千葉県立中央博物館メールマガジン バックナンバー
★ ちば中央博メール 2012年10月号 ★
配信日時:2012/10/10 08:00
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ちば中央博メール 2012年10月号 (2012年10月10日発行・第74号)
          http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
目次

1 お知らせ
2 コラム:中央博の窓
3 イベント情報
(1)中央博物館本館・生態園 企画展・テーマ展示
(2)中央博物館本館・生態園 当日参加できるイベント
(3)大利根分館
(4)大多喜城分館
4 研究コラム:研究室から

----------------------------------------------------------------------------
お知らせ
----------------------------------------------------------------------------
ようやく暑さも和らいで来ました。文化の秋、芸術の秋、食欲の秋、楽しい秋の到来
です。さて、中央博物館本館では20日(土)から、いよいよ待望の特別展「ティラノサ
ウルス―肉食恐竜の世界―」が始まります。今回の特別展は、子供から大人まで幅広
い層に人気がある、中生代を代表する大型恐竜ティラノサウルスについて、現在まで
に発見されたすべての情報をもとに復元された完全な骨格「パーフェクト・スタン」
を展示し、肉食恐竜の進化の謎に迫ります。中生代の地層は、先日日本ジオパークに
認定された銚子市など、千葉県にも存在しますが、残念ながらまだ恐竜化石は見つか
っていません。しかし、この時代の千葉県産の化石は数多く発見され、当館の地学展
示室にも展示されています。この展示を通して、多くのみなさんに、千葉県の大地の
成り立ちに対する関心と理解を深めていただければ幸いです。
この秋は、みなさん中央博物館へお出かけください。

----------------------------------------------------------------------------
コラム:中央博の窓-38 「大多喜の秋を楽しもう」
----------------------------------------------------------------------------
大多喜城のある上総地域は、古くから都より仏教が伝えられ、中世・近世期には地方
色豊かな仏教文化が開花しました。そのためこの地域には、仏像・仏画などの様々な
資料が数多く残されています。大多喜町紺屋区で、今も地元の人々に大切に守られる
「木造馬頭観音菩薩立像」(千葉県指定有形文化財)は、一本造りではあるものの、平
安時代後期に流行した、定朝様式に則って造られた優美な観音像です。この像は、江
戸時代大多喜城主の祈願所として栄えた観音寺に、本尊として安置されていたもので、
庶民の間で馬頭観音信仰が高まった近世には、沢山の人々に篤く信仰されていたこと
が寺の縁起などに記録されています。残念ながら現在は寺は無く、通常は一般公開さ
れていませんが、この秋の大多喜城分館展示「上総の仏教美術〜夷隅・長生〜」で特
別に公開されます。大多喜城の周辺地域は、「歴史と文化の豊かな地域“中房総”」
として、近年注目されています。この機会に周辺にも足を延ばして、古寺探訪を楽し
んでみてはいかがでしょうか。
                 (教育普及課主任上席研究員 立和名 明美)


----------------------------------------------------------------------------
中央博物館本館・生態園
 企画展・テーマ展示
----------------------------------------------------------------------------
◆特別展「ティラノサウルス―肉食恐竜の世界―」◆

 会期 10月20日(土)〜12月24日(月・祝) 9:00〜16:30(入館は16:00まで)
 内容 話題の「羽毛恐竜」から、8mを超える大型骨格まで、世界の肉食恐竜が大
    集合!最新の研究成果から復元された、ティラノサウルスの完全版全身骨格
    「パーフェクト・スタン」を展示し、肉食恐竜の進化の謎に迫ります。
 会場 千葉県立中央博物館 企画展示室及び2階ホール

    ※入場料:一般800円、高・大学生400円、中学生以下・65歳以上、無料。

 ●ミュージアムトーク
  10月20日(土)、11月4日(日)、25日(日)、12月23日(日)
  11:00〜11:30、14:30〜15:00 1日2回 事前申込不要

 ●企画展関連行事
  【恐竜くんのイラスト教室〜恐竜を描いてみよう〜】
  日時 11月11日(日) 13:00〜15:00
  内容 ティラノサウルス展の総合プロデューサーである「恐竜くん」こと田中真
     士氏から、恐竜の体の作りと、生き生きとした恐竜を描く方法を学びます。
  講師 恐竜くん(田中真士氏)
  費用 無料
  定員 30名(小学生以上、事前申込抽選30名)


     詳しくはこちら↓
     http://www2.chiba-muse.or.jp/index.php?page_id=747

◆秋の展示「おもしろ研究紹介」◆

 会期 〜12月2日(日) 9:00〜16:30(入館は16:00まで)
 内容 博物館の学芸員はさまざまな専門研究をおこなっています。それぞれの分野
    の研究のおもしろさや最新の成果をいくつか紹介します。
 会場 千葉県立中央博物館 第二企画展示室

    ※入場料:〜10月19日、一般300円、高・大学生150円
         10月20日〜、一般800円、高・大学生400円
               中学生以下・65歳以上、無料。


