千葉県立関宿城博物館メールマガジン バックナンバー
せきはくマガジン第156号(234)
配信日時:2019/08/20 09:00
千葉県立関宿城博物館メール情報∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

          せきはくマガジン

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∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞第156号(234) 2019年8月20日∞
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 もくじ
[1]9月のイベント情報及び9月の休館日について
[2]9月中に募集が開始されるイベントについて
[3]せきはく豆事典「日本刀」
[4]季節だより
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[1]9月のイベント情報及び9月の休館日について

●開館時間 9時開館、16時30分閉館
      
★(1)すごろクイズ「のりものの歴史」
    すごろくとクイズが一体となった参加型の展示で、丸木船から高瀬船、人力車や鉄道
    など、のりものの歴史について学ぶことができます。
   期  日   7月2日(火)~9月29日(日)
        (休館は月曜日。月曜日が祝日にあたる場合は開館し、翌日休館。)
   時  間   9時~16時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 3階多目的室
   入場料  一般200円(団体160円)、高大生100円(団体80円)、
        中学生以下・65歳以上無料  ※団体扱いは20名以上

★(2)学芸員によるミュージアムトーク「のりものの歴史」
    すごろクイズ「のりものの歴史」について、展示解説をします。
   期  日   9月1日(日)
   時  間   11時~12時、13時30分〜14時30分
   場  所   【集合場所】千葉県立関宿城博物館エントランスホール
   参加費  入場料
   申込み  自由参加

★(3)関宿城写生コンクール作品展
    関宿城周辺を題材とした写生画を公募し、作品を展示します。
   期  日   9月18日(水)〜10月6日(日)
        (休館は月曜日。月曜日が祝日にあたる場合は開館し、翌日休館。また、
        10月1日(火)~3日(木)は展示替えのため休館します。)
   時  間   9時~16時30分
   場 所   千葉県立関宿城博物館 エントランスホール・集会室
   入場料  一般200円(団体160円)、高大生100円(団体80円)、
        中学生以下・65歳以上無料  ※団体扱いは20名以上

★(4)歴史講座「古文書を読む(初級編)《3回連続》」
    古文書によく出てくる基本的な単語や慣用句が読めるようにし、解読辞典の使い方も習
    得します。
   期  日   9月7日(土)・10月12日(土)・11月23日(祝・土)
   時  間   10時~12時
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  30名(連続で参加できる方)
   対 象  一般
   受講料  200円(初回のみ)
   申込み  8月7日(水)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

★(5)体験教室「投網を投げてみよう」
    地元漁師の指導のもと、投網の打ち方を体験します。また、川魚を料理し試食します。
   期  日   9月15日(日)
   時  間   10時〜13時
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室・庭園・休憩所
   定 員  20名
   対 象  一般
   参加費  300円
   申込み  8月15日(木)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

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◆◆◆9月の休館日について◆◆◆
 2日(月)・9日(月)・17日(火)・24日(火)・30日(月)は休館します。
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[2]9月中に募集が開始されるイベントについて

◆(1)体験教室「関宿城下を歩こう(1日コース)」
    千葉県立関宿城博物館の周辺を歩いて、江戸時代の関宿藩にゆかりのある史跡(関宿城
    本丸跡、筋違い十字路、外堀・土塁跡、関宿関所跡石碑、随庵堀と随庵碑、首塚(刑場
    跡))や寺院(昌福寺、宗英寺、実相寺、光岳寺)を学芸員が案内し、解説します。
   期  日   10月19日(土)
   時  間   10時~15時
   場  所   【集合場所】千葉県立関宿城博物館 集会室
        【見学場所】千葉県立関宿城博物館周辺の史跡や寺院
   定 員  30名
   対 象  一般
   参加費  50円(別途昼食代 1,000円)
   申込み  9月19日(木)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

◆(2)野外講座「歴史散歩-戦国期のオビシャ行事と新宿の今昔を訪ねる-」
    企画展の関連事業です。新宿中井御霊神社に御神宝として伝わる戦国期のオビシャ道具
    「備射祭分木」を参観し、いにしえより続く新年の村の行事「オビシャ」を考えます。
    また、新宿歴史博物館や東京都庁を訪ね、都心の昔と今を見比べます。
   期  日   10月20日(日)
   時  間   9時~16時30分
   場  所   【集合場所】千葉県立関宿城博物館正門前
        【見学場所】東京都新宿区方面
   定 員  40名
   対 象  一般
   参加費  2,000円(昼食代など)
   申込み   9月20日(金)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

