千葉県立中央博物館メールマガジン バックナンバー
★ ちば中央博メール 2013年10月号 ★
配信日時:2013/10/10 08:00
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 ちば中央博メール 2013年10月号 (2013年10月10日発行・第86号)
          http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/

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目 次
1.お知らせ
2.中央博の窓
3.イベント情報
(1)中央博物館本館・生態園 企画展示・テーマ展示
(2)中央博物館本館・生態園 当日参加できるイベント
(3)大利根分館
(4)大多喜城分館
(5)その他 「千葉学講座」開催のお知らせ
4.コラム:研究室から
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1.お知らせ
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青空にいわし雲が流れ、朝夕に肌寒さを感じる季節です。博物館は、展覧会の季節を
迎えます。中央博物館本館では,10月5日から、企画展「音の風景 〜うつりゆく自然
と環境を未来に伝える〜」が始まりました。大多喜城分館では、収蔵資料展「大多喜
藩の弓術」を10月20日まで開催しており、その後、10月25日からは、企画展「上総の
仏教美術II 〜長生・山武〜」が始まります。11月3日は「文化の日」、博物館は入館
無料となります。文化の日・特別企画も準備して皆様の来館をお待ちしております。
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2.中央博の窓-50 〜御蔵島へ行ってきました〜
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 御蔵島(みくらじま)、という島を知っていますか。
 伊豆七島のひとつ、火山で有名な三宅島の南方20キロに浮かび、近年は本格的なイ
ルカウォッチングができることで注目を集めています。
 この島に7月29日から6日間、植物調査に行ってきました。その道中は、『南洋の秘
境』の名に恥じない過酷なものとなりました。まず三宅島空路(羽田〜三宅島間)が
日本一の就航率の悪さで知られ、それは三宅島の火山ガスが原因なのですが、当日も
予想どおり欠航になりました。そこで急遽羽田から竹芝桟橋まで電車で移動し、御蔵
島行きフェリーに飛び乗ったのが29日夜のこと。ところが、この船も天候不順のため
御蔵島へ着かないことが翌日未明のアナウンスで知らされたため、急遽手前の三宅島
で下船し、現地の漁船をチャーターして御蔵島へ渡ることとなったのです。大型フェ
リーも接岸できないほど荒天時における漁船の揺れは、ご想像ください。
 なお、到着後はおおむね順調に旅程を消化し、スダジイを主とした鬱蒼たる森を調
査することができました。
 御蔵島は、島でありながら断崖で海から隔離されているため魚介類に恵まれず、ま
た耕地も限られているため近年までサツマ芋に頼っていたなど、厳しい環境です。島
に飛行場がないのも要は平地がないためです。江戸時代には流刑地にも使われたが、
環境が厳しすぎるため利用も進まなかったようです。このような厳しい環境にあった
からこそ、原生状態に近い森が今日まで生き永らえてきたのかもしれません。
                          (教育普及課 奥田昌明)
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3.イベント情報
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(1)中央博物館本館・生態園 企画展示・テーマ展示
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◆【企画展】音の風景〜うつりゆく自然と環境を未来に伝える〜◆
 会期:〜12月1日(日)
 会場:本館・企画展示室
 内容:虫や風や鐘の音が心に呼び覚ます風景に、未来に遺したい何かを感じます。
    世界中でだれもが録音し、音を共有できるようになった今、音をめぐる博物
    館活動がどのように進化を遂げているか、そしてこれから向かうのは・・・
 入場料:一般500円・高大生250円(企画展開催期間中の特別入館料)

 詳しくはこちら↓
 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=805

◆【生態園トピックス展】あなたが聞いた秋の音を教えてください ◆
 会期: 8月27日(火)〜12月8日(日)
 会場:生態園オリエンテーションハウス(生態園は入園無料)
 内容:生態園でキャッチ(録音)した鳥や虫の声を再生。あなたも秋の音をみつけ
    てみませんか?

 ポスターはこちら↓
 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=813

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(2)中央博物館本館・生態園等 当日参加できるイベント (10月10日〜11月10日)
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◆シンポジウム
【中央博シンポジウム:音の風景遺産 ふるさとの音を伝えよう】
 日時:10月27日(日) 10:00〜15:00
 場所:講堂
 内容:音風景の記憶を何のために今、未来に伝えようとしているのか、講演と意見
    交流を行います。
 講師:鳥越けい子(青山学院大学)・小林田鶴子(共栄大学)・兼古勝史(武蔵大学)・
    大庭照代(中央博)・豊谷純(日本大学)・音環境調査会
 対象:どなたでも
 定員:先着200名

◆本館の講座・観察会
【サウンドスケープの教室】
 日時:10月12日(土)、13日(日)、19日(土)、20日(日)、26日(土)、
    11月2日(土)、3日(日祝)、9日(土)、10日(日)
    各日2回:11:30〜12:00、13:30〜14:00(午前と午後では内容が異なります)
 場所:第2企画展示室
 内容:身近で不思議な楽しい音の世界を、トークや実演で紹介します。
 講師:日本サウンドスケープ協会会員
 対象:どなたでも(小学3年生以下は保護者同伴)
 定員:当日申込、先着20名

