千葉県立関宿城博物館メールマガジン バックナンバー
せきはくマガジン第74号(152)
配信日時:2012/10/26 12:00
千葉県立関宿城博物館メール情報∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
           
                    せきはくマガジン
                              http://www2.chiba-muse.or.jp/
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞第74号(152) 2012年10月25日∞∞
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――    
 ■@■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■.■
  もくじ
[1]11月のイベント情報及び11月の休館日について
[2]11月中に募集が開始されるイベントについて
[3]せきはく豆事典「行徳の塩(2)」
[4]季節だより
 ■@■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■.■
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
[1]11月のイベント情報及び11月の休館日について
●・開館時間 9時開館,16時30分閉館。(ただし入館は16時まで)

★(1)企画展「醤油を運んだ川の道-利根川・江戸川舟運盛衰-」
    利根川東遷以降の河川交通網の整備に伴い,江戸に近い野田を筆頭に銚子
      や土浦は醤油作りが盛んになり,醤油輸送に高瀬船が使用されました。醤
   油をとおして江戸時代以降の舟運について展示します。
 期  間   10月2日(火)~11月25日(日)
       <この期間中は休館日なし> 
 時  間   9時~16時30分(ただし,入館は16時まで)                           
 場  所   千葉県立関宿城博物館2階企画展示室                    
 入館料   一般:300円(団体160円),高大生:150円(団体120円)
      中学生以下・65歳以上:無料
  *解説会;11月3日(祝・土),11月23日(祝・金)いずれも11時~12時と13時30分
              ~14時30分の1日2回(要入館料)
  
★(2)平成24年度出土遺物巡回展 「時空を超えて―市原市ちはら台の発掘ものがた
   り―」
      市原市ちはら台ニュータウンの遺跡から発見された土器や石器等をとおして,原始
      から中世までの人々の暮らしを紹介します。   
 期  間  11月29日(木)~平成25年1月6日(日) 
     (休館は月曜日,ただし月曜日が祝日の場合は翌日。年末(12/26~12/31)は
      休館。1/1 から開館)
 時  間 9時~16時30分(ただし,入館は16時まで)                           
 場  所 千葉県立関宿城博物館2階企画展示室                    
 入館料 一般:200円(団体240円),高大生:100円(団体80円)    
     中学生以下・65歳以上:無料
  *解説会;12月23日(日)11時~12時と13時~14時の2回(要入館料)

★(3)博物館セミナー
      当館展示協力員市川幸男氏による講演です。「江戸時代の水路の勾配につ
      いて-関宿落堀(随庵堀)の現況を含めて-」という演題で講義します。
      江戸時代には多くの水路が開削されました。それに関わる測量の中で,平
    面図に比べると高低差の概念は薄く,どのように水路縦断勾配の計画が表
      示されていたのかについて考察します。  
  期  日   11月11日(日)
  時  間   13時30分~15時30分
  場  所   千葉県立関宿城博物館集会室
  定  員   30名
  対  象   一般
  受講料   200円
  申込み   10月11日(木)9時より電話で申込み受付(先着順)
              04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

★(4)郷土食講座「こんにゃくづくり」
     地元の方の指導により,こんにゃくづくりを体験します。また,それを
    試食します。
  期  日  11月25日(日) 
  時  間  【午前の部】9時30分~12時
      【午後の部】13時30分~16時
  場  所  千葉県立関宿城博物館休憩所
  定  員  各15名
  対  象  一般 
  保険料  50円
  申込み  10月25日(木)9時より電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課) 

★(5)体験教室 「関宿城下を歩こう」      
      千葉県立関宿城博物館の周辺を歩いて,江戸時代の関宿藩にゆかりのあ
    る史跡や寺院を当館学芸員による案内で見学します。
  期  日   11月10日(土)
  時  間   10時~15時
  場  所   千葉県立関宿城博物館
  定  員   30名
  対  象   一般
  参加費   1,000円 (昼食代含む)
  申込み   10月10日(水)9時より電話で申込み受付(先着順)
           04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

★(6)イベント  県民芸術劇場公演「ミュージアムコンサート」
    ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉による室内管弦楽四重奏の演
    奏会です。
 期  日   11月17日(土)
 開 演   14時  
  場  所   千葉県立関宿城博物館集会室                   
  定 員  50名(申込み多数の時は抽選)             
 対 象  一般(小学生以下は保護者同伴)                                  
 参加費  無料 
 申込み  往復はがきによる受付。必要事項記入の上,申込み。
          【往信はがき】宛先:〒270-0201 千葉県野田市関宿三軒家143-4
                        千葉県立関宿城博物館コンサート係
                        裏面に・住所 ・氏名 ・年齢 ・電話番号 ・希望人数
            (最大4名まで)を明記。
          【返信はがき】表面に応募者代表1名の住所・氏名を明記。
                 裏面は抽選結果・座席等を印刷しますので,何も記入
            しないでください。
 応募締切 10月31日(水)当日消印有効。                 
 問合せ  04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)                     

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ◆◆◆11月の休館日について◆◆◆ 
  26日(月曜日は休館します。企画展開催のため,他の月曜日は開館します。)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
[2]11月中に募集が開始されるイベントについて

◆(1)博物館セミナー
      当館展示協力員の新井浩文氏が「簗田家文書の世界」と題して,簗田家
       文書を取り上げ,中世関宿城主の簗田氏について紹介します。  
  期  日   12月9日(日)
  時  間   13時30分~15時30分
  場  所   千葉県立関宿城博物館集会室
  定  員   30名
  対  象   一般
  受講料   200円
  申込み   11月9日(金)9時より電話で申込み受付(先着順)
           04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

