千葉県立中央博物館分館◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
千葉県立中央博物館分館 海の博物館メールマガジン
『海からのたより』 第162号
2018年8月1日発行
千葉県立中央博物館分館 海の博物館
http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/
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今年の夏は暑くなりそうです。
お体に気をつけて、海を楽しんで下さい。
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│目次
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★収蔵資料展「千葉の海 貝づくし」好評開催中!
★8月の行事案内
★研究員ノート −暑さに耐える海藻−
★海の博物館周辺の情報
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│★収蔵資料展「千葉の海 貝づくし」好評開催中!
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貝類は、海の生きものの中でも多様性の高いグループです。この展示では、
千葉県の海の貝に焦点を当て、地域による分布の違いやさまざまな生態、水産
物として利用される種などを紹介します。
会期は9月2日(日)までです。お見逃しなく!
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│★8月の行事案内
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詳しくはウェブサイトをご覧下さい。
http://www2.chiba-muse.or.jp/www/UMIHAKU/genre/1517380874379/index.html
【講座】 *2週間前までに事前申込
8月18日(土)「博物館の収蔵庫を見学しよう2」
【磯・いそ探検隊】 *当日先着順、定員15名、保険料50円
研究員の案内で博物館前の磯で生きものを観察します。
8月10日(金) 9:30〜10:30
8月12日(日) 10:30〜11:30
8月13日(月) 11:30〜12:30
8月14日(火) 12:00〜13:00
【博物館探検隊(バックヤードツアー)】 *当日先着順、定員15名
ふだん見ることのできない博物館のバックヤードを、研究員の案内でめぐり
ます。
8月15日(水) 11:00〜11:30、13:30〜14:00
8月25日(土) 13:30〜14:00
【みんなで工作 海の生きもの】 *当日先着順、材料費50円
海の生きものにちなんだ簡単な工作を行います。
8月4日(土)「海藻おしばを作ろう」 10:45-11:45 13:30-14:30
8月19日(日)「海で見つけた材料でオリジナルオブジェを作ろう」
10:45-11:45 13:30-14:30
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│★研究員ノート −暑さに耐える海藻−
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今年の夏は暑さが厳しく、すでに7月中に気温が連日30℃台後半になってい
る地域が多く見られます。海の博物館のある勝浦市は、隣接する太平洋の影響
を強く受けて、気温が周辺地域と比べても低く、夏でもかなり涼しいことが知
られていますが、それでも連日30℃を超える気温になっています。
潮が引いたときに磯に海水が取り残されている場所を「潮だまり」とか「タ
イドプール」と呼びますが、高い位置にある潮だまりは、大潮干潮時には長時
間海水の流入がない時間帯があり、夏季にはそのようなときに水温が大変高く
なります。ある年の8月の海の博物館前の磯の潮だまりの水温を計測したとこ
ろ、37℃近くまで水温が上がった日が、6日程ありました。通常の海の博物館
前の海の8月の海水温は平均でだいたい24-25℃くらいで、高い日でも27-28℃
くらいのようです。従って、潮だまりはそれよりも10℃以上も水温が高くなり
ますので、生きものにとってはかなり過酷な環境の場所と言えます。
私が専門とする海藻類は基本的に暑さが苦手で、夏には枯れたり小さい体に
なったりしている種類が多く、ノリやワカメなどで実験してみると、30℃を超
えるような水温に置くと、ほとんどの体が枯死するか、全く成長しない状態の
ままでいます。
その一方で、夏季に、磯の高い位置にある潮だまりに生えている海藻もあり
ます。例えば、緑藻のアオノリの仲間、褐藻のウミトラノオ、紅藻のオゴノリ
など、そのような潮だまりに生える海藻が、いったいどのくらいの暑さに耐え
られるのか、光合成の活性を測ることで推測した実験結果があります。それに
よると、干潮時でも干上がるような所には生えない海藻の光合成活性が35℃以
下で失われてしまうのに対して、潮だまりの海藻は40℃になっても光合成活性
を完全には失わないことがわかったそうです。潮だまりに生える海藻は37℃と
いう高温になっても、光合成を行なって、ある程度元気な状態でいられる、と
いうことのようです。
また、同じ種類の海藻でも、磯の高い位置の潮だまりに生えている個体と、
海水の交換がなくなる時間の短い、磯の低い位置の潮だまりに生えている個体
とでは、前者の光合成の最適温度が、後者よりもかなり高いことが知られてい
ます。つまり同じ種類の海藻でも、暑い所にいる個体は、涼しい所にいる個体
よりも暑さに強い、と言えそうです。
夏の暑い暑い磯で、潮だまりで耐えている海藻を見ると、時にかわいそうに
思うこともありますが、どっこい、そのような所に生える海藻は、暑さに強く
なって耐えているわけなのです。しかし、そのような海藻たちも、高い水温に
さらされる状況が長く続けば、やはり枯れてしまいます。願わくば、海藻が枯
れてしまうようなことがないよう、また、私たち人間にとっても、もう少し涼
しくならないかなと思う毎日です。
(主任上席研究員 菊地 則雄)
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│★海の博物館周辺の情報
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●かつうら海中公園サマーフェスタ
日時: 8月9日(木)11:00~
*荒天時は翌日になります。
海の博物館前の勝浦海中公園で行われるイベントです。魚のつかみ捕り(要
事前予約)や阿弥焼きコーナー、海産物の販売、スタンプラリーなど楽しい企
画が目白押し!
お問い合わせ先:一般財団法人千葉県勝浦海中公園センター TEL 0470-76-2955
●『かつうら若潮まつり花火大会』
夏の風物詩『花火』をメインに開催される若潮まつり。『花火大会』は、大
迫力の花火が、夜空を彩ります。
開催日時: 8月13日(月)午後7時15分〜
※荒天の場合は、14日に延期
会場: 勝浦漁港周辺
●興津湾灯籠流し
開催日時: 8月14日(火)
夜の興津湾を美しい灯籠が彩ります。
お問い合わせ先: 勝浦市観光協会 興津支部 電話番号: 0470-76-0800
●勝浦の海水浴場
勝浦市内の海水浴場は8月19日(日)まで開設されています。透明度抜群の勝浦
の海をお楽しみください。
以上の詳しい情報は、勝浦市観光ポータルサイト「かつうら潮風散歩道」を
ご覧ください。
http://www.katsuura-sanpo.com/
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今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただきありがとうご
ざいました。
発行 千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
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