千葉県立中央博物館分館海の博物館メールマガジン バックナンバー
海からのたより 第134号
配信日時:2016/04/01 08:30
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 海からのたより 第134号              2016年4月1日発行

        千葉県立中央博物館分館 海の博物館
        http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/


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│目次
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★マリンサイエンスギャラリー「毒をもつ海の生きもの」、好評開催中!
★海の生きもの観察ノート13号が完成しました!
★4、5月開催行事のご案内
★研究員ノート  -橋に見る災害と復興-
★職員の異動と28年度の海の博物館の職員の専門分野
★海の博物館周辺の情報

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│マリンサイエンスギャラリー「毒をもつ海の生きもの」、開催中!
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 平成27年度分館海の博物館マリンサイエンスギャラリー「毒をもつ海の生
きもの-食べるため・食べられないため-」が開催中です。
 オオツノヒラムシの水槽展示を追加しました。
 会期は5月8日(日)まで。

 http://www2.chiba-muse.or.jp/index.php?key=bbw7nxvu1-4853#_4853

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│★海の生きもの観察ノート13号が完成しました!
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 このほど海の生きもの観察ノート13号「ヒトデ・ウニ・ナマコを観察しよ
う」が完成しました。ヒトデ・ウニ・ナマコは、同じ棘皮動物というグルー
プの仲間です。海の博物館の前の磯を中心に、千葉県で見られる種類を多数
掲載しています。海の博物館ホームページからダウンロードできますので、
是非ご利用ください。

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│★4、5月開催行事のご案内
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 ゴールデンウイークの後半は、潮回りもよく磯の観察に最適で、野外行事
も盛りだくさんです。潮の干かない前半も室内行事を用意してお待ちしてい
ます。

4月2日(土)
 ■海の体験コーナー「海藻おしばを作ろう」【当日受付】
 体験交流員といっしょに、海にまつわるさまざまなメニューにチャレンジ
 する行事です。色とりどりの海藻を使って「海藻おしば」を作ります。
 時間:第1回11:00~ 第2回13:30~ 所要時間は約20分。
 対象:3歳以上(小学生以下は保護者同伴) 定員:各回6名
 場所:海の博物館展示室体験カウンター
 参加費:博物館入場料と材料費50円/人。
 ※事前申込不可。当日博物館受付でお申し込みください。先着順です。

4月16日(土)
 ■海の体験コーナー「微小貝をさがそう」【当日受付】
 体験交流員といっしょに、海にまつわるさまざまなメニューにチャレンジ
 する行事です。浜辺からすくってきた砂の中に入っている小さな貝がらを
 探します。
 時間:第1回11:00~ 第2回13:30~ 所要時間は約20分。
 対象:3歳以上(小学生以下は保護者同伴) 定員:各回6名
 場所:海の博物館展示室体験カウンター
 参加費:博物館入場料と材料費50円/人。
 ※事前申込不可。当日博物館受付でお申し込みください。先着順です。

4月24日(日)
 ◯観察会「ウミウシを観察しよう」【事前申込】
 磯でウミウシを探して、室内で詳しく観察します。
 時間:9:30~15:00
 対象:小学校高学年以上(小学生は保護者同伴) 定員:20名
 場所:海の博物館前の磯・講座実験室
 参加費:傷害保険料50円/人
 ※事前申込必要(4月10日〆切)

4月30日(土)
 □博物館探検隊(バックヤードツアー)【当日受付】
 ふだん見ることのできない博物館のバックヤードを、研究員の案内で巡り
 ます。
 時間:13:30~14:15
 対象:3歳以上(小学生以下は保護者同伴) 定員:15名
 場所:海の博物館バックヤード
 参加費:博物館入場料のみ
 ※事前申込不可。当日博物館受付でお申し込みください。先着順です。

