千葉県立中央博物館分館海の博物館メールマガジン バックナンバー
海からのたより 第171号
配信日時:2019/05/01 10:00
千葉県立中央博物館分館◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
  千葉県立中央博物館分館 海の博物館メールマガジン

 『海からのたより』 第171号
                          2019年5月1日発行

                 千葉県立中央博物館分館 海の博物館
                 http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 10連休、皆様はいかがおすごしでしょうか?
 海の博物館は無休で開館しております。
 

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
│目次
└──────────────────────────────────
★間もなく終了!「水辺の外来生物 -房総の海と川から-」
★GW中の開館、臨時休館のご案内
★5月、6月前半の行事案内
★研究員ノート −見直されつつあるクマノミと共生するイソギンチャクの分類-
★着任職員紹介
★海の博物館周辺の情報
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
│★間もなく終了!「水辺の外来生物 -房総の海と川から-」
└──────────────────────────────────
 今年度の企画展示、マリンサイエンスギャラリー「水辺の外来生物 -房総の海と川から-」は、5月6日(月・振休)で終了します。
 まだご覧になっていない皆様、お見逃しなく!

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
│★GW中の開館、臨時休館のご案内
└──────────────────────────────────
 ゴールデンウィーク中は休まず開館いたします。
 5月8日(水)は臨時休館とさせていただきます。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
│★5月、6月前半の行事案内
└──────────────────────────────────
 詳しくはウェブサイトをご覧下さい。

 http://www2.chiba-muse.or.jp/www/UMIHAKU/genre/1517380874379/index.html

【観察会】 *2週間前までに事前申込、保険料50円
 5月4日(土・祝)「海藻を観察しよう」 *申し込み締切日は過ぎておりますが、5月2日夜まで追加募集をいたします。詳しくはお問い合わせください。
 5月19日(日)「エビ・カニを観察しよう」

【磯・いそ探検隊】 *当日先着順、保険料50円
 研究員の案内で博物館前の磯で生きものを観察します。
 5月6日(月・振休) 11:00〜12:00

【博物館探検隊(バックヤードツアー)】 *当日先着順
 ふだん見ることのできない博物館のバックヤードを、研究員の案内でめぐり
ます。
 5月3日(金・祝) 11:00〜11:30、13:30〜14:00
 6月15日(土) 13:30〜14:00

【海の体験コーナー】 *当日先着順、材料費50円
 体験交流員といっしょに、海にまつわるさまざまなメニューにチャレンジす
る行事です。
 5月11日(土)「微小貝を探そう」
 5月25日(土)「オリジナルオブジェを作ろう」
 6月8日(土)「海藻おしばを作ろう」
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
│★研究員ノート −見直されつつあるクマノミと共生するイソギンチャクの分類−
└──────────────────────────────────
 映画「ファインディング・ニモ」の主人公としても登場するクマノミのなかまは、
イソギンチャク類と共生することで有名です。写真や映像などでイソギンチャクに抱
かれて暮らす姿を見て心癒された経験のある方も少なくないのではないでしょうか?

 「ファインディング・ニモ」では、クマノミをはじめとした各種の魚以外にもタコ
やヒトデ、エビなどの無脊椎動物のキャラクターも登場します。しかし、クマノミの
大切なパートナーであるはずのイソギンチャクには、キャラクターづけがされておら
ず、もちろんセリフもありません。イソギンチャクは背景のようなものでしょうか。
そんな影の薄いイソギンチャクですが、クマノミとの共生関係については、古くから
さまざまな研究が行われてきました。「なぜ毒のあるイソギンチャクにクマノミは刺
されないのか」、「クマノミはどうやってパートナーのイソギンチャクを選ぶのか」
、「イソギンチャクにはクマノミと共生するメリットがあるのか」、などなど枚挙に
いとまがありません。これらの研究の多くは、それぞれのイソギンチャクにしっかり
と名前がつけられていることが前提となっているのですが、実はこれらのイソギンチ
ャクの分類は非常に混乱していて、正しく名前をつけることはとても困難です。これ
らの研究の中にはイソギンチャク類が正しく見分けられていないために、議論の前提
が崩れてしまうものもあるのではないか、と想像されます。また、これらのイソギン
チャク類は、非常に長生きであると考えられているのですが、観賞魚として人気の高
いクマノミとともに、イソギンチャクも観賞用として採集され、その個体数が激減し
ている場所があることが報告されています。このようなイソギンチャクをどんどん野
外から採集してしまうことは、屋久島の千年杉を片っ端から切り倒しているようなも
のとも言えます。人による採取や環境の改変などによってこれらのイソギンチャクが
どのような影響を受けるのか、また生態系にどのような影響を及ぼすのかというよう
な評価を行うためにも、対象となる種類を正確に分類することが求められますが、上
述のように、これらのイソギンチャクに名前つけることは非常に難しいのが現状です。

