千葉県立中央博物館分館海の博物館メールマガジン バックナンバー
『海からのたより』 第103号
配信日時:2013/09/01 00:10
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  千葉県立中央博物館分館 海の博物館メールマガジン

 『海からのたより』 第103号
                          2013年9月1日発行

                 千葉県立中央博物館分館 海の博物館
                 http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/


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│目次
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★9月の開館、臨時休館日
★9、10月の行事案内
★今後の企画展示のご案内
★研究員ノート - もっとも身近な甲殻類?ダンゴムシ -
★海底にできる「ミステリー・サークル」の正体は?
★海の博物館周辺の情報


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│★9月の開館、臨時休館
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 ●9月3日(火)は臨時休館します。
 ●毎週月曜日は休館日ですが、9月16日(月・祝)と9月23日(月・祝)は開
館し、9月17日(火)と9月24日(火)に休館いたします。

  詳しくは海の博物館ホームページの開館日カレンダーをご覧ください
  http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=403


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│★9、10月の行事案内
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 海の博物館では、さまざまな行事を開催しています。
 皆様の参加をお待ちしております。

 詳しくはこちらをご覧下さい
   http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=394
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【観察会「勝浦市鵜原・吉尾の神社仏閣」】
 海の博物館の近くに所在する神社やお寺を訪ねます。地域との結びつきや歴
史について知ることができます。

  対象:一般  定員:15名
  日時:10月13日(日)10:00-12:00
  申込締切日:9月29日(日)
  ※電子メールもしくはハガキ・FAXで、次を明記の上、当館あてにお送り
   下さい。
   また、展示室ロビー受付でも申込みできます。 
     1. 郵便番号・住所
     2. 氏名
     3. 電話番号
     4. 年齢
     5. 参加希望の行事の月日と名称

【海の体験コーナー】
 体験交流員といっしょに、海にまつわるさまざまなメニューにチャレンジす
る行事です。
  9月 7日(土)「海藻おしばを作ろう」
  9月21日(土)「微小貝を探そう」
  10月12日(土)「オリジナルオブジェを作ろう」
  10月26日(土)「微小貝を探そう」

  各日11:00からと13:30からの1日2回、約20分間開催します。
     (当日申込み。定員6名。定員を超えた場合は抽選となります)


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│★今後の企画展示のご案内
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今年度、海の博物館では次の企画展示を予定しています。皆様、お楽しみに!

 ▲マリンサイエンスギャラリー「海藻いろいろ-千葉県の豊かな海から-」
  会期:平成26年2月15日(土)~5月6日(火・振休)

 磯にたくさん見られる生きもの、海藻。けれども動かないのであまり目立た
ない海藻。千葉県はそんな海藻が世界でも大変豊富な場所のひとつです。種類、
色、形、役割、利用などなど、千葉県の海藻たちの魅力に迫ります。


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│★研究員ノート  - もっとも身近な甲殻類?ダンゴムシ -
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 私たちの身近な場所でくらす生きもののひとつにダンゴムシがいます。ダン
ゴムシは、家のまわりの落ち葉がたまっている場所や、植木鉢の下などでごく
普通に見られます。庭のないご家庭でも、ベランダに置いたプランターの下に
いつの間にかやって来たダンゴムシを見かけることがあります。身のまわりに
はさまざまな「むし」がいる中で、ダンゴムシがよく知られている理由は、つ
つくとまるまる姿が面白く、小さな子どもの格好の遊び相手であることが挙げ
られます。このように、とても馴染みの深い生きものですが、ダンゴムシのあ
る話をすると、驚きのリアクションをとられることがあります。その話とは...。

その1 ダンゴムシは甲殻類である
 甲殻類というと、エビやカニに代表されるように水の中でくらす動物のイ
メージが強いからでしょうか、ダンゴムシが甲殻類であるというと、驚く人が
少なくありません。「むし」の大部分が含まれる昆虫、あるいは、クモ、ムカ
デのたぐいと思われていることが多いようです。しかし、ダンゴムシはれっき
とした甲殻類です。甲殻類は昆虫やクモ、ムカデと同じ「節足動物」に含まれ
ます。節足動物は頭や胸などの「体節(たいせつ)」の数や、そこから生えて
いる触角やハサミ、脚などの「付属肢(ふぞくし)」の組み合わせでグループ
分けをします。このような体のつくりをくわしく見てみると、ダンゴムシは、
付属肢が二叉する、頭部に第1、第2触角を備えるなどの特徴がエビやカニと共
通するのです。最近、深海の生きものがちょっとしたブームになっており、た
くさんの本が出ています。そして「オオグソクムシ」や「ダイオウグソクム
シ」というダンゴムシを巨大にしたような生きものの写真を目にする機会が増
えてきました。このグソクムシというのはまさに海にいるダンゴムシの親戚で、
どちらも甲殻類の中で「等脚類」というグループに属します。もともと海にい
た等脚類の一部が長い進化の時間をかけて陸の上でもくらせるようになったの
が、ダンゴムシなのです。私たちが食べているエビやカニを別にすると、ダン
ゴムシはもっとも身近な甲殻類であるといえるかもしれません。

