千葉県立中央博物館分館海の博物館メールマガジン バックナンバー
『海からのたより』 第104号
配信日時:2013/10/01 00:10
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  千葉県立中央博物館分館 海の博物館メールマガジン

 『海からのたより』 第104号
                          2013年10月1日発行

                 千葉県立中央博物館分館 海の博物館
                 http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/


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│目次
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★10月の休館日
★文化の日は入館無料です!
★まもなく開催 <お絵かき展> わたしのお気に入りの生きもの
       -「チーバくんと学ぶ 深い海に暮らす生きものたち」より
★10、11月の行事案内
★研究員ノート  小さなフグが海底に造る大きな「ミステリー・サークル」
★海の博物館周辺の情報


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│★10月の休館日
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 ●毎週月曜日は休館日ですが、10月14日(月・祝)は開館し、10月15日
(火)は休館いたします。

  詳細は海の博物館ホームページ開館日カレンダーをご覧ください。
   http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=403


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│★ 文化の日は入館無料です!
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 11月3日(日)の文化の日は入館無料となります。当日はバックヤードツ
アーも開催されます。スタッフ一同、皆さまのご来館お待ちしています。

 ※ お客様駐車場は通常通り(有料)です。


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│★まもなく開催 <お絵かき展> わたしのお気に入りの生きもの
│       -「チーバくんと学ぶ 深い海に暮らす生きものたち」より
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 昨年度のマリンサイエンスギャラリーでは、来館いただいた子どもたちに
「深い海に暮らす生きもの」のイラストを描いていただきました。今回、その
作品を、対象の標本とともに展示する<お絵かき展>を開催することとなりま
した。
 様々な視点と豊かな感性で描かれた子どもたちのイラストを、標本と見比べ
ながらお楽しみください。たくさんの方々のご来館をお待ちしています。

  開催期間:平成25年11月23日(土・祝)~平成26年2月2日(日)
  場  所:海の博物館研修室
  詳しくは海の博物館ホームページの企画展示の案内をご覧ください
  http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=60


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│★10、11月の行事案内
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 海の博物館では、さまざまな行事を開催しています。
 皆様の参加をお待ちしております。

 詳しくはこちらをご覧下さい
   http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=394
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【観察会「勝浦市鵜原・吉尾の神社仏閣」】
 海の博物館の近くに所在する神社やお寺を訪ねます。地域との結びつきや歴
史について知ることができます。
  対象:一般  定員:15名
  日時:10月13日(日)10:00-12:00
  申込締切日は過ぎていますが、追加募集中です。参加ご希望の方は、下記
  までお問い合わせ下さい。
  電話番号:0470-76-1133 FAX番号:0470-76-1821


【観察会「秋の鵜原理想郷で植物を観察しよう」】
 鵜原理想郷は風光明媚な岬です。景色を楽しみながら、秋の植物を観察しま
しょう。
  対象:一般  定員:15名
  日時:11月16日(土)10:00-15:00
  申込締切日:11月2日(土)
  ※電子メールもしくはハガキ・FAXで、次を明記の上、当館あてにお送り
   下さい。
   また、展示室ロビー受付でも申込みできます。 
     1. 郵便番号・住所
     2. 氏名
     3. 電話番号
     4. 年齢
     5. 参加希望の行事の月日と名称


【講座「房総災害史」】
 千葉県に被害をもたらした自然災害の中から、元禄地震と津波について災害
の様子を探ってみます。
  対象:一般  定員:20名
  日時:11月10日(日)13:30-15:00
  申込締切日:10月27日(日)
  ※電子メールもしくはハガキ・FAXで、次を明記の上、当館あてにお送下
   さい。
   また、展示室ロビー受付でも申込みできます。 
     1. 郵便番号・住所
     2. 氏名
     3. 電話番号
     4. 年齢
     5. 参加希望の行事の月日と名称


【博物館探検隊】
 普段見ることのできない、博物館のバックヤードを、研究員の案内で紹介し
ます。定員各回15名。
   11月3日(日)11:00~11:30、13:30~14:00
   (当日申込み。先着順です。)


【海の体験コーナー】
 体験交流員といっしょに、海にまつわるさまざまなメニューにチャレンジす
る行事です。
  10月12日(土)「オリジナルオブジェを作ろう」
  10月26日(土)「微小貝を探そう」
  11月 9日(土)「コーラルプリントをしよう」
  11月23日(土)「海藻おしばを作ろう」

  各日11:00からと13:30からの1日2回、約20分間開催します。
     (当日申込み。定員6名。定員を超えた場合は抽選となります)


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│★研究員ノート  小さなフグが海底に造る大きな「ミステリー・サークル」
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 今からおよそ20年前に,奄美大島の海底で直径がおよそ2mもある円形幾何
学模様の構造物が発見されました。これはまわりに何もない砂地の海底に出現
しますが,一般のダイバーが潜水する場所ではないことや,出現水深がやや深
い(20~30m)ことなどからほとんど人目に触れることはありませんでした。
また,これが何らかの自然現象でできるのか,生物によって造られているかも
全く謎に包まれたままでした。そのため地元のダイバーは,「ミステリー・
サークル」(以下「サークル」と記します)と呼んでいました。
 ところが,一昨年,体長わずか10cm程のシッポウフグの一種がこのサークル
を造っていることが明らかとなりました。そこで,昨年夏に奄美大島の南部,
鹿児島県大島郡瀬戸内町の沿岸(水深18~28m)で本格的な潜水調査を行いま
した。

