千葉県立中央博物館分館海の博物館メールマガジン バックナンバー
『海からのたより』第219号
配信日時:2023/05/01 08:30
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  千葉県立中央博物館分館 海の博物館メールマガジン

 『海からのたより』 第219号
                           2023年5月1日発行

                 千葉県立中央博物館分館 海の博物館
                 http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/
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 海の博物館は、新型コロナウイルス感染防止対策を講じた上で開館していま
す。入館時には、引き続き体温計測、手指消毒等にご協力ください。また展示
室では間隔を空けてご観覧ください。

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│目次
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★5月、6月の主催行事のご案内
★研究員ノート -勝浦市で確認されたザトウクジラの漂着-
★着任職員紹介
★海の博物館周辺の情報

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│★5月、6月の主催行事のご案内
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【展覧会】
●令和4年度マリンサイエンスギャラリー「房総の魚―名魚・珍魚・ふつうの
魚―」
 房総半島周辺で見られる「名魚」(水揚げされる代表的な魚、美味しい魚)、
「珍魚」(滅多に見られない魚、変わった形の魚、不思議な生活をおくる魚)、
「ふつうの魚」(現時点でふつうに見られる魚)を標本や映像で紹介するとと
もに、人とのかかわりや環境の変化について考えます。
・会期:開催中~2023/5/7(日)

【観察会】
  研究員の解説を聞きながら、自然の中で生きものをじっくりと観察します。
 荒天等の事情により、中止または日程や内容が変更となる場合があります。


☆事前申込制の行事
●「磯で見られるヘンな生きもの」  講師 奥野 淳兒
 海の博物館前の磯で、形や名前がヘンな生きものを観察します。
 ・日時:6/4(日) 10:00~12:00
 ・対象:高校生以上
 ・定員:20名
 ・保険料:お一人様50円
 ・申込締切:5月21日(日)

≪参加方法≫
 行事ごとに、以下を明記の上、開催日2週間前必着で、海の博物館あてに
ハガキ・FAX・電子メールのいずれかでお申し込み下さい。
  定員を越えた場合は抽選となります。抽選結果はご連絡いたします。
   ※博物館入口横の受付でもお申し込みいただけます。

・記入事項(希望者全員の情報を記入)
  1.氏  名
  2.住  所(郵便番号も)
  3.電話番号
  4.年  令
  5.ご希望の行事名と日時

≪お申し込み・お問い合わせ先≫
  千葉県立中央博物館分館海の博物館
   〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
   電話 0470-76-1133  FAX 0470-76-1821
   電子メール umihaku@chiba-muse.or.jp


☆当日申込制の行事(要入場料)
【海の体験コーナー】
 海の生きものにちなんだ簡単な工作を行います。

 メニュー:「海で見つけた材料でオリジナルオブジェを作ろう」
     海で見つけた材料を使ってオリジナルオブジェを作ります。
 ・開催日:5/14(日)、28(日)

 メニュー:「海藻おしばを作ろう」
     さまざまな海藻を使って、海藻おしばを作ります。
 ・開催日:6/10(土)、24(土)

 ・対象目安:3歳以上(小学生以下は保護者同伴)
 ・定員:各回6名
 ・時間:(1)11:00~11:20 (2)13:30~13:50
 ・材料費:お一人様50円

【磯・いそ探検隊(フィールドトリップ)】
 研究員の案内で、博物館の前の海岸を歩き、いろいろな磯の生きものを観察
します。磯観察初心者向けの行事です。
 ・日時:5/5(金・祝)10:00~11:00
     5/7(日)11:00~12:00
     5/21(日)11:00~12:00
     6/17(土)10:00~11:00
 ・対象:3歳以上(小学生以下は保護者同伴)
 ・定員:15名
 ・保険料:お一人様50円

【博物館探検隊(バックヤードツアー)】
 ふだん見ることのできない博物館のバックヤードを、研究員の案内で巡りま
す。
 ・開催日:5/3(水・祝)、6/15(木・県民の日)
 ・メニュー:「飼育室ツアー」
     生きものをしいくしている飼育室を見学します。
 ・対象目安:3歳以上(小学生以下は保護者同伴)
 ・定員:各回15名
 ・時間:(1)11:15~11:45 (2)13:30~14:00

≪参加方法≫
 当日申込、先着順(入場者対象)。入場手続き後、受付にて参加申込をして
ください。
※新型コロナウイルスの感染状況によっては、中止となる場合があります。