 このような問題を解決するため、現在私は共同研究者と協力して、クマノミと共生
するイソギンチャク類の分類を見直す作業を進めています。イソギンチャクは体の姿
かたちから分類するのはとても難しいので、まずはDNA解析によって一体何種類くら
いに分けることができるのか、ということを調べています。いかに多くの標本を集め
ることができるか、ということが研究の成否を左右するため、日本各地で潜水するな
どして現在までに200を超える標本を集めてきました。最終的にはその倍くらいの数
を集めることを目指して、採集の計画をたてています。ただ、上述のように長生きの
イソギンチャクを大量に採集してしまっては、生態系への影響があまりに大きいので
、私達はイソギンチャクをまるごと採集するのではなく、DNA解析用の触手数本をハ
サミで切り取り、体の形の特徴や共生する生物などについて写真撮影するなどして記
録してくることにしています。現在までに採集した試料の予備的な解析結果からは、
これらのイソギンチャク類は従来考えられていたよりももっと多くの種に分かれる可
能性があることが示唆されていて、今後の解析がとても楽しみです。この成果はいず
れ改めてご報告したいと思います。

(主任上席研究員 柳研介)

※本研究は日本学術振興会による科研費JP17K07547の助成を受けて行っています。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
│★着任職員紹介
└──────────────────────────────────
 4月1日に3名の職員が海の博物館に着任しました。
 皆様どうぞよろしくお願いいたします。

 ●副主幹 近藤 佳純
 「3回目の海博です。今回もガンバルぞ!」

 ●上席研究員 吉田 真照
 「1年ぶりに海博へ帰ってきました。学校連携を中心に担当しながら,みなさんの「発見と感動」のお手伝いさせていただきます。よろしくお願いします。」

 ●体験交流員 山田 池永子
 「みなさんと海の生き物のお話がたくさんできるよう勉強中です!よろしくお願いします!」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
│★海の博物館周辺の情報
└──────────────────────────────────
●「第17回勝浦港カツオまつり」「サザエフェス」

 令和元年5月25日(土)に『第17回勝浦港カツオまつり』が開催されます。
 今年度の会場は、勝浦市役所隣り特設会場です。
 勝浦名物「カツオ」販売の他、さまざまな物品の販売や各種イベントが行われます。


 また、今年度は勝浦中央商店街にて「サザエフェス」も初開催されます。


 詳しくはこちら(勝浦市観光協会ウェブサイト)
 https://www.katsuura-kankou.net/%E7%AC%AC17%E5%9B%9E%E5%8B%9D%E6%B5%A6%E6%B8%AF%E3%82%AB%E3%83%84%E3%82%AA%E3%81%BE%E3%81%A4%E3%82%8A/


 勝浦市の観光については、勝浦市観光ポータルサイト「かつうら潮風散歩道」もご覧ください
 http://www.katsuura-sanpo.com/news/post-14370/

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただきありがとうございました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
    http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU
お問い合わせはこちらへ umihaku@chiba-muse.or.jp
(電子メールにつきましては、送信途中において悪意のある第三者による盗聴の可能性も指摘されていますので、ご留意ください。)

*このメールは送信専用メールアドレスから配信されています。
  返信いただいてもお答えできませんのでご了承ください。
登録内容の変更はこちらへ ##__MYPAGE_URL__##
配信停止はこちらへ ##__CANCEL_URL__##
無断転載はお断りします