千葉県立中央博物館分館海の博物館メールマガジン バックナンバー
海からのたより 第154号
配信日時:2017/12/01 10:00
千葉県立中央博物館分館◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
  千葉県立中央博物館分館 海の博物館メールマガジン

 『海からのたより』 第154号
                          2017年12月1日発行

                 千葉県立中央博物館分館 海の博物館
                 http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 今年も残り一ヶ月。早いものですね。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
│目次
└──────────────────────────────────
★年末年始の開館情報
★12月の行事案内
★研究員ノート −「観察ノートゴカイ編準備中」−
★海の博物館周辺の情報
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
│★ 年末年始の開館情報
└──────────────────────────────────
 年末年始にかけて、臨時休館がございます。ご注意ください。
 新年は、1月2日(火)から開館いたします。

臨時休館:平成29年 12月12日(火)、13日(水)
     平成30年 1月10日(水)、11日(木)
年末年始の休館:平成29年12月28日(木)〜平成30年1月1日(月)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
│★12月の行事案内
└──────────────────────────────────
 詳しくはこちらをご覧下さい。
  http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=394

【海の体験コーナー】
 体験交流員といっしょに、海にまつわるさまざまなメニューにチャレンジす
る行事です。
 12月 2日(土)「微小貝を探そう」
 12月 16日(土)「海藻おしばを作ろう」
   (当日申込み。定員6名。定員を超えた場合は抽選となります)
 ※入場料のほか、材料費50円/人が必要です。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
│★研究員ノート −「観察ノートゴカイ編準備中」−
└──────────────────────────────────          
 海の博物館では、「海の生きもの観察ノート」シリーズを刊行してきました
。「観察ノート」は分類群毎や観察テーマ毎に作られていて、千葉県の海辺で
の生きもの観察に役立つものとなっています。これまで、観察ノートは以下の
タイトルで刊行されてきました。これらは全て当館のウェブサイトからダウン
ロードできるようになっています。

 海の生きもの観察ノート1『磯で見られるエビ・ヤドカリ・カニ』
 海の生きもの観察ノート2『海藻を観察しよう』
 海の生きもの観察ノート3『磯の生きもののくらし』
 海の生きもの観察ノート4『魚の繁殖行動を観察しよう』
 海の生きもの観察ノート5『ウミウシを観察しよう』
 海の生きもの観察ノート6『イソギンチャクを観察しよう』
 海の生きもの観察ノート7『海辺の植物を観察しよう』
 海の生きもの観察ノート8『海の鳥を観察しよう』
 海の生きもの観察ノート9『磯の魚を観察しよう』
 海の生きもの観察ノート10『磯の貝を観察しよう』
 海の生きもの観察ノート11『クラゲを観察しよう』
 海の生きもの観察ノート12『ヒラムシの博物誌』 
 海の生きもの観察ノート13『ヒトデ・ウニ・ナマコを観察しよう』

 このように、さまざまな生きものを紹介してきたのですが、海は本当に多く
の生きものたちにあふれていて、まだまだ紹介できていない生きものたちがた
くさんいます。海の博物館の前の磯でも多く観察されるゴカイの仲間は、その
うちのひとつです。ゴカイの仲間は釣り餌としても利用されるので馴染みのあ
る方もいるかもしれません。ゴカイの仲間は、ミミズなどと同じ「環形動物門
」という動物群に含まれます。環形動物門は古くはゴカイなどが含まれる多毛
綱、ミミズなどが含まれる貧毛綱、吸血性のヤマビルなどが含まれるヒル鋼に
分けられてきました。しかし、近年の分類学の進展により、この体系は大幅に
変更されました。かなりマニアックになりますが、現在、環形動物門は以下の
ように整理されています。

 【環形動物門】(平成30年理科年表参照)
 ・頭節綱(Scolecida) オフェリアゴカイやイトゴカイの仲間
 ・足刺綱(Aciculata) イソメやウミケムシなどの仲間
 ・溝副触手綱(Canalipalpata) ケヤリムシやフサゴカイの仲間
 ・環帯綱(Clitellata) ミミズやヒルの仲間
 ・スイクチムシ綱(Myzostomida) スイクチムシの仲間
 ・ユムシ綱(Echiura) ユムシの仲間
 ・ホシムシ綱(Sipuncula) ホシムシの仲間
  ※このほか現在も所属不明の分類群がいくつかあります.

 これらは全て海産種を含み、世界で約17,000種が報告されています。このな
かで、「ユムシ綱」や「ホシムシ綱」は、以前は別の独立した動物門と考えら
れていましたが、現在は、環形動物門の一群に入れられています。

 さて、海の博物館の前の磯では、岩場の隙間に潜む体長1メートルを超える
大きな「オニイソメ」や、岩の裏に数ミリメートルの白い小さな棲管を作って
暮らす「ウズマキゴカイ」の仲間など、大きさや形、生活の様子など、じつに
さまざまな姿を見せる環形動物たちを見ることができます。また、房総半島の
内湾の干潟では、環形動物の仲間はもっとも普通に見られる生きもののひとつ
です。しかし、これらの仲間を特別に扱った図鑑はほとんどなく、それらの名
前を調べるのはとても大変です。海の博物館には環形動物の専門家がおらず、
これまでこの仲間の観察ノートが刊行されていませんでしたが、当館の定期的
な資料収集活動によって地道な標本の採集・保存、撮影した写真の整理が続け
られてきました。今年度、外部の研究者の方々の協力を得て、これらの蓄積さ
れた資料を活用し、最新の分類体系を反映した環形動物の観察ノートの作成を
計画しています。「環形動物」ではなかなかイメージが湧かないので、これを
「ゴカイの仲間」として紹介する予定です。準備がかなり遅れ気味なのですが
、年度内に皆様にご覧いただけるよう、目下奮闘中です。どうぞお楽しみに!


(主任上席研究員 柳 研介)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
│★海の博物館周辺の情報
└──────────────────────────────────
●お正月、初日の出スポット

 海の博物館の所在する勝浦市は房総半島の南東部に位置していることから、
太平洋から昇ってくる日の出を見ることができます。
 おすすめは勝浦市街地の東に位置する「官軍塚」とその近くにある勝浦城
址(八幡岬公園)、そして海の博物館の近くの「鵜原理想郷」でしょう。
 これらの場所は海岸の高台にあって美しい日の出を眺めることができます。
 詳しくは以下の勝浦市ホームページをご覧ください。

「官軍塚」
http://www.city.katsuura.lg.jp/forms/info/info.aspx?info_id=29183
「八幡岬公園(勝浦城跡)」
http://www.city.katsuura.lg.jp/forms/info/info.aspx?info_id=29182
「鵜原理想郷」
http://www.city.katsuura.lg.jp/forms/info/info.aspx?info_id=29499


 勝浦観光の詳しい情報は、勝浦市観光ポータルサイト「かつうら潮風散歩道」
をご覧ください。
http://www.katsuura-sanpo.com/

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
 今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただきありがとうご
ざいました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
    http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU
お問い合わせはこちらへ umihaku@chiba-muse.or.jp
(電子メールにつきましては、送信途中において悪意のある第三者による盗聴
の可能性も指摘されていますので、ご留意ください。)

*このメールは送信専用メールアドレスから配信されています。
  返信いただいてもお答えできませんのでご了承ください。
登録内容の変更はこちらへ ##__MYPAGE_URL__##
配信停止はこちらへ ##__CANCEL_URL__##
無断転載はお断りします