千葉県立中央博物館分館海の博物館メールマガジン バックナンバー
海からのたより 第119号
配信日時:2015/01/01 08:00
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 海からのたより 第119号         2015年1月1日発行

      千葉県立中央博物館分館 海の博物館
      http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/



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│目次
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★明けましておめでとうございます
★お正月限定!チーバくんがお年玉プレゼント
★写真展「ー海の宝石ーウミウシの世界」は2月1日(日)まで
★マリンサイエンスギャラリー「クラゲ展」の準備が進行中!
★1月の開館、休館日のご案内
★1、2月開催行事のご案内
★研究員ノート -「一富士二鷹三茄子」その2-
★海の博物館周辺の情報


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│★明けましておめでとうございます
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 海の博物館のメールマガジンをご覧いただいている皆さま、新年明けまして
おめでとうございます。
 本年が皆様にとりましてすばらしい年となりますよう、心よりお祈り申し上
げます。
 また、本年も皆さまに喜んでいただける博物館を目指して、海の博物館職員
一同は精一杯努力して参ります。本年も海の博物館を応援していただけますよ
う、よろしくお願い申し上げます。


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│★お正月限定!チーバくんがお年玉プレゼント
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 お正月には海の博物館にチーバくんがやってきます!そして、写真展「ー海
の宝石ーウミウシの世界」観覧記念のウミウシグッズを差し上げます。

 平成27年1月2日(金)~4日(日)、11:00~、13:30~
 各回50個(中学生以下が対象):なくなり次第終了します。


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│★写真展「ー海の宝石ーウミウシの世界」は2月1日(日)まで
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 ウミウシは、巻貝でありながら、体を守るための貝殻を退化させてしまった
不思議な生きものです。近年、水中写真愛好者の間では、さまざまな色や模様
を持ったウミウシのなかまは、たいへん人気のある生きものになっています。
 写真展「ー海の宝石ーウミウシの世界」では、千葉県をはじめ日本各地の海
に生息するさまざまなウミウシ約200種を、当館の研究員が撮影した写真によ
り紹介しています。一生泳ぎ続けるウミウシ、二枚の殻をもつウミウシ、ウ
ミウシを食べるウミウシなど、珍しい種類も取り上げています。 

  開催期間:平成27年2月1日(日)まで
  場  所:海の博物館研修室
  詳しくは海の博物館ホームページの企画展示の案内をご覧ください
  http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=393#


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│マリンサイエンスギャラリー「クラゲ展」の準備が進行中!
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 今年度の企画展示であるマリンサイエンスギャラリーは、「クラゲ展」と題
して、2月14日(土)から開催いたします。現在は、その開催に向けての準備を
進めているところです。
 大きなクラゲ、変わった形のクラゲ、危険なクラゲなど、この展示にはさま
ざまなクラゲが大集合します。またクラゲの体のつくりやクラゲの一生、人と
の関わりなど、多角的にクラゲを紹介します。標本ばかりでなく、身近なクラ
ゲの生きた姿を観察できるクラゲ水槽もあります。
 企画展示を担当する研究員は、展示資料の収集などの準備に毎日奮闘してい
ます。皆さまもマリンサイエンスギャラリーをどうぞご期待ください。

 詳しくは海の博物館ホームページをご覧ください

 http://www2.chiba-muse.or.jp/index.php?key=bbw7nxvu1-4853#_4853


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│★1月の開館、休館日のご案内
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お正月は1月2日(金)から開館します。

 休館日は次の通りです。

    1月の休館日 1、5、13~15、19、26日

 詳しくは海の博物館ホームページの開館日情報をご覧ください

   http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=403


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│★1、2月開催行事のご案内
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【マリンサイエンスギャラリー】
 「クラゲ展」
   2月14日(土)から開催します。ご期待ください。

【海の体験コーナー】
 体験交流員といっしょに、海にまつわるさまざまなメニューにチャレンジす
る行事です。
  1月 10日(土)「コーラルプリントをしよう」
  1月 24日(土)「海藻おしばを作ろう」
  2月  7日(土)「海で見つけた材料でオリジナルオブジェを作ろう」
  2月 21日(土)「微小貝を探そう」