その2 オカダンゴムシは外来種である
 ダンゴムシと聞いてすぐに思い出すのは、黒や濃い灰色で少しつやつやした
種類でしょう。中には、淡黄色のまだら模様を持つものもいます。都市部の住
宅地でも普通に見られるこのダンゴムシは、オカダンゴムシという種類です。
現在の日本人は、子どもの頃からさも当然のように身のまわりにいたオカダン
ゴムシを目にしていたことでしょう。しかし、オカダンゴムシがもともとヨー
ロッパ原産の外来種だというと、多くの人が驚きます。明治時代以降に海外と
の貿易が盛んになったあと、日本に入ってきてすみついてしまった種類であり、
都市部のように自然が少なく、生きものにとって条件の悪い環境に耐えられる
タフネスさや旺盛な繁殖力でまたたく間に日本全国に広がってしまったものな
のです。それでは、日本に古来からくらすダンゴムシもいるのでしょうか?こ
たえはイエスです。林や森などの木の多い場所で、落ち葉のつもる土が少し湿
っているような場所には、純国産種である「コシビロダンゴムシ」がくらして
います。オカダンゴムシとコシビロダンゴムシは、「尾節」といういちばん最
後の体節が、先細りか砂時計型かで見分けることができます。海の博物館は
木々がうっそうと茂る小高い丘にかこまれているため、敷地内の落ち葉の下に
は外来種であるオカダンゴムシよりもコシビロダンゴムシのほうが多いくらい
です。「ダンゴムシ」というと一般的にはオカダンゴムシのことを指します。
本来日本にいたほうがコシビロダンゴムシという馴染みのない名前であること
はちょっとややこしいですね。オカダンゴムシは同じ外来生物であるアメリカ
ザリガニやブラックバス、ミシシッピーアカミミガメ(ミドリガメ)のように
目に見える形で日本本来の生態系をこわすようなことをしていないので、あま
り大騒ぎはされません。しかし、ダンゴムシの世界で見てみると、本来日本全
国のいたるところにいたコシビロダンゴムシは都市化とともにオカダンゴムシ
に置きかわってしまったことが想像されます。
(主任上席研究員 奥野淳兒)


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│★海底にできる「ミステリー・サークル」の正体は?
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 奄美大島では、直径およそ2mある幾何学模様の構造物が水深約20mの砂の
海底に時々出現することが知られていましたが、その成因が全く解らず「ミス
テリー・サークル」と呼ばれてきました。今回,当館川瀬主任上席研究員らの
潜水調査により、体長わずか10cm のオスのフグ(シッポウフグ属の一種)が1
 尾で1 つのサークルを造っていることが初めて明らかになりました。

 詳細は海の博物館ホームページをご覧ください。
 http://www2.chiba-muse.or.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=bbs_view_main_post&post_id=491&block_id=6011#_6011

 現在、トピック展示(速報)として展示室で写真と動画を公開中です。

 学術論文は、このページでご覧頂けます(英語)。
 http://www.nature.com/srep/2013/130701/srep02106/full/srep02106.html


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│★海の博物館周辺の情報
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●「勝浦大漁まつり」(勝浦の秋まつり)開催のお知らせ
 海の博物館のある勝浦市では、9月13日(金)から9月16日(月・祝)に「勝
浦大漁まつり」(秋まつり)が行われます。日程は以下の通りです。

○初日 『各地区の神輿の渡御』
 午後から、墨名区・串浜区・松部区・川津区・沢倉区・新官区、各地区の神
輿の渡御が各地で行われ、神輿や屋台が『村回り』と称して、地区を練り歩き
ます。
○2日目 『合同祭典』
 墨名区の屋台が、会場に入場し、約20分間一斉に「お囃子」の叩き合いを
行います。その後、6区全部の神輿が揃うと、19基の神輿による『一斉担
ぎ』がおよそ10分間行われます。
○3日目・4日目 『江戸後期彫物屋台の引廻し』
 上本町・仲本町・下本町・出水区の屋台が夕方から街中を引き廻され、交差
点で4つの屋台がお互いに向き合い、お囃子の競演が披露されます。

 ぜひ皆様お越しください!

     詳しくはこちらをご覧ください
     http://www.katsuura-sanpo.com/facilities/event/post-837/


●「2013関東・甲信越B-1グランプリin勝浦」が開催されます

 開催日時:2013年9月28日(土)~29日(日)2日間開催
 開催場所: 勝浦市市営駐車場他市内各地

 内容:B-1グランプリは、食べ物を提供するのではなく、“まちを売る”
つまり、まちを大いにPRして、活性化に繋げていくことを目的とした「まち
おこし」イベントです。出展団体の皆さんは、単に料理を提供するのではなく、
ゆるキャラで練り歩いたりしながら、行列を待っているお客さんに楽しんでも
らい町のPRをしています。

     詳しくはこちらをご覧ください
    http://www.b-1katsuura.jp/


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 今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただき
 ありがとうございました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
    http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU
お問い合わせはこちらへ umihaku@chiba-muse.or.jp
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の可能性も指摘されていますので、ご留意ください。)

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