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ちば中央博メール 2018年10月号(2018年10月10日発行・第146号)
http://www2.chiba-muse.or.jp/NATURAL/
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目 次
1.お知らせ
2.中央博の窓
秋の展示「房総丘陵はすごい ―調べてびっくり、新発見の数々―」の御案内
3.イベント情報
(1)中央博物館本館〔生態園トピックス展・秋の展示〕
(2)中央博物館本館・生態園 〔当日申込みのイベント等〕
(3)大利根分館
(4)大多喜城分館
4.研究室から 「ゾウの糞のきのこを調べる」
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1.お知らせ
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◆「特別展 恐竜ミュージアムinちば」は、おかげさまで好評裏に終了いたしました。
10月10日(水)からは、「生態園トピックス展 生態園の野鳥-秋から冬へ-」、
10月27日(土)からは、「秋の展示 房総丘陵はすごい-調べてびっくり、新発見
の数々-」が始まります。ご来館をお待ちしています。
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2.中央博の窓−110
秋の展示「房総丘陵はすごい ―調べてびっくり、新発見の数々―」の御案内
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中央博物館の調査隊が、千葉県南部の房総丘陵を探検したところ、数々の新発見が
ありました。まず地学からは、世界最大のトドの化石、次々に発見されたシカやクジ
ラ、アシカなどの化石を展示します。生物では、房総丘陵から見つかった様々な新種
を一挙公開します。昆虫のキヨスミチビシデムシとキヨスミチビハバビロハネカクシ
の2新種、種子植物のイスミスズカケ、きのこではシロオビテングタケ、地衣類のキ
ヨスミカワキノリなど4新種を紹介するとともに、房総丘陵から見つかった約2800種
もの昆虫の採集品の中からよりすぐりを畳5枚分の壁面に展示します。虫採り網では
採れない虫を捕らえる様々な仕掛けに加え、地学と植物・菌類の調査道具と調査の様
子も紹介します。展示期間中には関連行事として、ミュージアムトーク(展示解説)
を毎週土曜日・祝日、観察会を4回、11月23日(金祝)には講演会「房総丘陵のここが
すごい」を予定しています。
詳しくはこちら(展示紹介)↓
http://www2.chiba-muse.or.jp/www/NATURAL/contents/1521934167480/index.html
(植物学研究科 主任上席研究員 原田浩)
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3.イベント情報
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(1)中央博物館本館
〔生態園トピックス展・秋の展示〕
*休館日をご確認のうえご来館ください。
開館日カレンダー↓
http://www2.chiba-muse.or.jp/www/NATURAL/contents/1517539269054/index.html
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■【生態園トピックス展】「生態園の野鳥-秋から冬へ-」
生態園では、これまでに150種を超える鳥類が記録されてきました。本展示では、
生態園で観察された野鳥の“秋冬ならでは”の興味深い行動や生態を、30年近くか
けて蓄積された標本や録音などを用いてご紹介します。
会期:10月10日(水)~平成31年2月17日(日)
場所:生態園オリエンテーションハウス、サテライト会場:野鳥観察舎
◆関連行事
【ミュージアム・トーク】(展示解説)
10月14日(日)、11月18日(日)、平成31年1月20日(日)
各日とも 11:00〜11:30/14:30〜15:00 の2回
場所:本館集合
費用:本館への入場料必要
【野鳥ミニ観察会】
10月20日(土)、11月17日(土)、12月8日(土)
平成31年1月19日(土)
各日とも 13:00〜13:30
場所:野鳥観察舎
内容:生態園トピックス展「生態園の野鳥 秋から冬へ」に合わせた小さな観
察会です。水辺の鳥のやさしい解説つき。
対象:どなたでも
