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せきはくマガジン第133号(211)
配信日時:2017/09/21 10:41
千葉県立関宿城博物館メール情報∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

          せきはくマガジン

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∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞第133号(211) 2017年9月21日∞
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 もくじ
[1]10月のイベント情報及び10月の休館日について
[2]10月中に募集が開始されるイベントについて
[3]せきはく豆事典「鰯(いわし)で栄えた関宿の河岸」
[4]季節だより
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[1]10月のイベント情報及び10月の休館日について

●開館時間 9時開館、16時30分閉館

★(1)企画展「鰯は弱いが役に立つ ―肥料の王様 干鰯―」
   江戸時代、房総で穫れた鰯は干され、搾られ、肥料となり、船で全国に運ばれて、
   木綿や藍などの大量栽培を可能にしました。肥料としての鰯の物語を紹介します。
   また企画展開催中の10月22日(日)の13時30分から、東洋大学教授の白川
   部達夫氏による講演会『近世の関宿と干鰯・〆粕の流通』も開催します。
   詳しくはお問い合わせください。
  期 間  10月3日(火)~12月3日(日)
       (休館は月曜日。ただし10月9日は開館し、翌10日休館。)
  時 間  9時~16時30分
  場 所  千葉県立関宿城博物館 企画展示室
  入場料  一般:300円(団体240円)、高大生:150円(団体120円)
       中学生以下・65歳以上:無料

★(2)体験教室「関宿城下を歩こう(1日コース)」
   千葉県立関宿城博物館の周辺を歩いて、江戸時代の関宿藩にゆかりのある史跡(関
   宿城本丸跡、筋違い十字路、外堀・土塁跡、関宿関所跡石碑、随庵堀と随庵碑、首
   塚(刑場跡))や寺院(昌福寺、宗英寺、実相寺、光岳寺)を学芸員が案内し、解
   説します。
  期 日   10月9日(月・祝)
  時 間   10時~15時
  場 所   【集合場所】千葉県立関宿城博物館 集会室
       【見学場所】千葉県立関宿城博物館周辺の史跡や寺院
  定 員  30名
  対 象  一般
  参加費  50円(別途昼食代 1,000円)
  申込み  9月9日(土)9時から電話で申込み受付(先着順)
       04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

★(3)企画展関連事業 体験教室「イワシのひみつを探ろう」
   煮干として多く使われるイワシの解剖をして、イワシの体を調べるとともに、さま
   ざまなだし汁の試飲をします。
  期 日  10月15日 (日)
  時 間  11時00分~12時00分、14時00分〜15時00分
  場 所  千葉県立関宿城博物館 エントランスホール
  参加費  無料
  申込み  当日自由参加

★(4)体験教室「河川敷のいきものさがし(一般向け)」
   当館調査協力員で自然科学系ライターの「わぴちゃん」こと、岩槻秀明氏の解説を
   聞きながら、河川敷特有の植生環境を観察し、江戸川流頭部まで散策します。
  期 日   10月21日(土)
  時 間   10時~12時
  場 所   【集合場所】千葉県立関宿城博物館 集会室
       【見学場所】江戸川や利根川の河川敷
  定 員  20名
  対 象  一般
  参加費  50円
  申込み  9月21日(木)9時から電話で申込み受付(先着順)
       04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

★(5)歴史講座 鰯は弱いが役に立つ「近世の関宿と干鰯・〆粕の流通」
   企画展に関連する講演会です。効果絶大な肥料として日本の集約農業を支えた干鰯
   は、江戸時代の商品経済の陰の立て役者であり、関宿もその流通に深く関わってい
   ました。干鰯の流通と歴史について講演します。
  期 日   10月22日(日)
  講 師  白川部達夫氏(東洋大学教授)
  時 間   13時30分~15時30分
  場 所   千葉県立関宿城博物館 集会室
  定 員  50名
  対 象  一般
  受講料  100円
  申込み   9月22日(金)9時から電話で申込み受付(先着順)
       04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

