千葉県立関宿城博物館メールマガジン バックナンバー
せきはくマガジン第197号(275)
配信日時:2023/01/20 09:00
千葉県立関宿城博物館メール情報∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

せきはくマガジン

http://www2.chiba-muse.or.jp/SEKIYADO/
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞第197号(275) 2023年1月20日∞
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 もくじ
[1]2月のイベント情報及び2月の休館日について
[2]お知らせ
[3]せきはく豆事典「関宿藩士が奉納した筑波山大御堂の算額」
[4]季節だより
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[1]2月のイベント情報及び2月の休館日について

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、講座等のイベントにつきましては、
 内容等を変更することがあります。新しい情報につきましては、随時ホームページ
 でご確認をお願いいたします。
 また、入館の際にはマスクの着用と検温にご協力ください。
 
●開館時間 9時~16時30分   


★(1)昔のくらし展
    昔なつかしい生活用具などを中心に、昭和の頃の暮らしを紹介します。
  期  日  1月17日(火)~4月16日(日)
      (月曜休館。月曜日が休日の場合は開館し、翌日休館。)
  時  間  9時~16時30分
  場  所  千葉県立関宿城博物館 3階多目的室
  入場料  一般200円(団体160円)、高大生100円(団体80円)、
       中学生以下・65歳以上・障害者手帳などをお持ちの方とその
       介護者は無料
   
★(2)博物館セミナー「河川敷の菜の花、セイヨウアブラナじゃなかった!?」
    当館の調査協力員、岩槻秀明氏による博物館セミナーです。春になると土手や
   河川敷を鮮やかに彩る菜の花。この野生の菜の花は、これまでセイヨウアブラナ
   とカラシナの2種類だと言われ、多くの図鑑にもそう書かれてきていました。
   ところがじつはこれが間違いであったことが判明しました。では河川敷の菜の花の
   正体は何なのでしょう。改めて「菜の花」について考え直してみたいと思います。
  期  日   2月12日(日)
  時  間   13時30分〜15時30分
  場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室
  定 員  30名
  参加費  100円
  申込み  1月12日(木)9時から電話で申込み受付(先着順)
       04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)


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◆◆◆2月の休館日について◆◆◆
2月6日(月)、13日(月)、20日(月)、27日(月)
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[2]2月中に募集が開始されるイベントについて
   (新型コロナウイルス感染拡大防止のため、内容等を変更することがあります。)

◆(1)博物館セミナー「関宿台町・宗英寺の石造物」
    当館の調査協力員、石田年子氏による博物館セミナーです。墓地内の大名墓
   や江戸初期からの商人墓など、宗英寺の石造物について現地で解説します。
   (集合及び解散は宗英寺の予定です。決定次第、ホームページでお知らせします。
   また当日の駐車場など、申込み時にお電話でお伝えします。)
  期  日   3月12日(日)
  時  間   13時30分〜15時30分
  場  所   宗英寺(野田市関宿台町57) 
  定 員  30名
  参加費  100円(保険代含む)
  申込み  2月12日(日)9時から電話で申込み受付(先着順)
       04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)


◆(3)体験教室「関宿城下を歩こう(城下町コース)」
    千葉県立関宿城博物館の周辺を歩いて、江戸時代の関宿藩にゆかりのある史跡(関宿城
   本丸跡、筋違い十字路、外堀・土塁跡、関宿関所跡石碑、随庵堀と随庵碑)や寺院(昌福寺、
   時間次第で宗英寺)を学芸員が案内し、解説します。
  期  日   3月21日(火・祝)
  時  間   10時~12時
  場  所   【集合】千葉県立関宿城博物館集会室 【解散】昌福寺
       【見学】千葉県立関宿城博物館周辺の史跡や寺院
  定 員  30名
  対 象  一般
  参加費  50円
  申込み  2月21日(火)9時から電話で申込み受付(先着順)
       04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)



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[3]せきはく豆事典「関宿藩士が奉納した筑波山大御堂の算額」
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 江戸時代は多くの人々が読み書きそろばんといった基礎学力を身につけていましたが、
なかにはさらに高度な数学を楽しむ人々もいました。その愛好者は武士や百姓といった
身分を問わず全国に存在しており、彼らによって和算と呼ばれる日本独特の数学文化が、
江戸時代に華開くことになります。当館にも近隣の旧家に伝わった和算関係の資料が収蔵
されているので、関宿周辺にも和算が広まっていたのは間違いありません。
 和算家たちは研究成果を発表するために、自分で考えた問題を絵馬にして有名な寺社へ
奉納しました。これは神仏へ学業成就を祈願するとともに、自作問題の解答術を同好の士へ
問う挑戦的な意味もありました。こうした算額の奉納は全国で盛んに行われ、野田市金乗院
にも安政6年(1859)の算額が現存しています。越後の和算家山口和は、自身の算術研究のため、
旅をしながら各地の算額を丹念に書写しています。彼の道中日記に記された算額の数は約320点。
今となっては非常に貴重な歴史情報です。 
 山口は文化15年(1818)正月7日に坂東二十五番札所の筑波山大御堂(つくば市)で、
寛政4年(1792)奉納の算額を写しています。それは直角三角形に内接する円の直径を問う
高度な問題で、奉納者は「関流藤田貞資門人 常州関谷戸 久世大和守家臣平井弥五太夫藤原
正義」とあります。常州関谷戸と書かれていますが、これは関宿藩士の平井弥五郎が筑波山へ
奉納した算額ということです。平井弥五太夫は「関宿世録之記録」(『野田市史』資料編近世1)
に平井家の三代とあり、先手物頭水野内蔵助組に所属していました。先手組は番方の警護役で、
そんな武芸を専らとする無骨そうな藩士が、筆を片手にそろばんを駆使しながら緻密な計算に
没頭していたわけです。その不釣り合いな姿を想像すると、何となく親近感が湧いてきます。
これは決して公文書からは見えてこない藩士の日常であり、彼らの文化的関心がうかがえる興味
深い事例です。この算額については現況を確認できていませんが、下総を常州としている点や
関宿が当て字になっていることを考えると、奉納者銘は平井本人ではなく寺院側が書いたのかも
しれません。 
 今後、こうした理数系分野にも注目していくことで、関宿周辺に展開した特徴ある多様な
文化に光を当てることができそうです。

(米谷 博)  
                                                  
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[4]季節だより
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 何年かぶりに大きな霜柱を見つけました。霜柱を見つけると、どうしても踏みたくなっ
てしまいます。懐かしさが勝ってしまうようです。
 さて、今月から「昔のくらし展」が始まります。ご来館お待ちしております。

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せきはくマガジン第197号(275)
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      〒270-0201
      千葉県野田市関宿三軒家143-4 TEL 04-7196-1400  FAX 04-7196-3737
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