 詳しくはこちら↓
 http://www.soundscape-j.org/news/data/upfile/18-1.pdf

【海洋動物学講座1 〜深海魚の進化〜】
 日時:10月26日(土) 13:30〜15:00
 場所:研修室
 内容:東京海底谷に生息するさまざまな深海魚を紹介します。
 対象:小学生以上(小学生は保護者同伴)
 定員:20名

【本物の土器にさわってみよう】
 日時:11月3日(日祝) 10:00〜15:30
 場所:房総の歴史展示室
 内容:普段はガラス越しに見る縄文土器などに触れてその質感を感じてください。
 対象:どなたでも
 定員:なし

【砂絵を作ろう】
 日時:11月3日(日祝) 10:00〜15:00
 場所:一階ホール
 内容:色砂をかけて、ナウマンゾウの絵をつくります。
 対象:どなたでも
 定員:なし

【ものしりミュージアム千葉 〜最新の研究紹介〜】
 日時:11月3日(日祝) 13:00〜16:00
 場所:講堂
 内容:房総の山をつらぬくトンネル状用水路と、千葉を代表する岩石・鉱物の「千
    葉石」、「房州石」をご紹介します。
 対象:中学生以上
 定員:200名

【ネーチャー!! サタデーコンサート (音のこころ)】
 日時:11月9日(土) 14:00〜15:30
 場所:一階ホール
 内容:色づく秋、物悲しい秋、おいしい秋、いろいろな秋を歌でつづります。
 対象:どなたでも
 定員:200名

◆生態園の講座・観察会
【体験! 身近な植物の不思議】
 日時:11月4日(月休) 13:00〜16:00
 場所:生態園(オリエンテーションハウス)
 内容:身近な植物にも不思議がいっぱい。見たり、さわったり、遊んだり。生きた
    植物を体験しましょう。
 対象:どなたでも
 定員:なし

【森の調査隊】
 日時:毎週土曜日、日曜日及び祝日 9:00〜16:00(随時)
 場所:生態園オリエンテーションハウス
 内容:ワークシートをもって生態園内で自然を観察する体験プログラムです。
 対象:どなたでも(小学生は保護者同伴)
 定員:なし

【とりの声キャッチ名人】
 日時:毎週土曜日(祝日を除く) 10:30〜12:00/13:30〜15:00(随時)
 場所:生態園 野鳥観察舎
 内容:“ききみみずきん”のアプリを使って野鳥の声を録音し、聴き分けます。
 対象:小学校3年生以上
 定員:なし
 ※もっともっと生態園の鳥の声や虫の声を“ききみみずきん”でキャッチしよう!
 ツイートした人には、野鳥観察カードセットのほか、キャッチ名人バッジを差し上
 げます。

◆【そのほかの10月・11月の講座・観察会】の詳細はこちらから↓
 10月 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=473
 11月 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=474

◆【ミュージアム・トーク】(研究職員による展示・資料解説)詳しくは↓で
 10月 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=485
 11月 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=486

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(3)大利根分館 http://www.chiba-muse.or.jp/OTONE/ 電話:0478-56-0101
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◆お知らせ
 大利根分館は10月から来年3月末まで、団体受入専用期間となりますので個人の方の
ご利用ができなくなります。但し、イベントや講座の開催日として土曜・日曜が開館
となる場合があります。月曜日から金曜日は、学校や一般団体の見学受け入れ、学校
への出前授業(昔のくらし等)昔の道具の出前展示を行っています。ご希望の学校・
団体は、特に1月以降予約が集中しますので、お早めに当館までご相談下さい。収蔵資
料の貸出や利用申請等は随時受付けております。

◆講座
【〈かざぐるま〉をつくろう】
 日時:10月13日(日)・14日(月祝) 10:00〜16:00(12:00〜13:00を除く)
 内容:色とりどりの紙を使って8枚羽根の本格的な〈かざぐるま〉を作ります。
 参加費:無料、但し保険料50円

◆イベント
【昭和の名車大集合II 〜ノスタルジック1964東京五輪〜】
 日時:11月3日(日祝) 10:00〜15:00 (当日が雨の場合は、翌日4日に順延)
 内容:東京五輪(1964年)頃の自動車や佐原出身の金メダリスト桜井孝雄氏の資料
    等を前庭及びロビーに展示します。

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(4)大多喜城分館 http://www.chiba-muse.or.jp/SONAN/ 電話:0470-82-3007
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◆おしらせ
 大多喜城分館は、10月21日(月)から24日(木)までの4日間、展示資料入れ替え作業
 のため、休館させていただきます。

