千葉県立中央博物館分館海の博物館メールマガジン バックナンバー
「海からのたより」 第111号
配信日時:2014/05/01 08:00
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  千葉県立中央博物館分館 海の博物館メールマガジン

 『海からのたより』 第111号
                          2014年5月1日発行

                 千葉県立中央博物館分館 海の博物館
                 http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/


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│目次
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★開館・休館日のお知らせ
★5、6月の行事案内
★マリンサイエンスギャラリーをお見逃しなく!
★研究員ノート -タブノキのこと-
★着任職員紹介


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│★開館・休館日のお知らせ
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 ゴールデンウィーク期間中の開館・休館日は以下の通りです。

  4月26日(土)~ 5月6日(火・振休) 開館
  5月 7日(水)  休館
  5月 8日(木)  臨時休館
    5月 9日(金)~ 通常通り開館

※詳細は海の博物館ホームページをご覧ください。
 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=403


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│★マリンサイエンスギャラリーをお見逃しなく!
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 平成25年度マリンサイエンスギャラリー(企画展示)「海藻いろいろ-千葉
県の豊かな海から-」では、とても珍しい千葉県産の海藻・オオノアナメの標
本や、博物館前の磯の藻場を再現した楽しい水槽などを展示しており、大変好
評をいただいています。

 会期は5月6日(火・振休)までとなっておりますので、どうぞお見逃しな
く!

 最終日は9:00からオリジナル缶バッジが当たる大抽選会を行います。数に限
りがありますので、お早めにお越しください(なくなり次第、終了となりま
す)。

 また、ゴールデンウィークには、各種のイベントも目白押しです。皆様のご
来館をお待ちしています。

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│★5、6月の行事案内
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 海の博物館では、5月、6月に観察会などのさまざまな行事を開催しています。
皆様の参加をお待ちしております。

 詳しくはこちらをご覧下さい
   http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=394
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【講座「海藻おしばを作ろう 1」】
 色とりどりの海藻を使って、海藻おしば作りに挑戦します。
  対象:小学生以上(小学生は保護者同伴) 定員:15名
  事前申し込みですが、定員に空きがあれば当日も受付ます。
  日時:5月5日(月・祝)9:30~11:30

【講座「海藻おしばを作ろう 2」】
 色とりどりの海藻を使って、海藻おしば作りに挑戦します。
  対象:小学生以上(小学生は保護者同伴) 定員:15名
  事前申し込みですが、定員に空きがあれば当日も受付ます。
  日時:5月5日(月・祝)13:30~15:30

【観察会「磯でエビやカニを観察しよう」】
 初夏の磯で見られる甲殻類を観察します。
  対象:小学生以上(小学生は保護者同伴) 定員:20名
  日時:5月31日(土)10:30~12:30
  (申込み締切日:5月17日(土))

【観察会「軍荼利山の森で植物を観察しよう」】
 自然林が残る自然豊かな森や周辺の植物を観察します。
  対象:一般 定員:15名
  日時:6月1日(日)10:00~15:00
  (申込み締切日:5月18日(日))

【観察会「初夏の鵜原理想郷で植物を観察しよう」】
 景色を楽しみながら、鵜原理想郷で初夏に咲く花を観察します。
  対象:一般 定員:15名
  日時:6月14日(土)10:00~15:00
  (申込み締切日:5月31日(土))

【観察会「親子で磯の生きものを探そう その2」】
 親子で楽しみながら磯の生きものを観察します。
  対象:小学生(保護者同伴) 定員:20名
  日時:6月15日(日)10:00~12:00
  (申込み締切日:6月1日(日))

【磯・いそ探検隊】
 研究員の案内で、磯の生きものを観察します。定員各回15名。(当日申込み。
定員になりしだい締め切りとなります)
  日時: 5月 2日(金)  11:00~12:00
      5月 4日(日・祝)13:00~13:30、13:45~14:15
      5月18日(日)  13:00~14:00
      6月28日(土)  11:00~12:00

【海の体験コーナー】
 体験交流員といっしょに、海にまつわるさまざまなメニューにチャレンジす
る行事です。
   5月10日(土)「海で見つけた材料でオリジナルオブジェを作ろう」
  5月24日(土)「コーラルプリントをしよう」
  6月 7日(土)「コーラルプリントをしよう」
  6月21日(土)「海で見つけた材料でオリジナルオブジェを作ろう」
  6月29日(日)「コーラルプリントをしよう」
  11:00からと13:30からの1日2回、約20分間開催します。
 (当日申込み。定員6名。定員を超えた場合は抽選となります)

   海の博物館の行事について、詳しくはこちらをご覧下さい
      http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=394

   行事の参加方法等については、こちらをご覧下さい
      http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=533