◆生態園トピックス展「ムカデとヤスデ」◆

 会期 10月16日(火)〜12月9日(日) 9:00〜16:30(入館は16:00まで)
 内容 たくさんの足で地面をはい回るムカデやヤスデは、嫌われることの多い生き
    ものです。そんな彼らの意外な一面を分かりやすく紹介します。
 会場 生態園オリエンテーションハウス

    ※入場料:無料。

 ●ミュージアムトーク
  10月21日(日)、11月11日(日)、12月9日(日)
  11:00〜11:30、14:30〜15:00 1日2回 事前申込不要

----------------------------------------------------------------------------
中央博物館本館・生態園
 当日申し込みで参加できるイベント(10月10日〜11月11日まで)
----------------------------------------------------------------------------
◆11月3日 文化の日特別企画  ※文化の日は誰でも入館無料
【中央博「ミニ動物標本館」(サンゴ)】 2階ホール
 時間 10:00〜15:00
 内容 ふだん見ることのできない珍しいサンゴの標本をお見せします。
 費用 無料
 定員 なし

【砂で遊ぼう―砂絵】 2階ホール
 時間 10:00〜16:00
 内容 色砂をのりのついた紙にふりかけて作ります.ナウマン博士をつくろう。
 費用 無料
 定員 なし(小学生以上、小学生は保護者同伴)

【砂で遊ぼう―ジオパッド】 2階ホール
 時間 13:00〜14:00
 内容 カードケースの中に色砂と水をいれてオリジナルな砂模様をつくります。
    実験工作です。
 費用 無料
 定員 なし(小学生以上、小学生は保護者同伴)

【ものしりミュージアム千葉】 講堂
 時間 13:00〜16:00
 内容 博物館と市民による調査から、館山市・いすみ市・大多喜町の植物と耳で聞
    く地域の環境の話題を取り上げます。
 費用 無料
 定員 200名(中学生以上)

◆歴史学等講座いろいろ
【浦安の生業―漁業と農業の生活からディズニーランドの町へ-】 講堂
 日時 10月21日(日) 13:30〜15:30
 内容 浦安が、急激な都市化により変貌していく様子を紹介します。
 費用 無料
 定員 200名(高校生以上)

【うなぎあれこれ】 講堂
 日時 11月4日(日) 13:30〜15:30
 内容 ウナギの生態や、利根川下流での捕獲方法や食べ方、さらには民間信仰など
    「うなぎ」にまつわるあれこれを紹介します。
 費用 無料
 定員 200名(高校生以上)
  
【古文書講座 応用編(3)(4)(5)】 講堂
 日時 10月14日、10月28日、11月11日(日) 13:30〜15:30
 内容 17世紀の松井松平家家老の著作物「石川正西聞見集」を読みます。
 費用 無料
 定員 200名(高校生以上)

【考古学講座(1)】 講堂
 日時 10月20日(土) 13:30〜15:00
 内容 発掘調査成果などを交えて原始古代の歴史を解説します.
 費用 無料
 定員 200名(小学生以上)


◆生態園
【生態園連休特別企画「体験!身近な植物の不思議」】
 日時 11月4日(日) 13:00〜16:00
 場所 中央博物館 生態園
 内容 身近な植物にも不思議がいっぱい。見たり、さわったり、遊んだり、
    生きた植物にふれて、不思議を体験しよう。
 費用 無料
 定員 なし


◆山のフィールドミュージアム関連行事
【山の学校103「秋の山のいきもの」】
 日時 10月20日(土) 13:00〜16:00
 場所 清和県民の森(君津市豊英)
 内容 清和県民の森の中にある「自然観察路」を歩き、自然観察をします。
    幼児でも楽しめるよう、ゆっくりペースで歩きます。
 費用 無料、別途保険料50円必要
 定員 なし(小学生以下は保護者同伴)
 ※当日12:30〜12:50に、清和県民の森「木のふるさと館」駐車場にて受付します。
  事前申込は必要ありません。


【そのほかの10〜11月の講座・観察会の詳細はこちらから↓】
 10月 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=473
 11月 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=474

【ミュージアム・トーク(研究職員による展示・資料解説)について詳しくは↓で】
 10月 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=485
 11月 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=486


----------------------------------------------------------------------------
大利根分館   http://www.chiba-muse.or.jp/OTONE/  電話:0478-56-0101
----------------------------------------------------------------------------
◆講座等
【水郷の自然と歴史〜常陸国風土記に見る「印波の鳥見の丘」と「霞の郷」〜】
 日時 10月13日(土) 13:30〜15:00
 場所 大利根分館集会室
 内容 水郷の元となった古代香取の海には、「常陸国風土記」によると景行天皇が
    望見されたと伝わる霞の郷と、天皇が立たれたとされる鳥見の丘についての
    記述があり、今回その候補地についてスポットを当てます。
 講師 大利根分館 主任上席研究員 佐藤 誠
 対象 中学生以上
 費用 無料
 定員 40名(当日先着順受付)

