千葉県立中央博物館メールマガジン バックナンバー
★ ちば中央博メール 2013年7月号 ★
配信日時:2013/07/10 08:00
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    ちば中央博メール 2013年7月号 (2013年7月10日発行・第83号)
          http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/

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目次

1.お知らせ
2.中央博の窓
3.イベント情報
(1)中央博物館本館・生態園 企画展・テーマ展示
(2)中央博物館本館・生態園 当日参加できるイベント
(3)大利根分館
(4)大多喜城分館
4.コラム:研究室から

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1.お知らせ
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梅雨が明け、暑い夏がやってきました。生態園の舟田池ではカイツブリの夫婦が6つ
の卵を代わる代わる抱卵中。今月末にはかわいい雛が誕生する予定です。中央博物館
本館では7月13日から夏の展示「写真展 海の宝石 ウミウシの世界」が、20日からは
地域連携展「世界の音を聴こう!」が始まります。また、大多喜城分館では11日から
収蔵資料展「大多喜藩の弓術」が、大利根分館では20日から収蔵資料展「深海のいき
ものたち」が始まります。夏休み向けの企画も多数ご用意しています。みなさまお誘
い合わせの上、お越し下さい。

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2.中央博の窓-46 〜 大多喜藩の弓術 〜
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初夏を迎えた大多喜城は吹き抜ける風もさわやかです。さて、7月11日から収蔵資料展
「大多喜藩の弓術」が始まります。今回は、大河内松平家に仕えた弓術指南役森家に
伝来した日置(へき)流雪荷(せっか)派弓術資料を紹介します。江戸時代には「礼
は小笠原、射は日置」といわれ、日置流雪荷派は実戦的な弓術として知られていまし
た。森家資料には、当時の弓・矢・鏃(やじり)などの実物資料だけでなく、弓術用
具に関する詳細な彩色図や競技図が豊富に残されており、太平の世であっても実戦的
な鍛錬の姿が見てとれます。また、産屋の魔除けに使用した黒札や呪文は弓術が呪術
にも深く関わっていたことが分かります。収蔵資料展は10月20日までの開催。ぜひ足
をお運びください。        (大多喜城分館 主任上席研究員 地引尚幸)

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3.イベント情報
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(1)中央博物館本館・生態園
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◆【夏の展示 写真展 海の宝石 ウミウシの世界◆
 会期:7月13日(土)〜9月8日(日)
 会場:第2企画展示室
 内容:色とりどりの色彩やさまざまな模様に彩られ、生きている海の宝石とも呼ば
    れるウミウシのなかまを、日本各地で撮影した写真で紹介します。

 詳しくはこちら↓
 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=804

◆【地域連携展】世界の音を聴こう!◆
 会期:7月20日(土)〜9月1日(日)
 会場:企画展示室
 共催:千葉市科学館
 内容:世界各地で録音したすてきな音が北極を中心に並べられた24個のスピーカー
    から流れてきます。シャチの会話やリスボンの下町の音・・・お気に入りの
    音を探しに、世界旅行にでかけましょう!

◆【トピックス展】千葉県のレア・アース鉱物◆
 会期:開催中〜7月15日(月祝)(好評につき会期延長中)
 会場:房総の地学展示室前
 内容:レア・アース元素を含む特殊な鉱物「チェフキン石」が千葉県で発見・記載
    されました。その標本と共に、特徴や現地の産状などを紹介します。

 詳しくはこちら↓
 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=793

◆【生態園トピックス展】生態園のトンボ◆
 会期:7月9日(火)〜8月18日(日)
 会場:生態園オリエンテーションハウス(入場無料)
 内容:トンボは空飛ぶ宝石と呼ばれます。生態園で見られるトンボを中心に、写真
    と標本でトンボの世界を紹介します。

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(2)中央博物館本館・生態園 当日申し込みのイベント(7月10日〜8月10日)
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◆講座・観察会
【展示解説 ウミウシを知ろう】
 期日:7月15日(月祝) 11:00〜12:00/13:30〜14:30
 場所:第2企画展示室

【ネーチャー!! サタデーコンサート(音のこころ)】
 期日:7月20日(土) 14:00〜15:30
 場所:一階ホール
 内容:「世界の音を聴こう!」展の初日を飾り、世界各地の歌を歌います。海へ山
    へ自然を楽しむ夏休み。みんなが知ってる歌の中にも自然がいっぱいです。
    一緒に歌いましょう。

【体験イベント「世界の森の音をききくらべよう」】
 期日:7月21日(日) 13:00〜14:00
 場所:研修室
 内容:開催中の「世界の音を聴こう!」展の作者、川崎義博氏が、世界の森の音を
    聴かせてくれます。
 対象:どなたでも(小学生以下は保護者同伴)・先着30名程度

【歴史学講座2 〜考古編1〜】
 期日:7月21日(日) 13:30〜15:00
 場所:講堂
 内容:房総の縄文時代の狩猟についてお話します。
 対象:どなたでも・先着200名

【夏休み自由研究相談会(前編)】
 期日:7月27日(土) 10:00〜15:00(随時受付)
 場所:一階ホール
 内容:夏休みの自由研究についての相談をお受けします。
 対象:小学生以上・定員なし

【砂カード(ジオパッド)をつくろう】
 期日:8月4日(日) 10:00〜15:00
 場所:研修室
 内容:カードケースにカラー砂と水をいれていろいろな砂模様をつくります。
 対象:小学校3年生以上・先着20名
 費用:材料費100円(実費)

