千葉県立関宿城博物館メールマガジン バックナンバー
せきはくマガジン第161号(239)
配信日時:2020/01/20 09:00
千葉県立関宿城博物館メール情報∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

          せきはくマガジン

http://www2.chiba-muse.or.jp/SEKIYADO/
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞第161号(239) 2020年1月20日∞
------------------------------------
■@■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■.■
 もくじ
[1]2月のイベント情報及び2月の休館日について
[2]2月中に募集が開始されるイベントについて
[3]せきはく豆事典「葛飾の早稲(わせ)」
[4]季節だより
■@■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■.■

[1]2月のイベント情報及び2月の休館日について

●開館時間 9時開館、16時30分閉館
                  
★(1)昔のくらし展
    昔なつかしい昭和の暮らしに関する民俗資料を中心に、「住まう」「食べる」「着る」
    「働く」「遊ぶ」の五つのテーマに沿って、今の子どもたちのおじいちゃんやおばあち
    ゃんが暮らした頃の様子を紹介します。
   期  日   1月21日(火)~4月12日(日)
         (休館は月曜日。月曜日が祝日にあたる場合は開館し、翌日休館。)
   時  間   9時~16時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 3階多目的室
   入場料   一般200円(団体160円)、高大生100円(団体80円)、
          中学生以下・65歳以上無料  ※団体扱いは20名以上

★(2)博物館セミナー(5)「鷹菜の正体を探ろう-「菜の花」の分類-」
    当館の調査協力員「わぴちゃん」こと、岩槻秀明氏による博物館セミナーです。春の土
    手を黄色く彩る「菜の花」について、その種類や見分け方、生態などを紹介します。そ
    して、関宿地域に伝わるアブラナ科野菜、鷹菜が植物分類学上どの種類に位置づけられ
    るか、考えていきます。
   期  日   2月16日(日)
   時  間   13時30分〜15時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  30名
   参加費  100円
   申込み  1月16日(木)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

★(3)学芸員によるミュージアムトーク「昔のくらし」
    開催中の「昔のくらし展」にちなみ、かつての生活用品や農耕具などについて解説をし
    ます。
   期  日   2月23日(祝・日)
   時  間   11時~12時と13時30分〜14時30分
   場  所   【集合場所】千葉県立関宿城博物館エントランスホール
   参加費  入場料
   申込み  自由参加

★(4)郷土食講座「鷹菜漬け」
    地元の方の指導により、関宿地域で作られている鷹菜を樽に漬けます。
   期  日   2月29日(土)、3月1日(日)、3月7日(土)、3月8日(日)
   時  間   10時30分~11時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 休憩所
   定  員  各10名
   対 象  一般
   参加費  保険料各50円(別途鷹菜代1,500円)
        ※漬物樽(20リットル程度)を持参してください。
   申込み  1月29日(水)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

-------------------------------------------
◆◆◆2月の休館日について◆◆◆
2月3日(月)・10日(月)・17日(月)・25日(火)は休館します。
-------------------------------------------

[2]2月中に募集が開始されるイベントについて

◆(1)博物館セミナー(6)「戦国後北条氏による関宿城開城と在番衆」
    当館の調査協力員、中村正己氏による博物館セミナーです。天正2年(1574)北条氏政
    は、古河公方の宿老で反北条氏家臣の中心的存在であった簗田晴助、持助父子の籠もる
    関宿城を囲み開城・降伏させました。城は以降、氏政が命ずる在番衆によって天正18年
    (1590)まで支配されました。この間の様々な歴史的史実を解き明かし紹介します。
   期  日   3月15日(日)
   時  間   13時30分〜15時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  30名
   参加費  100円
   申込み  2月15日(土)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

◆(2)体験教室「関宿城下を歩こう(1日コース)」
    千葉県立関宿城博物館の周辺を歩いて、江戸時代の関宿藩にゆかりのある史跡(関宿城
    本丸跡、筋違い十字路、外堀・土塁跡、関宿関所跡石碑、随庵堀と随庵碑、首塚(刑場
    跡))や寺院(昌福寺、宗英寺、実相寺、光岳寺)を学芸員が案内し、解説します。
   期  日   3月22日(日)
   時  間   10時~15時
   場  所   【集合場所】千葉県立関宿城博物館 集会室
        【見学場所】千葉県立関宿城博物館周辺の史跡や寺院
   定 員  30名
   対 象  一般
   参加費  50円(別途昼食代 1,000円)
   申込み  2月22日(土)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

