千葉県立中央博物館分館海の博物館メールマガジン バックナンバー
『海からのたより』 第97号
配信日時:2013/03/01 00:10
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 海からのたより 第97号         2013年3月1日発行

      千葉県立中央博物館分館 海の博物館
      http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/


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│目次
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★マリンサイエンスギャラリーにチーバくんがやってくる!!
★3月の行事案内
★平成25年度の行事について【暫定版】
★研究員ノート - 海藻はどのくらい深い海まで見られる? -
★海の博物館周辺の情報


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│★マリンサイエンスギャラリーにチーバくんがやってくる!!
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 いよいよ平成24年度マリンサイエンスギャラリー「チーバくんと学ぶ 深い
海に暮らす生きものたち」が、2月16日(土)から始まりました。この企画展示
では、深い海にすむ生きものたちの体のつくりや人とのかかわりなどを、様々
な角度から紹介しています。

 今回は、海の博物館に千葉県のマスコットキャラクター「チーバくん」がや
ってきます。皆さんも、チーバくんと一緒に、深い海の生きものたちの暮らし
ぶりをのぞいてみませんか?

 チーバくんが来る日時は以下の通りです。
  3月16日(土)10:00~10:30 14:00~14:30
  3月17日(日)10:00~10:30 14:00~14:30
  3月20日(休)10:00~10:30 14:00~14:30

 たくさんの方々のご来館をお待ちしています。

 詳しくは海の博物館ホームページの企画展示の案内をご覧ください
http://www2.chiba-muse.or.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=bbs_view_main_post&post_id=220&block_id=6011#_6011


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│★3月の行事案内
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 海の博物館では、さまざまな行事を開催しています。
 皆様の参加をお待ちしております。

【企画展示】
 ○マリンサイエンスギャラリー
  「チーバくんと学ぶ 深い海に暮らす生きものたち」
  期間:2月16日(土)~5月6日(月・祝)
  場所:研修室


【観察会】
 ○「海藻を観察しよう」
   海の博物館の前の磯で見られる海藻を探して、観察します。
  対象:中学生以上 定員:20名
  日時:3月16日(土)11:00~13:30
  (申込み締切日:3月2日(土))
  参加費:50円(保険料)
  ※ハガキもしくは電子メール、FAXで、次を明記の上、当館あてにお送り
   下さい。また、海の博物館受付でも申込みできます。 
     1. 郵便番号・住所
     2. 氏名
     3. 電話番号
     4. 年齢
     5. 参加希望の行事の月日と名称


【磯・いそ探検隊】
 研究員の案内で当館周辺の自然を散策し、主に磯の生きものを観察します。
   定員各回15名。
   日時:3月30日(土) 11:00~12:00
   (当日申込み。先着順です。)


【海の体験コーナー】
    体験交流員といっしょに、海にまつわるさまざまなメニューにチャレ
     ンジする行事です。
   対 象:小学生以上(小学生は保護者同伴)
   定 員:各回 6 名(当日申込み。定員を超えた場合は抽選)
   参加費:無料(入場料は別途必要)
   日 時:
     3月 9日(土)「海藻おしばを作ろう」
     3月23日(土)「シラスを調べよう」
      *各日とも11:00と13:30開始の1日2回、それぞれ約20分間。
       皆さまの参加をお待ちしております。

   海の博物館の行事について、詳しくはこちらをご覧下さい
      http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=394

   行事の参加方法については、こちらをご覧下さい
      http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=533


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│★平成25年度の行事について【暫定版】
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 今年度も、たくさんの方が海博の行事に参加してくださいました。職員一同
心から御礼申し上げます。
 さて、平成25年度も、観察会や磯いそ探検隊などのフィールドでのイベント
をはじめ、海の生きものについての講座、各種館内行事を数多く開催します。
来年度の行事案内については、海博ホームページに掲載中です。どうぞご確認
ください。なお、この行事案内はあくまでも暫定版ですので、新年度になりま
したら、改めて行事カレンダーをご確認ください。
 来年度も、多くの方々のご参加をお待ちしております。

   平成25年度の行事案内【暫定版】はこちら↓
   (海博HPのトップページからPDF版をご覧いただけます)
   http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=60


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│★研究員ノート - 海藻はどのくらい深い海まで見られる? -
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 2月16日から本年度のマリンサイエンスギャラリー「チーバくんと学ぶ 深
い海に暮らす生きものたち」が始まりました。この企画展示では、容易には人
が直接観察することができない水深40m以深も含めて「深い海」としています
が、一般には「深海」というと水深200mより深い海を指し、展示されている生
きものの多くも、そのような深海にすむものです。そして、私の専門である海
藻の仲間は、「深い海の生きもの」としては一種も展示されていません。それ
では、海藻は、いったいどのくらい深い所まですむことができるのでしょう
か?

