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海からのたより 第182号
配信日時:2020/04/01 10:00
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  千葉県立中央博物館分館 海の博物館メールマガジン

 『海からのたより』 第182号
                          2020年4月1日発行

                 千葉県立中央博物館分館 海の博物館
                 http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/

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 新型コロナウイルスで混乱してはおりますが、4月を迎え、海の博物館は新しい体制で始動します。
 本年度も、どうぞ宜しくお願いいたします。

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│目次
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★新型コロナウィルス感染予防に係る臨時休館等について
★「超深海 Hadal World -水深6,000 m以深の世界-」
★研究員ノート −磯観察シーズンの到来-
★職員の異動

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│★新型コロナウィルス感染予防に係る臨時休館等について
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 新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、当面の間、臨時休館し各種行事も中止させていただいております。
 迷惑をおかけしますが、ご理解のほどお願いいたします。

 なお、再開時期につきましては、今後発表される国の専門家会議の見解等を踏まえ、別途お知らせいたします。ウェブサイトにて最新情報をご確認ください。

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│★「超深海 Hadal World -水深6,000 m以深の世界-」
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 マリンサイエンスギャラリー「超深海 Hadal World -水深6,000 m以深の世界-」では、超深海にくらす生物について、数々の貴重な標本をとおして紹介します。

 現在は臨時休館中ではございますが、再開の折には是非ご覧ください。
 会期は5月10日(日)までです。

 http://www2.chiba-muse.or.jp/www/UMIHAKU/contents/1579313726009/index.html

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│★研究員ノート −磯観察シーズンの到来−
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 今日から新年度が始まりましたが,新型コロナウィルスの感染拡大で世界中の大混乱が続いています。
3月はほぼ日本中の学校が休校措置となったため,子どもたちは行き先をなくし,保護者も対応に大わらわでした。
「そんな時こそ博物館,美術館,図書館などの社会教育施設へ!」とアピールしたいところですが,学校の休校に合わせるように各地の博物館も休館が決まり,休校中の子どもたちの受け入れ先となることができませんでした。
博物館や美術館は学校以上に閉鎖空間であるため,この対応は仕方がないと自分を納得させています。
 さて,季節は廻り,春本番がやってきました。
海博がある勝浦海中公園周辺は,冬の期間は訪れるお客様が少なく寂しい限りですが,春から夏にかけては磯遊びや磯観察の季節となり,特に休日の海岸は多くの観光客でにぎわいます。
 今回の研究員ノートでは,磯観察を計画する際の留意事項をお伝えします。
現時点(4月1日現在)では開館が見通せない状況のため,施設内ではなく自然の中で活動する機会を設けてもらいたい,そのための準備の参考にしていただきたいと考えました。

☆準備
①潮位の確認
 屋内の施設と違い,磯での活動には「天候」に加えて「潮の満ち引き」のタイミングを考える必要があります。
潮が満ちているときに磯を訪れると,波打ち際での水遊びで終わってしまいます。
 干満の差がもっとも大きくなる大潮は,ほぼ2週間ごとに訪れます。(詳細な潮汐表は海上保安庁ウェブを参照)
また,一般に潮の満ち引きは1日に2サイクルあります。房総半島周辺では,春から夏にかけては昼間の干潮時の潮位が低くなりますが,秋から冬の期間は夜間の干潮のほうが潮位が低くなります。
春夏が磯観察に適しているのは温暖(真夏は酷暑ですが)なだけでなく,日中の干潮時の潮位が大きく下がるからです。
 当日は,最干潮時刻の1時間くらい前から磯遊びを始め,最干潮時刻あたりから海岸に向かって徐々に戻り始めるくらいがちょうどいいでしょう。
②服装・持ち物
 磯に出ると日差しを遮る場所がありません。熱中症予防のために,必ず帽子をかぶりましょう。また,海では常に風に吹かれるので薄手の防寒着も用意するといいです。
 履き物はマリンシューズや磯靴があればベストですが,新規に買わなくても履き慣れた運動靴で十分です。学校で使っていた古い上履きもいいですね。ビーチサンダルやクロックスは,濡れた岩の上では滑りやすく大変危険なのでやめましょう。
 手には軍手をすると,ちょっとした切り傷や擦り傷などの予防に役立ちます。
 カメラや飲料水,貴重品などの持ち物はリュックなどに入れて両手を空けておくと,万が一の時に防御姿勢がとりやすくなります。
 たも網やバケツ,観察用の水槽などもあると,生きものを採取して観察しやすくなります。

