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ちば中央博メール 2013年8月号 (2013年8月10日発行・第84号)
http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/
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目 次
1.お知らせ
2.中央博の窓
3.イベント情報
(1)中央博物館本館・生態園 企画展示・テーマ展示
(2)中央博物館本館・生態園等 当日参加できるイベント
(3)大利根分館
(4)大多喜城分館
(5)その他
4.コラム:研究室から
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1.お知らせ
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夏真っ盛り、ヒマワリやムクゲが咲き、潮風にハマユウが揺れて波打ち際は子供たち
の歓声が響いています。そして、青葉の森からは騒がしいほどのセミの声が聞こえて
きます。今、中央博物館本館では、ニューヨークの雑踏からアラスカの大自然まで、
汎地球レベルで録音した多様な音の風景を聴かせてくれる地域連携展「世界の音を聴
こう!」を開催中です。私たちの日常の暮らしの中に、新たな音の風景を発見できる
かもしれません。そして、海の宝石に出会える夏の展示「ウミウシの世界」、空飛ぶ
宝石に近づけるトピックス展「生態園のトンボ」も同時に開かれています。また、大
利根分館の収蔵資料展「深海のいきものたち」、大多喜城分館の「大多喜藩の弓術」
も必見です。夏休みの後半には、恒例の「夏休み自由研究相談会(後編)」も開催し
ます。是非、博物館まで足をお運び下さい。
※夏休み期間中(〜8/31)、中央博本館は無休ですが、生態園、大利根分館、大多喜
城分館は月曜日に休館(園)いたします。
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2.中央博の窓-48 〜千葉県立中央博物館での短期滞在研究〜
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中央博物館の宮正樹博士と共同研究ができることを、アメリカ合衆国の大学院生とし
て大変光栄に思います。私はアメリカ東海岸のワシントンD.C.に程近いウィリアムズ
バーグにあるヴァージニア海洋研究所に在籍し、チョウザメ類の系統と生物地理を研
究しています。中央博物館では宮先生に分子生物学の技術的指導を受け、世界に20種
類ほどいるチョウザメ類のミトコンドリアゲノム全長配列を決定しているところです。
近い将来、世界のチョウザメ類の系統と進化を解き明かし、博士号を取得したいと考
えています。中央博物館ではすでに多くのことを学びました。博物館は知的雰囲気に
満ちており、展示はとても印象的でしかも刺激的です。展示では、とくにクジラの骨
格標本が素晴らしく、脊椎動物の進化について思いを馳せることができました。また、
房総半島の地質学的な成り立ちについても多くのことを学びました。そして、アメリ
カに比べて長い豊かな歴史をもつ日本にはとりわけ大きな印象を受けました。さらに、
人間と自然の関わりを大切にする日本に大きな関心をもちました。私は中央博物館で
研究する機会を得ることができて本当に幸運でした。新たな技術を学ぶだけでなく、
日本の歴史を学び大きな刺激を受けました。宮先生と一緒に研究できる機会を与えて
頂いたこと、そして、中央博物館の皆さんに親切にして頂いたことに感謝致します。
ケイティー・メイ・ローマン(ヴァージニア海洋研究所)(訳:宮 正樹)
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3.イベント情報
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(1)中央博物館本館・生態園 企画展示・テーマ展示
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◆【夏の展示】 写真展 海の宝石 ウミウシの世界◆
会期:7月13日(土)〜9月8日(日)
会場:第2企画展示室
内容:色とりどりの色彩やさまざまな模様に彩られ、生きている海の宝石とも呼ば
れるウミウシのなかまを、日本各地で撮影した写真で紹介します。
詳しくはこちら↓
http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=804
◆【地域連携展】 世界の音を聴こう!◆
会期:7月20日(土)〜9月1日(日)
会場:第1企画展示室
共催:千葉市科学館
内容:世界24か所で録音したすてきな音が、北極を中心に並べられた24個のスピー
カーから流れてきます。シャチの会話やリスボンの下町の音・・・お気に入
りの音を探しに、世界旅行にでかけましょう!
