千葉県立中央博物館メールマガジン バックナンバー
★ ちば中央博メール 2013年11月号 ★
配信日時:2013/11/10 08:00
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 ちば中央博メール 2013年11月号 (2013年11月10日発行・第87号)
          http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/

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目 次
1.お知らせ
2.中央博の窓
3.イベント情報
(1)中央博物館本館・生態園 企画展示・テーマ展示・トピックス展示
(2)中央博物館本館・生態園 当日参加できるイベント等
(3)大利根分館
(4)大多喜城分館
4.コラム:研究室から
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1.お知らせ
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青葉の森の木々も色づき、銀杏の黄葉、もみじの紅葉、すずかけの褐葉など晩秋の風
景がひろがっています。生態園には冬鳥たちがやってきました。中央博物館本館では、
企画展「音の風景 〜うつりゆく自然と環境を未来に伝える〜」を12月1日まで開催中
で、身近で不思議な音の世界が話題を呼んでいます。関連行事も目白押しです。大多
喜城分館では、企画展「上総の仏教美術II〜長生・山武〜」が好評開催中です。上総
地方の歴史と文化に触れるよい機会です。秋の一日、親子で博物館へ行ってみてはい
かがでしょうか。
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2.中央博の窓-51 〜房総の歴史を共に語る喜び・楽しみ〜
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千葉県立中央博物館の歴史展示室でボランティア解説を始め、4年を経過します。公
職を退職してから、奈良大学文化財歴史学科(通信教育部)で学び直し、学芸員の資
格も取得出来ましたので、当館のボランティアを希望しました。お客様には幼児から
熟年者まで、多様な年齢層の方々がいらっしゃいます。参加形態も様々ですが、概し
てウイークデイは個人でじっくり学ぼうとする方、休日はご家族やカップルで歴史を
楽しもうとする方に特徴づけられます。時には外国の方も見えますので拙い英語で対
応しています。
 当館の歴史展示室は旧石器時代から現代までの約4万年の歴史を要領よく、分かり
やすく展示してありますので、解説しやすいです。お客様の要望に添って全行程を1
時間ほどかけてお話しする場合と定時解説を設け予め当方でテーマを用意し、20分
程度ですがテーマについてやや深くお話しする場合があります。私の場合は、考古や
古代史に関するものが多いのですが、なるべく「一緒に考えてみましょう」というス
タンスでやっています。最近、市民の方々は、実によく勉強されています。歴史学は
日進月歩していますので、平素の勉強を怠るとお客様に対応できなくなります。幸い
中央博の市民研究員制度に応募でき、現在中央博の専門の先生のもとで、学べる喜び
もあります。明日はどんなお客様と出会えるかな?楽しみでいっぱいです。
                      (展示室ボランティア 大木英雄)
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3.イベント情報
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(1)中央博物館本館・生態園 企画展示・テーマ展示・トピックス展示
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◆【企画展】音の風景 〜うつりゆく自然と環境を未来に伝える〜 ◆
 会期:10月5日(土)〜12月1日(日)
 会場:第1企画展示室、第2企画展示室
 内容:虫や風や鐘の音が心に呼び覚ます風景に、未来に遺したい何かを感じます。
    世界中でだれもが録音し、音を共有できるようになった今、音をめぐる博物
    館活動がどのように進化を遂げているか、そしてこれから向かうのは・・?
 入場料:一般個人500円・高大生250円

 詳しくはこちら↓
 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=805

◆【トピックス展】緊急報告!台風26号による伊豆大島の土石流災害 ◆
 会期:11月2日(土)〜12月15日(日)
 開場:本館2階地学展示室付近廊下にて開催
 内容:台風26号による伊豆大島の斜面崩壊及び土石流は、火山地域特有の地形地質
    に、短時間集中豪雨が引き金となって発生したと考えられます。近年日本列
    島ではこのような土砂災害や気象災害が頻発していることから、今回の土石
    流が、どのような場所でどのように発生したのか、伊豆大島火山地質模型や
    航空斜め写真などを使って解説します。

◆【生態園トピックス展】 あなたが聞いた秋の音を教えてください ◆
 会期:8月27日(火)〜12月8日(日)
 会場:生態園オリエンテーションハウス(生態園は入園無料)
 内容:生態園でキャッチ(録音)した鳥や虫の声を再生。あなたも秋の音をみつけ
    てみませんか?

