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せきはくマガジン第168号(246)
配信日時:2020/08/20 09:00
千葉県立関宿城博物館メール情報∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

          せきはくマガジン

http://www2.chiba-muse.or.jp/SEKIYADO/
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞第168号(246) 2020年8月20日∞
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 もくじ
[1]9月のイベント情報及び9月の休館日について
[2]9月中に募集が開始されるイベントについて
[3]せきはく豆事典「地形を表す言葉~ヤツとヤチ~」
[4]季節だより
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[1]9月のイベント情報及び9月の休館日について

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、団体受付につきましては、引き続き中止となっております。講座等のイベン
トにつきましても、中止、または内容や定員の変更が生じていますので、新しい情報につきましては、随時ホームページ
でご確認をお願いいたします。
 また、入館の際にはマスクの着用と検温にご協力ください。

●開館時間 9時開館、16時30分閉館
                  
★(1)すごろクイズ「旅に出よう!」
    すごろくとクイズが一緒になった参加型の展示で、旅の歴史について楽しく学ぶことができます。
   期  日   6月30日(火)~9月27日(日)
        (休館は月曜日。月曜日が祝日にあたる場合は開館し、翌日休館。)
   時  間   9時~16時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 3階多目的室
   入場料  一般200円(団体160円)、高大生100円(団体80円)、
        中学生以下・65歳以上無料  ※団体扱いは20名以上(団体の事前予約は休止中です。)

★(2)関宿城写生コンクール作品展
    関宿城周辺を題材とした写生画を公募し、作品を展示します。
   期  日   9月15日(火)〜10月4日(日)
        (休館は月曜日。ただし、9月21日(月)と22日(火)は祝日につき開館し、翌23日(水)休館。
         また、9月28日(月)~10月1日(木)は展示替えのため休館します。)
   時  間   9時~16時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 エントランスホール・集会室
   入場料  一般200円(団体160円)、高大生100円(団体80円)、
        中学生以下・65歳以上無料(写生コンクール作品展の見学は無料です。)  ※団体扱いは20名以
        上(団体の事前予約は休止中です。)

※以下のイベントにつきましては、定員に達しましたので、受付を終了しています。ご参加ありがとうございました。
★(3)歴史講座「古文書を読む(初級編)《3回連続》」
    古文書によく出てくる基本的な単語や慣用句が読めるようにし、解読辞典の使い方も習得します。
   期  日   9月5日(土)・10月17日(土)・11月21日(土)
   時  間   10時~12時
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  15名(連続で参加できる方・新型コロナウイルス感染拡大防止のため、定員を減らしました。)
   対 象  一般
   受講料  200円(初回のみ)
   申込み  8月5日(水)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

※以下のイベントにつきましては、中止が決定しております。
★(4)体験教室「投網を投げてみよう」
    地元漁師の指導のもと、投網の打ち方を体験します。(中止となりました。)
   期  日   9月12日(土)
   時  間   10時〜12時
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室・庭園
   定 員  15名(新型コロナウイルス感染拡大防止のため、内容及び定員を変更しました。)
   対 象  一般

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◆◆◆9月の休館日について◆◆◆
9月7日(月)・14日(月)・23日(水)と28日(月)~30日(水)(展示替えのため)は休館します。
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[2]9月中に募集が開始されるイベントについて
◆(1)野外講座「歴史散歩-関東のへそをさぐる-」(日帰りの旅)
    企画展の関連事業です。関東平野が一望できる織姫公園や、最古の学校のある足利を散策しながら巡ります。
    (現地集合・解散。)※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、中止となる場合があります。
   期  日   10月18日(日)
   時  間   13時~16時(集合13時)
   場  所   【集合場所】足利学校入徳門前
        【見学場所】足利学校、織姫神社、織姫公園(関東平野を展望)
   定 員  15名
   対 象  一般
   参加費  700円(保険料・入場料・資料代。集合場所までの交通費等は各自負担)
   申込み   9月18日(金)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

◆(2)体験教室「関宿城下を歩こう(1日コース)」
    千葉県立関宿城博物館の周辺を歩いて、江戸時代の関宿藩にゆかりのある史跡(関宿城本丸跡、筋違い十字路、
    外堀・土塁跡、関宿関所跡石碑、随庵堀と随庵碑や寺院(昌福寺、時間次第で宗英寺)を学芸員が案内し、解説
    します。(新型コロナウイルス感染拡大防止のため、内容及び定員を変更しました。)
   期  日   10月24日(土)
   時  間   10時~12時
   場  所   【集合場所】千葉県立関宿城博物館 エントランスホール
        【見学場所】千葉県立関宿城博物館周辺の史跡や寺院
   定 員  15名
   対 象  一般
   参加費  50円
   申込み  9月24日(木)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