5月1日(日)
 □博物館探検隊(バックヤードツアー)【当日受付】
 ふだん見ることのできない博物館のバックヤードを、研究員の案内で巡り
 ます。
 時間:13:30~14:15
 対象:3歳以上(小学生以下は保護者同伴) 定員:15名
 場所:海の博物館バックヤード
 参加費:博物館入場料のみ
 ※事前申込不可。当日博物館受付でお申し込みください。先着順です。

5月3日(火・祝)
 ★みんなで工作海の生きもの「コーラルプリントをしよう」【当日受付】
 サンゴや貝がらを使ってコーラルプリント(拓本)を作ります。
 時間:第1回10:45~11:45 第2回13:30~14:30
 対象:小学生以上(小学生は保護者同伴) 定員:各回15名
 場所:海の博物館講座実験室
 参加費:博物館入場料のほか材料費50円/人
 ※事前申込不可。当日博物館受付でお申し込みください。

5月4日(水・祝)
 □博物館探検隊(バックヤードツアー)【当日受付】
 ふだん見ることのできない博物館のバックヤードを、研究員の案内で巡り
 ます。
 時間:13:30~14:15
 対象:3歳以上(小学生以下は保護者同伴) 定員:15名
 場所:海の博物館バックヤード
 参加費:博物館入場料のみ
 ※事前申込不可。当日博物館受付でお申し込みください。先着順です。

5月5日(木・祝)
 ☆磯・いそ探検隊(フィールドトリップ)【当日受付】
 研究員の案内で、磯の生きものを観察します。
 時間:9:30~10:30
 対象:3歳以上(小学生以下は保護者同伴) 定員:15名
 場所:海の博物館前の磯
 参加費:博物館入場料のほか傷害保険料50円/人
 ※事前申込不可。当日博物館受付でお申し込みください。先着順です。

5月6日(金)
 ☆磯・いそ探検隊(フィールドトリップ)【当日受付】
 研究員の案内で、磯の生きものを観察します。
 時間:10:00~11:00
 対象:3歳以上(小学生以下は保護者同伴) 定員:15名
 場所:海の博物館前の磯
 参加費:博物館入場料のほか傷害保険料50円/人
 ※事前申込不可。当日博物館受付でお申し込みください。

5月7日(土)
 ☆磯・いそ探検隊(フィールドトリップ)【当日受付】
 研究員の案内で、磯の生きものを観察します。
 時間:10:00~11:00
 対象:3歳以上(小学生以下は保護者同伴) 定員:15名
 場所:海の博物館前の磯
 参加費:博物館入場料のほか傷害保険料50円/人
 ※事前申込不可。当日博物館受付でお申し込みください。先着順です。

5月8日(日)
 ◯観察会「海藻を観察しよう」【事前申込】
 磯で見られる海藻を探して観察します。
 時間:10:00~12:30
 対象:小学生以上( 小学生は保護者同伴) 定員:20名
 場所:海の博物館前の磯・講座実験室
 参加費:傷害保険料50円/人
 ※事前申込必要(4月24日〆切)

5月15日(日)
 ■海の体験コーナー「微小貝をさがそう」【当日受付】
 体験交流員といっしょに、海にまつわるさまざまなメニューにチャレンジ
 する行事です。浜辺からすくってきた砂の中に入っている小さな貝がらを
 探します。
 時間:第1回11:00~ 第2回13:30~ 所要時間は約20分。
 対象:3歳以上(小学生以下は保護者同伴) 定員:各回6名
 場所:海の博物館展示室体験カウンター
 参加費:博物館入場料と材料費50円/人。
 ※事前申込不可。当日博物館受付でお申し込みください。先着順です。

5月21日(土)
 ◯観察会「鵜原理想郷で海岸植物を観察しよう」【事前申込】
 室内での海岸植物についての講義のあと、鵜原理想郷で観察します。
 時間:10:00~14:00
 対象:一般 定員:15名
 場所:講座実験室・鵜原理想郷
 参加費:傷害保険料50円/人
 ※事前申込必要(5月13日〆切)

