千葉県立中央博物館分館海の博物館メールマガジン バックナンバー
海からのたより第117号
配信日時:2014/11/01 08:30
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  千葉県立中央博物館分館 海の博物館メールマガジン

 『海からのたより』 第117号
                          2014年11月1日発行

                 千葉県立中央博物館分館 海の博物館
                 http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/


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│目次
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★11月の休館日のお知らせ
★文化の日は入館無料です!
★写真展「ー海の宝石ーウミウシの世界」始まりました!
★図画コンクールの作品を展示します
★11、12月の行事案内
★研究員ノート -ナラワスサビノリを知っていますか?-
★海の博物館周辺の情報


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│★11月の休館日のお知らせ
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 ●毎週月曜日は休館日です。11月3日(月・祝)は開館し、翌11月4日
(火)に休館します。

  詳細は海の博物館ホームページ開館日カレンダーをご覧ください。
   http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=403


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│★ 文化の日は入館無料です!
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 11月3日(月・祝)の文化の日は入館無料となります。スタッフ一同、皆さ
まのご来館をお待ちしています。

 ※ お客様駐車場は通常通り(有料)です。


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│★写真展「ー海の宝石ーウミウシの世界」始まりました!
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 ウミウシは、巻貝でありながら、体を守るための貝殻を退化させてしまった
不思議な生きものです。近年、水中写真愛好者の間では、さまざまな色や模様
を持ったウミウシのなかまは、たいへん人気のある生きものになっています。
 今回の写真展「ー海の宝石ーウミウシの世界」では、千葉県をはじめ日本各
地の海に生息するさまざまなウミウシ約200種を、当館の研究員が撮影した写
真により紹介します。一生泳ぎ続けるウミウシ、二枚の殻をもつウミウシ、ウ
ミウシを食べるウミウシなど、珍しい種類も登場します!

  開催期間:平成26年11月1日(土)~平成27年2月1日(日)
  場  所:海の博物館研修室
  詳しくは海の博物館ホームページの企画展示の案内をご覧ください
  http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=393#


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│★図画コンクールの作品を展示します
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 海上保安庁の図画コンクール「第15回未来に残そう青い海」に夷隅郡市・鴨
川市から応募のあった小中学生の作品759点のうち、佳作作品60点を展示しま
す。

  開催期間:平成26年11月5日(水)~11月12日(水)
  場  所:海の博物館ロビー


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│★11、12月の行事案内
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 海の博物館では、さまざまな行事を開催しています。
 皆様の参加をお待ちしております。

 詳しくはこちらをご覧下さい
   http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=394
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【観察会「博物館周辺に残る戦争遺跡を見よう」】
 海の博物館周辺に残る戦争遺跡を見学します。
  対象:一般 定員:15名
  日時:11月3日(月・祝)
  (申込み締切日を過ぎましたが、引き続き参加者を募集中です)

【講座「新種はこのようにして見つかりますー動物分類学の必要性ー」】
 新種の発見から発表まで。分類学の基礎を学びます。
  対象:一般 定員:20名
  日時:11月9日(日)
  (申込み締切日を過ぎましたが、引き続き参加者を募集中です)

【海の体験コーナー】
 体験交流員といっしょに、海にまつわるさまざまなメニューにチャレンジす
る行事です。
  11月  8日(土)「海藻おしばを作ろう」
   11月 22日(土)「微小貝を探そう」
  12月  6日(土)「微小貝を探そう」
  12月 20日(土)「海で見つけた材料でオリジナルオブジェを作ろう」

  各日11:00からと13:30からの1日2回、約20分間開催します。
     (当日申込み。定員6名。定員を超えた場合は抽選となります)