●サークルの構造
 サークルは,中心部の平らな部分と,中心部へ向かって放射状に走る山と谷
の部分から成っています。
 オスは外側から中心部へ直進しながらヒレを使って海底に谷を掘り,これを
様々な角度から繰り返して行います。中心部では円を描くように泳ぎ,海底を
均します。サークル作りの後半以降には,谷に沿って内側から外側へ向かって
泳ぐ行動が見られるようになり,この時粒子の細かい砂が中心部へ集められま
す。
 産卵の前日になると,中心部に集められた細かい砂に不規則な模様が刻まれ,
放射状に走る山の部分には,貝殻やサンゴの欠片が飾られます。
 産卵が終わると巣から細かい砂は消失し,放射状に走る山と谷は徐々に形が
崩れていきます。

●サークルの役割
 サークル中心付近の平らな部分は,求愛・産卵をして卵が孵化するまで卵保
護をする巣として機能しています。では,巣にできる不規則な模様や,その外
側に放射状に並ぶ山と谷,山部に飾られた貝殻片にはどのような役割があるの
でしょうか。
 これら3つは産卵までに完成していること,ちょうど完成している時だけメ
スがサークルへやってくること,産卵後はいずれも崩れて消えてしまうことか
ら,配偶するメスを引きつけるのに重要な役割を果たしていると考えられます。
 さらに,巣の外側に造られる山と谷は,粒子の細かい砂を巣へ効率的に集め
る機能もあることが明らかになりました。すなわち,オスが谷部でヒレをはた
めかせると,攪拌された砂が沈降する際,細かい砂が表面に堆積します。その
砂は流動性が高く,谷を通過する水が中心部へ流れる構造になっているため,
細かい砂は拡散せず巣に集まりやすくなっているのです。
 オスは多大な労力と時間をかけてサークルを造りますが,1回の繁殖で放棄
して,新しいサークルを別の場所に造ります。その原因として,巣に不規則な
模様を造る際に必要な細かい砂が1回の繁殖で使い果たされてしまい,巣を取
り囲む山と谷にもう十分な量の砂が残っていないからかもしれません。

●オスがより多くのメスを獲得するために進化した形態や行動
 動物ではオスだけが大きな角(例:シカ)を持っていたり,美しい羽(例:
クジャク)を持っている例が多数知られています。これらの形質はオスがより
多くのメスを獲得する上で有利なために進化したと考えられています(ダーウ
ィンの性淘汰理論)。
 中には,オーストラリアに生息するアズマヤドリのように地面に木の枝で東
屋を作り、その周りに羽や貝殻など拾ってきたものをちりばめてメスに求愛す
る変わった鳥も知られています。魚類ではアフリカのタンガニーカ湖に生息す
るシクリッドの一種で,オスがメスと配偶するために砂でできたマウンドを湖
底に作ることが知られており,その大きさや求愛頻度が配偶者の獲得数に影響
していることがわかっています。
 今回発見されたフグのように,緻密な幾何学模様の構造物を砂底に造る生物
は他に例がありません。恐らくこのフグの祖先種は,単に海底で卵を産んでい
ただけだと思われます。ところが,卵の生存率を高めるためにオスが巣を造っ
て卵保護する行動が進化し,さらにメスを引きつけるためにこの「ミステ
リー・サークル」を造る行動が進化したのではないかと考えられます。
(主任上席研究員 川瀬 裕司)

※フグとサークルの写真は「うみはくトピックス」のページでご覧頂けます。
http://www2.chiba-muse.or.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=bbs_view_main_post&post_id=491&block_id=6011#_6011


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│★海の博物館周辺の情報
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●「いんべやぁフェスタ」が開催されます

 にぎやかなまちづくりをテーマとして、市内最大の青空市場『いんべやぁフ
ェスタ勝浦』が開催されます。
 中央商店街には、地元の産物などを販売するおよそ100の出店が建ち並び、
各商店の売り出し、メインステージでの各種イベントやスタンプラリーなども
行われます。また、友好都市紹介コーナーもあります。

開催期間: 2013年11月2日(土)
会場: 勝浦中央商店街
問い合わせ先: 勝浦市観光商工課 観光商工係
電話番号: 0470-73-6641(直通)

【昨年のイベント】
 ・ステージパフォーマンス
  小学生による吹奏楽やダンス、各団体による演舞
 ・友好都市コーナー
  徳島の勝浦町、和歌山の那智勝浦町の特産品の販売
 ・全国朝市物産展
  北海道から熊本まで、全国の「朝市特産品」が勝浦に大集合!

   詳しくはこちらをご覧下さい
   http://www.katsuura-sanpo.com/facilities/event/post-1195/


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 今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただきありがとうご
ざいました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
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お問い合わせはこちらへ umihaku@chiba-muse.or.jp
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