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千葉県立中央博物館分館 海の博物館メールマガジン
『海からのたより』 第221号
2023年7月1日発行
千葉県立中央博物館分館 海の博物館
http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/
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│目次
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★7月、8月の主催行事のご案内
★研究員ノート -地名「鵜原」の原点に迫るタイムトラベル-
★海の博物館周辺の情報
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│★7月、8月の主催行事のご案内
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【展覧会】
●令和5年度収蔵資料展「千葉県勝浦沖キンメ場の魚」
千葉県勝浦沖にはキンメダイを釣る漁場「キンメ場」があります。ここで漁
獲された魚は60種に上り、30種を海の博物館発行の本に掲載しました。この展
示では、本のページを拡大して、実物の魚類標本とともに紹介します。
・会期:7/15(土)~9/3(日)
☆事前申込制の行事
【観察会】
研究員の解説を聞きながら、自然の中で生きものをじっくりと観察します。
荒天等の事情により、中止または日程や内容が変更となる場合があります。
●「水中メガネで海の生きものを観察しよう」 講師:柳 研介
水中メガネの使い方を練習してから、海の生きものを観察します。
・日時:7/29(土) 9:30~12:00
・対象:小学生以上(小学生は保護者同伴)
・定員:20名
・保険料:お一人様50円
・申込締切:7月15日(土)
●「親子で磯の魚を探そう」 講師:川瀬 裕司
磯の潮だまりで見られる魚を捕まえて、その特徴や生態を紹介します。
・日時:8/2(水) 10:00~12:00
・対象:小学生と保護者
・定員:20名
・保険料:お一人様50円
・申込締切:7月19日(水)
≪参加方法≫
行事ごとに、以下を明記の上、開催日2週間前必着で、海の博物館あてに
ハガキ・FAX・電子メールのいずれかでお申し込みください。
定員を超えた場合は抽選となります。抽選結果はご連絡いたします。
※博物館入口横の受付でもお申し込みいただけます。
・記入事項(希望者全員の情報を記入)
1.氏 名
2.住 所(郵便番号も)
3.電話番号
4.年 令
5.ご希望の行事名と日時
≪お申し込み・お問い合わせ先≫
千葉県立中央博物館分館海の博物館
〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
電話 0470-76-1133 FAX 0470-76-1821
電子メール umihaku@chiba-muse.or.jp
☆当日申込制の行事(要入場料)
【磯・いそ探検隊(フィールドトリップ)】
研究員の案内で、博物館の前の海岸を歩き、いろいろな磯の生きものを観察
します。磯観察初心者向けの行事です。
・日時:7/ 2(日) 9:30~10:30
7/17(月・祝)10:00~11:00
8/ 4(金)12:00~13:00
8/15(火)10:00~11:00
8/16(水)10:00~11:00
・対象:3歳以上(小学生以下は保護者同伴)
・定員:各回15名
・保険料:お一人様50円
【博物館探検隊(バックヤードツアー)】
ふだん見ることのできない博物館のバックヤードを、研究員の案内で巡りま
す。
・定員:15名
・時間:各日(1)11:15~11:45 (2)13:30~14:00の2回
メニュー:「標本庫ツアー」
標本を保管している標本収蔵庫を見学します。
・対象目安:小学生以上(小学生以下は保護者同伴)
・開催日:8/11(金・祝)、8/12(土)
メニュー:「飼育室ツアー」
生きものを飼育している飼育室を見学します。
・対象目安:3歳以上(小学生以下は保護者同伴)
・開催日:8/13(日)
【みんなで工作 海の生きもの】
海の生きものにちなんだ簡単な工作を行います。
・対象目安:5歳以上(小学生以下は保護者同伴)
・定員:各回15名
・時間:各日(1)10:45~11:45 (2)13:30~14:30の2回
メニュー:「海で見つけた材料でオリジナルオブジェを作ろう」
海で見つけた材料でオリジナルフォトフレームを作ります。
・開催日:7/23(日)、8/6(日)
メニュー:「海藻おしばを作ろう」
色とりどりの海藻を使って海藻おしばを作ります。
・開催日:8/20(日)
≪参加方法≫
当日申込、先着順(入場者対象)。入場手続き後、受付にて参加申込をして
ください。
※新型コロナウイルスの感染状況によっては、中止となる場合があります。
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│★研究員ノート -地名「鵜原」の原点に迫るタイムトラベル-