  各日11:00からと13:30からの1日2回、約20分間開催します。
     (当日申込み。定員6名。定員を超えた場合は抽選となります)

  *都合により、メニューが変更になる場合があります。

   海の博物館の行事について、詳しくはこちらをご覧下さい
      http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=533


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│★研究員ノート -「一富士二鷹三茄子」その2-
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 このメルマガをご覧の皆さま、あけましておめでとうございます。2015年も
海の博物館をどうぞよろしくお願いします。
 さて、元日を迎え今宵(或いは3日までの夜)の眠りで見る夢を初夢と言いま
すね。その中でも「一富士二鷹三茄子(いちふじにたかさんなすび)」は、初
夢で見る縁起の良いものとされています。この最初に出てくる「富士」は、世
界遺産にもなっている富士山を指していることは誰しもご存知のこと。もしか
したら富士山からご来光を迎えている読者もいらっしゃるのかも知れませんね。
そんなことでこの話題、実は昨年のお正月号でも取り上げていました。今回は
その2と言うことで、暫くおつきあいくださいませ。

 縁起の良いはずの富士山、江戸時代は宝永四年十一月二十三日(1707.12.16)、
お昼近くに突然噴火しました。世に言う富士山宝永噴火です。噴火は富士山の
山頂ではなく、山頂から南東側に少し下った場所で起こりました。この時の噴
火は、有史以来数ある富士山噴火の中でも最も多くの記録が残されています。
これらに因れば、噴火活動はおよそ二週間にわたって続き、この間大きな噴火
が3回有ったようです。これにより山麓では噴石・噴砂が一丈五尺(約4.5m)も
積もり、建物がその重みで潰れたり或いは焼失したり、川が堰き止められ氾濫
して洪水が発生し、また耕作地が石砂で埋もれて長期間耕作ができなかったな
ど、周辺に大きな被害をもたらしました。噴出物は、富士山周辺にとどまらず、
偏西風に乗って東に広がりました。新井白石の『折りたく柴の記』では、最初
の噴火で江戸城内が「白灰が地を埋めて草木もまた白くなりぬ」「天ははなは
だ暗かりければ、燭を挙げて将軍への講義を行った」などとあり、噴火の灰に
より世間では咳がひどい人が多いことも記されています。また、江戸湾を隔て
て我が千葉県の側にも降灰がありました。

 県内にも噴火や降灰の様子の記録が各地に残されています。なかでも木更津
市の郊外に住んでいた住人の記録は、十一月二十三日の噴火から収束にいたる
までを細かに記録しており、噴火研究にとって重要といえるものです。その一
部を紹介すると、「(十一月二十三日)四つ時より、俄(にわか)に空曇り雷
の如く震動、この時暗くして燈火を立てる。八つ時まで西方より白かる石降り。
六つ時より空曇り雷鳴り稲光ありて黒砂降る。」「(同月二十四日)六つ半時
より少し砂降る。この時一坪計り見るに二斗八升八合あり」「(同月二十八
日)前日暮れ六つ時より砂降り、少し晴れても砂は降り」「(十二月三日)夜
に入り砂降り富士山見ゆる、山の南の方暗くして煙り立つ見る」など、さらに
細かく噴火の様子や降灰の様子を記してあります。

 博物館の所在する勝浦市では、噴砂・噴石が五寸ばかり積もったとの記録が
あります。冬季に入り、田畑に耕作物が多く繁茂する時期ではなかったのが幸
いですが、日常生活に支障を来したことは、今日の桜島の噴火ニュースなどか
らも想像に難くないでしょう。特に、こうした記録で多いのは、咳が出て止ま
らないなど、呼吸器への障害が出ていることです。天然のガラス質を主体とす
る火山灰は、のどや肺などの呼吸器や目などの粘膜に障害をもたらすことが知
られているからです。富士山の宝永噴火は、溶岩流を出さない爆発的噴火で、
噴出物の量は0.7立方キロといいます。1991年に噴火して大被害を起こしたフ
ィリピンのピナツボ火山では11立方キロもの噴出物があり、古代ローマを埋め
た紀元79年のヴェスヴィオ火山噴火は6.0立方キロといいますから、世界的に
見ればそれほど大規模な噴火とは言えないようです。しかしさほど大量ではな
い火山灰も、多くの人々に健康被害を生じる影響を与えたことも加えると、大
きな災害といえるのではないでしょうか。