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│★研究員ノート -勝浦市で確認されたザトウクジラの漂着-
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 今年(2023年)の3月初め、勝浦市の海岸に大型のクジラの死体が漂着して
いるのが、一般の市民の方に発見されました。この情報は通報を受けた勝浦市
役所の担当者を経由して、千葉市にある中央博物館本館に寄せられました。数
日後、中央博物館では鯨類担当の研究員を中心にこのクジラの調査を行い、海
の博物館からも研究員数名が調査に参加しました。
 今回見つかったクジラはザトウクジラでした。ザトウクジラは体長13~15
 mくらいになる大型のヒゲクジラで、他のヒゲクジラ類と比べて長い胸鰭(む
なびれ)を持つのが特徴です。北太平洋に住むザトウクジラは、夏の間はアリ
ューシャン列島周辺やベーリング海、アラスカ沿岸などの高緯度海域でオキア
ミや小型魚類などを食べて体に栄養を蓄えます。冬が近づくとアリューシャン
列島やベーリング海のものは小笠原や沖縄などの日本周辺に、アラスカ沿岸の
ものはハワイ諸島やカリフォルニア半島沖などに移動(回遊)します。低緯度
の暖かい海域で過ごす冬の間は餌を食べず、交尾や出産、子育てを行います。
春が近づくと、ザトウクジラたちは新しく生まれた子供を連れて再び餌の豊富
な高緯度海域に回遊していきます。近年、小笠原諸島や奄美諸島、琉球列島の
沿岸でホエールウォッチングの主な対象になっているのは、冬の時期に日本周
辺に回遊してくるザトウクジラです。 
 今回見つかったザトウクジラを調べたところ、体長が約9.6mのメスの個体で
した。ザトウクジラは体長4.5~5 mで出生し、8~10歳で体長11.6~12 mにな
り性成熟を迎えるとされているので、今回見つかったのは若いメスの個体であ
ることがわかります。体の腐敗の状況から、死亡してからおそらく1か月以上
が経過しているものと推察されましたが、調べた範囲では外傷などは見つから
ず、死亡の原因は特定できませんでした。
 クジラ類などが海岸に漂着することをストランディングといいます。日本全
国では、年間に約300件のクジラ類のストランディングがあると推定されてい
るそうです。私たち人間にとって、一生を海の中で過ごす巨大生物であるクジ
ラのことを調べるのは容易ではありません。ストランディングしたクジラを調
べることは、私たちがクジラについて理解するのに役立つ様々な知見を得る絶
好のチャンスなのです。
 今回調査したザトウクジラからは、脱落していたクジラヒゲ(ヒゲクジラ類
の口の中にある、餌を漉(こ)しとるための特殊な器官)や骨の一部、体表に
寄生していたオニフジツボというフジツボの一種などの資料のほか、DNA分析
用のサンプルを採取しました(中央博物館では、今回漂着したザトウクジラか
ら試料を採取・所持するにあたって、農林水産大臣あてに「学術目的所持の届
出書」を提出しています)。今後、これらの試料を詳しく調べるとともに、標
本を作製して展示や普及活動を通して多くの方にザトウクジラのことをご紹介
したいと考えています。
                     (主任上席研究員 立川 浩之)

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│★着任職員紹介
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 4月1日に4名の職員が海の博物館に着任しました。
 皆様どうぞよろしくお願いいたします。

●分館長 乃一 哲久
 私は、分館海の博物館の設置準備スタッフとして1994年に採用されました。
以来、数度の中央博物館本館等への異動を経て、海の博物館での勤務は、今回
が3度目となります。分館長として、海の博物館開館以来の理念である「みな
さまに海の自然についての知識や理解を深めていただくとともに、千葉県の自
然誌研究の発展に貢献する」ことを目指した館運営に努めてまいりますので、
よろしくお願いいたします。

●研究員 平田 和彦
 6年間勤めた本館より異動してまいりました。専門は海鳥の行動生態で、特
に沿岸域の人間活動が生態系に及ぼす影響に興味があります。学生時代には漁
船に乗ったり無人島で生活したりしながら、夜間の海鳥の行動を研究してきま
した。海博では、鵜原の地名の由来でもあるウミウ(世界中で、日本近海にし
か分布していないのに研究者が少ない!)の生態に迫りたいと意気込んでいま
す。よろしくお願いします。

●交流員 柏木 真弓
 約10年ぶりに海の博物館で勤務させていただくことになりました。ブランク
がありますが海博の一員として頑張ってゆきたいと思います。来館者の皆様を
笑顔でお迎えいたします!どうぞよろしくお願いいたします。

●会計年度任用職員 福本 早織
 6年ぶりに社会復帰しました。海が大好きなので、働けることにワクワクし
ています。どうぞ、よろしくお願いします。

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│★海の博物館周辺の情報
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【観光情報】

・かつうら海中公園海中展望塔
    海の博物館の真ん前にあります。水深8 mの海中展望室から季節ごとの魚
 や海底の様子を楽しむことができます。
   〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾174
   http://www.katsuura.org/index.php 

・エデン(eden)
    海の博物館前、レストラン、ショップと天然温泉スパを併設した複合施設。
  〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾272     0470-64-6370

・勝浦朝市は通常どおり(6時半頃~11時頃・水曜休み)開催されています。
  詳しくは勝浦市観光協会のホームページをご覧ください。
  〒299-5233 千葉県勝浦市浜勝浦319
   https://www.katsuura-kankou.net/asaichitop/

【施設情報】

・勝浦市郷土資料室
  勝浦市立図書館の中に開設されました。郷土の歴史や文化財などをそれ
 ぞれのテーマを設けて展示紹介しています。
  休室日:月曜日・祝日・年始(図書館の休館日と同じ)  
  問合せ先:勝浦市教育委員会生涯学習課生涯学習係
  〒299-5235 千葉県勝浦市出水1297     0470-73-6665

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今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただきありがとうござ
いました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
    http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/
お問い合わせはこちらへ umihaku@chiba-muse.or.jp
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