千葉県立中央博物館分館海の博物館メールマガジン バックナンバー
『海からのたより』 第99号
配信日時:2013/05/01 00:10
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  千葉県立中央博物館分館 海の博物館メールマガジン

 『海からのたより』 第99号
                          2013年5月1日発行

                 千葉県立中央博物館分館 海の博物館
                 http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/


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│目次
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★開館・閉館日のお知らせ
★5、6月の行事案内
★マリンサイエンスギャラリーをお見逃しなく!
★研究員ノート -世代を越えて受け継がれる思い-
★着任職員紹介


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│★開館・閉館日のお知らせ
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 ゴールデンウィーク期間中の開館・閉館日は以下の通りです。

  4月27日(土)~5月6日(月・振休) 開館
  5月 7日(火)   閉館、
  5月 8日(水)   臨時閉館
    5月 9日(木)~  通常通り

※詳細は海の博物館ホームページをご覧ください。
 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=403


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│★マリンサイエンスギャラリーをお見逃しなく!
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 平成24年度マリンサイエンスギャラリー「チーバくんと学ぶ 深い海に暮ら
す生きものたち」(企画展示)では、巨大なタカアシガニやダイオウイカ、オ
オウナギのほか、深い海にすむさまざまな生きものの標本や動画などを展示紹
介してあり、大変好評をいただいています。
 会期は5月6日(月・振休)までとなっていますので、どうぞお見逃しなく。
 また、ゴールデンウィークには、各種のイベントも目白押しです。皆様のご
来館をお待ちしています。

 展覧会の詳細をホームページから見ることができます。
http://www2.chiba-muse.or.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=bbs_view_main_post&post_id=220&block_id=6011#_6011


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│★5、6月の行事案内
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 海の博物館では、5月6月は観察会などのさまざまな行事を開催しています。
 皆様の参加をお待ちしております。

 詳しくはこちらをご覧下さい
   http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=394
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【講座「深い海に暮らす生きものたち」】
 深い海にすむ生きものたちの体のつくりや人とのかかわりなどを紹介します。
  対象:小学生以上(小学生は保護者同伴) 定員:20名
  事前申し込みですが、当日受付も可能です。
  日時:5月4日(土祝)13:30~14:30

【観察会「春の鵜原理想郷で植物を観察しよう」】
 鵜原理想郷は風光明媚な岬です。景色を楽しみながら、春の植物を観察しま
しょう。
  対象:一般 定員:15名(残りわずかです)
  日時:5月6日(月・振休)10:00~15:00

【観察会「親子で磯の生きものを探そう その2」】
 初めて磯遊びをするお子様や,磯によく見られる生きものについて学んでみ
たいお子様向けの観察会です。
  対象:小学生と保護者 定員:20名(定員になり次第締め切ります。)
  日時:5月12日(日)10:00~12:00

【観察会「潮だまりでエビやカニを探そう」】
 春の磯を訪れて、エビやカニを探しましょう。
  対象:小学生以上(小学生は保護者同伴) 定員:20名
  日時:5月26日(日)10:00~12:00
  (申込み締切日:5月12日(日))

【観察会「海の生きもの基礎実習(講座同時)」】
 磯で見られる生きもののフィールドでの観察方法や採集方法を学び、室内で
それらの生きものの特徴を調べます。
  対象:一般(指導者向け) 定員:15名
  日時:6月9日(日)10:00~15:00
  (申込み締切日:5月12日(日))

【博物館探検隊】
 普段見ることのできない、博物館のバックヤードを、研究員の案内で紹介し
ます。定員各回15名。
   6月15日(土・県民の日)11:00~11:30、13:30~14:00
   (当日申込み。先着順です。)

【タッチプール】
 飼育室で色々な生きものに触ってみましょう。定員各回10名。
   5月 5日(日) 11:00~、11:30~、13:00~、13:30~
   (当日申込み。定員になりしだい締め切りとなります)  

【海の体験コーナー】
 体験交流員といっしょに、海にまつわるさまざまなメニューにチャレンジす
る行事です。
   5月11日(土)「海藻おしばを作ろう」
  5月18日(土)「微小貝を探そう」
  6月 1日(土)「オリジナルオブジェを作ろう」
  6月29日(土)「微小貝を探そう」
  11:00からと13:30からの1日2回、約20分間開催します。
 (当日申込み。定員6名。定員を超えた場合は抽選となります)

   海の博物館の行事について、詳しくはこちらをご覧下さい
      http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=394

   行事の参加方法等については、こちらをご覧下さい
      http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=533