◆【企画展】「上総の仏教美術II 〜 長生・山武 〜」◆
 会期:10月25日(金)〜12月8日(日)
 内容:長生・山武地域の寺院等で所蔵している文化財のうち、芸術性の高い資料を
    選んで紹介します。
 入館料:一般300円、高・大学生150円(企画展開催期間中の特別入館料)

 詳しくはこちら↓
 http://www2.chiba-muse.or.jp/?key=bbj4kafcl-4777#_4777

◆【特別展示I】「江戸風俗図屏風」◆
 会期:〜10月20日(日)
 内容:菱川師宣画「江戸風俗図屏風(複製)」の秋を描いた右隻を展示しています。
 入館料:一般200円、高・大学生100円(通常入館料)

 詳しくはこちら↓
 http://www2.chiba-muse.or.jp/?key=bbsd82kk2-4777#_4777

◆【収蔵資料展】「大多喜藩の弓術」◆
 会期:〜10月20日(日)
 内容:日置(へき)流雪荷(せっか)派として大多喜藩の弓術指南役を努めていた
    森家旧蔵の弓術関係資料等をとおして大多喜藩の武士の生活の一端を紹介し
    ます。
 入館料:一般200円、高・大学生100円(通常入館料)

 詳しくはこちら↓
 http://www2.chiba-muse.or.jp/?key=bb2izrnji-4777#_4777

◆体験教室
【如来・菩薩の格好をしてみよう】
 日時:11月2日(土) 10:00〜、13:30〜
 内容:如来・菩薩の衣を着用して変身する体験です。
 費用:無料、但し、入館料は必要です。
 定員:20名(要電話予約)

【甲冑・小袖・裃の試着】
 日時:11月3日(日祝) 10:00〜、13:30〜
 場所:大多喜城分館(研修館)
 内容:等身大の複製甲冑・小袖・裃を試着する体験です。小袖は女性のみです。
 費用:無料
 定員:20名(要電話予約)
 ※当日は「文化の日」のため、入館料は無料となります。

◆講演会
【上総の仏教美術II −工芸品を中心に−】
 日時:11月10日(日) 13:30〜15:30
 内容:県内の仏教美術を紹介し、上総地方の仏教文化の質の高さや特色について論
    じます。
 講師:原田一敏氏(東京芸術大学)
 費用:事前申込、受講無料
 定員:40名(要電話予約)

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(5)その他 「千葉学講座」開催のお知らせ
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「千葉学講座」は県内の博物館の研究員等が日頃の調査研究活動の成果を広く還元す
ることを目的として開設しています。今年度は市川市の現代現在産業科学館において
下記の日程で行います。受講費用は無料です。お誘い合わせの上、ご受講ください。

 日時:平成25年10月26日(土) 13:00〜16:20
 会場:千葉県立現代産業科学館 研修室(事前申込不要・受講無料)
    〒272-0015 市川市鬼高1-1-3 / 電話 047-379-2005
 内容:1.印旛沼の漁の風景
    2.小説『坂の上の雲』秋山好古と習志野原〜千葉の騎兵連隊の歩み〜
    3.飛べ!大空に一千葉と航空のかかわり一

 詳しくはこちら↓
 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=19
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4.研究室から・・・22 〜音環境をめぐる研究24年間をふりかえって〜
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私は、平成元年に中央博物館に配属されて、研究テーマを鳥の音声コミュニケーショ
ンから音声と環境のかかわりへシフトさせました。この分野はまだ新しく、研究は模
索の連続でした。まず、環境の指標となる自然の音を調べるために各地の録音収集調
査を始めました。調査の中で、私は地域ごとにあるユニークな音に感動しました。い
ままで、鳥の声のみに集中してきた耳を、地域の音全体、自然の中で生きる人間の営
みにも向けるようになりました。研究を進めるうちに、地域博物館の活動として、人
々が無意識に耳でとらえている地域の環境を記録し、世代間で共有できる録音資料と
して保存することの重要性に気づきました。ところが、それには研究員の耳だけでな
く、県民の皆様の耳が大いに必要なため、平成15年度以降は音声認識技術を使った音
声識別支援装置(ききみみずきん)を導入し、大人も子どもも鳥や虫の聞き分けのノ
ウハウを学びながら音環境調査をできるようにしました。また、故郷の音の風景を再
現する表現方法としてパノラマ音空間像の開発も行いました。香取市佐原の震災前後
のパノラマ音空間は、開催中の企画展「音の風景〜うつりゆく自然と環境を未来に伝
える」で体験できます。ご来場をお待ちしております。
                      (生態学・環境研究科 大庭照代)
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◆発 行
 千葉県立中央博物館
 〒260-8682 千葉市中央区青葉町955-2
 電話:043-265-3111 FAX:043-266-2481
 http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/
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◆お問い合わせは、電話またはFAXでお願いします。
◆大多喜城分館、大利根分館に関するお問合せは各館に直接お電話をお願いします。
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