定員:先着20名
費用:無料
【自然の音サロン】
<秋> 10月13日(土)、<冬> 平成31年2月9日(土)
両日とも 13:30〜15:30
場所:講堂・生態園
内容:中央博資料百選からさまざまな虫や鳥の音、季節の音を聞きます。リク
エストもお受けします。後半は生態園でさまざまな音を探します。
荒天の場合は、開催中の生態園トピックス展「生態園の野鳥―秋から冬
へ―」の解説と地鳴きの聞き分けを中心に行います。
対象:どなたでも(小学生以下保護者参加)
定員:なし
費用:無料
■【秋の展示】「房総丘陵はすごい-調べてびっくり、新発見の数々-」
世界最大のトドの化石を発見し、新種の生物を発見し、さらに絶滅種を再発見。
これらは未踏の秘境ではなく、千葉県の房総丘陵を探検した中央博物館の調査団
による実績です。地学、動物、植物の各分野にまたがる重点研究の成果を紹介し
ます。
会期:10月27日(土)~12月24日(月休)
場所:企画展示室
◆関連行事
【ミュージアム・トーク】(展示解説)
期間中の土曜と11月23日(金祝)、12月24日(月休)
各日とも 11:00〜11:30/14:30〜15:00 の2回
場所:本館集合
費用:本館への入場料必要
【講演会 房総丘陵のここがすごい】
11月23日(金祝) 13:00〜15:00
場所:講堂
内容:季節展に関連し、県内で最も豊かな陸域の自然が残された房総丘陵につい
て、地学・動物学・植物学の各分野から中央博物館が発見した、ここがす
ごいぞ、の話題を紹介します。
対象:どなたでも(小学生以下保護者参加)
定員:150名
費用:入場料必要
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(2)中央博物館本館・生態園〔当日申込みのイベント等〕
*トピックス展示等の関連行事は、それぞれの紹介欄をご覧ください
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【体験イベント キーホルダーをつくろう】
日時:10月14日(日) 10時30分~11時30分、14時~15時
場所:1階ホール
内容:プラ板でキーホルダーをつくりましょう!誰でも簡単にステキな作品がつく
れます。
対象:どなたでも(小学生以下保護者参加)
定員:各回30名(当日先着)
費用:材料費100円
【自然誌フェスタ千葉】
日時:11月3日(土祝) 9時~16時30分
場所:1階ホール
内容:虫好き、花好き、化石好き・・・みんな集合!体験イベントや、千葉の自然
や文化に係わる市民活動の紹介など、見て触れて楽しみましょう!
【植物学講座 バラの歴史】
日時:11月18日(日) 13時~15時
場所:研修室
内容:ガリカ系統のバラはオールドローズの起源といわれます。長い時を超えて今
に残るガリカ系統の品種について、写真と文献で解説します。
対象:中学生以上
定員:当日先着20名
費用:資料代50円(入場料必要)
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◆【森の調査隊】
日時:11月3日(土祝) 12月24日(月休)
平成31年1月14日(月祝)、2月11日(月祝)、3月21日(木祝)
13:00~16:00
場所:生態園 オリエンテーションハウス
内容:ワークシートをもって、生態園内で自然を観察する体験プログラムです。授
業で訪れる小学校団体にも活用されています。スタンプを集めて、オリジナ
ルのペーパークラフトをゲットしよう。
対象:どなたでも(幼児・小学生は保護者参加)
定員:なし(無料)
くわしくはこちら↓
http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/eco_park/forest_expl_pgm.htm
◆【はっけん!すまいるキッズ】
日時:毎週土曜日、日曜日及び祝日を中心に実施。13時~(30分程度)
場所:本館2階 体験学習室(たいけんのもり)
内容:体験交流員によるお子様(親子)向けのプログラムです。紙しばいや工作、
ゲームなどを行います。
対象:子どもとその保護者
定員:5組程度(当日先着・無料)
注意:天候や急な事情により、中止や変更となる場合もあります。
活動のようすはこちら↓
http://www2.chiba-muse.or.jp/www/NATURAL/contents/1520132614420/index.html
◆【そのほかの講座・観察会(事前申込を含む)】詳しくはこちら↓
10月 http://www2.chiba-muse.or.jp/www/NATURAL/contents/1521855211083/index.html
