千葉県立中央博物館分館海の博物館メールマガジン バックナンバー
海からのたより 第121号
配信日時:2015/03/01 07:30
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 海からのたより 第121号            2015年3月1日発行

      千葉県立中央博物館分館 海の博物館
      http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/



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│目次
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★マリンサイエンスギャラリー「クラゲ展」、好評開催中!
★3、4月開催行事のご案内
★研究員ノート -本当は美味しい未利用魚-
★海の博物館周辺の情報


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│マリンサイエンスギャラリー「クラゲ展」、好評開催中!
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 2月14日(土)から今年度の企画展示・マリンサイエンスギャラリー「クラゲ
展」が始まりました。
 大きなクラゲ、変わった形のクラゲ、危険なクラゲなど、この展示にはさま
ざまなクラゲが大集合します。また、クラゲの体のつくりやクラゲの一生、人
との関わりなど、多角的にクラゲを紹介します。標本ばかりでなく、クラゲの
生きた姿を身近に観察できるクラゲミニ水族館もあります。
 皆さまのお越しをクラゲたちがお待ちしています!

 詳しくは海の博物館ホームページをご覧ください。

 http://www2.chiba-muse.or.jp/index.php?key=bbw7nxvu1-4853#_4853


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│★3、4月開催行事のご案内
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【マリンサイエンスギャラリー】
 「クラゲ展」
   5月6日(水・振休)まで開催しています。

【観察会】
「クラゲを観察しよう」
 クラゲを採集して観察します。マリンサイエンスギャラリー関連行事です。
 対象:小学生以上(小学生は保護者同伴) 定員:15名
 日時:3月15日(日)10:00~12:00
(申込み締切日:3月1日(日))
 参加費:無料。ただし、傷害保険料として50円必要です。

「海藻を観察しよう」
 海の博物館の前の磯で見られる海藻を探して、観察します。
 対象:中学生以上 定員:20名
 日時:3月22日(日)10:30~13:00
 (申込み締切日:3月8日(日))
 参加費:無料。ただし、傷害保険料として50円必要です。

「ウミウシを観察しよう」
 磯でウミウシを探して、室内でくわしく観察します。
 対象:小学生以上 定員:20名
 日時:4月19日(日)9:30~15:00
(申込み締切日:4月5日(日))
 参加費:無料。ただし、傷害保険料として50円必要です。

 ※ハガキもしくは電子メール、FAXで、以下を明記の上、当館あてにお送り
下さい。また、海の博物館受付でも申込みできます。 
   1. 参加希望の行事の名称と月日
   2. 氏名(参加者全員分)
   3. 年齢(学年)
   4. 郵便番号・住所
   5. 電話番号

【磯・いそ探検隊】
 研究員の案内で博物館前の磯で生きものを観察します。
   定員:15名。
   日時:4月5日(日) 10:30~11:30
   (当日申込み。先着順です。)
   ※足元など多少濡れることもあるので、着替えや履き替え用の靴を準備
    してください(素足、サンダルは危険ですので、ご遠慮ください)。

【海の体験コーナー】
 体験交流員といっしょに、海にまつわるさまざまなメニューにチャレンジし
ます。

  3月 7日(土)「シラスを調べよう」
  3月 21日(土・祝)「海で見つけた材料でオリジナルオブジェを作ろう」
  4月  4日(土)「海藻おしばを作ろう」
  4月 25日(土)「コーラルプリントをしよう」

  各日11:00からと13:30からの2回、約20分間開催します。
     (当日申込み。定員6名。先着順となります)

  *都合により、メニューが変更になる場合があります。

   海の博物館の行事について、詳しくはこちらをご覧下さい。
      http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=533


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│★研究員ノート -本当は美味しい未利用魚-
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 海の博物館ではさまざまな海の生きものに関する調査研究を行うとともに、
さまざまな標本資料を収集しています。私は魚類が担当で、いろいろな方法で
魚類標本を集めますが、漁師さんにお願いして漁港で水揚げをしている時に魚
を分けて頂くことが良くあります。分けて頂く魚は、マダイやヒラメなど、競
りにかけられて市場に流通するような魚ではありません。市場に流通しない、
いわゆる「未利用魚」を分けて頂くのです。未利用魚とは、漁獲対象魚といっ
しょに混獲され、市場価値がない魚のことをいいます。博物館にとってこのよ
うな魚は、漁獲された地域の魚類相を知る上で貴重な魚類標本になります。