 富士山の噴火が収まったのは、旧暦十二月九日頃でした。これを今日の暦に
しますと1708年1月1日、元日になってのことでした。以来307年の間、活火山
である富士山は温和しいままでいるように見えます。でも、これまでの富士山
の噴火の歴史を紐解いてみますと、最近3200年間に約100回の噴火をしていま
す(2004富士山ハザードマップ報告書)。宝永噴火から、今年で311年が経ち
ます。富士山の噴火史上、こんなに長い間静穏であったことはないようです。
よって、宝永四年の噴火から今日までの静けさはむしろ異常とも言えるのかも
知れません。

 ここでちょっと気になるお話し。先の宝永噴火の場合、その4年前の元禄十
六年十一月二十三日(1703.12.31)にはマグニチュード 8.2 の巨大な地震(元
禄地震)が起こっています。また、噴火の49日前の宝永四年十月四日(1707.10.
28)には、南海トラフ付近を震源とするマグニチュード 8.6 の巨大地震(宝永
東海地震)が起こり、本州から九州にいたる広い地域を大きく揺らし、沿岸に
巨大な津波を襲来させています。こうした大地震の直後とも言える時期に富士
山の宝永噴火は起こったのです。いずれの地震もプレートの境界付近で発生し
たもので、富士山もまたプレート境界付近に位置しているのです。そして、
2011年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の4日後、富士山の地下 15 
㎞ 付近でM6.4の地震が発生していたことは余り知られていません。震災から
間もなく4年を迎えます・・・。多くの犠牲者のご冥福を祈るとともに、秀麗さ
の中に恐さを秘めた活火山の富士山に今一度思いを廻らせてみても良いかもし
れませんね。

 宝永噴火の場所は、宝永火口と呼ばれています。今でも山の下側から上側に
重なるように連続して三つの噴火口を確認することができ、この高まりを宝永
山と言っています。富士宮口からの登山ルートはこの宝永山のすぐ脇を通過し
ます。このルートを通過した方は、登頂の途中右側に連続する火口の一部をご
覧になったかも知れませんね。
 余談ですが、「一富士二鷹三茄子」の四以降もちょっとご紹介しましょう。
「四扇五煙草六座頭」(異説もあり)だそうです。本年も皆さまにとって良い年
でありますよう。そして、海博を引き続きご贔屓(ひいき)くださいますよう。
                                        (主任上席研究員 本吉 正宏)


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│★海の博物館周辺の情報
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●お正月、初日の出スポット

 海の博物館の所在する勝浦市は房総半島の南東部に位置していることから、
太平洋から昇ってくる日の出を見ることができます。
 おすすめは勝浦市街地から東に位置する「官軍塚」とその近くにある勝浦城
址(八幡岬公園)、そして海の博物館の近くの「鵜原理想郷」でしょう。
 これらの場所は海岸の高台にあって美しい日の出を眺めることができます。
    ※海の博物館は、1月2日から平常開館しています。

 官軍塚と鵜原理想郷については次のページをご覧ください。

「官軍塚」(勝浦市のホームページになります)
http://www.city.katsuura.lg.jp/forms/info/info.aspx?info_id=29183

「鵜原理想郷」(勝浦市のホームページになります)
http://www.city.katsuura.lg.jp/forms/info/info.aspx?info_id=29499


●『勝浦鳴海駅伝競走大会』

 海と緑に囲まれた自然豊かな美しいリアス式海岸のコースを海風に吹かれな
がら、1区間約3 km を6区間、18.3 km を6人でタスキを渡します。

 日程:平成27年1月18日(日)
 会場:浜勝浦橋付近スタート(10時40分)・勝浦水産事務所脇付近ゴール
     表彰式 K・A・P・P・Yビジターセンター

「イベント情報」(勝浦市のホームページになります)
http://www.city.katsuura.lg.jp/forms/info/info.aspx?info_id=29202


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 今回も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただきありがとうご
ざいました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
    http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU
お問い合わせはこちらへ umihaku@chiba-muse.or.jp
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