◆【生態園トピックス展】 生態園のトンボ◆
会期:7月9日(火)〜8月18日(日)
会場:生態園オリエンテーションハウス(入場料無料)
内容:トンボは空飛ぶ宝石と呼ばれます。生態園で見られるトンボを中心に、写真
と標本でトンボの世界を紹介します。
◆【生態園トピックス展】 あなたが聞いた秋の音を教えてください ◆
会期:8月27日(火)〜12月8日(日)
会場:生態園オリエンテーションハウス(入場料無料)
内容:生態園でキャッチ(録音)した鳥や虫の声を再生。あなたも秋の音をみつけ
てみませんか?
ポスターはこちら↓
http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=813
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(2)中央博物館本館・生態園等 当日参加できるイベント(8月10日〜9月10日)
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◆本館の講座・観察会
【勾玉をつくろう】
日時:8月11日(日) 10:00〜12:00/13:30〜15:30
場所:研修室
内容:自分だけのオリジナルな勾玉をつくります。
対象:どなたでも(3年生以下は保護者同伴)
定員:各回30名
費用:材料費300円(実費)
【歴史学講座3 〜古文書編1〜】
日時:8月18日(日) 13:30〜15:00
場所:講堂
内容:古文書を基に歴史を読み解きます。
対象:どなたでも
定員:先着200名
【夏休み自由研究相談会(後編)】
日時:8月24日(土)・8月25日(日) 10:00〜15:00
場所:一階ホール・研修室
内容:夏休みの自由研究についての相談を受けます。
対象:小学生以上(小学生は保護者同伴)
定員:なし
【石仏入門講座】
日時:9月7日(土) 13:00〜15:30
場所:講堂
内容:近世の石仏に関して解説します。
対象:中学生以上
定員:先着200名
◆生態園の講座・観察会
【生態園ギャラリー 〜あなたの発見おしえてください〜】
日時:9月8日(日) 10:00〜16:00
場所:生態園オリエンテーションハウス
内容:生態園であなたが見つけた自然を、写真と短い説明文でおしえていただき、
解説板として園路に設置します。
対象:小学生以上(小学生は保護者同伴)
定員:なし
【森の調査隊】
日時:毎週土曜日、日曜日及び祝祭日、7月23日〜8月30日 9:00〜16:00(随時)
内容:ワークシートをもって生態園内で自然を観察する体験プログラムです。
対象:どなたでも(小学生は保護者同伴)
定員:なし
【とりの声キャッチ名人】
日時:毎週土曜日(祝日を除く)
時間:10:30〜12:00/13:30〜15:00(随時)
内容:ききみみずきんのアプリを使って野鳥の声を録音し、聴き分けます。
対象:小学校3年生以上
定員:なし
◆【そのほかの8月・9月の講座・観察会】の詳細はこちらから↓
8月 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=471
9月 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=472
◆【ミュージアム・トーク】(研究職員による展示・資料解説)詳しくは↓で
8月 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=483
9月 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=484
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(3)大利根分館 http://www.chiba-muse.or.jp/OTONE/ 電話:0478-56-0101
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■お知らせ■
大利根分館は、10月より事前申込みの団体受入専用期間となります。学校や一般団体
の見学受け入れ、学校への出前授業(昔のくらし等)は通年行っています。ご希望が
ありましたら、お早めに当館までご相談下さい。
◆【収蔵資料展】 深海のいきものたち◆
会期:7月20日(土)〜9月1日(日)
場所:大利根分館第3展示室
内容:深海に棲む魚・エビ・貝の標本とそれらの生態を紹介します。
詳しくはこちら↓
http://www2.chiba-muse.or.jp/?key=bbs1t525y-4430#_4430
◆講座等
【講座「水郷の自然と歴史」第4回 -深海の魚たち-】
日時:8月10日(土) 13:30〜15:00
場所:大利根分館集会室
内容:収蔵資料展「深海のいきものたち」開催に関連した講演会です。
対象:小学生以上
定員:先着40名
費用:無料
【夏休み子供教室「砂の中のたからものをさがそう」】
日時:8月3日(土)・4日(日) 10:30〜/11:20〜/13:30〜/14:20〜
場所:大利根分館集会室
内容:砂の中に隠れた小さな宝石(石英)を顕微鏡を使って見つけてみよう!
