれる砂浜海岸です。北に位置する刑部岬(きょうぶみさき)
と南に位置する太東埼(たいとうざき)の間、千葉県東部の10市町村にまたが
る、緩やかなカーブを描いた60数kmの砂浜海岸が九十九里浜です。古くから有
名な海水浴場が多く、また最近ではサーフィンスポットとして知られるところ
もあり、私たちになじみの深い海岸といっていいでしょう。
 ところが、海の生きものを観察しようとする目からは、ちょっと違った姿が
見えてきます。実際に九十九里浜の波打ち際に立ってみると、眼に入るのは荒
い波と単調な砂の広がりだけで、一見したところ海の生きものはあまり目に入
りません。波の静かな内湾の干潟や、海の博物館の近くにあるような岩礁の海
岸では、それほど苦労せずにさまざまな生きものを直接目にすることができる
のとは大きな違いです。
 実際には、砂浜海岸にも多様な生きものが暮らしているのですが、九十九里
浜に限らず、砂浜の海は生きものを観察したり調査したりするうえではなかな
か難しいところです。常に打ち寄せる波に洗われる波打ち際はゆっくり生きも
のを探すには不向きですし、遠浅の砂地が続く海底は潜水調査をするのにも船
舶で調査をするのにも難があります。多くの生きものが砂に潜って生活してい
ることも、直接目視で生きものを観察することを難しくしています。このため、
砂浜海岸の生きものやその生態についての研究は、岩礁や干潟などほかの沿岸
生態系ほどには「広がりを見せていない」といわれています(須田有輔 (201
7)『砂浜海岸の自然と保全』より)。
 しかし、砂浜にはそこに住んでいる生きものやその遺骸が漂着物として打ち
上げられます。特に、貝類に代表される硬い殻を持つ生きものの遺骸は、元の
形をとどめているものが多くみられ、その場所にどんな生きものが生息してい
るかを知る手掛かりになります。砂浜に打ち上げられた貝類の種類を調べると、
その多くが砂浜海岸だけに住む種で、岩場の海岸で見つかる貝類とは種組成が
大きく異なっています。これは、甲殻類・ウニ類など他のグループの生きもの
でも同様です。砂に潜って生活する種の多い砂浜海岸と、岩に付着したり隙間
に潜りこんだりして生活する種の多い岩礁海岸では、生態系が大きく異なって
いることがわかります。
 海の博物館では、9月4日まで収蔵資料展「九十九里浜の海の生きもの」を開
催しています。この展示では、九十九里浜で見られる魚類・貝類・甲殻類など
さまざまな生きものを紹介しています。海の博物館近くの磯では見られない生
きものがたくさん紹介されていますので、海水浴で訪れる九十九里浜にどんな
生きものが住んでいるのかを、この機会にぜひご覧ください。
                    (主任上席研究員 立川 浩之)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
│★海の博物館周辺の情報
└──────────────────────────────────

【観光情報】

・かつうら海中公園海中展望塔
    海の博物館の真ん前にあります。水深8mの海中展望室から季節ごとの魚や
 海底の様子を楽しむことができます。
   〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾174
   http://www.katsuura.org/index.php 

・エデン(eden)
    7月30日に、レストラン、ショップと天然温泉スパを併設した複合施設が、
  博物館の海側、無料休憩所跡地にオープンしました。
  〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾272     0470-64-6370

・勝浦朝市は通常どおり(6時半頃~11時頃・水曜休み)開催されています。
  詳しくは勝浦市観光協会のホームページをご覧ください。
  〒299-5233 千葉県勝浦市浜勝浦319
   https://www.katsuura-kankou.net/asaichitop/

【施設情報】

・勝浦市郷土資料室
  勝浦市立図書館の中に開設されました。郷土の歴史や文化財などをそれ
 ぞれのテーマを設けて展示紹介しています。
  休室日:月曜日・祝日・年始(図書館の休館日と同じ)  
  問合せ先:勝浦市教育委員会生涯学習課生涯学習係
  〒299-5235 千葉県勝浦市出水1297     0470-73-6665

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただきありがとうござ
いました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
    http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU
お問い合わせはこちらへ umihaku@chiba-muse.or.jp
(電子メールにつきましては、送信途中において悪意のある第三者による盗聴
の可能性も指摘されていますので、ご留意ください。)

*このメールは送信専用メールアドレスから配信されています。
  返信いただいてもお答えできませんのでご了承ください。
登録内容の変更はこちらへ ##__MYPAGE_URL__##
配信停止はこちらへ ##__CANCEL_URL__##
無断転載はお断りします