千葉県立中央博物館分館海の博物館メールマガジン バックナンバー
海からのたより 第125号
配信日時:2015/07/01 08:00
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  千葉県立中央博物館分館 海の博物館メールマガジン

 『海からのたより』 第125号
                          2015年7月1日発行

                 千葉県立中央博物館分館 海の博物館
                 http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/


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│目次
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★休館日のお知らせ
★収蔵資料展「夏休みペシャル 外房・川の生きものミニ水族館」まもなく
 開催します!
★7、8月の行事案内
★研究員ノート -ヤマビル 出ました -
★海の博物館周辺の情報


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│★休館日のお知らせ
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 7月の休館日は次の通りです。
    7月6日(月)、13日(月)、21日(火)、27日(月)

 8月は休まず開館します。
                  

 詳しくは海の博物館ホームページの開館日カレンダーをご覧ください
 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=403

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│★収蔵資料展「夏休みペシャル 外房・川の生きものミニ水族館」
  まもなく開催します!
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 海の博物館では、夏休み期間中に収蔵資料展「外房・川の生きものミニ水族
館」を開催します。
 海の博物館のある房総半島太平洋側の「外房」と呼ばれる地域は、海だけで
なく淡水の自然も豊かです。外房の川や池などにすむ生きものたちを水槽で展
示します。天然記念物の「ミヤコタナゴ」も登場します。


▲収蔵資料展「夏休みペシャル 外房・川の生きものミニ水族館」
 会期:平成27年7月18日(土)~8月31日(月)


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│★7、8月の行事案内
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 海の博物館では、さまざまな行事を開催しています。
 皆様の参加をお待ちしております。

 詳しくはこちらをご覧下さい
   http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=394

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【観察会】

「夷隅川の干潟でカニを調査しよう」
 河口干潟と砂浜のカニ類の生息状況を調べます。
  対象:一般(大学生以上) 定員:10名
  日時:7月18日(土)10:00-14:00
  事前申込:締切日:7月4日(土)
  参加費:傷害保険料50円
  ※現地集合・昼食をご用意下さい。

「水中めがねで海の生きものを観察しよう」】
 水中めがねの使い方を覚えてから、海の中の生きものを観察します。
  対象:小学生以上(小学生は保護者同伴) 定員:20名
  日時:8月8日(土)9:30~12:00
  事前申込:締切日:7月25日(土)
  参加費:傷害保険料50円
  ※水中メガネは貸出できます。

 ◯観察会へのお申し込みは、ハガキもしくは電子メール、FAXで、以下を明
記の上、当館あてにお送り下さい。また、海の博物館受付でも申込みできます。

   1. 参加を希望する行事の名称と月日
   2. 氏名(参加者全員分)
   3. 年齢(学年)
   4. 郵便番号・住所
   5. 電話番号


【磯・いそ探検隊】
 研究員の案内で博物館前の磯で生きものを観察します。
   定員:15名
   日時:8月 1日(土) 11:00~12:00
      8月 2日(日) 11:00~12:00
      8月14日(金) 10:00~11:00
      8月29日(土) 10:00~11:00
      8月30日(日) 10:00~11:00
   (当日申込み。先着順です。)
   参加費:無料。ただし、傷害保険料として50円が必要です。


【みんなで工作 海の生きもの】
 海の生きものにちなんだ簡単な工作を行います。どなたでもお気軽に参加で
きます。定員は各回15名です(当日申込み。先着順で、定員になりしだい締め
切りとなります)。

  7月25日(土)10:45-11:45 13:30-14:30
     「海で見つけた材料でオリジナルオブジェを作ろう」
   台紙に貝殻やビーチグラスをあしらって、フォトフレームを作ります。
   参加費:材料費として50円が必要です。

  8月7日(金)10:45-11:45 13:30-14:30
     「コーラルプリントをしよう」
   絵具を使って、布にサンゴや貝殻の模様を写しとった作品を作ります。
   参加費:材料費として50円が必要です。

  8月23日(日)10:45-11:45 13:30-14:30
     「コーラルプリントをしよう」
   色とりどりの海藻を使って海藻おしばをつくります。
   参加費:材料費として50円が必要です。



   海の博物館の行事について、詳しくはこちらをご覧下さい。
      http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=533


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│★研究員ノート -ヤマビル 出ました-
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 房総半島では、特にシカが多く生息する房総丘陵を中心に「ヤマビル」がた
くさん住んでいます。近年、おそらくシカの個体数増加や分布域の拡大にとも
なって、これまであまりヤマビルが見られなかった地域でも発見されるように
なってきました。海の博物館のごく周辺でも、これまではヤマビルを見ること
はなかったのですが、今年に入ってから、頻繁にヤマビルに遭遇するようにな
りました。
 さて、「ヤマビル」とは一体、どんな生物なのでしょうか?
 ヤマビルは、環形動物門(ミミズやゴカイのなかま)のヒル綱に属する動物
です。ヒル綱の中には吸血性のものが少なくありませんが、中でもヤマビルは
人の血を吸う代表的なヒルといえます。体はよく伸び縮みして、伸びたときに
は5センチメートル近くになります。頭部と尾部には吸盤があり、この吸盤を
使って尺取り虫のようにして、かなりのスピードで動きます。ヤマビルは哺乳
類などの体温や炭酸ガスなどを感知して接近してくるのですが、そのスピード
は分速1メートルとされていて、実際にその様子を見るとちょっと驚きます。
ヤマビルの頭部の吸盤には吸血するための歯がついています。いったん相手に
咬み付くと、ゆっくりとその血を吸い始めます。吸われる側は、ヤマビルの唾
液に含まれる麻酔薬によって、咬まれたことにほとんど気づきません。また、
ヤマビルは血液が固まらないように「ヒルジン」という物質を出すため、咬ま
れた傷口からはしばらく血が止まらない、という状況になり、とても不快です。
ヤマビルは一度血液をお腹いっぱい吸うことができると、その栄養だけで卵を
生むことができます。そのため、1回吸われたら、その後の個体数増加に確実
につながります。ヤマビルに吸われると、吸われた当人が不快なだけでなく、
その後の個体数増加も招いてしまうのです。ヤマビル対策については、さまざ
まな自治体がマニュアルを出していますので、林の中に入る方は、これらに一
度目を通しておくことをおすすめします。なお、博物館のごく周辺に出現、と
いっても、ヤマビルはとても乾燥に弱いので、博物館の敷地内の舗装された場
所で出会うことはありません。また塩分にもとても弱いので、海岸で遭遇する
こともありません。ご安心下さい。
 吸血ヤマビルのお陰で、「ヒル」というと、陸上の動物のように思われるこ
とが多いのですが、実はヒル綱に属する動物の多くは淡水性、つまり水の中に
住んでいます。また、ウオビルの仲間のように、海で暮らすヒルも少なくあり
ません。房総半島では、かつては田んぼなどに普通に生息していた「チスイビ
ル」というヒルがいます。ただ、近年、水田の環境の変化によって、チスイビ
ルを見かけることは稀になってきています。京都府では、チスイビルが「準絶
滅危惧種」に指定されているほどです。先日、とある場所でこのチスイビルを
採集してきました。この夏開催の「外房・川の生きものミニ水族館」では、チ
スイビルを実際にごらんいただくことができるかもしれません。お楽しみに。
                     (主任上席研究員 柳 研介)

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 今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただきありがとうご
ざいました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
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