千葉県立関宿城博物館メールマガジン バックナンバー
せきはくマガジン第170号(248)
配信日時:2020/10/20 09:05
千葉県立関宿城博物館メール情報∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

          せきはくマガジン

http://www2.chiba-muse.or.jp/SEKIYADO/
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞第170号(248) 2020年10月20日∞
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 もくじ
[1]11月のイベント情報及び11月の休館日について
[2]11月中に募集が開始されるイベントについて
[3]せきはく豆事典「近世以降の農地開発」
[4]季節だより
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[1]11月のイベント情報及び11月の休館日について

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、団体受付につきましては、引き続き中止となっております。講座等のイベン
トにつきましても、中止、または内容や定員の変更が生じていますので、新しい情報につきましては、随時ホームページ
でご確認をお願いいたします。
 また、入館の際にはマスクの着用と検温にご協力ください。

●開館時間 9時開館、16時30分閉館
※11月3日(祝・火)は、「文化の日」につき入場無料となります。
                  
★(1)開館25周年記念企画展「関東のへそ~地勢とくらしのヒストリー~」
    関東の中心部に位置する関宿は、かつては常陸川や旧利根川が近くを流れ、交通の要衝とされてきました。しか
    し、川に近いことで水害にも悩まされてきたのです。自然や人為により時代ごとに変化する地理的環境は、「地
    勢」と呼ばれますが、この企画展では地勢が及ぼす人々の暮らしの変化について紹介していきます。
   期  日   10月2日(金)~11月29日(日)
        (休館は月曜日。ただし、月曜日が祝日に当たる場合は、翌日休館。)
   時  間   9時~16時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 2階企画展示室
   入場料  一般300円(団体240円)、高大生150円(団体120円)、
        中学生以下・65歳以上無料  ※団体扱いは20名以上(団体の事前予約は休止中です。)

★(2)企画展・展示解説会
    開催中の企画展「関東のへそ~地勢とくらしのヒストリー~」について、展示解説をします。(集会室でスライ
    ドを用いた解説を実施します。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、見学は各自となります。)
   期  日   11月1日(日)・11月23日(祝・月)
   時  間   10時〜、11時~、13時30分~、14時30分~(いずれも15分程度)
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  15名
   対 象  一般
   申込み  不要・当日先着順

★(3)企画展関連講演会「地勢からくらしを読む~水と生きた戦国期の関宿の人々~」
    千葉市立郷土博物館研究員の外山信司氏を講師に招き、戦国期の関宿の水上交通を中心として、関東の地勢と人
    々の生活との関わりについて講演を行います。
    (※好評につき、定員となりました。)
   期  日   11月3日(祝・火)
   講 師  外山信司氏(千葉市立郷土博物館研究員)
   時  間   13時30分~15時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  15名(新型コロナウイルス感染拡大防止のため、定員を減らしました。)
   対 象  一般
   受講料  100円
   申込み   10月3日(土)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

★(4)体験教室「関宿城下を歩こう(半日コース)」
    千葉県立関宿城博物館の周辺にある史跡(中之島公園、関宿水閘門、浚渫船、情報・防災ステーションごか)を
    徒歩でめぐります。当館の学芸員が案内し、解説します。(※好評につき、定員となりました。)
   期  日   11月7日(土)
   時  間   10時~12時
   場  所   【集合場所】千葉県立関宿城博物館 集会室
        【見学場所】千葉県立関宿城博物館周辺の史跡(中之島公園、関宿水閘門、浚渫船、情報・防災ステー
              ションごか)
   定 員  15名(新型コロナウイルス感染拡大防止のため、定員を減らしました。)
   対 象  一般
   参加費  50円
   申込み  10月7日(水)9時から電話で申込み受付(先着順)
         04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

★(5)博物館セミナー「江戸時代に作られた河川・水路構造物について(主に関東地方)(第2回)」
    当館の調査協力員、市川幸男氏による博物館セミナーです。昨年度に引き続き、江戸時代に整備された用水路や
    河川沿いなどに構築された各種の構造物の仕組みや役割などについて紹介します。
   期  日   11月22日(日)
   時  間   13時30分~15時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  15名(新型コロナウイルス感染拡大防止のため、定員を減らしました。)
   対 象  一般
   参加費  100円
   申込み  10月22日(木)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