11月 http://www2.chiba-muse.or.jp/www/NATURAL/contents/1521855388587/index.html
◆【ミュージアム・トーク】(研究職員による展示・資料解説)詳しくはこちら↓
10月 http://www2.chiba-muse.or.jp/www/NATURAL/contents/1521768482583/index.html
11月 http://www2.chiba-muse.or.jp/www/NATURAL/contents/1521768782149/index.html
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(3)大利根分館 http://www2.chiba-muse.or.jp/OTONE/ 電話:0478-56-0101
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【10月からのご利用について(お知らせ)】
10月から3月までの期間は、事前予約された団体のみ入館できます。ただ、この
期間においても、講座やイベントの開催への参加、資料の貸出等については、個人
の方も通常通り利用できます。
また、【収蔵品展】「古い道具と昔のくらし」とあわせて出前展示「出前-昔の
道具-」事業を行っています。詳細については、当館ホームページをご覧ください。
くわしくはこちら↓
http://www2.chiba-muse.or.jp/www/OTONE/contents/1518694938699/index.html
■【収蔵品展】「古い道具と昔のくらし」■
会 期:9月15日(土)~平成31年3月10日(日)
休館日:月曜休館(月曜が祝日の場合は翌日休館)
※但し、10月~翌年3月は予約団体のみ見学可(平日のみ)
会 場:大利根分館 企画展示室
内 容:小学3年生の学習単元「古い道具と昔のくらし」の調べ学習に最適な展示
です。
くわしくはこちら↓
http://www2.chiba-muse.or.jp/www/OTONE/contents/1526450030760/index.html
◆【イベント】「昭和の名車大集合7」
日時:11月3日(土祝) 10時~15時
会場:大利根分館 館庭
*雨天時は11月4日(日)に延期【雨天が予想される場合も延期有り】
開催の有無については、当館HP(当日8時頃)にてご確認ください。
内容:昭和30年~60年代に活躍した昭和の名車(約100台)を館庭に展示します。
駐車場:隣接する「水郷佐原あやめパーク」をご利用ください。
(約500台・無料)
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(4)大多喜城分館 http://www2.chiba-muse.or.jp/SONAN/ 電話:0470-82-3007
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■【収蔵資料展】「職の世界」■
会 期:8月4日(土)~10月21日(日)
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日休館)
内 容:当館には江戸時代以降の職人の使用した道具類を多く収蔵しています。大
多喜町に栄えた商業文化について、わかりやすく展示しています。
くわしくはこちら↓
http://www2.chiba-muse.or.jp/www/SONAN/contents/1517923495815/index.html
■【企画展】「房総ゆかりの甲冑」■
会 期:10月26日(金)~12月9日(日)
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日休館)
内 容:房総は江戸のお膝元であり、徳川譜代の重臣が中小大名として配置され、
その領地はめまぐるしく転換させられました。本展はそうした房総ゆかり
の大名や家臣の所用した甲冑を展示し、その由来と様式意匠について紹介
します。
記念講演会には東京大学教授、本郷和人先生をお招きします。
◆記念講演会
日時:11月11日(日)13:30~15:30
講師:本郷和人先生(東京大学史料編纂所教授)
演題:「中世の房総を地理から考える」
定員:先着40名(電話で事前申込み)
参加費:無料
電話:0470-82-3007 千葉県立中央博物館大多喜城分館
その他の関連事業につきましては当館ホームページをご覧ください。
くわしくはこちら↓
