千葉県立中央博物館分館海の博物館メールマガジン バックナンバー
『海からのたより』 第215号
配信日時:2023/01/01 08:30
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  千葉県立中央博物館分館 海の博物館メールマガジン

 『海からのたより』 第215号
                           2023年1月1日発行

                 千葉県立中央博物館分館 海の博物館
                 http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/
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 新年あけましておめでとうございます。

 本年が皆様にとりましてすばらしい年となりますよう、心よりお祈り申し上
げます。
 本年も皆さまに喜んでいただける博物館を目指して、海の博物館職員一同、
精一杯努力して参ります。 本年も海の博物館を応援していただけますよう、
よろしくお願い申し上げます。


 海の博物館は、新型コロナウイルス感染防止対策を講じた上で開館していま
す。入館時には、引き続き体温計測、手指消毒等にご協力ください。また展示
室では間隔を空けてご観覧ください。

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│目次
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★年始の開館
★1月、2月の主催行事のご案内
★研究員ノート - 間もなく始まる「房総の魚」展の見どころについて -
★海の博物館周辺の情報

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│★年始の開館
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 年始の開館:1月5日(木)から通常開館
   ※有料駐車場は、年末年始も営業しています。

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│★1月、2月の主催行事のご案内
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【展覧会】
●海のアート展 -真綿でつくるゆらゆらクラゲ-
 真綿で制作したクラゲ等の海の生きものの作品を主体として、作品の対象と
なった実際の生きものの解説パネルを展示し、海の生きものの魅力に迫ります。
また、真綿作品の制作方法も紹介し、生きものをじっくりと観察しながらその
形を再現する楽しさを伝えます。
・作品協力:熊田さやか(クラフト作家)
・会期:~2023/1/15(日)

●令和4年度マリンサイエンスギャラリー「房総の魚―名魚・珍魚・ふつうの
魚―」
 房総半島周辺で見られる「名魚」(水揚げされる代表的な魚、美味しい魚)、
「珍魚」(滅多に見られない魚、変わった形の魚、不思議な生活をおくる魚)、
「ふつうの魚」(現時点でふつうに見られる魚)を標本や映像で紹介するとと
もに、人とのかかわりや環境の変化について考えます。
・会期:2023/2/23(木・祝)~2023/5/7(日)

≪お問い合わせ先≫
  千葉県立中央博物館分館海の博物館
   〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
   電話 0470-76-1133  FAX 0470-76-1821
   電子メール umihaku@chiba-muse.or.jp

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│★研究員ノート - 間もなく始まる「房総の魚」展の見どころについて -
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 海の博物館では、例年2月中旬から5月のゴールデンウィークにかけて、マリ
ンサイエンスギャラリーを開催しています。これは、毎年異なるテーマで海の
生きものを深く掘り下げて紹介する企画展示です。今回は私が企画責任者とし
て、2年ほど前には仮タイトルを決めて、展示構成や項目について検討してき
ました。私の専門研究分野は魚類の生態であるため、テーマは魚類に関連した
ものになり、これまでに「子育てする魚」、「深い海に暮らす生きものたち」、
「房総の海の幸」を担当してきました。今回のテーマは「房総の魚」です。房
総の魚については常設展示で紹介していますし、過去の企画展示でも紹介して
きました。そこで今回は、「名魚」、「珍魚」、「ふつうの魚」という別の切
り口で房総の魚を紹介することにしました。
 「名魚」では、房総で水揚げされる代表的な魚や、美味しい魚を紹介します。
カツオは初夏になると房総沖を北上しますが、勝浦ではこのカツオを曳縄釣り
で漁獲してその日のうちに水揚げしています。このため鮮度が非常に良く、
「日戻りカツオ」と呼ばれています。カツオは生時と死後で体の模様が異なり
ますが、それを剥製等で紹介する予定です。また、今から10年ほど前に獲れた、
体がピンク色のカツオも紹介します。この標本は凍結保存しているので、残念
ながらご覧いただけませんが、写真でその色を紹介します。
 「珍魚」では、房総ではめったに見られない魚や変わった形の魚、不思議な
生活を送る魚を紹介します。内房地域では、昭和30年代に全長2 m前後のカラ
チョウザメとダウリアチョウザメの2種のチョウザメが混獲さました。いずれ
もそれ以降、房総からは全く記録がない貴重な標本です。これらのうち、今回
はカラチョウザメの剥製を公開します。本種の主要生息地は中国の長江周辺で、
九州沿岸では捕獲記録がありますが東日本では稀で、この個体は分布の東限記
録になっています。
 「ふつうの魚」では、いま房総でふつうに見られる魚を紹介します。潮がひ
いたときに海の博物館の前に広がる磯で見られる魚や、海に潜った時に見られ
る魚の繁殖行動を、水槽の魚やビデオで展示します。ふつうに見られる魚など
見てもつまらないと感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、実は企画責任
者からしては、今回いちばん見て頂きたい展示でもあります。「名魚」や「珍
魚」は比較的注目されやすく話題も豊富ですが、ふつうの魚はどちらかという
と見過ごされがちです。例えば、スズメダイやホンベラは温帯性の魚で、房総
沿岸の岩礁でふつうに見られますが、今後、長期的な海洋環境の変化によって
は、我々が気づかないうちに見られなくなってしまうかもしれません。それを
示す根拠となり得るのが、海の博物館で収集・保管している魚類標本や映像資
料です。ふつうに見られる同じ魚を何尾も保管するなんて一見無駄なように見
えますが、実は、いつ、どこに、どんな魚がいたかということを示す物的証拠
にもなるのです。今、房総でふつうに見られる魚を再認識して、「ふつう」に
見られる魚が今後どのように変化していく可能性があるのか、少し関心を寄せ
ていただければ幸いです。
 この他にもトピック展示としていくつか準備していますが、その一つでは、
南房総の駅弁に使用された魚と鉄道について紹介する予定です。2022年は日本
に鉄道が開通して150周年、外房線が電化されて50周年の節目を迎えました。
それにちなみ、昭和40年代に駅ホームで駅弁が販売されていた様子を80分の1
スケールの模型で再現するとともに、南房総で駅弁の具材として使用された魚
を紹介します。どんな鉄道車両や駅弁が登場するか、お楽しみに!
                    (主任上席研究員 川瀬 裕司)

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│★海の博物館周辺の情報
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【観光情報】

・かつうら海中公園海中展望塔
    海の博物館の真ん前にあります。水深8 mの海中展望室から季節ごとの魚
 や海底の様子を楽しむことができます。
   〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾174
   http://www.katsuura.org/index.php 

・エデン(eden)
    海の博物館前、レストラン、ショップと天然温泉スパを併設した複合施設。
  〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾272     0470-64-6370

・勝浦朝市は通常どおり(6時半頃~11時頃・水曜休み)開催されています。
  詳しくは勝浦市観光協会のホームページをご覧ください。
  〒299-5233 千葉県勝浦市浜勝浦319
   https://www.katsuura-kankou.net/asaichitop/

【施設情報】

・勝浦市郷土資料室
  勝浦市立図書館の中に開設されました。郷土の歴史や文化財などをそれ
 ぞれのテーマを設けて展示紹介しています。
  休室日:月曜日・祝日・年始(図書館の休館日と同じ)  
  問合せ先:勝浦市教育委員会生涯学習課生涯学習係
  〒299-5235 千葉県勝浦市出水1297     0470-73-6665

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今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただきありがとうござ
いました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
    http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU
お問い合わせはこちらへ umihaku@chiba-muse.or.jp
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の可能性も指摘されていますので、ご留意ください。)

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