千葉県立関宿城博物館メールマガジン バックナンバー
せきはくマガジン第167号(245)
配信日時:2020/07/20 09:00
千葉県立関宿城博物館メール情報∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

          せきはくマガジン

http://www2.chiba-muse.or.jp/SEKIYADO/
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞第167号(245) 2020年7月20日∞
------------------------------------
■@■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■.■
 もくじ
[1]8月のイベント情報及び8月の休館日について
[2]8月中に募集が開始されるイベントについて
[3]せきはく豆事典「奥原晴湖と南画」
[4]季節だより
■@■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■.■

[1]8月のイベント情報及び8月の休館日について

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、団体受付につきましては、引き続き中止となっております。講座等のイベン
トにつきましても、中止、または内容や定員の変更が生じていますので、新しい情報につきましては、随時ホームページ
でご確認をお願いいたします。
 また、入館の際にはマスクの着用と検温にご協力ください。

●開館時間 9時開館、16時30分閉館
                  
★(1)すごろクイズ「旅に出よう!」
    すごろくとクイズが一緒になった参加型の展示で、旅の歴史について楽しく学ぶことができます。
   期  日   6月30日(火)~9月27日(日)
        (休館は月曜日。月曜日が祝日にあたる場合は開館し、翌日休館。)
   時  間   9時~16時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 3階多目的室
   入場料  一般200円(団体160円)、高大生100円(団体80円)、中学生以下・65歳以上無料
        ※団体扱いは20名以上(団体予約は中止しています。)

★(2)関宿城写生コンクール作品募集
    千葉県立関宿城博物館の周辺を描いた写生画を公募します。
   募集対象  小学生の部・中学生の部・高校生の部
   種  類  油彩・水彩・クレヨン・パステル・色鉛筆
   規  格  四つ切か八つ切程度の大きさ、油彩の場合は6号または8号
         (裏面に作品票をお貼りください。作品票は、ホームページからダウンロードできます。)
   募集期間  9月1日(火)~11日(金)(ただし、9月7日(月)は休館日)
     賞    館長賞、各部門の最優秀賞・優秀賞・佳作(応募者全員に参加賞)
   展示期間  9月15日(火)~10月4日(日)(ただし、9月28日(火)~10月1日(木)は展示替えのた
         め休館します。)
   表彰式   10月4日(日)
   返却期間  10月7日(水)~10月23日(金)
   問合せ   04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

※以下のイベントにつきましては、定員が変更となっています。
★(3)体験教室「河川敷のいきものさがし(小学生向け)」
    当館調査協力員及び自然科学系ライターの「わぴちゃん」こと岩槻秀明氏の解説を聞きながら、河川敷で色々な
    いきものを採集・スケッチして、そのいきものについて学びます。夏休みの自由研究に最適です。
   期  日   8月2日(日)
   時  間   9時30分~12時30分
   場  所   博物館周辺の河川敷及び館内集会室
   定  員  12名(新型コロナウイルス感染症対策のため、定員を減らしました。)
   対 象  小学生とその保護者
   参加費  50円
   申込み  7月2日(木)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

★(4)博物館セミナー「台風シーズン間近。大雨災害について改めて考えよう」
    当館の調査協力員「わぴちゃん」こと岩槻秀明氏による博物館セミナーです。台風シーズンには、毎年のように
    あちこちで自然災害が発生しています。台風の接近など気象災害が予想されるとき、どのようなことに気をつけ
    たらよいのか、身近な場所の災害リスクはどうなっているのか、気象予報士でもある岩槻先生が分かりやすく解
    説します。
   期  日  8月23日 (日)
   時  間  13時30分~15時30分
   場  所  千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  15名(新型コロナウイルス感染症対策のため、定員を減らしました。)
   対 象  一般
   受講料  100円
   申込み  7月23日(祝・木)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