 ポスターはこちら↓
 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=813

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(2)中央博物館本館・生態園 当日参加できるイベント等(11月10日〜12月10日)
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◆【企画展記念研究発表会:音の世界はこんなに面白い!最近のサウンドスケープ研
  究の現場から】
 日時:11月16日(土)  9:30〜16:00
 場所:講堂
 内容:日本サウンドスケープ協会と連携の秋季研究発表会です。最近のサウンドス
    ケープ研究の現場から報告します。
 発表者:箕浦一哉氏(山梨県立大学/フローニンゲン大学)、小林田鶴子氏(共栄
     大学)・兼古勝史氏(武蔵大学・立教大学)・鳥越けい子氏(青山学院大
     学)、飯野秋成氏(新潟工科大学)、島橋和宏氏(名古屋市立大学)、松
     本玲子氏(青山学院大学)、笠川芳久氏(拓殖大学)・工藤芳彰氏(拓殖
     大学)、柳沢英輔氏(国立民族学博物館)、大庭照代(中央博物館)
 対象:どなたでも
 定員:先着200名

 詳しくはこちら(外部リンク)↓
 http://www.soundscape-j.org/news/data/upfile/23-1.pdf

◆【日本サウンドスケープ協会創立20周年記念シンポジウム:音風景の地平をさぐる】
 日時:11月17日(日)  9:30〜16:00
 場所:講堂
 内容:日本サウンドスケープ協会会員が音風景の研究の最前線をお話しします。
   [第1部]公開討論 *冒頭に映像作品「気圧/Air Pressure」を上映します。
    パネリスト:ルーパート・コックス氏(マンチェスター大学)、アンガス・
    カーライル氏(ロンドン芸術大学)、林直樹氏(日本音響学会)
    コーディネーター:平松幸三氏(日本学術振興会ロンドン研究連絡センター)
   [第2部]記念講演会「動物の音世界:自然界のサウンドスケープ」
    講演者:西江雅之氏(文化人類学者 日本サウンドスケープ協会会長)
   [第3部]総合討論
 対象:どなたでも
 定員:先着200名

◆本館の主な講座・観察会
【サウンドスケープの教室】
 日時:11月23日(土祝)、11月24日(日)、11月30日(土)、12月1日(日)
    各日2回:11:30〜12:00、13:30〜14:00(午前と午後では内容が異なります)
 場所:第2企画展示室
 内容:身近で不思議な楽しい音の世界を、トークや実演で紹介します。
 講師:日本サウンドスケープ協会会員
 対象:どなたでも(小学3年生以下は保護者同伴)
 定員:当日申込、先着20名

 詳しくはこちら(外部リンク)↓
 http://www.soundscape-j.org/news/data/upfile/18-1.pdf

【歴史学講座5 〜考古編2〜 縄文時代の子育て】
 日時:12月1日(日) 13:30〜15:00
 場所:講堂
 内容:現代のような医療技術やモノがなかった時代の妊娠・出産・育児について、
    考古資料から考えます。
 対象:小学生以上(小学生保護者同伴)
 定員:先着200名

【海洋動物学講座 2 〜貝類〜】
 日時:12月7日(土)  13:30〜15:00
 場所:研修室
 内容:房総に生息する貝類について紹介します。
 対象:小学生以上(小学生は保護者同伴)
 定員:20名

【環境教育講座 ヒトと哺乳類・鳥・虫 〜ビオトープとサンクチュアリ〜】
 日時:12月8日(日)  13:00〜15:00
 場所:講堂	
 内容:房総の生息地・保護区の課題について、3名の研究員がお話します。
 対象:中学生以上
 定員:200名

◆生態園の講座・観察会
【秋の植物】
 日時:11月14日(木) 10:00〜12:00
 場所:生態園
 内容:生態園とそのまわりを歩き、晩秋の花や実、色づきはじめた木の葉などを観
    察します。
 対象:中学生以上・30名

【森の調査隊】
 日時:毎週土曜日、日曜日及び祝日 9:00〜16:00(随時)
 場所:生態園オリエンテーションハウス
 内容:ワークシートをもって生態園内で自然を観察する体験プログラムです。
 対象:どなたでも(小学生は保護者同伴)
 定員:なし

【とりの声キャッチ名人】
 日時:毎週土曜日(祝日を除く) 10:30〜12:00/13:30〜15:00(随時)
 場所:生態園 野鳥観察舎
 内容:“ききみみずきん”のアプリを使って野鳥の声を録音し、聴き分けます。
 対象:小学校3年生以上
 定員:なし
*もっともっと生態園の鳥の声や虫の声を“ききみみずきん”でキャッチしましょう!
 ツイートした人には、野鳥観察カードセットのほか、キャッチ名人バッジを差し上
 げます。

◆【そのほかの11月・12月の講座・観察会】の詳細はこちらから↓
 11月 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=474
 12月 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=475

◆【ミュージアム・トーク】(研究職員による展示・資料解説)詳しくは↓で
 11月 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=486
 12月 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=487

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(3)大利根分館 http://www.chiba-muse.or.jp/OTONE/ 電話:0478-56-0101
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◆お知らせ
 大利根分館は10月より翌年3月末まで、団体受入専用期間となります。個人の方のご
利用はできなくなりますので、ご注意下さい。但し、イベントや講座の開催日として
土曜・日曜が開館となる場合があります。ホームページ等でご確認下さい。月曜日か
ら金曜日は、学校や一般団体の見学受け入れ、学校への出前授業(昔のくらし等)、
昔の道具の出前展示を行っています。ご希望の学校・団体は、特に1月以降予約が集中
します。御希望の場合は、お早めに当館までご相談下さい。また、収蔵資料の貸出や
利用申請等は随時受付けております。