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│★研究員ノート -世代を越えて受け継がれる思い-
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 ”目には青葉 山ほととぎす 初がつを”(山口素堂)
 千葉県勝浦市の勝浦漁港は、カツオの水揚げ量では全国でも有数の漁港の一
つです。初夏に向かうこれからの季節は、沖合を流れる黒潮に乗ったカツオの
北上が増えて、勝浦漁港での水揚げが本格化します。毎年6月上旬にはカツオ
祭りが開かれ、市内外からの多くの方々で賑わいます。

 この勝浦漁港がある場所は、勝浦市浜勝浦という地区で、昔は浜勝浦村とい
う海岸に面した漁村でした。江戸時代には、隣接する勝浦町地区とともに、廻
船の寄港地として賑わったところです。特に浜勝浦村の前海は、大型廻船の入
津に適していたといいます。地図を見ると、旧浜勝浦村は南に開く勝浦湾の東
側にあたり、丘陵の裾部に張り付くようにして村域が広がっているのがわかり
ます。現在漁港魚市場のある場所は、当時は海面で、集落は丘陵直下の狭い緩
傾斜地に営まれていました。
 この浜勝浦村を、よく見ると背後の丘陵地の一部とその裏側の谷間の一部に
も地区域が広がっています。そして、標高約25mのこの丘陵上には集落があり、
海岸部とを結ぶ幅2mほどの坂道も作られています。

 元禄16年(1703)の大地震では、房総半島から伊豆半島地域にかけて大津波が
押し寄せて人命や財産などに多大な被害を出しました。勝浦湾でも津波による
犠牲者があったことは、当時の文書などに記されています。
 実は、元禄地震津波の資料調査をしていく中で、浜勝浦地区の丘陵上の集落
はこの津波と大いに関係があったことがわかりました。享保3年(1718)、浜勝
浦村の名主さんたちと隣接の勝浦町の名主さんたちとの話し合いを行ったこと
を受けて、当時の領主勝浦植村氏の役所が、丘陵上に家屋敷を移すことを許可
する旨の文書を出しています。この文書を見ると、大波によって居屋敷が欠損
する被害が出ているので、勝浦町域の丘陵上に新たな屋敷地を作るよう指示し
た事によるものでした。そして浜勝浦村から丘陵上への津波からの避難道も作
るというものでした。元禄の大津波を経験し、地盤の変動によるものか海波の
影響も受けやすくなるなど、海岸に面した場所での危険性を認識していたこと
がわかります。しかし、漁村として生活の場である海と集落とを切り離すこと
がないよう、津波避難道を設けていることも注目されます。

 この丘陵地上の集落は、「新屋敷」といい、現在でも地元ではそう呼んでい
ます。また避難道についても、地元の方々は「津波用心道」と言います。300
年の時を経ても変わらずにあることは、津波の教訓が人々に継承されていると
も言えるもので、とても大切なことといえるでしょう。
 先の東北地方太平洋沖地震では、甚大な津波被害により忘れ去られていた先
人の多くの教訓が改めて見直されたことは、様々なメディアで取り上げられた
ところです。
 海の博物館が所在する地元勝浦で、今日まで忘れ去られることなく連綿と受
け継がれていることに感心し安堵するのは私だけでしょうか。
(主任上席研究員 本吉 正宏)


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│★着任職員紹介
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 4月1日に3名の職員が新たに海の博物館に着任しました。皆様どうぞよろし
くお願いいたします。

●原 正利(分館長)
 新しく分館長として赴任しました原正利と申します。専門は森林生態学です。
これまでは中央博物館の本館で生態園の植物管理などの仕事をしてきました。
森は海の恋人という言葉があるように、生態学的には、海と森は物質の循環や
生物の移動を通してつながっていることが知られています。房総の海と森の関
係について考えていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

●高木 慎哉 主査(庶務担当)
 4月より海の博物館に着任しました高木と申します。昭和60年に採用され
てから高等学校9校、特別支援学校1校を勤務してきました。博物館(学校以
外)は初めてなので不安もありますが、新鮮な気持ちで仕事に取り組めそうで
す。自宅は市内の浜勝浦で通勤時間は10分です、3月までは長距離通勤でし
たので、この異動には感謝しています。海博には長く在籍させていただきたい
ので、よろしくお願いします。

●大石  岳 副主査(庶務担当)
 初めまして、4月より海の博物館の庶務として着任した大石と申します。表
に出る機会は少ないのでお客様と直接接する機会は少ないと思いますが、縁の
下の力持ちとして海の博物館を支えていけたらと思っています。趣味は釣りで
すので海の生き物には少なからず興味を持っています。
皆様よろしくお願いいたします。


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 今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただき
 ありがとうございました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
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お問い合わせはこちらへ umihaku@chiba-muse.or.jp
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