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今年は令和5年。千葉県が誕生してから150年の節目の年です。現在、海の博
物館がある吉尾地区は「勝浦市」ですが、千葉県ができた明治6年当時は「興
津町」でした。それより前は、西隣に位置する鵜原地区とともに「鵜原村」を
構成していました。
「鵜原」という地名は、たくさんの鵜が生息するのが由来とする説がありま
す。実際に、鵜原には季節的に多くの鵜が集まります。『勝浦市史』には、鵜
原海岸の西に伸びる断崖にはウミウとヒメウの集団ねぐらが形成され、毎年11
月から翌4月頃にかけて600羽以上が越冬することが、ねぐらの写真とともに記
載されています。私は海の博物館に着任した今年4月から、日没後にこのねぐ
らの個体数を日和見的に調査していますが、4月上旬に400羽近くを数えて以降、
中旬に約200羽、下旬に数十羽、そして5月には10羽程度と順調に数を減らし、
6月に入るとほとんど見られなくなりました。
さて、この鵜のねぐらを観察して気づいたことがありました。ねぐらに参加
した各個体の位置関係に注目すると、ランダムに崖に止まっているのではなく、
列になって横に並んでいる個体が多いのです。1羽の鵜を「・」で表すとすれ
ば、「… ……… ……」といった具合で、遠くからみると「一」のように見
えます。それが崖のいろいろな高さの所に何列もあって「三」のように見えま
す(実際には10列以上!)。さらに何日か観察を続けると、いつもだいたい同
じ位置に鵜の列ができることがわかりました。
なぜ、鵜はいつも同じ場所に、しかも列状に止まるのでしょうか。明るい日
中に断崖を眺めると、その答えがわかりました。断崖の岩肌にはいくつもの
縞々(地層)があり、鵜が列をなして寝ていた位置はその縞々と一致したので
す。さらに縞々の部分を双眼鏡で詳しく観察すると、崖から張り出して棚状に
なっており、断崖絶壁にあって貴重な鵜が止まれる構造となっていました。で
は、この構造はどのようにして生み出されたのでしょうか。鵜原の断崖は三浦
層群清澄層と呼ばれる約400万~500万年前に主に砂の層と泥の層が交互に堆積
した地層でできています。プレートの運動を受けて隆起する大地が太平洋の荒
波に削られて海食崖が作り上げられる過程で、比較的柔らかい砂岩層が盛んに
侵食されたのに対し、硬い泥岩層はあまり削られずに残りました。鵜の止まり
場になった棚状の部分は、風波の侵食に耐えた泥岩層だったのです。鵜たちは、
人やネコなどの天敵を寄せつけない大きな海食崖と、そこにできた小さな岩棚
という、鵜原ならではの大地の特徴をうまく利用して暮らしています。鵜原の
大地には、私たち人もまた、地層の性質を活かした素掘りのトンネルや関東大
震災の前まで使われていた海岸の生け簀、さらには風光明媚な理想郷の景観な
どの恩恵を生かされています。
「鵜原」という地名の由来をとことん紐解くと、断崖の地層が堆積した数百
万年前から現在まで続く地球の歴史を遡れるかもしれません。
(研究員 平田 和彦)
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│★海の博物館周辺の情報
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【観光情報】
・かつうら海中公園海中展望塔
海の博物館の真ん前にあります。水深8mの海中展望室から季節ごとの魚
や海底の様子を楽しむことができます。
〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾174
http://www.katsuura.org/index.php
・エデン(eden)
海の博物館前、レストラン、ショップと天然温泉スパを併設した複合施設。
〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾272 0470-64-6370
・勝浦朝市は通常どおり(6時半頃~11時頃・水曜休み)開催されています。
詳しくは勝浦市観光協会のホームページをご覧ください。
〒299-5233 千葉県勝浦市浜勝浦319
https://www.katsuura-kankou.net/asaichitop/
【施設情報】
・勝浦市郷土資料室
勝浦市立図書館の中に開設されました。郷土の歴史や文化財などをそれ
ぞれのテーマを設けて展示紹介しています。
休室日:月曜日・祝日・年始(図書館の休館日と同じ)
問合せ先:勝浦市教育委員会生涯学習課生涯学習係
〒299-5235 千葉県勝浦市出水1297 0470-73-6665
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今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただきありがとうござ
いました。
発行 千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/
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