☆磯にて
①安全配慮
 磯の岩・石は波に削られて丸くなっているものが多く,転がりやすいです。足を乗せないようにしましょう。
 海岸沿いに崖がある場合,崩落の危険を予測してください。波・風の浸食を受けてもろく崩れやすい可能性があります。
 水面越しにのぞく海の中は,見た目以上に深い場合があります。むやみに足を踏み入れると,予想以上の水深に驚いてしまうことがあるので気を付けてください。
②採取禁止の生きもの
 ほとんどの沿岸域には「漁業権」が設定されていて,一般の人には採取できる生きものや採取方法に制限があります。海博周辺では,サザエ,アワビ,トコブシ,イセエビ,ウニ,ヒジキ,ワカメなどを一般の人が採ることや,定められた漁法(釣り竿やたも網など)以外での採取は禁止されています。
③元に戻す&必要最小限に
 磯の生きものを観察するために,石をひっくり返すことがあります。磯の石には表側にも裏側にも,それぞれの環境に適した生きものが付着しているため,観察後は元の向きに戻してあげないと死んでしまいます。ひっくり返した石は,必ず元の向きに戻しましょう。
 また,磯観察ではできるだけ「観察」にとどめ,必要以上の採取を行わないようにしましょう。観察が終わった生きものたちは,できるだけ元の位置に戻してあげてください。

 さあ,準備はいかがでしょうか。安全に気を付けて自然や生きものたちとの出会いを楽しんでください。
 新型コロナウィルスの感染蔓延が収束し,一日も早く世界中の誰もが普通の生活に戻れるように願いつつ,本年度も千葉県立中央博物館分館海の博物館をよろしくお願いします。

 (上席研究員 吉田真照)

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│★職員の異動と令和2年度の海の博物館の職員の専門分野
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★職員の異動
 3月31日及び4月1日付けで、海の博物館の職員の異動がありました。
 新職員の自己紹介は次号に掲載します。

【転入・採用】
 分館長     斎木 健一(中央博物館本館より)
 主任上席研究員 立川 浩之(再任用)
 主事      角田 竜太郎(新規採用)
 体験交流員   村井 ゆかり(新規採用)

【転出・退職】
 分館長     立川 浩之(退職)
 副主幹     丸山 茂喜(退職)
 主任上席研究員 村田 明久(中央博物館本館)
 体験交流員   山田 池永子(退職)

★令和2年度の海の博物館の職員の専門分野
 令和2年度に在籍する職員の専門分野は次のとおりです。海の生きもの等に関す
る質問があるときに参考にしてください。

 分館長     斎木 健一【古植物学、植物学、理科教育】
 主任上席研究員 川瀬 裕司【魚(魚類行動学)】
 主任上席研究員 奥野 淳兒【エビ、ヤドカリなど(甲殻類学)】
 主任上席研究員 菊地 則雄【海藻(藻類学)】
 主任上席研究員 柳  研介【イソギンチャクなど(刺胞動物学)】
 主任上席研究員 立川 浩之【刺胞動物イシサンゴ類(海洋生物学)】
 主任上席研究員 本吉 正宏【歴史(史学・博物館学)】
 上席研究員   吉田 真照【学校連携】

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 今月も、海の博物館メールマガジンを最後までお読みいただきありがとうございました。

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    電話:0470-76-1133 FAX:0470-76-1821
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