千葉県立関宿城博物館メールマガジン バックナンバー
せきはくマガジン第83号(161)
配信日時:2013/07/20 12:00
千葉県立関宿城博物館メール情報∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
           
                    せきはくマガジン
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∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞第83号(161) 2013年7月20日∞∞
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  もくじ
[1]8月のイベント情報及び8月の休館日について
[2]8月中に募集が開始されるイベントについて
[3]せきはく豆事典「江戸時代たまご事情」
[4]季節だより
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[1]8月のイベント情報及び8月の休館日について
●開館時間 9時開館,16時30分閉館。(ただし入館は16時まで)

★(1)昆虫展-身近な生物たち-
    日本に生息しているトンボ・チョウ・バッタなどの昆虫標本を展示し,
    当館周辺で見られる昆虫を写真で紹介します。また,カブトムシ・チョ
    ウ・セミなどの大型模型も展示します。
  期  間   7月2日(火)~9月1日(日)    
  時  間   9時~16時30分(ただし,入館は16時まで)
  場  所   千葉県立関宿城博物館3階多目的室
  入館料   一般:200円(団体160円),高大生:100円(団体80円) 
        中学生以下・65歳以上:無料

★(2)第37回千葉県移動美術館 千葉県立美術館名品展 野田会場
      -あなたの街に美術館がやってくる!-
   千葉県立美術館の収蔵作品の中から選定した作品21点を展示します。
  期  間   8月3日(火)~8月18日(日)    
  時  間   9時~16時30分(ただし,入館は16時まで)
  場  所   千葉県立関宿城博物館2階企画展示室
  入館料   一般:200円(団体160円),高大生:100円(団体80円) 
        中学生以下・65歳以上:無料
 *ギャラリートーク;8/4(日)11:00からと13:30からの2回実施。(要入館料)

★(3)歴史講座「古文書を読む(初級編)」
    関宿地域に関係のある古文書をテキストにして,それを読み解きます。
  期  日    8月11日(日),9月8日(日)
  時  間   10時~12時
  場  所   千葉県立関宿城博物館集会室
  定  員   20名
  対  象   一般(連続2回参加できる方)
  受講料   無料
  申込み   受付は終了しています。
           04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

★(4)博物館セミナー-1-
    当館展示協力員の石田年子氏が,「利根川流域の観音順礼-野田市の順礼
   塔を中心に-」と題して講演します。内容は以下のとおりです。利根川流
   域は古くから西国観音霊場を中心とする観音順礼が盛んな地域でした。利
   根川中流域にあたる野田市内にも多様な順礼塔が残されており,そこから
   庶民の信仰と旅を推察します。
  期  日   8月25日(日)
  時  間   13時30分~15時30分
  場  所   千葉県立関宿城博物館集会室
  定  員   30名
  対  象   一般
  受講料   200円(資料代)
  申込み   7月25日(木)9時より電話で申込み受付(先着順)
           04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

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 ◆◆◆8月の休館日について◆◆◆ 
    5日(月),12日(月),19日(月),26日(月)

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[2]8月中に募集が開始されるイベントについて

◆(1)博物館セミナー-2-
    当館展示協力員の岩槻秀明氏「河川域の外来種問題を考える-関宿城周辺
   の河川域の状況-」と題して講演します。河川域は,多様な生物が生息す
     る空間としての大切な役割を担っています。水系や地域ごとに生息する生
   物種が異なり,それぞれの地で特有の生態系を構築しています。しかし,
   近年は大量の外来種が入りこみ,河川域に生息する生物たちが危機的な状
   況に追いやられています。関宿城博物館周辺の利根川や江戸川の事例を中
   心に,外来種問題についての現状を紹介します。
  期  日   9月29日(日)
  時  間   13時30分~15時30分
  場  所   千葉県立関宿城博物館集会室
  定  員   30名
  対  象   一般
  受講料   200円(資料代)
  申込み   8月29日(木)9時より電話で申込み受付(先着順)
           04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

◆(2)郷土食講座「投網漁と川魚料理」
     地元の漁師さんの指導のもと,投網のやり方を体験しナマズやコイなど
   の川魚料理を作って試食します。
  期  日   9月22日(日) 
  時  間   10時~14時
  場  所   千葉県立関宿城博物館
  定  員   20名
  対  象   一般
  保険料   50円
  申込み   8月22日(木)9時より電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課) 
           
◆(3)体験教室 -みんなでふれあい体験-「河川敷のいきものさがし-バッタ
   さがし-」
   千葉県立関宿城博物館の利根川・江戸川の河川敷を散策しながら,そこに
   生息する昆虫を当館展示協力員の岩槻秀明氏の案内で観察します。特に,
   バッタを探して観察します。
  期  日   9月28日(土)
  時  間   10時~12時
  場  所   千葉県立関宿城博物館集会室及び広場
  定  員   20名
  対  象   一般
  参加費   100円
  申込み   8月28日(水)9時より電話で申込み受付(先着順)
           04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