 海藻は、太陽の光を浴びて光合成を行って生きていますので、光が当たらな
い所では生きていくことができません。海中に射し込んだ光は吸収されたりし
て、深くなるにつれて徐々に暗くなり、日本近海では水深200mくらいで水面の
光量の1%くらいになってしまいます。このあたりの光量が海藻などの藻類が生
育するための限界であるようです。従って、日本近海で海藻が生育できる水深
は200mくらいまで、ということになるでしょうか。もっとも、水の透明度が低
ければ、水面から射し込んだ光は急速に吸収・反射されてしまい、東京湾の奥
などでは、水深5mあたりで真っ暗、海藻も全く見られなくなるようなので、透
明度の高いきれいな海では、という前提が必要になります。

 では、実際、水深200mあたりには海藻が生育しているのでしょうか? 海の
博物館のある千葉県勝浦市周辺でも、水深50mくらいまではコンブの仲間のカ
ジメなどの生育が記録されています。しかし、それ以深の観察記録については、
勝浦どころか、日本中で見てもほとんど見当たりません。世界中、というレベ
ルで見たときの情報も持っていません(もしかしたら私の勉強不足かもしれま
せん。情報がありましたら教えてください!)。動物を対象としたものでは、
水深が50mを超える場所で行われる底引き網などの漁業や、底生生物調査など
が行われているはずなので、そのような漁業や調査でもおそらく海藻はほとん
ど採集されないのでしょう。そう考えると、水深50mを超えてしまうと、海藻
は急激に減少していくと考えられます。

 そのような中で、50m以深に生育する海藻についてわずかに記録があるのは、
かなり昔、1938年の報告に遡ります。その報告では、日本海側の若狭湾や伊豆
諸島近海の水深100-200mくらいの場所から採集された海藻について書かれてい
ます。最も深い所では、水深199mから、コンブの仲間のツルアラメという種類
の成体が多数採集されています。伊豆諸島近海でも水深100-150mの場所から、
計30種以上の海藻が採集されています。

 このように、透明度が高いなどの条件のそろった場所では、水深100mを越え
るところでも、かなりの海藻が生えているのかもしれません。しかし、このよ
うな調査は、おいそれとはできないですし、おそらく、「海藻を探すため」と
いう目的ではほとんど行われることはないでしょう。その後、水深50mを越え
る深い海に生える海藻の情報はほとんど見当たりません。

 ところで、今回の企画展示でも紹介されていますが、海の博物館の開館準備
の段階で、千葉県館山市沖の館山海底谷にすむ生きものたちを、自走式水中テ
レビカメラで撮影しました。水深100mを越える場所にすむ多くの生きものたち
の映像が収集されていますが、実は、その中には海藻も写っていたのです。映
像から見ると、1個体だけですが、褐藻のカジメかクロメかと思われる海藻が
写っていました。残念ながら、やや遠景で撮影されており、また、海底に対し
て横たわるような形で写っていたため、種類の特定や、岩に付着しているのか
どうかは、はっきりとはわかりませんでした。従って、この個体は、浅い所に
生えていたものが、潮流などで流されてきた可能性も考えられます。もし、こ
の海藻がきちんと岩に着いて生えている様子が撮影されていたならば、大変貴
重な資料となったのですが・・・。ちょっと残念でした。

 ということで、今後、深い海の生きものの調査があった場合は、海藻も調査
対象にならないかなー、と思った次第です。(上席研究員 菊地則雄)


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│★海の博物館周辺の情報
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●「2013 かつうらビッグひな祭り」開催中!

 2月22日(金)~3月3日(日)に、全国的にもすっかり有名になった「かつ
うらビッグひな祭り」が今年も開催されています。
 徳島県勝浦町から譲り受けた7,000体のひな人形をはじめ、市内各所に飾り
つけられる25,000体を越すひな人形をご覧ください。

   詳しくは勝浦市のホームページをご覧ください。
    http://www.city.katsuura.chiba.jp/event/hinamatsuri.html


●勝浦海中公園では「ちっちゃいひな祭り」を開催中!

「かつうらビッグひな祭り」に併せて、海の博物館のお隣の勝浦海中公園では
「ちっちゃいひな祭り」を開催します。ここには、皆様から募集したオリジナ
ル手作りひな人形を展示しています。かわいらしいひな人形をどうぞご覧くだ
さい。

  詳しくは、(財)勝浦海中公園センターまで。
       〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾174
         TEL: 0470-76-2955 FAX: 0470-76-4251 
  http://www.bay-web.com/leisure/katsuura/


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 今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただき
 ありがとうございました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
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