※以下のイベントにつきましては、中止が決定しております。
★(5)夏休み子どもスケッチ「高瀬船を描こう」
    第3展示室にある高瀬船の模型や解説を見て、高瀬船を描き、高瀬船について学習したことをメモします。完成
    した絵とメモは持ち帰って宿題にできます。(中止となりました。なお、ホームページに自宅でも楽しめるコン
    テンツを掲載しています。)
   期  日   7月21日(火)〜8月30日(日)
   時  間   開館中終日
   場  所   千葉県立関宿城博物館 第3展示室
   参加費  入場料
   申込み   自由参加

★(6)学芸員によるミュージアムトーク
    すごろクイズ「旅に出よう!」について、学芸員が分かりやすくお話しします。(中止となりました。)
   期  日   8月30日(日)
   時  間   11時~12時、13時30分〜14時30分
   場  所   【集合場所】千葉県立関宿城博物館 エントランスホール
   参加費  入場料
   申込み  自由参加

-------------------------------------------
◆◆◆8月の休館日について◆◆◆
8月3日(月)・11日(火)・17日(月)・24日(月)・31日(月)は休館します。
-------------------------------------------

[2]8月中に募集が開始されるイベントについて
◆(1)歴史講座「古文書を読む(初級編)《3回連続》」
    古文書によく出てくる基本的な単語や慣用句が読めるようにし、解読辞典の使い方も習得します。
   期  日   9月5日(土)・10月17日(土)・11月21日(土)
   時  間   10時~12時
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  15名(連続で参加できる方・新型コロナウイルス感染拡大防止のため、定員を減らしました。)
   対 象  一般
   受講料  200円(初回のみ)
   申込み  8月5日(水)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

◆(2)体験教室「投網を投げてみよう」
    地元漁師の指導のもと、投網の打ち方を体験します。
   期  日   9月12日(土)
   時  間   10時〜12時
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室・庭園
   定 員  15名(新型コロナウイルス感染拡大防止のため、内容及び定員を変更しました。)
   対 象  一般
   参加費  50円(保険料)
   申込み  8月12日(水)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