◆生態園の講座・観察会
【森の調査隊】
 期日:毎週土曜日、日曜日及び祝祭日、学校の夏季休業日
 時間:9:00〜16:00(随時受付)
 内容:ワークシートをもって園内を歩きながら自然を観察する体験プログラムです
 *団体向けには原則として別途、平日に予約制で実施しています。

【とりの声キャッチ名人】
 期日:毎週土曜日(祝日を除く)
 時間:10:30〜12:00/13:30〜15:00(随時受付)
 内容:野鳥観察舎でききみみずきんのアプリを使って野鳥の声を録音し、聴き分け
    ます。

 ※生態園は夏休み期間中も月曜日は休園します。

◆山のフィールドミュージアム関連行事
【山の学校112「川の生きもの2」】
 日時:7月20日(土) 13:00〜16:00
 場所:清和県民の森(君津市豊英)
 内容:小糸川上流の渓谷で、川の生きものを観察します。幼児でも楽しめるような
    ゆっくりペースの観察会です。
 受付:清和県民の森「木のふるさと館」にて当日12:30〜12:50に受付します。
    事前申込は必要ありません。
 費用:無料、別途保険料50円が必要
 対象:どなたでも(小学生以下は保護者同伴)・定員なし


◆【そのほかの7月・8月の講座・観察会】の詳細はこちらから↓
 7月 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=470
 8月 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=471

◆【ミュージアム・トーク】(研究職員による展示・資料解説)詳しくは↓で
 7月 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=482
 8月 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=483

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(3)大利根分館 http://www.chiba-muse.or.jp/OTONE/ 電話:0478-56-0101
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◆【収蔵品展「深海のいきものたち」】◆
 会期:7月20日(土)〜9月1日(日) 9:00〜16:30
    月曜休館(月曜が祝日の場合はその翌日)
 場所:大利根分館第3展示室
 内容:深海に棲む魚・カニ・貝の標本とそれらの生態を紹介します。
 入館料:一般:200円 大・高生:100円 65歳以上及び中学生以下:無料

◆【講座「水郷の自然と歴史」深海のエビやカニ】
 日時:7月27日(土) 13:30〜15:00
 場所:大利根分館集会室
 内容:収蔵品展「深海のいきものたち」に関連する講座です。
 費用:無料
 対象:中学生以上・当日先着40名

◆【講座「ザリガニ釣り」】
 日時:7月28日(日) 10:00〜16:00
    午前の部:10:00〜、午後の部:13:30〜
 場所:館庭の自然観察池
 内容:ザリガニ釣りを通じて自然に親しみ、外来生物についても考えます。
 費用:無料
 対象:どなたでも(但し、未就学児童は保護者同伴)・当日先着20名
 ※ザリガニは持ち帰れません。

■大利根分館からのお知らせ■
大利根分館は4月より9月まで通常開館しています。10月より、団体受入専用期間とな
りますのでご注意下さい。事前予約を承った学校や一般団体の見学受け入れ、学校へ
の出前授業(昔のくらし等)は通年行っています。ご希望の学校・団体の方は、お早
めに当館までご相談下さい。

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(4)大多喜城分館 http://www.chiba-muse.or.jp/SONAN/ 電話:0470-82-3007
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◆【収蔵資料展】 大多喜藩の弓術◆
 会期:7月11日(木)〜10月20日(日)
 場所:大多喜城分館
 内容:日置(へき)流雪荷(せっか)派として、大多喜藩の弓術指南役を務めた森
    家旧蔵の弓術関係資料を通して大多喜藩の武士の生活の一端を紹介します。

 詳しくはこちら↓
 http://www2.chiba-muse.or.jp/index.php?key=bb2izrnji-4777#_4777

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4.研究室から・・・19 寒い海のウミウシ
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 千葉県の海は、暖流である黒潮と寒流である親潮の両方の影響を受けています。暖
流を好む海洋生物は種類が多く、カラフルなものが多く見られます。一方、寒流を好
む生物も、暖流域ほどの華やかさはありませんが、千葉県の海洋生物相を構成する重
要な要素です。7月13日から開催される夏の展示「写真展 海の宝石 ウミウシの世界」
に関連し、今回は千葉県で見られる寒流系のウミウシについてご紹介しましょう。
 千葉県で寒流の影響を一番受けるのは銚子の沿岸です。この海域で生物相を調査す
ると、しばしば寒流系の生きものが見つかります。私がこれまでに調査した中では、
寒流系のウミウシとしてエゾカスリウミウシ・チシオウミウシ・エムラミノウミウシ
などが採集されました。これらの種は、日本では東北・北海道などの沿岸に多く、さ
らに北太平洋をはさんで北アメリカ太平洋岸のアラスカからカリフォルニアの沿岸に
も分布しています。いずれの種も相模湾周辺以北から記録があるとされていますが、
銚子以外の千葉県沿岸では非常に希な種と思われます。私はこれまでに宮城県や岩手
県の海岸でも生物調査をしたことがありますが、これらの海域でも上記のような寒流
系のウミウシを採集することができました。これまで銚子でしか見つけていなかった
種類を実際にこれらの海域で見つけた時には、これらが本当に寒流系の種類だと実感
したことを覚えています。このような寒流系の海洋生物と暖流系の海洋生物の両方が
見られるところが、千葉県の海の面白さでもあると思います。
                 (動物学研究科 主任上席研究員 立川浩之)
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◆発 行
 千葉県立中央博物館
 〒260-8682 千葉市中央区青葉町955-2
 電話:043-265-3111 FAX:043-266-2481
 http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/
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 返信いただいてもお答えできませんのでご了承ください。
◆お問い合わせは、電話またはFAXでお願いします。
◆大多喜城分館、大利根分館に関するお問合せは各館に直接お電話をお願いします。
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