 では,未利用魚って食べられない魚なのでしょうか?
 千葉県勝浦市ではキンメ漁が盛んに行われていますが、この漁で混獲される
未利用魚をいくつか検証してみましょう。

 まず、最も多く混獲されるのがカラスザメの仲間です。全長50cm程度にしか
ならない小型種で、体全体が黒っぽく、2つある背鰭のそれぞれ一番前方に毒
のある棘を持っているのが特徴です。漁師さんの話によると、混獲魚を海に投
げ入れるとカモメが一斉に取り合いを始めるのですが、このカラスザメには見
向きもしないそうです。よほど不味いのか、それとも毒のある棘を避けている
のか...。
 あるとき漁師さんからカラスザメを何尾か頂いた際、1尾だけ食べてみるこ
とにしました。半身を刺身にしたところ、白身に赤身が混じった肉質で、少し
コリコリとした歯触りでなかなかいけます。その時居合わせた博物館の職員や
ボランティアの方にも試食して頂きましたが、評判は上々でした。もう半身は
自宅に持ち帰って水炊きにしてみたのですが、こちらもクセがなく美味しく頂
くことができました。

 次に多いのが、ソコダラの仲間です。全長はおよそ60cmで体は黒く、眼と口
が大きく、尾部が細長く伸びており、いかにも深海魚という体つきをしていま
す。はっきり言って見た目はグロテスクでとても食欲をそそりませんが、刺身
やフライ、鍋にするととても美味しい魚です。伊豆地方では深海魚料理として
一般の食堂や民宿などで出しているところがありますが、勝浦ではほとんど利
用されていません。

 滅多に混獲されませんが、ミズウオはどうでしょうか?ミズウオは銀色の細
長い体をした魚で、大きな口に鋭い歯、高い背鰭が特徴で、全長2mをこえる魚
です。実際に料理した人によると、肉の部分には水分が多く、煮たり焼いたり
すると溶けてしまったようになり、とても食べられるものではないそうです。

 こうして未利用魚を見ていくと、美味しく食べられる魚も含まれているので
す。まとまった量が獲れない魚や一般になじみが薄い魚では、競りに出しても
ほとんど値が付かないため、なかなか利用されずに廃棄されてしまうことが多
いのです。
 しかしながら最近、この未利用魚を有効活用しようという動きがあちこちで
見られるようになってきました。カラスザメの刺身が勝浦の食堂で提供される
ようになるのも、そう遠くのことではないかもしれません。
                                        (主任上席研究員 川瀬 裕司)


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│★海の博物館周辺の情報
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●「2015 かつうらビッグひな祭り」(3月3日まで)

 2月20日(金)~3月3日(火)に、全国にもすっかり有名になった「かつう
らビッグひな祭り」が今年も開催されています。
 「かつうらビッグひな祭り」は開催期間中、勝浦市芸術文化交流センター
「Kuste(キュステ)」をはじめ、市内各所に約30,000体のひな人形が飾られ
ています。遠見岬(とみさき)神社の60段の石段一面にもおよそ1,200体の人
形が飾られ、さらに夕暮れ時からライトアップされます。期間中は、子どもた
ちが稚児の衣装で着飾ったひな行列や盛りだくさんのイベントが行われ、土日
は歩行者天国になり各種出店で賑わいます。

   詳しくは勝浦市のホームページをご覧ください。
    http://www.katsuura-sanpo.com/facilities/event/post-449/


●勝浦海中公園で「ちっちゃいひな祭り」を開催中(3月3日まで)

「2015 かつうらビッグひな祭り」に併せて、海の博物館のお隣の勝浦海
中公園では「第9回ちっちゃいひな祭り」を開催しています。

  お問い合わせは、
       一般財団法人千葉県勝浦海中公園センター
       〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾174
         TEL: 0470-76-2955 FAX: 0470-76-4251 
  http://www.bay-web.com/leisure/katsuura/


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 今回も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただきありがとうご
ざいました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
    http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU
お問い合わせはこちらへ umihaku@chiba-muse.or.jp
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