千葉県立中央博物館分館海の博物館メールマガジン バックナンバー
海からのたより 第142号
配信日時:2016/12/01 09:00
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  千葉県立中央博物館分館 海の博物館メールマガジン

 『海からのたより』 第142号
                          2016年12月1日発行

                 千葉県立中央博物館分館 海の博物館
                 http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/

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 今年も残す所わずかになりました。
 12月には、海の博物館展示室でも大掃除をおこないます。
 目につかない所も、ちゃんとキレイにしているんですよ。

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│目次
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★海のアート展「海の不思議ないきもの」好評開催中!
★年末年始の開館情報
★12、1月の行事案内
★研究員ノート −世界津波の日−
★海の博物館周辺の情報
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│★ 海のアート展「海の不思議ないきもの」好評開催中!
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 木暮奈津子氏が新聞紙で作り上げた、海の不思議ないきものたちを、勝浦、
鵜原海岸の美しい海で撮影した写真とともに展示しています。
 会期は平成29年1月29日(日)までです。ぜひご覧下さい。

 また、会期中にワークショップも開催します。あなたも作品作りにチャレン
ジしてみませんか。詳細は、下記の行事案内をご覧下さい。

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│★ 年末年始の開館情報
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 年末年始にかけて、臨時休館がございます。ご注意ください。
 新年は、1月2日(月)から開館いたします。

臨時休館:平成28年 12月13日(火)、14日(水)
     平成29年 1月11日(水)、12日(木)
年末年始の休館:平成28年12月28日(水)〜平成29年1月1日(日)

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│★12、1月の行事案内
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 詳しくはこちらをご覧下さい。
  http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=533

【海の体験コーナー】
 体験交流員といっしょに、海にまつわるさまざまなメニューにチャレンジす
る行事です。

 12月3日(土)「オリジナルオブジェを作ろう」
 12月17日(土)「シラスをしらべよう」
 1月14日(土)「コーラルプリントをしよう」
 1月28日(土)「海藻おしばを作ろう」」
   (当日申込み。定員6名。先着順)
 ※入場料のほか、材料費50円/人が必要です。

【ワークショップ】
「新聞紙で海の不思議ないきものを作ろう!」
 海のアート展「海の不思議ないきもの」の関連イベントです。
  日時:12月24日(土)・25日(日) 13:00〜15:30
  定員:各回20名(当日申し込み。先着順)
  *入場料が必要

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│★研究員ノート −世界津波の日−
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 もう先月のことになりますが、11月5日は「世界津波の日」ということでマ
スコミを始めとして広く取り上げていました。これは2015年12月の国連総会
本会議により制定されたもので、今回が制定後最初の「世界津波の日」でし
た。でも、実は11月5日については、我が国では「世界津波の日」が制定され
る以前の2011年6月に「津波対策の推進に関する法律」が制定されたことに
より、この日を「津波防災の日」としていました。この法律が制定された年
は「東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)」が3月に発生し、津波による
甚大な被害を出していたことから、法律の制定によって津波被害防止を国民
全体で共有し防災活動に取り組んでいこうとするものでした。

 「津波防災の日」と「世界津波の日」が11月5日となった理由ですが、こ
れは江戸時代末の嘉永7(1854)年11月5日に潮岬沖の南海トラフを震源とし
て発生したマグニチュード(以下M)8.4の「安政南海地震」での出来事を
その根拠としています。その出来事については、1937年から約10年当時の小
学校の教科書に「稲むらの火」として取り上げられており、さらに最近では
「百年後のふるさとを守る」と題して小学5年生の国語科教科書に掲載され
ているものもあるので聞いたことがあるかと思います。

 当時、紀州広村(和歌山県広川町)の庄屋だった浜口儀兵衛(梧陵)がこ
の地震による津波襲来から人々を救うために、高台で稲むらに火を点けて人
々が集まったことにより人命が救われたという実話に端を発しています。儀
兵衛はその後津波防災のために私財を投じて海を臨む村前の海岸に長大な防
潮堤を築くなど津波防災に尽力しました。現在でも郷土を救い人々を守った
義民として儀兵衛は称えられ、その行動は地元の資料館でも紹介され、築か
れた防潮堤の保全活動も行われています。こうした儀兵衛の実践を明治期の
文豪小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が英語作品化し、隣り町湯浅町出身
の中井常蔵が翻訳したものが元になり教科書に載りました。ちなみに浜口儀
兵衛(梧陵)は、銚子市に来て醤油業を引き継いだ実業家でも知られていま
す。

 ところで「安政南海地震津波」の発生した嘉永7年11月5日は、元号ではま
だ「嘉永」で「安政」ではありませんでした。もっとも約3週間後に「安政」
に改元されていることから、後世この地震には「安政・・・」が付されまし
た。さらにこの地震の約32時間前には、静岡県浜松市沖の南海トラフ東部分
を震源とするM8.4の「安政東海地震津波」が起こり、これも「安政」が冠
せられています。両方の地震を合わせて「安政地震」「安政大地震」と呼ぶ
こともあります。

 また地震発生の嘉永7年11月5日はいわゆる旧暦による日付ですが、現在使
われている西暦に換算すると12月24日にあたります。つまりクリスマスイヴ
の夕刻(申刻=午後5時頃)にこの大きな地震津波が発生したのですね。国
連でも「世界津波の日」を西暦に置き換えたクリスマスイヴにはあてられな
かったのかも知れませんね。

 歴史的に12月に発生した地震や津波を見てみると、千葉県では1987年12月
17日にM6.7の「千葉県東方沖地震」、1703年12月31日M8.1の「元禄地震
津波」、国内では1946年12月21日M8.0の「昭和南海地震津波」、海外では
2004年12月26日M9.3の「スマトラ島沖地震津波」などがあげられるでしょ
う。

 師走に入り慌ただしさが募る頃となりましたが、災害は時知らず。皆さま
、防災意識には余念無く新しい年の準備をされますよう。

(主席研究員 本吉正宏)
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│★海の博物館周辺の情報
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●お正月、初日の出スポット

 海の博物館の所在する勝浦市は房総半島の南東部に位置していることから、
太平洋から昇ってくる日の出を見ることができます。
 おすすめは勝浦市街地の東に位置する「官軍塚」とその近くにある勝浦城
址(八幡岬公園)、そして海の博物館の近くの「鵜原理想郷」でしょう。
 これらの場所は海岸の高台にあって美しい日の出を眺めることができます。
 詳しくは以下の勝浦市ホームページをご覧ください。

「官軍塚」
http://www.city.katsuura.lg.jp/forms/info/info.aspx?info_id=29183
「八幡岬公園(勝浦城跡)」
http://www.city.katsuura.lg.jp/forms/info/info.aspx?info_id=29182
「鵜原理想郷」
http://www.city.katsuura.lg.jp/forms/info/info.aspx?info_id=29499


 勝浦観光の詳しい情報は、勝浦市観光ポータルサイト「かつうら潮風散歩道」を
ご覧ください。
http://www.katsuura-sanpo.com/

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 今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただきありがとうご
ざいました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
    http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU
お問い合わせはこちらへ umihaku@chiba-muse.or.jp
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