★(6)野外講座「歴史散歩-利根川舟運と江戸の干鰯場跡を訪ねる-」
   企画展の関連事業として江戸の干鰯場(ほしかば)や史跡、中川船番所資料館、深
   川江戸資料館などを見学します。
  期 日   10月29日(日)
  時 間   9時~16時30分
  場 所   無料バス利用の場合は、8:45に千葉県立関宿城博物館正門前 集合
       現地集合の場合は、10:20に中川船番所資料館前 集合
  定 員  40名
  対 象  一般
  参加費  2000円(昼食代・施設入館料・資料代・保険料)
  申込み   9月29日(金)9時から電話で申込み受付(先着順)
       04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

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◆◆◆10月の休館日について◆◆◆
 2日(月)・10日(火)・16日(月)・23日(月)・30日(月)は休館します。
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[2]10月中に募集が開始されるイベントについて

◆(1)企画展解説会
   企画展の解説会を行います。
  期 日  11月3日 (金・祝)・23日(木・祝)
  時 間  11時~12時、13時30分〜14時30分
  場 所  千葉県立関宿城博物館 エントランスホール及び2階企画展示室
  参加費  入場料(ただし、11月3日は文化の日のため、入場料無料)
  申込み  当日自由参加

◆(2)郷土食講座「こんにゃくづくり」
   地元の方の指導により、こんにゃくづくりを体験します。また、それを試食しま
   す。
  期 日  11月5日(日)
  時 間  【午前の部】9時30分~12時
       【午後の部】13時30分~16時
       (午前、午後の部をそれぞれ行います)
  場  所  千葉県立関宿城博物館 休憩室
  定 員  各15名 
  対 象  一般 
  参加費  450円(保険料を含む) 
  申込み  10月5日(木)9時より電話で申込み受付(先着順) 
       04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課) 

◆(3)郷土食講座「そば打ち(打ち方コース)」
   関宿そば打ち愛好会のみなさんの指導により、そばの打ち方や切り方を体験します。
  期 日   11月12日(日)
  時 間   9時30分~12時  
  場 所   千葉県立関宿城博物館 休憩所
  定 員  18名 
  対  象  一般 
  参加費  1,100円 
  申込み  10月12日(木)9時から電話で申込み受付(先着順) 
       04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課) 

◆(4)体験教室「関宿城下を歩こう(半日コース)」
   千葉県立関宿城博物館の周辺にある史跡(中之島公園、関宿水閘門、浚渫船、鬼
   門除け稲荷)を徒歩でめぐります。当館の学芸員が案内し、解説します。
  期 日   11月25日(土)
  時 間   10時~12時  
  場 所   【集合場所】千葉県立関宿城博物館集会室
       【見学場所】千葉県立関宿城博物館周辺の史跡(中之島公園、関宿水閘
             門、浚渫船、鬼門除け稲荷)
  定 員  30名 
  対 象  一般 
  保険料  50円  
  申込み  10月25日(水)9時より電話で申込み受付(先着順) 
       04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課) 

◆(5)博物館セミナー3「『カスリーン台風から70年』シリーズ第二弾:
               利根川の主な水害と治水対策の経過について」
   江戸時代以降の利根川の主な水害の歴史と幕府や明治以降の政府が取り組んでき
   た治水対策の経過について紹介します。
  講 師  市川幸男氏(当館 調査協力員) 
  期 日  11月26日(日)
  時 間  13時30分~15時30分  
  場 所  千葉県立関宿城博物館集会室
  定 員  30名 
  対 象  一般 
  受講料  200円
  申込み  10月26日(木)9時より電話で申込み受付(先着順) 
       04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