------------------------------------------------------
[3]せきはく豆辞典「奥原晴湖と南画」
------------------------------------------------------
 幕末・明治期の南画界で活躍した奥原晴湖は、天保8年(1837)、古河藩士池田政明の四女として誕生、谷文晁門下の枚
田水石に絵画を学び、安政元年(1854)「石芳(せきほう)」の号を授かります。古河藩では女性の藩外への移動が困難
な為、元治2年(1865)父方の叔母の嫁ぎ先、関宿藩士奥原家の養女となり、画業で身をたてるべく江戸に出ます。江戸で
は「墨吐烟雲楼(ぼくとえんうんろう)」という画室をかまえ、号を「晴湖」とし、明治元年(1868)ごろから政界の名
士や文人墨客(ぼっかく)らと交流します。豪放で墨に勢いのある、理にかなった巧妙な構図や筆致の水墨画を描き、そ
の多くに「東海晴湖」と署名したことで晴湖の「東海描き」と称し、名声をあげ木戸孝允の知遇をうけます。また、明治
5年(1872)、皇后陛下の御前揮毫(きごう)の栄誉を賜るなど、画壇では閨秀(けいしゅう・女流作家のこと)筆頭に
上り詰めます。しかし、明治9年(1876)明治新政府は、日本や中国の伝統を無視した工部美術学校を設立し、西洋の
「美術」を技術として受け入れ、欧化をめざします。依然として、晴湖自身は絶頂期でしたが、次第に南画は没落の傾向
に向かいます。その後、明治22年(1889)彼女の画室が鉄道敷設用地に買い上げられるなどを機に、その2年後、旧古河
藩領の熊谷へ移り繍水草堂(しゅうすいそうどう)を建て、中央画壇と交渉を断ち隠棲します。これは、当時の南画界全
般を鑑み、南画の没落を感じとったからではないでしょうか。しかし、そんな中でも彼女の絵は、熊谷(埼玉県)でより
優雅な美しい色彩の密画へと変転し、画賛に特色のある漢詩を添えるなど円熟期を迎えるのです。
 ところで、彼女が活躍し、一翼を担った南画とはどういうものであったのでしょう。17世紀前半頃、黄檗宗(おうばく
しゅう・日本の三禅宗のうち、江戸時代に始まった一宗派)の渡来により明清美術は、断片的に日本にもたされました。
始めは狩野探幽が明の文人画作品を『探幽縮図』に模写する程度でしたが、より本格的な学びは、『芥子園画伝(かいし
えんがでん)』のような輸入画法や、帰化黄檗僧の余技、来日清人画家など様々な経路を通じて、清明画の諸様式を吸収
し、新しい唐絵を「南画」として誕生させるのです。これは、江戸時代に中国から渡来し、流行した外来絵画様式で、当
時の中国画壇での文人画の流行を反映し、中国文人の脱俗の生活理念とそれを山水の表現に託す南宗画を手本として、池
大雅、与謝蕪村らはそれを自由に翻訳し、見ることのできない中国の風土と文人の生活を理想化し、憧れ、日本の文人画
を作り出すのです。享保年代(1716~35)以後、これは、下級武士を主とする知識人の間で流行しますが、中国の南宗画
法の正確な理解からほど遠く、日本では中国の文人画とはやや異なった様相を呈してしまったのです。そういう訳で、日
本の文人画という意味で中国の南宗画の省略である南画の語が日本では用いられ、江戸時代中期以降、琳派以上の画壇で
の位置を占めていきます。
 明治になっても文人画は、依然として人気を得ているのですが、この理由としては、天保年間(1830~43)からの人気
の余韻がまだ続いていたことや、幕末から明治期にかけて漢詩文が流行したこと、そして、維新を支えた地方の人々らの
イメージの中に桃源郷を求める志向に合った文人画が好まれたことなどがあげられます。しかし、明治政府による中央集
権化が進むと、文人画も衰退を余儀なくされます。その最中、明治11年(1878)アメリカの若い哲学者フェノロサ(1853
-1908)が来日し、明治15年(1882)の龍池会で講演をします。彼は『美術真説』と題する講演で、池大雅や与謝蕪村の
作品を激しく批判し、南画の源流たる中国の文人画の「詩書画一体」の理想を否定し、日本画の伝統美術の復興を訴え、
当時衰退していた狩野派を擁護するのです。この講演で、政府の西洋美術を受け入れ欧化をめざす絵画観が揺るがされま
した。それにより日本美術の復興運動は、明治22年(1889)東京美術学校の開校に繋がりましたが、明治期の近代的な美
術教育の中に南画は含まれることはなかったのです。                       (土井瑞穂)

-----------------------------------
[4]季節だより
-----------------------------------
 今年は例年にも増して降水量の多い梅雨となりました。その大雨により被害に遭われた方々には心からお見舞い申し上
げます。
 その梅雨明けもそろそろ近いかなとは思います。今年は新型コロナウイルスの影響で夏休みが短くなる学校もあると思
いますが、当館ホームページ内のコンテンツなどを参考に、自分の好きなことを見つけてもらえたらいいなと思います。
 -----------------------------------

======================================
せきはくマガジン第167号(245)をお送りしました。毎月当館の新鮮な情報をお届けしま
す。皆様からのお声をお待ちしております。お気軽にお寄せ下さい。
(お声を当マガジンに掲載させていただく場合もあります。)
======================================

せきはくマガジン第167号(245)
発行:千葉県立関宿城博物館
      〒270-0201
      千葉県野田市関宿三軒家143-4 TEL 04-7196-1400  FAX 04-7196-3737
○ホームページ: http://www2.chiba-muse.or.jp/SEKIYADO/
○メールの内容についての問い合わせ: sekiyadohaku@chiba-muse.or.jp
※電子メールについては、送信途中において悪意のある第三者による盗聴等の可能性
 も指摘されていますので、ご留意ください。
○無断転載はお断りします。
○メール配信が不要な方は、下記アドレスをクリックしてください。
 https://a02.hm-f.jp/index.php?action=C1&a=318&g=4&f=8
○メールアドレスを変更された方、エラーメッセージもしくは不明の方は、
 sekiyadohaku@chiba-muse.or.jp または電話、FAX等でご連絡ください。