5月29日(日)
 ■海の体験コーナー「オリジナルオブジェを作ろう」【当日受付】
 体験交流員といっしょに、海にまつわるさまざまなメニューにチャレンジ
 する行事です。海辺で拾った貝がらなどを使って、オリジナルフォトフレ
 ームをつくります。
 時間:第1回11:00~ 第2回13:30~ 所要時間は約20分。
 対象:3歳以上(小学生以下は保護者同伴) 定員:各回6名
 場所:海の博物館展示室体験カウンター
 参加費:博物館入場料と材料費50円/人。
 ※事前申込不可。当日博物館受付でお申し込みください。先着順です。

【観察会の申込方法】
ハガキもしくは電子メール、FAXで、以下を明記の上、当館あてにお送り下さ
い。また、海の博物館受付でも申込みできます。
   1. 参加希望の行事の月日と名称
   2. 氏名(参加者全員分)
   3. 年齢
   4. 郵便番号・住所
   5. 電話番号


  海の博物館の行事について、詳しくはこちらをご覧下さい。
  http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=533

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│★研究員ノート -橋に見る災害と復興- 
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 2011年の東北地方太平洋沖地震による東日本大震災から、3月11日で丸5年
が過ぎました。これまでの間、災禍からの立ち直りに向けて様々な努力と取
り組みが行われて来ましたが、多くの方々にとってまだまだ道半ばという感
は否めないといえましょう。被災された方々を思うと心が痛まずにはおれま
せん。

 私たちの住む日本列島は足元を見れば複数の活発なプレートの境界上に位
置するというその立地故に、地殻変動の影響を大きく受けてきました。ヒト
が登場すると、それは災害となって私たちを苦しめてきました。有史以来の
災害の記録や伝承・痕跡は、多くの研究者により解き明かされてきています。

 今から93年前の1923年(大正12年)9月1日に南関東を襲った大正関東地震
は、関東大震災と呼ばれ、私たちに大きな災害をもたらしたことはよく知ら
れています。特に東京や横浜などの首都圏では大火災による被害が甚大だっ
た地域として知られています。そうしたなか河川に架かる多くの橋梁で、地
震による損壊や延焼による焼失があったことが様々な記録等にも見ることが
出来ます。これら橋梁の損壊や焼失は避難する人々の行く手を阻み、また救
援のルートを遮断することとなり、被害を大きくし長引かせたのでした。

 千葉県では、特に南部の地域で地震動が激しく、土地の隆起や地割れなど
地盤の大きな変動も生じさせました。北条町・館野町・那古町(ともに現館
山市)、国府村・健田村(ともに現南房総市)では建物の95%以上が倒壊・
焼失等の被害を受け【関東地震調査報告第二(1925)】、さらに白浜村(現
南房総市)の野島崎灯台が崩壊したり、安房北条駅(現JR館山駅)では列
車が横転するなど揺れの激しさを物語っています。激しい揺れは当時の重要
なインフラであった多くの道路や鉄道路線に設置された橋梁にも損傷・損壊
などの被害をもたらしました。損壊等により通行できなくなった橋梁は、地
震後の復興を遅らせる要因の一つでもありました。

 道路では、国道410号線の館山市長須賀と館山で汐入川に架かる鉄筋コンク
リート造の潮留橋は、その銘板から震災からおよそ6年後の1929年(昭和4年
)3月に架けられたことが分かります。震災の復興速度が遅々として進まなか
ったといわれる中、地域にあって比較的早く架け直された橋梁の一つといわ
れます。これは近くの館山航空隊の開隊が翌年に予定されており、安房北条
駅とを結ぶ道路として重要だったからともいわれます。