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[3]せきはく豆辞典「鰯(いわし)で栄えた関宿の河岸」
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  今でこそ、どちらかというと内陸のイメージのある関宿。「江戸時代、関宿は鰯で栄
えた」、といってもあまりピンと来ないのではないでしょうか。今回は、そのお話しを
しましょう。
 現代では鰯といえばご飯のおかずですが、江戸時代には食べ物としてよりむしろ肥料
として全国に広く流通していました。鰯を干しただけのものが「干鰯(ほしか)、そし
て鰯を茹でてから搾り固めたものが「〆粕(しめかす)」です。(以下、両方あわせた
総称として「干鰯」とします。)
 特に、17世紀に関西で広まった木綿栽培には、干鰯が欠かせない肥料でした。その材
料となる鰯が関西の漁場だけでは不足し、紀州などの漁民達が鰯を求めて上総にやって
きたのが関東の鰯網漁のはじまりです。九十九里、夷隅、銚子、安房など房総半島の海
岸部は全国最大の漁場で、また最大の干鰯生産地となりました。
 もともと、関西で需要があった干鰯ですから、最初の頃は作った干鰯はほとんど大坂
に送られました。相模国(今の神奈川県)の東浦賀と江戸の深川の2か所が干鰯の2大
集積地となり、いったんどちらかに集められた干鰯は、問屋を介して関西に船で送られ
ました。
 ところが、そのうち関東でも肥料としての効能が広まり、農村部に普及していきます。
そうしますと、銚子から利根川を通って運ばれる途中にも、干鰯を欲しがる農村部が多
くなってきました。北関東では米作りにも干鰯が使われ、干鰯を取り次ぎする干鰯問屋
が関宿の向河岸(現埼玉県幸手市)や境河岸(現茨城県境町)には立ち並びました。
 境河岸の問屋、小松原家の文化7年(1810)の文書によれば、「境河岸は武蔵・上野・
下野・下総・常陸、五ヶ国へ通船の便がよい場所で、私どもは南部・仙台また銚子周辺
その他の浜の荷主から〆粕や干鰯を引き受け、五ヶ国の町や村に売りさばいてきた」と
の文面があります。
 また向河岸随一の干鰯問屋、喜多村藤蔵家は、江戸後期に江戸の干鰯場に進出し、深
川でも筆頭格の干鰯問屋となりました。(ちなみに明治11年には東京に6500坪あまり
の土地を所有し、東京肥料問屋組合の初代頭取も務めています。)しかし、喜多村家の
本店はあくまで関宿にあり、関宿藩にも多大な御用金を納めていました。「大和守さま
(関宿藩主)五万石、喜多村さまは十万石」などともいわれたそうです。
 但し、干鰯の需要は増大するのに、鰯は豊漁と凶漁の時期に波があるため、干鰯問屋
は常に荷不足に悩まされていました。ですから、江戸や東浦賀の問屋達にとっては、産
地から運ばれてくる途中で干鰯を関宿に降ろされてしまうと困る訳です。江戸の問屋達
から意議を申し立てられることもありました。
 先日、干鰯のことを調べに横須賀市の東浦賀を訪問した際、現地の歴史研究家の方に
関宿から来た旨をお話しすると、「関宿は東浦賀のライバルですね」と言われました。
関宿は江戸や東浦賀にライバル視されるほどの一大干鰯集積地であり、関東内陸部への
供給ポイントだったのです。
 「関宿が鰯で栄えた」というお話し、ご納得いただけましたでしょうか?  (榎)

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[4]季節だより
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 台風18号がようやく過ぎ去り、また残暑が戻ってきました。この台風は、気象庁観
測史上で初めて九州、四国、本州、北海道すべてに上陸したそうです。今後、年々台風
の規模が大きくなるのでしょうか。防災を考えさせられました。
 さて、10月から始まる企画展「鰯は弱いが役に立つ ―肥料の王様 干鰯―」の準備
は現在着々と進んでいます。千葉県の海にも農地にも関連の深い鰯に関連する展覧会で
す。秋の長雨が開けましたら、みなさん見学にいらしてください。
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