------------------------------------------------------
[3]せきはく豆辞典「葛飾の早稲(わせ)」
------------------------------------------------------
 「鳰鳥(にほどり)の 葛飾早稲を饗(にえ)すとも その愛(かな)しきを外(と)に立て
めやも」
 これは万葉集の巻14「東歌(あずまうた)」の中に歌われた一首です。
 「にほどり」とは水鳥のカイツブリのことで、「葛飾」という語に係る枕詞(まくらことば)。
歌の意味は、「葛飾早稲の収穫を神に捧げる神聖な日の晩は、身を清め、家に籠っていなければ
ならないのだけれど、もし愛しいあの人が訪ねてきたら、どうして外に立たせてなどおけるだろ
うか」という、女性が詠んだ恋の歌です。
 万葉集が編纂(へんさん)されたのは8世紀頃とされていますが、この当時、歌に詠まれる程、
葛飾の早稲(収穫の早い品種の米)は有名だったのです。葛飾とは、旧南葛飾郡(東京都の葛飾・
隅田・江東・江戸川の4区の一部)、旧東葛飾郡(ほぼ千葉県側の江戸川沿い)、旧北葛飾郡
(埼玉県側の江戸川沿い)、旧西葛飾郡(茨城県古河市などの一部)の広い一帯を指します。古
代より川が入り組むこの地域は恐らく常に水害にみまわれ、そのため台風が来る前に収穫できる
早稲米を作っていたのでしょう。
 この葛飾地域の中でも、特に早場米(はやばまい)の産地として名を馳せた地域があります。
東を江戸川、西を中川、南を小合溜井に挟まれた低湿地帯で、かつて「二郷半領」と呼ばれた地
域です。現在の埼玉県三郷市、吉川市にあたります。
 江戸時代には、二郷半領の米は夏の土用を過ぎればもう出荷され、江戸に最も早く届いたそう
です。このため、江戸の新米の相場は二郷半米が基準となったといいます。二郷半領では、古く
から、その年、最も早く穂の出た株の実を集めて翌年の種籾(たねもみ)にするということを繰
り返していました。長い年月をかけて早く実のなる性質の遺伝子が引き継がれ、この地の米は他
に類のないほど早く収穫できるようになっていったのです。二郷半領の新米の初物は江戸で希少
価値がつき、大変高値で売れました。明治時代以降も、東京の米屋は得意客に5合~1升ほどの
二郷半米の初物を縁起物として配ったりしました。更にその藁(わら)は、大変丈(たけ)が長
く、また早く刈るため青々しい色が残って美しく、麻裏草履の表やご婦人の島田髷(しまだまげ)
の髪飾りとしても用いられて、これまたかなりの高値で取引された、との記録があります。
 現在の三郷市早稲田地区は、その中でも特に米の収穫時期が早かったことから明治22年(1889)
より「早稲田」の名が冠せられました。早稲田の丹後稲荷神社は「萬葉遺跡 葛飾早稲発祥地」と
して埼玉県の旧跡に指定されており、境内には冒頭の「にほどりの…」の歌碑も建てられていま
す。
 今も三郷市では美味しい早稲米が作られています。もしかしたらそのお米は、古代から脈々と
品種改良を繰り返した末裔たちなのかもしれません。遠い過去から届いた先人の知恵の結晶「葛
飾早稲」を、万葉の恋人たちにも思いを馳せつつ、味わってみるのもよいかもしれませんね。
 ※参考文献「二合半領新米」『風俗画報』第8号(明治22年)            (榎)

-----------------------------------
[4]季節だより
-----------------------------------
 年が明けて、だいぶ日が長くなってきたと感じるようになりました。今のところ、関宿周辺は
例年ほど寒くない気がしますが、やはり春は待ち遠しいものです。
 3階多目的室では、明日21日(火)から「昔のくらし展」が始まります。今年はレトロな資
料も少し増えました。皆様のご来館をお待ちしております。
-----------------------------------

======================================
せきはくマガジン第161号(239)をお送りしました。毎月当館の新鮮な情報をお届けしま
す。皆様からのお声をお待ちしております。お気軽にお寄せ下さい。
(お声を当マガジンに掲載させていただく場合もあります。)
======================================

せきはくマガジン第161号(239)
発行:千葉県立関宿城博物館
      〒270-0201
      千葉県野田市関宿三軒家143-4 TEL 04-7196-1400  FAX 04-7196-3737
○ホームページ: http://www2.chiba-muse.or.jp/SEKIYADO/
○メールの内容についての問い合わせ: sekiyadohaku@chiba-muse.or.jp
※電子メールについては、送信途中において悪意のある第三者による盗聴等の可能性
 も指摘されていますので、ご留意ください。
○無断転載はお断りします。
○メール配信が不要な方は、下記アドレスをクリックしてください。
 https://a02.hm-f.jp/index.php?action=C1&a=318&g=4&f=8
○メールアドレスを変更された方、エラーメッセージもしくは不明の方は、
 sekiyadohaku@chiba-muse.or.jp または電話、FAX等でご連絡ください。