◆(3)体験教室「河川敷のいきものさがし(一般向け)」
    当館調査協力員及び自然科学系ライターの「わぴちゃん」こと、岩槻秀明氏の解説を聞
    きながら、河川敷特有の植生環境を観察し、江戸川流頭部まで散策します。
   期  日   10月27日(日)
   時  間   10時~12時
   場  所   【集合場所】千葉県立関宿城博物館 集会室
        【見学場所】江戸川や利根川の河川敷
   定 員  20名
   対 象  一般
   参加費  50円
   申込み  9月27日(金)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

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[3]せきはく豆辞典「日本刀」
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 近年、刀剣に関する展示会が多く開催され、女性の方も多く見られ、「刀剣女子」と呼ばれる
言葉が作り出される程ブームとなっています。刀剣のもつ美しさや力強さに改めて注目が集まり、
文化財への注目度が高まることも期待されます。
 日本刀のもつ機能美には、どのような秘密があるのでしょうか。
 まず、一つは刀剣に含まれる炭素の量です。刀づくりは砂鉄を木炭で還元した「玉鋼(たまは
がね)」を何度も繰り返し加熱して折り返しながらたたいて鍛える「鍛錬(たんれん)」の工程か
ら始まります。この工程で余分な不純物や炭素が除かれ、鋼が作られます。刀剣には炭素量が約
0.6%より少ない鋼が用いられていますが、炭素量は部分により異なります。切れ味の良い刃の
部分は炭素が多い硬い材質ですが、棟(むね)や鎬(しのぎ)の部分は相手の刀や鎧(よろい)等に当
たっても折れないような粘りを持たせるため、炭素分が少なくなっています。加熱後、何度も折
り重ねて打つ「鍛錬」により不純物や炭素を除き、測定機器のない時代にコンマ以下の精度で成
分調整がされたことは驚愕に値します。この「鍛錬」により調整された炭素量の異なる2種類の
鋼を組み合わせて刀の形に成形していくのですが、柔らかい鋼を硬い鋼で巻く「甲伏せ(こうぶ
せ)」や、異なる性質を持つ2種類の芯を硬い鋼で挟む「本三枚」等、各流派に伝えられている
機能を考えた手法により作られます。
 もう一つは「焼き入れ」といわれる熱処理です。刀剣に用いられる鋼のうち、炭素%の高いも
のを急激に冷やすと、非常に硬い組織(マルテンサイト組織)を持った構造となります。また、炭
素分の少ない部分をゆっくり冷やすと粘りのある組織(フェライトやパーライト組織)を持った構
造となります。この組織変化を起こすためには800度以上の加熱が必要ですが、加熱しすぎると内
部の組織が変化して強度が落ちてしまいます。また日本刀の焼き入れの工程では、冷却する速度
を調整するために、焼き入れ前に表面に粘土をぬる「土置き」という工程があります。厚く塗ら
れたところは、冷却速度が遅いため粘りのある材質に、薄くまたは塗らない場所は冷却速度が速
いため硬い材質になります。この粘土の塗り方により、美しい「波文」が作られるとともに、戦
いの中で、切れ味とともに折れないための粘り強さも作られます。さらにこの焼き入れは、日本
刀の大きな特徴である「反り」にも関係しています。成形時に反りを入れる場合もありますが、
焼き入れを行ったとき刃の部分はマルテンサイト組織=体心立方格子、棟や鎬の炭素分の少ない
部分はフェライトやパーライト組織=面心立方格子という構造になります。このとき大切なのは
体積の変化です。実は焼き入れにより、体心立方格子の方が6%程度体積が大きくなります。刃
の部分がふくれることとなるので「反り」が生まれます。この反りは、炭素の割合や焼き入れの
状態で変わりますので、同じものを制作することはできません。そのため、刀ごと異なる美しい
波文や反りが見られるのです。
 現在では精密に温度を測定する装置がありますが、当時は何で温度を測定していたのでしょう
か。これらの技術は作刀を行う上で最も重要な工程で、多くは一子相伝の「わざ」として伝えら
れてきたものです。刀匠は経験により必要な場所に必要な特性を作り出す高度な技術により、機
能美の粋である刀剣を造りだしています。                  (鈴木淳一)

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[4]季節だより
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 梅雨明け後から猛暑が続いています。昔は、夏といえども朝は比較的涼しく、朝のラジオ体操
も爽快だったような気がします。まだまだ暑さが続きそうです。熱中症には十分お気を付けくだ
さい。
 小中高の学生のみなさんは、夏休みも残り10日ほどでしょうか。9月になったら、恒例の関宿
城写生コンクール作品の受付開始です。ぜひ作品をお寄せください。
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