  *都合により、メニューが変更になる場合があります。


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│★研究員ノート  -ナラワスサビノリを知っていますか?-
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 私の研究の対象であり、日本人になじみの深い食材であるノリ(海苔)。黒
く四角い紙状の乾海苔の代名詞「浅草海苔」は有名です。乾海苔の原料となる
のは紅藻のアマノリ属というグループを主体とした海藻ですが、その中に古く
江戸時代からノリ養殖に使われてきた「アサクサノリ」という種類があり、そ
れが現在は絶滅危惧種であることは、過去にこのメールマガジンでも何度か紹
介していますが、養殖対象種としても、アサクサノリは現在ではほとんど使用
されていない「幻のノリ」なのです。
 それでは、現在日本で養殖されているノリはどんな種類かと言いますと、そ
の90%以上がアマノリ属の一種「スサビノリ」という種類の一品種「ナラワス
サビノリ」です。スサビノリはもともと北日本を中心に分布する種類で、外海
の岩礁域に多く生育する、いわゆる「岩海苔」と呼ばれるものの一種です。ス
サビノリは、1950年代に、養殖対象として、東北や北海道から東京湾のノリ養
殖場に導入された種で、製品にしたときの色が黒く、艶が良いなどの利点があ
り、1950年代以降、瞬く間に全国で養殖されるようになりました。一方、製品
が赤みを帯びやすいアサクサノリは、徐々に養殖に使用されなくなったのです。
 そして、1960年代後半には、ナラワスサビノリが登場します。ナラワスサビ
ノリは、スサビノリの中でも長く伸びて、収量が多い品種です。「ナラワ」と
いうのは、当時の千葉県袖ヶ浦町奈良輪(現在の袖ヶ浦市奈良輪)にちなんだ
名前です。奈良輪のノリ漁師さんたちは、養殖場で一際長く成長するノリを見
つけ、そのノリから胞子をとって養殖し、養殖したノリの中で一番伸びたもの
からまた胞子をとって養殖し、という作業を、何回も繰り返して行ったのです。
こうして長く伸びる多収性のノリが育成されました。このノリを詳しく調べた
当時のノリ研究者が、スサビノリの一品種であることを明らかにし、奈良輪で
育成された品種であることから「ナラワスサビノリ」の和名をつけたのです。
このナラワスサビノリは、多収性の上、病気にも強く、製品にしたときの色も
良いなどの利点があったため、全国で選択的に養殖されるようになりました。
ナラワスサビノリの中でも各地の養殖場の特性にあったものが開発されたりし
て、先に述べたとおり、現在では全国の養殖ノリの90%以上がナラワスサビノ
リの系統であると言われています。
 こうして、ノリ業界では「ナラワ」という名前は大変有名なのですが、当の
袖ヶ浦市奈良輪では、沿岸の埋め立てにより1973年を最後にノリ養殖は行われ
なくなってしまいました。奈良輪で生まれ育ち、「奈良輪」の名のついたナラ
ワスサビノリは、全国で養殖されているのに、その故郷では養殖されていない
という、何とも残念な話になってしまったのです。
 しかし、今年、地元の奈良輪小学校の5年生が、地域のことを調べる学習の
一環で、このナラワスサビノリについて調べることになり、ナラワスサビノリ
やノリ養殖について教えてほしいということで、私のところに何度か話を聞き
に来てくれました。ナラワスサビノリについて書かれた文章等はわずかしかな
く、その育成過程などは概略しかわかっていないように思います。例えば、も
ともと北日本から導入されたスサビノリから長く伸びる個体が見つけられたわ
けですが、その長い個体は北日本のどこからもたらされたものなのでしょうか。
当時養殖されていた場所と、そこにどこから持ってきたノリを養殖していたの
かなどがわかれば、ナラワスサビノリのご先祖様の出身地が推測できるかもし
れません。すでに50年も前の話なので、当時を知る方がいらっしゃるのかなど
ハードルは高いですが、こどもたちが面白い事実を調べ出してくれるのではな
いかと期待し、「何かわかったらこちらにも教えてね」と伝えてあります。
 奈良輪から全国に広まり、ノリ業界ではその名を知らない人はいない「ナラ
ワスサビノリ」。その名は、無名ながら革新的な品種を開発し、全国のノリ養
殖を大きく発展させた漁業者と、その地元へ、賞賛の意を表すものと言えるで
しょう。こどもたちが、その名を持つ意味を理解し、郷土の誇りとして、製品
になったノリを食し、また、全国の多くの人にその名を発信してくれるように
なると嬉しいなと思っています。
                                          (主任上席研究員 菊地則雄)


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│★海の博物館周辺の情報
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●「かつうら魅力市」(旧いんべやぁフェスタ)開催のお知らせ

 海の博物館のある勝浦市では、今年度より、墨名市営駐車場・勝浦漁港周辺
臨港道路を会場として「かつうら魅力市」が開催されます。
 “地域の魅力”の発信をテーマとして、市内・県内より様々な特色ある出店
が行われる“青空市場”のほか、市営駐車場内にて、食の出店として“勝浦タ
ンタンメン”の出店並びにスイーツを主とした出店を行います。
 また、会場内にて購入いただいた商品をその場で焼いて食べることが出来る
大規模な“バーベキューエリア”を設置。
 会場内イベントとして、メインステージでのステージパフォーマンスの実施、
子供たちが遊べる“こども広場”を開設し、イベントの最後には約2,000
個のバルーンの打上を行います。

 開催日時 平成26年11月1日(土)午前9:00~午後3:00まで

 ぜひ皆様お越しください!

     詳しくはこちらをご覧ください
http://www.city.katsuura.lg.jp/forms/info/info.aspx?info_id=30236


●第40回『勝浦鳴海ロードレース大会』
 恒例となりました勝浦鳴海ロードレース大会が今年も開催されます。
 なお、ハーフマラソンは、海の博物館前を通過します。
 応援を御願いします。

■日程 平成26年11月16日(日)
     ◇受 付 8:30~11:30
■会場 国際武道大学 スタート・ゴール、受付
■種目 
◇ハーフマラソン(21.0975km)
 共通男子の部(高校生以上) :11時40分スタート
 共通女子の部(高校生以上) :11時40分スタート
◇10km の部
 高校男子の部        :10時10分スタート
 39歳以下の部       :10時10分スタート
 40歳代の部        :10時10分スタート
 50歳以上の部       :10時10分スタート
 共通女子の部(高校生以上) :10時10分スタート
◇3km の部
 中学生男子の部       :11時55分スタート
 中学生女子の部       :12時20分スタート
◇2km の部
 小学生男子の部(5年生以上): 9時30分スタート
 小学生女子の部(5年生以上): 9時50分スタート

詳しくはこちらをご覧下さい
http://www.city.katsuura.lg.jp/forms/info/info.aspx?info_id=29201


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 今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただきありがとうご
ざいました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
    http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU
お問い合わせはこちらへ umihaku@chiba-muse.or.jp
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の可能性も指摘されていますので、ご留意ください。)

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