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◆◆◆11月の休館日について◆◆◆
11月2日(月)・9日(月)・16日(月)・24日(火)・30日(月)は休館します。
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[2]11月中に募集が開始されるイベントについて

◆(1)博物館セミナー「江戸時代の旅行-利根川舟運を利用した下総・常陸の船旅-」
    当館の調査協力員、松丸明弘氏による博物館セミナーです。旅行案内記や旅行記を通じて江戸時代に生きた人々
    が船を利用してどんな場所を巡っていたのでしょうか。現在の観光地と比較しながら紹介します。
   期  日   12月13日(日)
   時  間   13時30分〜15時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  15名
   参加費  100円
   申込み  11月13日(金)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

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[3]せきはく豆辞典「近世以降の農地開発」
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 関宿周辺での新田開発が盛んになるのは、利根川東遷の頃からです。関東郡代、伊奈家は、3代にわたって東遷を行い、
内川廻し(奥川廻し)という関東内陸部をとおる水運を確立したことが知られています。伊奈忠次は、関東の農政全般を
任され、優れた土木技術によって利根川東遷を行い、その技法は「伊奈流」と呼ばれます。伊奈流の中には検地方法、税
収方法も含まれており、水利土木技術も新田開発のための治水と、用水路確保も目的としたものでした。次代以降の忠治
・治克によって舟運が確立していきますが、利根川東遷の目的のひとつとして、農地開発があったことを忘れてはいけま
せん。
 伊奈流の新田開発では、河川沿いに広がる自然堤防の先に広がる後背湿地の水田化を行いました。利根川東遷によって、
本流でなくなった河川を用水路として使い、埼玉県の加須低地や中川低地の開発が進みました。河川から離れた場所の水
源としては溜池を作り、広大な土地の新田化を実現しました。一方、近世中期に行われた新田開発では、8代将軍徳川吉
宗の下、紀州から井澤弥惣兵衛為永が訪れ、伊奈氏が新田開発で使用した溜池や湖沼を開発し、河川から長い用水路と排
水路をつくって灌漑設備を整えました。さいたま市の見沼や、関宿藩が接していた飯沼の新田化が顕著です。近代になっ
ても、畑を含んだ新田開発の流れは変わらず、職のなくなった武士のための開拓(士族授産)などが多く行われます。 
 これらの稲作において、肥料として使われていたのは、林や河川敷の採草地で採られていた草です。そのため、近世初
期の新田開発では、短冊状の細長い敷地の前面に水田、後方に林地を作り、肥料の確保を行っています。中期になると河
川敷の新田開発が行われたこともあり、人糞や干鰯などの購入した肥料(金肥という)が使われるようになります。その
ため、敷地内につくられていた採草地も水田化され、農業生産率が上がります。この後、近代になると工場生産された化
学肥料なども出回るようになり、現在の農業の形に近づいていきます。野田は、化学肥料の取入れが比較的早かったとい
われ、明治期には市内に肥料店が何軒かできています。東葛地域が東京の近郊農村として発達していたことを示すもので
す。
 このように近世以降、関宿周辺の農地開発は進みますが、裏を返せば中世までは、関西地方が農業先進地で、関東地方
は農地開発が進んでいませんでした。特に関東平野が広がる武蔵東部、下総、常陸西部は昭和の高度経済成長期でも、台
地耕作度は30%前後、台地の水田は稀で、耕地利用度でも二毛作田は5%以下でした。干拓可能な池沼が残っており、
印旛沼・手賀沼や鵠戸沼などは、それ以降に干拓が完了しました。農業の開発は、現代においてもまだまだ進んでいるこ
とがわかる一例です。                                      (鈴木敬子)

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[4]季節だより
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 空気がひんやりしはじめ、当館展望室からも関東平野を囲む山々が眺望しやすい季節となりました。開催中の企画展
「関東のへそ」の見学と合わせて、「関東のへそ」を実感できる景色を楽しんでいただければと思います。
 企画展は11月29日(日)まで開催しています。皆様のご来館をお待ちしております。 
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