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(4)大多喜城分館 http://www.chiba-muse.or.jp/SONAN/ 電話:0470-82-3007
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◆【企画展】 上総の仏教美術II 〜長生・山武〜◆
 会期:10月25日(金)〜12月8日(日)
 場所:大多喜城分館
 内容:長生・山武地域の寺院等で所蔵している文化財のうち、芸術性の高い資料を
    選んで紹介しています。
 入場:一般300円(240円)、高・大学生150円(120円)、中学生以下・65歳以上、無料。
    ( )内は20名以上の団体料金。

 詳しくはこちら↓
 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=497

◆	企画展関連行事
【講演会「上総の仏教美術II −工芸品を中心に−」】
 日時:11月10日(日) 13:30〜15:30
 場所:大多喜城分館(研修館)
 内容:企画展出陳作品をはじめ、千葉県内の仏教にかかわる工芸品を紹介しながら
    上総地方における仏教文化の質の高さや、その特色についてお話しします。
 講師:原田一敏氏(東京藝術大学大学美術館教授)
 費用:無料(企画展を見学する場合は、入館料が必要)
 定員:40名(要電話予約)

【博物館セミナー「仏教美術にみる上総の歴史」】
 日時:11月17日(日) 13:30〜15:30
 場所:大多喜城分館(研修館)
 内容:企画展で展示される仏教美術作品に残された情報から読み取れる上総の歴史
    について紹介します。
 講師:植野英夫氏(千葉県教育庁文化財課副主幹)
 費用:無料(企画展を見学する場合は、入館料が必要)
 定員:40名(要電話予約)

【声明(しょうみょう)公演】
 日時:11月24日(日) 13:30〜14:30
 場所:大多喜城分館(研修館)
 内容:お経に節を付けて歌う仏教音楽である声明に、ヴァイオリンやフルートの演
    奏がところどころ入り、荘重な仏教音楽と伝統的な西洋音楽との珍しい共演
    がおこなわれます。
 協力:日本研聲会(斉藤佐智江:フルート、飯島多恵:ヴァイオリン)
 費用:無料
 定員:40名(要電話予約)

【お茶席】
 日時:11月16日(土) 10:00〜15:00
 場所:大多喜城分館(研修館)
 内容:県立大多喜高等学校茶道部のみなさんのお点前で抹茶と和菓子がいただけま
    す。
 費用:実費(企画展を見学する場合は、入館料も必要)
 備考:要電話予約(当日でも可)

【仏像を3Dで見てみよう】
 日時:12月1日(日)・7日(土)・8日(日) 1回目:10:00〜、2回目:13:30〜
 場所:大多喜城分館
 内容:千葉大学大学院工学研究科のみなさんがコンピュータを操作しながら仏像の
    3D映像を見せてくれます。
 費用:無料(入館料は必要)
 備考:申込不要

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4.研究室から・・23  〜企画展「上総の仏教美術II 〜長生・山武〜」余話〜
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 企画展『上総の仏教美術II 〜長生・山武〜』で展示している長福寿寺の本尊の木造
阿弥陀如来坐像(長南町指定有形文化財)は平安時代後期の作といわれ、県内の定朝様
式彫刻を代表する名作といわれています。柔和な姿の優れた作品で、京都府宇治市に
ある平等院の木造阿弥陀如来坐像(国宝)と比較されることもあります。しかしながら、
墨書銘、納入文書等がなく、造像の経緯についてはよくわかっていません。
 ところが、平成12年から17年にかけて本像の修理が行われ、17年4月に報告書が刊行
されています。これを見ると、同寺には本尊修理銘札(木製)が2点残っていることが
知られます。まず1枚目は、承応2年(1653)に生順という長福寿寺の僧が本堂を修理し
たときに、恵心僧都の作とされる本像を京都から運び本尊として安置し、入仏供養を
行ったと記されています。2枚目については、正徳2年(1712)に光海という長福寿寺の
僧が本堂を修復した際に併せて本像も修理し、観音・勢至の2体の菩薩像と天台・伝教
の2体の像を新造したことが記されています。
 このように、木札2枚から、本像は近世初頭に京都から本寺に請来された仏像である
ことが知られ、その経緯もある程度知ることができます。
                 (大多喜城分館 主任上席研究員 村田憲一)
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◆発 行
 千葉県立中央博物館
 〒260-8682 千葉市中央区青葉町955-2
 電話:043-265-3111 FAX:043-266-2481
 http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/
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 返信いただいてもお答えできませんのでご了承ください。
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ます。
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