◆(2)体験教室-みんなでふれあい体験-「版画年賀状教室」
     版画家地井紅雲先生の指導で,版画の彫り方を学びながら,年賀状づくり
    を体験し,版画の魅力を再発見します。
  期  日   12月8日(土) 
  時  間   10時~16時
  場  所   千葉県立関宿城博物館集会室
  定  員   10名
  対  象   一般 
  参加費  500円
  申込み   11月8日(木)9時より電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課) 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
[3]せきはく豆事典「行徳の塩(2)」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――   
  行徳塩が運ばれた道は,下り塩が運ばれた道でもあったのです。そして,各地
方から江戸へ米を輸送した帰り荷として塩が輸送された道でもありました。
 行徳から出荷される塩は,出荷先により包装が異なっていました。「笊(ざる)」
は行徳塩を江戸(東京)に出荷する際の単位および容器で,一笊には桶枡で五桶分
(三斗一升五合,実際は三斗入り)の塩が入っていました。在方には米俵と同型の
ものに一俵につき八桶=四斗八升の塩を詰め,在方の棒手売りは四桶または六桶
が入る背負い籠,遠国出荷の俵は五桶(ただし三斗)が入る角俵だったのです。ま
た,専売へは四十斤が入る叺(かます)に塩を詰めていました。
 明治2年(1869)当時,金一両の売値での行徳塩・赤穂塩・斉田塩それぞれの量
は,行徳塩=一石四斗四升,赤穂塩=一石八斗三升三合六勺,斉田塩=三石四斗
五升六合だったのです。行徳塩は赤穂塩の約1.3倍,斉田塩と比べると2.4倍ある
高値の商品でした。このように高価でも行徳塩が遥か遠方に販路を拡大できた訳
は行徳塩の加工法にありました。行徳は安価な下り塩に対抗するため,あらかじ
め苦汁を除いて輸送中に量が目減りしない古積塩(ふるづみじお)を開発しました。
下り塩は安価だったのですが苦汁など水分を含み,輸送中にその水分が浸み出し
て目減りする差塩だったのです。古積塩は藁筵を敷いた穴に生塩を入れ,雨に当
たらないようその上に藁(わら)屋根(やね)を葺(ふ)き,そこに夕顔や南瓜をはわ
せて苦汁で生長させ,数か月から1年かけて苦汁を除く加工を施した塩でした。
古積塩は高価であっても目減りしなかったので珍重されました。古積塩の開発年
代は,はっきりしませんが元禄年間(1688~1703)には加工法のめばえがあったと
いわれています。この古積塩は,もとは行徳の地塩だけで生産し「地古積(じこ
づみ)」といいました。江戸末期には下り塩を買い入れて,古積に加工した「直
し古積」も作るようになり,このような創意工夫により行徳塩は名声を高め,常
陸・上野・下野・信濃方面へと江戸川・利根川を遡り,そのさらに上流へと舟で
運ばれていきました。江戸川は行徳という産地から消費地へと舟運で繋ぐ塩の道
だったのです。
 明治維新以降,輸送方法に変化が訪れました。群馬県・長野県方面には行徳河
岸から東京・南千住の隅田川にある日本鉄道会社構内まで艀船(はしけぶね)で運
ばれ,そこから先は鉄道で輸送されるようになりました。
 そして,生産する行徳塩田にも変化が現れました。瀬戸内十州塩より安価な台
湾塩など外国塩の輸入により,行徳を始め他の全国の小規模製塩地は大きな打撃
を受けたのです。そして,明治38年(1905)実施の塩専売法は,行徳塩の生産衰退
に拍車をかけるものでありました。さらに,大正6年(1917)9月には台風による高
潮によって壊滅的な被害を受け,その後,復興が進まず,同9年(1920)にはほとん
どの製塩業者が廃業,昭和4年(1929),全国にある零細製塩地を廃する第二回製塩
地整理の対象となり,産業としての行徳塩田はその幕を閉じることになりました。
その後は,自家用として製塩する人はいたのですが,昭和24年(1949)を最後に一
軒もなくなりました。(出典:千野原靖方 1978『行徳塩浜の変遷』 崙書房)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
[4]季節だより
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 当館にある木々の葉が黄色く色付き始めて来ました。皆さんの周りはどうでしょ
うか。すっかり秋になったという感じがします。夕陽がとてもきれいな季節になり
ました。同時に日が暮れるのも早くなりました。 
 今月28日(日)には,関宿城まつりがおこなわれます。晴天を祈り多くの方の、
ご来場・ご来館をお待ちしております。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
=================================== 
せきはくマガジン第74号(152)をお送りしました。毎月当館の新鮮な情報を
お届けします。
皆様からのお声をお待ちしております。お気軽にお寄せ下さい。
(お声を当マガジンに掲載させていただく場合もあります。)
===================================
せきはくマガジン第74号(152)
発行:千葉県立関宿城博物館
      〒270-0201
      千葉県野田市関宿三軒家143-4 TEL 04-7196-1400  FAX 04-7196-3737
◯ホームページ: http://www2.chiba-muse.or.jp/
◯メールの内容についての問い合わせ:sekiyadohaku@chiba-muse.or.jp
  ※電子メールについては,送信途中において悪意のある第三者による盗聴等
    の可能性も指摘されていますので,ご留意ください。
○無断転載はお断りします.