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海からのたより 第143号
配信日時:2017/01/01 10:00
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  千葉県立中央博物館分館 海の博物館メールマガジン

 『海からのたより』 第143号
                          2017年1月1日発行

                 千葉県立中央博物館分館 海の博物館
                 http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/

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 新年あけましておめでとうございます。
 本年が良い一年になりますように祈念いたします。

 海の博物館職員一同、皆様に喜んで頂ける博物館を目指し、努力して参りま
す。
 本年も、よろしくお願いいたします。

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│目次
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★海のアート展「海の不思議ないきもの」1/29まで
★—予告— マリンサイエンスギャラリー「サンゴ礁の生きものたち」
★年始の開館、臨時休館のご案内
★1、2月の行事案内
★研究員ノート −マアナゴはいったいどこで生まれる?−
★海の博物館周辺の情報
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│★ 海のアート展「海の不思議ないきもの」1/29まで
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 木暮奈津子氏が新聞紙で作り上げた、海の不思議ないきものたちを、勝浦、
鵜原海岸の美しい海で撮影した写真とともに展示しています。
 会期は平成29年1月29日(日)までです。
 お見逃しなく!

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│★ —予告— マリンサイエンスギャラリー「サンゴ礁の生きものたち」
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 2月11日から、マリンサイエンスギャラリー「サンゴ礁の生きものたち」を
開催します。
 現在、着々と準備を進めています。
 乞うご期待!

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│★ 年始の開館、臨時休館のご案内
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 新年は、1月2日(月)から開館いたします。

 また、下記の日程で臨時休館日いたしますので、ご注意ください。
 臨時休館:平成29年 1月11日(水)、12日(木)

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│★1、2月の行事案内
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 詳しくはこちらをご覧下さい。
  http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=533

【海の体験コーナー】
 体験交流員といっしょに、海にまつわるさまざまなメニューにチャレンジす
る行事です。

 1月14日(土)「コーラルプリントをしよう」
 1月28日(土)「海藻おしばを作ろう」
 2月11日(土)「微小貝を探そう」
 2月25日(土)「オリジナルオブジェを作ろう」

   (当日申込み。定員6名。先着順)
 ※入場料のほか、材料費50円/人が必要です。

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│★研究員ノート −マアナゴはいったいどこで生まれる?−
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 アナゴの仲間(アナゴ科魚類)は世界から約150種が知られており,日本
からは25種が知られています。種によって生息環境は多様で,沿岸の浅い海
から沖合の深い海の様々な場所で暮らしています。
アナゴ類で我々に最もなじみ深い魚と言えば,マアナゴでしょう。北海道から
九州にかけて沿岸域の砂泥底に生息し,返しのついた筒を海底に沈めて漁獲さ
れています。この筒に入っている餌のにおいにつられた魚は,いったん中に入
ると外に出られない仕組みになっているのです。マアナゴは煮物,焼物,てん
ぷらなどさまざまな方法で調理され,穴子丼,穴子飯,穴子寿司,穴子ちらし
などとして食卓をにぎわせています。東京湾で獲れたマアナゴは江戸前寿司の
ネタとしても重宝されています。
成長したマアナゴの体色は薄褐色をしていますが,幼生の体は透明で葉っぱの
ような形をしていることから葉形仔魚(レプトケファレス)とも呼ばれていま
す。このマアナゴの幼生は沿岸域に大量に出現することがあり,高知県ではシ
ラス網で幼生が漁獲されています。この幼生は「のれそれ」とも呼ばれ,生の
まま酢醤油につけて食べるのが珍味とされています。

では,このマアナゴはいったいどこで生まれているのでしょうか?
なじみ深い魚だから,そんなことはよくわかっているだろうと思われるかもし
れませんが,マアナゴの産卵生態は長い間謎に包まれていました。幼生が沿岸
域で確認されることから,マアナゴは沿岸域かその少し沖合で産卵しているの
ではないかと考えられていたこともありましたが,沿岸域では成熟した個体は
全く見られません。また,沿岸域で見られる幼生は生まれてから2カ月以上経
過しており,それより若い個体は出現していません。
マアナゴと比較的近い仲間のニホンウナギでは,日本のはるか南にあるマリア
ナ海嶺で受精卵が2009年に初めて採集されました。これにより,ニホンウナギ
が水深数千mの海域の水深200m付近の中層で産卵していることが初めて明ら
かになり,世界中で大きな話題となりました。
いっぽうマアナゴの受精卵はフィールドではまだ見つかっていません。しかし
,孵化後わずか数日しか経っていない仔魚が採集された場所などから,マアナ
ゴは沖ノ鳥島南方の九州パラオ海嶺付近で産卵していることが最近明らかにさ
れました。
 このようにわれわれに身近な魚でも,どこで生まれているのかというごく基
本的な生態すらよくわかっていないことがよくあります。生活史の中で産卵は
次の世代を残すための重要なステージであり,これを解明することは資源の保
護や養殖技術を確立する上でもきわめて重要な研究であるといえます。

(主任上席研究員 川瀬裕司)
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│★海の博物館周辺の情報
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●観光ガイドと歩く!『ちょっと美味しいかつうら散歩』
 KAPPYビジターセンターのイベントです。勝浦名物を試食しながら勝浦市を巡
ります。
 日時:1月中の土曜と日曜、9時〜11時 *雨天中止
 費用:800円(保険代込) 
 お申込み・お問合せは:カッピービジターセンター 
                   電話:0470-73-2500 
                   メール:kappy-vc@bz04.plala.or.jp
 詳しくは以下のホームページをご覧ください。
 http://www.katsuura-sanpo.com/news/post-5642/


 勝浦観光の詳しい情報は、勝浦市観光ポータルサイト「かつうら潮風散歩道」を
ご覧ください。
http://www.katsuura-sanpo.com/

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 今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただきありがとうご
ざいました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
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