【川のフィールドミュージアム「いしぶみ調査隊」出動します!】
 日時 11月3日・12月8日(各土曜日) 10:00〜12:00
 場所 大利根分館及び博物館周辺地域
 内容 水郷地域に所在する石造物について実際に現地を訪れ、その碑文や年号など
    について調べ、その成果をまとめます。
 対象 小学生以上(原則すべての講座に参加できる方)
 費用 保険費:各日50円
 定員 20名(電話申し込み・先着順受付)

【川のフィールドミュージアム「いきもの調査隊」出動します!】
 日時 11月10日 及び12月1日(各土曜日) 10:00〜12:00
 場所 大利根分館及び博物館周辺地域
 内容 水郷地域に生息する野鳥などの生きものを観察します。
 対象 小学生以上
 費用 保険費:各日50円
 定員 20名(電話事前申し込み・先着順受付)

----------------------------------------------------------------------------
大多喜城分館  http://www.chiba-muse.or.jp/SONAN/  電話:0470-82-3007
----------------------------------------------------------------------------
☆特別公開【江戸風俗図屏風】☆
 会期 10月21日(日)まで  9:00〜16:30(入館は16:00まで) 
 場所 大多喜城分館
 内容 菱川師宣画「江戸風俗図屏風(複製)」を1階に展示します。今回は、季節に
    合わせ、秋を描いた右隻を展示しています。
    
◆企画展「上総の仏教美術〜夷隅・長生〜」◆
 会期 10月26日(金)〜12月9日(日) 9:00〜16:30(入館は16:00まで)
 内容 上総地方の中でも夷隅・長生地域の寺院等で所蔵している仏像・仏画・仏具
    等の文化財を展示します。
 ※入館料:一般300円、高・大学生150円、中学生以下・65歳以上、無料。
 ※休館は月曜日(月曜日が休日の場合は開館して、翌日休館)

    詳しくはこちら↓
    http://www2.chiba-muse.or.jp/index.php?page_id=59

◆講座等
【講演会「上総の仏教美術」】
 日時 11月11日(日) 13:30〜15:30
 場所 大多喜城分館(研修館)
 内容 企画展の開催に関連して、上総地方の仏教文化に係る話をします。
 費用 無料(企画展を見学する場合は、入館料が必要)
 定員 40名(要電話予約)

【博物館セミナー「仏教美術を鑑る〜かたちと願い〜」】
 日時 11月18日(日) 13:30〜15:30
 場所 大多喜城分館(研修館)
 内容 企画展に出陳されている絵画、彫刻、工芸品などの仏教美術について、人々
    が寄せた願いや、文化財としての特色を紹介します。
 費用 無料(企画展を見学する場合は、入館料が必要)
 定員 40名(要電話予約)

【体験教室「甲冑・小袖の試着」】
 日時 11月3日(土祝) (午前)10:00〜、(午後)13:30〜
 場所 大多喜城分館(研修館)
  内容 復元された実物大の甲冑・小袖などを試着する体験です。小袖は女性のみの
    体験です。
 費用 無料(当日は常設展の見学も無料)
 定員 40名(要電話予約)

----------------------------------------------------------------------------
研究室から・・・11 「ジゴクモエビ,ついに命名」
----------------------------------------------------------------------------
今から6年前の企画展「驚異の深海生物」に「ジゴクモエビ」という、おどろおどろ
しいエビが展示されていたのを覚えていますでしょうか?実は、当時はまだ学名が確
定していなかったのです。モエビ科のエビで名前の割にはふつうの姿のエビなのです
が、沖縄トラフの熱水噴出域(水深600m1500 m)に生息することから、高温の海水が
噴き出す深海の環境を地獄に見立てた和名でした。その後、海洋研究開発機構の土田
真二博士、フランスのMichel Segonzac博士との共同研究により新種であることが分
かり、このたび「Lebbeus shinkaiae」として正式に命名・記載しました。種名の
”shinkaiae”は、現役引退した潜水調査船「しんかい2000」の活躍を記念してつけ
たものです。この種の他にも、太平洋のいろいろな熱水噴出域で採取された「ジゴク
モエビ」の仲間が調べられ、パプアニューギニア近海とフィジー近海からもさらに2
新種が発見されました。これらの種は形態的によく似ていますが、通常の深海環境に
も近縁な種が多くいることが分かり、本当に熱水噴出域に固有な種なのか、どのよう
にして適応・進化してきたのか、さらなる謎が出てきています。深海にはまだまだ未
知の生物がいます。これからも研究を続け、解明していきます。
                 (資料管理研究科主任上席研究員 駒井智幸)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆発 行
千葉県立中央博物館
〒260-8682 千葉市中央区青葉町955-2
電話:043-265-3111 FAX:043-266-2481
http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/
◆このメールは送信専用メールアドレスから配信されています。
返信いただいてもお答えできませんのでご了承ください。
◆お問い合わせは、電話またはFAXでお願いします。
◆大多喜城分館、大利根分館に関するお問合せは各館に直接お電話をお願いします。
◆無断転載はお断りします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆登録の解除はこちら↓
##__CANCEL_URL__##
◆配信アドレスの変更はこちら↓
##__MYPAGE_URL__##