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│★研究員ノート -タブノキのこと-
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 タブノキは房総半島の常緑広葉樹林で普通に見られるクスノキ科の樹木で、
特に海岸近くに多いのが特徴です。成長すると直径1m以上の大木になり、樹
皮は淡い褐色で、白っぽく見えるのが特徴です。同じく大木になるスダジイ
(ブナ科)では、樹皮は黒褐色で縦に深く割れるので、タブノキとの区別は容
易です。勝浦市の遠見岬神社の社殿はタブノキの大木に囲まれており、特に太
く多くの幹を持つものにはしめ縄が巻かれ、御神木となっています。また、鴨
川市小湊の誕生寺周辺や南房総市千倉の高塚山、館山市の沖ノ島や鷹の島には、
特に発達した森が残されており、自然保護上、重要で保護されています。
 海岸は、塩を含んだ細かな水滴(ソルトスプレー)が絶えず吹きつける、植
物にとって過酷な環境です。特に台風接近時など強風が吹く際には、多くの塩
が吹きつけ、樹木の葉が枯れるなどの被害が生じます。タブノキが海岸近くに
多いのは、葉の耐塩性が比較的、高くて葉が枯れにくいためとされています。
海岸付近の森では、海岸線から内陸に向かってツバキ、ヤブニッケイ、タブノ
キ、スダジイの順に並んで生えていることがあります。これは、これは樹種に
よる耐塩性の強さの違いを反映したもので、耐塩性の弱い種ほど、内陸側に分
布が限られると考えられます。
 タブノキは、我が国に分布する常緑広葉樹のうち、高木としては最も北まで
分布する種です(小高木まで含めるとヤブツバキが最も北まで分布します)。
太平洋側の分布北限は岩手県中部、日本海側の北限は青森県南部に達していま
す。海岸近くに分布することから、2011年3月11日の大津波では多くのタブノ
キが津波を被りました。しかし、この時も塩に対する強さを発揮し、多くのタ
ブノキが生き残りました。人によって植えられたスギが津波を被って、ほとん
ど全滅したのとは対照的でした。
 春を迎え、多くの落葉広葉樹が芽吹き、花を咲かせるこの時期、常緑広葉樹
のタブノキも芽吹きと開花の季節を迎えます。枝先に開いたばかりの若葉と黄
緑色の小さな花が房になって着いているのを見ることができます。しかし、よ
く見るとまだ開いていない小ぶりの芽も見られるようです。実はタブノキの枝
先には2種類の芽があります。ひとつはやや大きく、中に葉と茎とともに花が
入っている芽で混芽と呼ばれます。もうひとつは葉と茎だけが入っている芽で
葉芽です。先に開くのは混芽で、葉芽はやや遅れて開きます。
 受粉に成功した花の子房は膨らんでやがて果実となります。果実の成長は早
く、7月頃には枝先に、黒紫色に熟した直径1cmほどの丸い果実がたくさん着
きます。果実の少ないこの時期、熟した果実は魅力的に見えるのでしょう、ヒ
ヨドリなどの鳥類によってすぐに食べられてしまいます。落ちた実はタヌキな
ど哺乳類も大好きです。しかし、この果実、中の種子が大きく、食べられる部
分(果肉)は薄くて、ごく少ないのです。動物たちをだます、植物側の“だま
しのテクニック”のひとつと言われています。大きな種子は消化されることな
くそのまま、様々な場所で排泄されます。そして、じきに発芽して芽ばえとな
ります。このため、周りにタブノキが生えていなくても、芽ばえは様々な場所
に出てくるのです。子孫を残すための、植物の巧みな戦略といえます。
 タブノキの名は、朝鮮語で丸木舟を意味するtong-baiから転化したものだと
言う説があります。古代、黒潮に乗って海岸線沿いに北上してきた海洋民族に
とって、タブノキは舟の材料とする重要な樹木であると同時に、海岸線沿いに
点々と北まで分布し、常緑の葉を繁らせたタブノキは、故郷の森を思い起こさ
せる重要なシンボルであったのかもしれません。
(分館長 原 正利)


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│★着任職員紹介
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 4月1日に4名の職員が海の博物館に着任しました。皆様どうぞよろしくお願
いいたします。

●乃一哲久 主任上席研究員
 乃一哲久(のいちてつひさ)です。海の博物館での勤務は、7年ぶり2度目と
なります。魚類学、その中でも仔稚魚(子供)の形態や生態を専門としています。
魚の子供の形や生活は、親魚とは全く異なり、とても興味深いです。今後、観
察会やトピックス展示などを通して、仔稚魚の魅力を発信していきたいと思い
ますので、どうかよろしくお願いいたします。

●立川浩之 主任上席研究員
 4年間の中央博物館動物学研究科勤務を経て、博物館準備室以来お世話にな
っていた海の博物館に戻ってきました。専門は深海性のイシサンゴ類の分類で
すが、ウミウシや貝、ヒトデやウニなど、海にすむいろいろな生きものに興味
を持っています。博物館を利用される皆さんに、海の生きものの面白さを少し
でも多くお伝えできるよう、新たな気持ちで海の博物館での仕事に取り組みま
すので、よろしくお願いいたします。

●近藤佳純 副主幹(庶務担当)
 2002年から2007年まで海の博物館に勤務していました。いわゆる出戻りです。
当時、「海の生物に精通した庶務係りを目指します。」と意気揚々と公言して
いました。しかし、毎日の業務に追われ道半ばで転勤してしまいました。縁あ
って海の博物館に帰ってこれたからには、12年前を思い出し海の博物館のため
に何かしら残したいものです。
 ロビーにあるエチゼンクラゲとマッコウクジラの下あごの骨はとても懐かし
く思いました。

●原田佳世子 体験交流員
 新しく体験交流員として働くことになりました原田です。幼いころから、海
の近くで育ち、あたりまえのように身近にあった海のことをぜんぜん知らなか
ったことに気付き、初めて知ることばかりの毎日で、とてもワクワクしていま
す。これから私の大好きな海の事をたくさんの方々に知っていただくお手伝い
ができるよう、がんばって勉強しようと思います。
皆様、よろしくお願いいたします。


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 今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただき
 ありがとうございました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
    http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU
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