千葉県立中央博物館分館海の博物館メールマガジン バックナンバー
海からのたより 第159号
配信日時:2018/05/01 10:00
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  千葉県立中央博物館分館 海の博物館メールマガジン

 『海からのたより』 第159号
                          2018年5月1日発行

                 千葉県立中央博物館分館 海の博物館
                 http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/

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 今年のゴールデンウィークは潮がよく引いています。
 磯遊びのチャンスですよ。

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│目次
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★間もなく終了! マリンサイエンスギャラリー「房総の海の幸」
★5月、6月前半の行事案内
★研究員ノート −マハゼの生活史―河口域で成長して海底の巣穴で繁殖する−
★着任職員紹介
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│★ 間もなく終了! マリンサイエンスギャラリー「房総の海の幸」
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 好評開催中の企画展示、マリンサイエンスギャラリー「房総の海の幸」は5
月6日(日)で終了します。
 まだご覧になっていない皆様、お見逃しなく!

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│★5月、6月前半の行事案内
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 詳しくはウェブサイトをご覧下さい。
http://www2.chiba-muse.or.jp/www/UMIHAKU/genre/1517380874379/index.html

【観察会】 *2週間前までに事前申込、保険料50円
 6月15日(金・県民の日)「エビ・カニ・ヤドカリの観察会」

【磯・いそ探検隊】 *当日先着順、保険料50円
 研究員の案内で博物館前の磯で生きものを観察します。
 5月4日(金・祝) 12:30〜13:30
 5月19日(土) 12:30〜13:30
 6月3日(日) 12:30〜13:30

【海の体験コーナー】
 体験交流員といっしょに、海にまつわるさまざまなメニューにチャレンジす
る行事です。
 5月12日(土)「コーラルプリントをしよう」
 5月27日(日)「海で見つけた材料でオリジナルオブジェを作ろう」
 6月9日(土)「微小貝を探そう」

   (当日申込み。定員6名。先着順)
 ※入場料のほか、材料費50円/人が必要です。

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│★研究員ノート −マハゼの生活史―河口域で成長して海底の巣穴で繁殖する−
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 マハゼは北海道から屋久島にかけて分布するハゼ科魚類の一種です。内湾性
の砂泥底に生息して,東京湾でもふつうにみられます。春に生まれたマハゼは
,夏から秋にかけて河川の下流域や河口域でエサを盛んに食べて,全長20cm位
に成長します。この時期に岸から竿釣りをすると,入れ食い状態でマハゼが簡
単にかかることもあり,多くの人々がハゼ釣りを楽しんでいます。また,マハ
ゼは肉が白身で柔らかく,釣ったばかりのマハゼを天ぷらなどにすると,とて
も美味しく食べられます。
冬になるとマハゼは河口域から離れ,湾内の水深2~10mの砂泥底へ移動して
いきます。すると,オスはその海底で巣穴を掘り始めます。マハゼがいったい
どんな巣穴を掘っているのか,その構造は外から覗いただけでは全くわかりま
せん。これを解明するために,マハゼの巣穴の中に特殊な樹脂を流し込み,樹
脂が固まったところでそれを掘り起こすというたいへん大掛かりな調査が,19
80年代に東京都水産試験場(現東京都島しょ農林水産総合センター)で行われ
ました。この調査の結果,巣穴の直径は3~4cmで,海底に通じる数本の孔道と
幅の広い産卵室から構成されていることが明らかになりました。しかも,巣穴
は海底から1m以上の深さに達し,巣穴の全長は5mを超えていることもわかり
ました。体の大きさと比較すると,1尾のオスがとてつもなく大きな巣穴を掘
っていることが容易に想像できます。
オスは自分の巣穴の前で,近くを通過するメスを待ち構えて求愛します。求愛
が成功すると,オスはメスを巣穴の中に誘い,雌雄は産卵室で産卵を始めます
。メスが1回に産卵する数は約3万個で,産卵室の壁面に卵を産み付けていきま
す。産卵が終わってメスが巣穴から去ると,オスはまた別のメスを巣穴へ誘っ
て繁殖を繰り返します。こうして,複数のメスが産んだすべての卵に対して,
オスは新鮮な海水をヒレで煽って世話をします。すべての卵がふ化するまで1
カ月以上かかりますが,その間オスは単独でずっと卵の世話を続けます。マハ
ゼの寿命は1~2年で,繁殖に参加した個体の多くは春に卵がふ化するのを見届
けた後に短い一生を終えます。
5月6日まで当館で開催中のマリンサイエンスギャラリー「房総の海の幸」では
,樹脂で型取りをしたマハゼの実物大の巣穴模型を展示しています。なかなか
お目にかかれない逸品ですので,この機会にぜひご覧ください。

(主任上席研究員 川瀬裕司)
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│★着任職員紹介
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 4月1日に2名の職員が海の博物館に着任しました。
 皆様どうぞよろしくお願いいたします。

 ●副主幹 丸山 茂喜

 ●副主幹 所 甚一

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 今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただきありがとうご
ざいました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
    http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU
お問い合わせはこちらへ umihaku@chiba-muse.or.jp
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