対象:小学生以上(但し、小学3年生以下は保護者同伴)
定員:各回先着10名(要電話申込)
費用:無料(見つけた結晶は持ち帰れます)
【夏休み子供教室「ザリガニ釣り」】
日時:8月11日(日) 10:30〜/13:30〜
場所:館庭の自然観察池
内容:ザリガニ釣りを通じて自然に親しみ、外来生物についても考えます。
対象:小学生以上(但し、小学3年生以下は保護者同伴)
定員:各回先着20名
費用:無料(ザリガニは持ち帰れません。)
【夏休み子供教室「気分は武将」】
日時:8月17日(土)・18日(日) 10:30〜/13:30〜
場所:大利根分館集会室
内容:戦国武将になりきって、よろいかぶとを身に付けます。
対象:大人用・子ども用(小学生)着用可能な方
同時に大人3名・子ども1名まで体験できます。
定員:11組(要電話申込)
費用:無料
持ち物:カメラをご用意下さい。
【夏休み子供教室「まが玉作り」】
日時:8月24日(土)・25日(日) 10:30〜/13:30〜
場所:大利根分館集会室
内容:まが玉は古代豪族の墓である古墳などから発見されます。
青田石を削って、あなただけのまが玉を作ってみませんか。
対象:小学生以上(但し、小学3年生以下は保護者同伴)
定員:各回20名(要電話申込)
費用:材料費300円(実費)
【夏休み子供教室「かわいいカモをつくろう」】
日時:8月31日(土)・9月1日(日) 10:00〜12:00/13:30〜16:00
場所:大利根分館集会室
内容:間伐材などを利用したバイオマスプラスティックでできた水鳥の模型に色を
ぬり、カモやツバメをつくります。その作業を通じて水郷の自然と環境につ
いても学びます。
対象:小学生以上(但し、小学3年生以下は保護者同伴)
定員:各日先着40名
費用:無料
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(4)大多喜城分館 http://www.chiba-muse.or.jp/SONAN/ 電話:0470-82-3007
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◆【収蔵資料展】 大多喜藩の弓術◆
会期:7月11日(木)〜10月20日(日)
場所:大多喜城分館
内容:日置(へき)流雪荷(せっか)派として大多喜藩の弓術指南役を努めていた
森家旧蔵の弓術関係資料等をとおして大多喜藩の武士の生活の一端を紹介し
ています。
詳しくはこちら↓
http://www2.chiba-muse.or.jp/?key=bb2izrnji-4777#_4777
◆常設展「房総の城と城下町」
※入館料:一般200円、高・大学生100円、中学生以下・65歳以上、無料。
※休館は月曜日(月曜日が休日の場合は開館し、翌日休館)
詳しくはこちら↓
http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=330
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(5)その他
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◆【特集展示】「水郷を旅した人々」】◆
会期:8月18日(日)〜9月5日(木)
会場:さわやかちば県民プラザ 県民ギャラリー(入場料無料)
URL:http://www.kplaza.pref.chiba.lg.jp/
内容:江戸時代から明治・大正・昭和を通じて観光地として栄えた水郷。水郷を訪
れた文人・文豪と彼らが遺した作品を紹介します。
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4.研究室から・・・20 深海からやってきたウナギとマグロ
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蒲焼きでよく知られているウナギ。そして寿司種の王様であるマグロ。日本人なら誰
でも知っている2種の魚がもともと深海魚だった・・・なんて言っても誰も信じてく
れないかもしれません。実際、ウナギは川や沼などの淡水で暮らしていますし、マグ
ロは海の表層を泳ぎ回っています。ところが、最新のDNAをつかった私たちの研究で、
両者の祖先がもともとは深海に住んでいたことが明らかになりました。どういうこと
なのでしょうか。ウナギの場合、成長すると数千キロメートルもの旅をして、外洋の
深海で産卵することがわかっていました。どうやら、ウナギは祖先が住んでいた安全
な深海で卵を産むことを選んだようです(魚版のお里帰りでしょうか)。マグロの場
合はどうでしょうか。実は6500万年前の大絶滅で、多くの外洋の魚たちも恐竜と同様
に滅んでしまいました。深海で運良く生き延びることができた祖先が、ポッカリと空
いてしまった外洋の生態系で新たな種をいくつも生みだし、その一つがマグロになっ
たことがわかったのです。遠い過去に深海魚だったウナギとマグロですが、今年の夏
は本物の深海魚を(少しだけ)大利根分館に展示してみました。是非ご覧ください。
(動物学研究科 科長 宮 正樹)
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◆発 行
千葉県立中央博物館
〒260-8682 千葉市中央区青葉町955-2
電話:043-265-3111 FAX:043-266-2481
http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/
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