 こうした震災復興の一環として架設されたと思われる道路の橋梁は、勝浦
市墨名の小柳橋(1930年12月)、勝浦市部原の部原橋・いすみ市山田の堀貫
橋(ともに年不明1930年代か)、館山市正木の府中橋(1938年)などがあり
ます。各地の橋梁の架設時期を見てみると、重要な橋梁から架けていったな
ど震災の復興の様子が見えてくるのかも知れませんね。でも残念なことに、
今日橋梁の標準的な耐用年数は、鋼橋が60年、沿岸部の塩害地域のコンクリ
ート橋で50年、塩害地域以外では75年としている【自治体管理・道路橋の長
寿命化修繕計画策定マニュアル(案)(2007)】ことから、昭和初期に築造さ
れた橋梁が補修等されながらも残っていること自体がとても少ないのかも知
れません。これも私たちの安全のためには仕方がないのかも知れませんね。
僅かに残るこうした橋梁を渡る時には、今日と同じように当時にあっても大
きな災害からの復興はとても大変で時間の掛かる事業であったことが伺える
のではないでしょうか。先年の東日本大震災の復興を見つめる時に、関東大
震災の復興の足跡をこうした橋梁を探すことから辿ってみてはいかがでしょ
う。

 皆さんが普段何気なく渡っている橋にも、深い歴史が秘められているかも
しれません。

〈追記〉
 南房総市白浜町滝口の長尾川に架けられている「めがね橋」は、県内唯一
の三連石積みの上路アーチ橋で、1888年(明治21年)に地元石工の設計・施
工で地元のみずるめ石を使って架設されました。県指定文化財となっており
、現在車両の通行は出来ませんが、1917(大正6年)年の長尾川大洪水や関東
大震災にも耐えて、戦時中は戦車も往来したといわれます。また鋸南町元名
の「汐止橋」は、1895年(明治28年)3月の竣工で、一径間ではありながら石
積み上路アーチ橋で、地元の保田石をアーチリングに向かって斜めに積んで
いるのが特徴です。地震で最も激しく揺れたといわれる地域にこうした橋梁
が残っていることに驚かされるとともに、技術の高さに感心させられます。

                      (主席研究員 本吉正宏)

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│★職員の移動と28年度の職員の専門分野
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★職員の異動

 3月31日及び4月1日付けで、海の博物館の職員の異動がありました。転入職
員の自己紹介は次号に掲載します。


【転入・採用】
 分館長     新 和宏(中央博物館自然誌・歴史研究部より)
 主任上席研究員 村田 明久(中央博物館動物学研究科・県自然保護課生
物多様性センターより)

【転出・退職】
 分館長      平野 久朗(定年退職)
 主任上席研究員  乃一 哲久(教育庁教育振興部文化財課へ)

★28年度の海の博物館の職員の専門分野

 28年度に在籍する職員の専門分野は次のとおりです。海の生きもの等に関
する質問があるときに参考にしてください。

主席研究員   本吉 正宏【歴史(史学・博物館学)】
主任上席研究員 川瀬 裕司【魚(魚類行動学)】
主任上席研究員 立川 浩之【刺胞動物イシサンゴ類(海洋生物学)】
主任上席研究員 奥野 淳兒【エビ、ヤドカリなど(甲殻類学)】
主任上席研究員 菊地 則雄【海藻(藻類学)】
主任上席研究員 柳  研介【イソギンチャクなど(刺胞動物学)】
主任上席研究員 村田 明久【フジツボなど(動物行動学)】


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│★海の博物館周辺の情報
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●「春まつり」
 勝浦中央商店街と朝市通りに、植木店や露天商などが出店し、毎年、家族
連れなどでにぎわいをみせます。出店者の中には、先代から60年以上も手作
りの品を売り続けている店もあるそうです。
 開催期間: 4月4日(月)・5日(火)
 会場:勝浦中央商店街・朝市通り

以上の詳しい情報は、勝浦市観光ポータルサイト「かつうら潮風散歩道」を
ご覧ください。
http://www.katsuura-sanpo.com/

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 今回も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただきありがとう
ございました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
    http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU
お問い合わせはこちらへ umihaku@chiba-muse.or.jp
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