◆(3)体験教室「河川敷のいきものさがし(一般向け)」
    当館調査協力員及び自然科学系ライターの「わぴちゃん」こと、岩槻秀明氏の解説を聞きながら、河川敷特有の
    植生環境を観察し、江戸川流頭部まで散策します。
   期  日   10月25日(日)
   時  間   10時~12時
   場  所   【集合場所】千葉県立関宿城博物館 集会室
        【見学場所】江戸川や利根川の河川敷
   定 員  15名(新型コロナウイルス感染拡大防止のため、定員を減らしました。)
   対 象  一般
   参加費  50円
   申込み  9月25日(金)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

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[3]せきはく豆辞典「地形を表す言葉~ヤツとヤチ~」
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 「ヤツ」と「ヤチ」。今回はこの2つの地形に関わる言葉を取り上げてみたいと思います。
 さて、まず「ヤツ」という地形。関東地方にお住まいの方ならお聞きになったことがあるかもしれません。漢字をあて
るならば「谷津」とか「谷」などと書きますが、狭い渓谷ではなく、台地と台地の間のちょっとした平地のことを指しま
す。ヤツは、比較的日当たりも良く、台地の裾から染み出た湧水(ゆうすい)が小川として流れていたりするため、往々
にして水田として利用されてきました。これを「ヤツダ」と呼びます。今でこそ、水田というと、河川流域の平野に見ら
れる広々とした水田地帯を思い浮かべますが、実はこれは江戸時代以降に大規模な新田開発が行われるようになって以降
の風景なのです。それ以前、中世までは、まさにヤツこそが最も水田にしやすい土地であり、人は台地の麓(ふもと)に
住んでヤツダを耕作するという形が関東の集落の一つのパターンだったのです。
 また関東西部の丘陵地では、用水が十分ではないヤツダ(この辺りではヤトダと呼ぶ)も多く、水を張った田に苗を植
える通常の稲作方法が出来ずに、種籾を直播(じかま)きする「摘み田」という古い稲作方法が大正時代頃まで行われて
いました。
 つまり古くより、ヤツは人間にとって利用価値のあるとても良い土地であったはずです。しかし、近年は大型農機での
耕作に適さない田地として、埋め立てて住宅地にされることが多くなりました。ところが、こうした宅地はもともとは低
地ですから、想定外の大雨が降ると浸水被害が出やすいという問題も起きるようになってきています。
 さて、今度は「ヤチ」について見ていきましょう。関東地方では「埜地」という漢字をあてる場合が多いようですが、
「埜」は「野」という漢字の異体字(別の書き方の字)ですから「野地」ということになります。しかし、ヤチはただの
野原ではなく、葦原と淡水面が入り組んだような湿地帯のことを指します。湿地帯をヤチと呼ぶ言い方は、関東のみなら
ず、東日本を中心とした全国で、またアイヌ語にもみられます。利根川流域や印旛沼・手賀沼・霞ケ浦周辺でも、かつて
は広大なヤチが広がっていましたが、次第に干拓が進み、水田へと姿を変えていきました。機械化が進む以前のヤチの干
拓には、独特のやり方がありました。第二次世界大戦後に行われた印旛沼の干拓で、人力で行われたヤチの開墾(かいこ
ん)の技術と道具をご紹介しましょう。
 ヤチには葦(あし)や真菰(まこも)が生い茂り、太く長く丈夫な地下茎が張り巡らされていて、そのままでは水田に
できません。そこで、まずは「ヨシ切り鎌」という柄の長い大鎌で、葦などをザクザクと刈り取ります。ちょうど西洋の
死神が持つような大鎌です。次に、やはり長い柄に反り刃がついた、その名も「ナギナタ」という道具で、根の張った地
面を短冊状に切っていきます。そして最後にトンビの嘴(くちばし)のような形をした「トンビ鍬」を短冊の端に打ち込
み、地面ごと剥ぎ取るように起こしていくのです。こうして「ヤチの開墾三点セット」で、根の張った土を剥ぎ取るよう
にした後で、ここに新たに土を入れて、少しずつ田んぼへと変えていったそうです。
 ヤツとヤチは、関東では別の地形を指しますが、ともに湿地であることが共通しており、古くは同系統の言葉であった
のではないかと考えられています。古来より人々は土地の特徴を知り、分類して名前を呼び分けてきました。地形を表す
土地ごとの呼称には、人と自然とのかかわりの歴史が堆積し、凝縮されている気がします。せめてこうした言葉の意味だ
けでも後世に伝えていきたいものだと思います。                          (榎 美香)

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[4]季節だより
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 猛暑が続いています。関東地方では、ここ関宿も暑いのですが、気象庁によると一昨年の7月に埼玉県の熊谷で計測さ
れた41.1度が歴代の最高気温だとか(つい最近、浜松がこれに並びましたが)。関東平野は気温も高いということで、
熱中症には十分気をつけましょう。
 そんな暑い季節ですが、夕方などは関宿城下の田んぼを眺めていると、田んぼの上を渡ってくる風はいくらか涼しく感
じます。まもなく、田んぼの水も抜かれて辺りが黄金色になるのでしょう。おいしいお米が穫れるといいですね。 
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