千葉県立中央博物館分館海の博物館メールマガジン バックナンバー
海からのたより 第173号
配信日時:2019/07/01 10:00
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  千葉県立中央博物館分館 海の博物館メールマガジン

 『海からのたより』 第173号
                          2019年7月1日発行

                 千葉県立中央博物館分館 海の博物館
                 http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/

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 暑くなってくると、海に行きたくなりますね。

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│目次
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★収蔵資料展「魚がつくる模様と形」7月20日(土)から!
★7月、8月前半の行事案内
★研究員ノート −鵜原の大名行列-
★海の博物館周辺の情報

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│★収蔵資料展「魚がつくる模様と形」7月20日(土)から!
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 魚の体色や体形は成長段階や種によって様々で、幾何学的な模様や形が見ら
れることもあります。また、魚が体の外に構造物をつくることがあり、その用
途や形状は様々です。この展示では、魚がつくる模様と形の多様性と適応的な
意義について、最新の研究成果を交えて紹介します。



▲会期:令和元年7月20日(土)〜9月16日(月・祝)

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│★7月、8月前半の行事案内
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 詳しくはウェブサイトをご覧下さい。

 http://www2.chiba-muse.or.jp/www/UMIHAKU/genre/1517380874379/index.html

【観察会】 *2週間前までに事前申込、保険料50円
 8月3日(土)「親子で磯の魚を探そう」
 8月10日(土)「水中めがねで海の生きものを観察しよう」

【講座】 *2週間前までに事前申込
 7月28日(日)「魚がつくる模様と形」

【磯・いそ探検隊】 *当日先着順、定員15名、保険料50円
 研究員の案内で博物館前の磯で生きものを観察します。
 7月7日(日) 13:30〜14:30
 7月20日(土) 12:00〜13:00

【博物館探検隊(バックヤードツアー)】 *当日先着順
 ふだん見ることのできない博物館のバックヤードを、研究員の案内でめぐり
ます。
 7月13日(土) 13:30〜14:00
 7月27日(土) 13:30〜14:00

【みんなで工作 海の生きもの】 *当日先着順、材料費50円
 海の生きものにちなんだ簡単な工作を行います。
 7月14日(日)「海で見つけた材料でオリジナルオブジェを作ろう」 10:45-11:45 13:30-14:30 


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│★研究員ノート −鵜原の大名行列−
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 7月に入りました。いよいよ夏本番ですね。海の博物館からほど近い八坂神社で
は、今月26日27日にちょっと珍しい夏祭りが行われます。八坂神社は、鵜原集落
の天王山という一段高い場所に所在します。江戸時代の初めころに地元の名主が疫
病退散を願って、愛知県の津島神社から分霊を勧請(かんじょう)したのが起源と
伝えられます。現在はスサノオノミコトを主祭神としていますが、近世には牛頭天
王(ごずてんのう)を祀っていました。

 鵜原八坂神社では、旧暦6月現在の7月の例大祭でいわゆる大名行列が行われます
。拍子木打ちの触れ役を先頭に、長柄の毛槍を持った奴(やっこ)たち、挟箱や槍
・鉄砲等を持った集団と続き、各所で勇壮な毛槍の取り回しが行われます。これら
の列の後ろには大人衆の大神輿(みこし)や子どもたちの小神輿、そして賑やかな
お囃子(はやし)連が乗る船形山車が地区の方々(主に女性)に曳かれて続きます
。行列に使う武器武具類等について、地元の伝承では大多喜城主からいただいた道
具が始まりといわれています。神輿を担ぐ大人衆は白足袋に黒脚絆で白丁を着し腰
には荒縄を巻くのが特徴です。

 祭礼に伴って集落の各家々ではかつて鮑腸餅(ほうちょうもち)と呼ばれるもの
を作りました。これは小麦粉にヨモギ草を入れて練り合わせ、アワビの切り身のよ
うに表を緑色、裏側を白色とし、短冊形に切って茹で上げてきな粉をまぶして食し
ました。現在では祭礼時に作る家庭はあまりないようです。

 ところでこの祭礼は大名行列と言われますが、実際にはこの行列に主役であるべ
き大名は登場してきません。毛槍を持った奴たちや武具鉄砲等を携えた行列が、大
名行列を印象付けているのかもしれません。そして主役であるべき大名に替わって
、ここでは神輿が主役となっています。すなわち神輿に乗る神(ここではスサノオ
ノミコト)を大名に見立て、これを中心に据えての行列(巡行)が構成されていま
す。

 この行列は集落内を巡行したのち、山車を除いて鵜原海岸の波打ち際に出ます。
そして波打ち際に海に向かって建つ鳥居の前に設えた仮殿域に到着し、神事がとり
行われます。
 
 このように神輿が海岸に出て渡御することを「お浜降り」といい、千葉県内の海
岸部の集落での祭礼にしばしば見ることができます。その形についても、鵜原八坂
神社のように一つの神社だけで行われるものや、地区内(郷=ごう)あるいは他地
区にわたる複数の神社の神輿が集まって行われるもの(寄り合い祭り)等様々です
。また、「お浜降り」がなぜ行われるのか等については、海からの来訪神を起源と
したり、豊漁祈願など各地さまざまに伝承されています。今年度から県立中央博物
館では、「お浜降り習俗と神輿祭礼」に係る情報収集事業を開始し、私もお手伝い
をしています。皆さんの地域の祭礼の調査に伺った際には多くのの情報を寄せてく
ださいますようお願いします。

(主任上席研究員 本吉正宏)

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│★海の博物館周辺の情報
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 ●海水浴場の開設
 勝浦市内の海水浴場がオープンします。透明度抜群の勝浦の海をお
楽しみください。
 勝浦市内の海水浴場:鵜原、守谷、興津、勝浦中央
 開設期間:2019年7月13日(土)~8月18日(日)
 
 ●鵜原の大名行列
 鵜原海岸を大名行列が練り歩きます。詳しくは今号の研究員ノートを御覧下さい。
 今年の開催日は、7月26日(金)、27日(土)です。

 以上の詳しい情報は、勝浦市観光ポータルサイト「かつうら潮風散歩道」を
ご覧ください。
http://www.katsuura-sanpo.com/

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 今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただきありがとうございました。

発行  千葉県立中央博物館分館 海の博物館
連絡先 〒299-5242 千葉県勝浦市吉尾123
    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
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