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[3]せきはく豆事典「江戸時代たまご事情」
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  どんなゆで卵が好きか聞くと,人によって好みがまちまちのようです。よ
く湯だった固めの卵,黄身に少し赤さの残る半熟玉子,黄身の中心がとろり
とゆるい半熟玉子など千差万別。中には温泉卵が一番という人も。
  現在では身近な食材となっている鶏卵ですが,関宿藩領境河岸でのたまご
の取り扱いを参考に,江戸時代のたまご事情を見ていくことにしましょう。
境には大きな河岸問屋が2軒あり,そのうちの一つが小松原家でした。小松
原家には当時の荷の取引を記録した大福帳が残されていて,江戸と地方との
間で取引された荷物の種類や荷主などが詳しく記載されています。
  江戸時代中ごろの元文期(1730年代ころ)から後期の天保期(1830~40年
代ころ)までの4冊の大福帳で取引経過をみると,元文期から寛政期(1790
年代ころ)までは微増傾向ですが,天保期に取扱量が飛躍的に増大していま
す。
  養鶏は近世初期が始まりとされています。寛永期(1630年代ころ)に家光
がポーランドから輸入した鶏を仙台の伊達家,水戸の徳川家に与え,そこで
の飼育が養鶏の本格化につながったといわれ,生類憐みの令で一時衰退しま
すが,八代将軍吉宗が養鶏を奨励し(1720~30年代ころ)新種の鶏が輸入さ
れたことで飛躍的な隆盛をみたそうです。
  境河岸で扱う鶏卵の生産地も元文期では仙台,水戸など初期に養鶏が盛ん
であった所が目立ちますが,天保期(1830年代ころ)に至ると東北地方でも
須賀川,白川の藩領域である南部に特化します。さらに,現在の栃木から茨
城の鬼怒川や利根川流域の村々が生産の主体となります。このように,生産
地は次第に江戸という大消費地へ近づくとともに,船による輸送に便利な大
型河川沿いの村々に移っていきます。そして,境河岸は周辺農村の鶏卵の集
積地として,また,鬼怒川・利根川沿岸の鶏卵生産地からの荷の経由地とし
て機能を果たしていきます。
 天明3年(1793)の浅間山噴火以来,利根川の河床が徐々に上がったこと
で境河岸での荷の扱い量が減っているにもかかわらず,境河岸での鶏卵の取
扱量が増加していることや,それを取り扱う江戸の問屋の数が増加している
ことなどからも,次第に鶏卵の需要が増え江戸庶民にも受け入れられていっ
たことが窺えます。
 江戸末期に書かれた「守貞謾稿」によると,かけそば16文に対してゆで卵
が一個20文で売買された時もあったとの記載があり,生産量が少なかったこ
とや輸送が面倒であったことなどから,卵は今と違って高価な食材であった
ようです。
 卵は輸送時に割れてしまっては商品になりません。また,保存も大変でし
た。江戸時代では(今でも通用するようですが),よく乾かした木箱内に湿気
のない清砂や乾燥した籾殻などを詰め,卵の鈍端を上に向けて置き,風通し
のよい冷暗所で保管するとよいとされました。夏で1か月,冬には3か月くら
いは大丈夫とのことです。いずれにしても,江戸時代のころは籾殻などで養
生し,慎重に運んだのでしょう。遠隔地からの大量輸送を可能にした舟運は
物資の流通に大きな影響を与えていますが,卵の流通もまた然りで,江戸時
代後期に利根川・鬼怒川流域で鶏卵の生産が盛んであったこともうなずけま
す。
 ちなみに,卵の大きさをL・Mなどと表記しますが,白身の量が違うだけ
で黄身の大きさはあまり変わらないそうです。(太田)
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[4]季節だより
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 暑中お見舞い申し上げます。
 暑い日が続いております。皆さんの体調は大丈夫でしょうか。
 今日から夏休みというお子さんが多いと思います。昆虫展は,お子さんたち
におすすめです。特にカブトムシ・チョウ・セミの大型模型はビックリします。
本当にこの大きさの昆虫がいたら怖いだろうなと思います。
 8/3~8/18には千葉県移動美術館が開催されます。現在,千葉県立美術館は耐
震工事のため休館中です。皆さんが,一度は目にしたことのある高村光太郎
「手」,梅原龍三郎「純子像」などの作品を展示します。会期が短いのでお見
のがしのないように。
 この夏,お子さん向けや大人向けの展示会を用意しています。お子さんと一緒
でのご来館をお待ちしております。
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