http://www2.chiba-muse.or.jp/www/SONAN/contents/1521760438844/index.html
◆体験教室「甲冑・小袖・裃の試着」
日時:11月3日(土祝)
10時30分~、13時30分~
内容:本多忠勝や徳川家康、真田幸村、井伊直政等の等身大複製甲冑や小袖・裃な
どを試着し、武士の生活していた時代への興味・関心を持つためのお手伝い
をします。
対象:一般
定員:各回10名程度(当日先着)
参加費:無料
◆博物館セミナー「くずし字解読・史学講座」
日時:12月1日(土)「初心者向け」
13時30分~15時30分
対象:一般
定員:40名(事前申込み)
参加費:無料
くわしくはこちら↓
http://www2.chiba-muse.or.jp/www/SONAN/genre/1517920986099/index.html
◆連携事業「大多喜お城まつり」
日程:前夜祭10月13日(土)・ 本祭10月14日(日)
ホームページはこちら↓
http://www.town.otaki.chiba.jp/index.cfm/10,11917,66,html
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4.研究室から-82 「ゾウの糞のきのこを調べる」
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きっかけは、ベトナムの国立研究所の菌類(きのこ)担当者が日本に私費で半年
やってきたことだった。彼女の名前は N.P.タオさん、きのこの分類の勉強のため
だった。しかし2012年の3月になって、私が急に「房総のむら」へ異動することとな
り、同じ時期にやってきたタオさんの勉強の相手ができなくなってしまった。
ほんとうに申しわけないと思い、私が中央博へ戻ってきた2014年「五峯ライフサイ
エンス基金」という研究助成金を申請し、採択された。1年間の滞在費が確保され、
2015年6月に来日したタオさんと、動物糞から発生するきのこを材料に、きのこの記
載方法などを一緒に勉強することになった。
動物の糞から発生するきのこを「糞生菌(ふんせいきん)」という。私はもともと動
物の死体等が野外で分解した跡に発生する菌類(きのこ)を調べてきたため、なんと
なく似ている糞生菌にも興味はあった。そしてある年に県内の大学からやってきた卒
論生とともに、長野県のニホンジカの糞生菌を一緒に調べることとなり、結果、日本
新産種2種が見つかった(1995)。その後、沖縄から北海道まで、糞が手にはいると
培養し続けた。しかし私が調べていたヒトヨタケ類については、「日本新産」は出る
ものの「新種」という当たりはなかなか無い。珍獣に期待しイリオモテヤマネコやア
マミノクロウサギの糞もやってみたが、珍獣から珍菌はでてこなかった。断続的に調
査を続け、20年後、北海道苫小牧のニホンカモシカの糞からようやく新種がみつかっ
た(2015年)。国内産の糞では、なかなか当たりが出ないのである。ということで、
ひそかに思いを寄せていたのは、誰も調べていないアジア産の糞、それも糞の王様
「ゾウの糞」だった。
そして、「東アジア地域における動物関連物質分解に関連する菌類の研究」という
タイトルで申請した研究費が、「(公財)発酵研究所」(2016-2017年)と「(公財)
ホクト生命科学財団」(2017-2018年)に採択され、タオさんも都内の大学の博士課
程へと入学することとなり、ゾウの糞とのつきあいは本格化した。
糞生菌はその動物が食べる物との関係が深く、野生じゃないと求める菌は採れない。
平凡な食べ物を食べる動物園の動物糞は平凡なのだ。ベトナムでも野生の山地棲のア
ジアゾウは希少で、カンボジア国境地帯などにしか生息していない。そんな場所は外
国人立ち入り禁止区域である。一緒に糞を採りにいっても、わたしは国立公園内の別
の場所で、椰子汁をのみながら待つのである。そんなことで入手したゾウ糞からは、
期待したとおりヒトヨタケ類を含むハラタケ類の、これまで見たこともないような奇
妙な糞生菌が大量に発生したのである。その一部は2017年の企画展「きのこワン
ダーランド」で見ていただいた。そして現在、とりあえず発生した新種3種について、
彼女が記載論文にまとめるのを見守っているところである。
(植物学研究科 科長 吹春俊光)
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千葉県立中央博物館
〒260-8682 千葉市中央区青葉町955-2
電話:043-265-3111 FAX:043-266-2481
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