千葉県立関宿城博物館メールマガジン バックナンバー
せきはくマガジン第172号(250)
配信日時:2020/12/20 09:00
千葉県立関宿城博物館メール情報∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

          せきはくマガジン

http://www2.chiba-muse.or.jp/SEKIYADO/
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞第172号(250) 2020年12月20日∞
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 もくじ
[1]1月のイベント情報及び12月の休館日について
[2]1月中に募集が開始されるイベントについて
[3]せきはく豆事典「古代の東海道」
[4]季節だより
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[1]1月のイベント情報及び1月の休館日について

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、団体受付につきましては、引き続き中止となっております。講座等のイベン
トにつきましても、中止、または内容や定員の変更が生じていますので、新しい情報につきましては、随時ホームページ
でご確認をお願いいたします。
 また、入館の際にはマスクの着用と検温にご協力ください。

●開館時間 9時開館、16時30分閉館
      ※12月28日(月)~31日(木)は年末休館です。
                  
★(1)第20回関宿城百景写真展
    関宿城近辺を題材とした写真を公募し、作品を展示します。
   期  日   12月4日(金)〜1月17日(日)
        (休館は月曜日。月曜日が祝日にあたる場合は開館し、翌日休館。12月28日(月)~31日(木)
         は年末休館。)
   時  間   9時~16時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 3階多目的室
   入場料  一般200円(団体160円)、高大生100円(団体80円)、
        中学生以下・65歳以上無料  ※団体扱いは20名以上(団体の事前予約は休止中です。)

★(2)博物館セミナー「戦国~近世初頭における関宿周辺の領主と開発」
    当館の調査協力員、新井浩文氏による博物館セミナーです。簗田家文書所収の系図類や、近年確認された近世前
    期の河川絵図等を中心に、関宿周辺の河川改修と新田開発について改めて検討を行い解説します。
    (※好評につき、定員となりました。)
   期  日   1月10日(日)
   時  間   13時30分〜15時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  15名
   参加費  100円

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◆◆◆1月の休館日について◆◆◆
1月4日(月)・12日(火)・18日(月)・25日(月)は休館します。
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[2]1月中に募集が開始されるイベントについて
※2月に開催予定だった「鷹菜漬け(全4回)」はすべて中止となりました。

◆(1)博物館セミナー「野田市の庚申塔と下総印旛・相馬二郡に屹立する生首持型庚申塔」
    当館の調査協力員、石田年子氏による博物館セミナーです。江戸時代中期に下総国印旛・相馬二郡に限定して生
    首持型と呼ばれる特異な青面金剛像が存在します。これは40年にわたりこの地で石屋を営んだ人物の作品と考え
    られ、謎の石屋とその作品ついて紹介します。
   期  日   2月14日(日)
   時  間   13時30分〜15時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  15名
   参加費  100円
   申込み  1月14日(木)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)
 
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[3]せきはく豆辞典「古代の東海道」
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 今年は新型コロナウイルスの影響で、思うような旅ができなかった方もいらっしゃったと思いますが、以前に新幹線な
どを利用して東海道の旅を楽しまれた方は多いことでしょう。当館では今年春のパネル展「街道をたどる」に続いて夏に
開催した、すごろクイズ「旅に出よう!」で、歌川広重の東海道五十三次をテーマに江戸時代の旅の様子を紹介しました。
広重が描いた道中の情景・旅する人々の表情は、江戸時代の東海道への郷愁や興味をかきたててくれました。
 さて、時代を遡り古代へ。奈良時代が始まる少し前に成立したとされる東海道ですが、古代の東海道に旅のイメージは
湧きません。そこをどんな人が通り、何が運ばれていたのでしょうか。
 もともと東海道などの官道は、国と地方を結ぶために整備されたもので、情報の伝達や役人、兵士たちの移動に必要で
した。8世紀以降、税である庸調の運搬が本格化し、各地の生産者たちは国司の先導のもと、荷を担ぎ、都を目指して歩
きました。東海道を歩いて下総国からだと往路に30日、復路に15日を要したと言われます。「庸」は本来、労役の負担で
すが、都から遠い国では労役の代わりに布を収め、「調」はその国の特産物が収められました。
 現在千葉県となる上総国・下総国からの「調」は麻や絹で、生産された良質な「麻」は両国名の元となった「総」を表
すと言われています。平安時代に編纂された『延喜式』には諸国が貢納すべき調や、中男作物(17~20歳の男子に課され
た租税)の品目などが記されていますが、それらは諸国の特産物でもありました。上記の「調」以外では、下総からは紙
や紅花。上総からはそれらに加えて、漆や鰒(アワビ)、干した魚の類、テングサなどが見られます。安房国からは海産
物が多く、海松(ミル:海藻)や堅魚(鰹節の原型のようなもの)、鰒などが運ばれていました。
 平城京出土の木簡(多くは荷札)にも、安房から運ばれた鰒が記載されたものが多く見られます。また、「上総国精蘇」
と記された木簡もあります。「蘇(そ)」は牛乳を煮詰めて作ったチーズのようなものと考えられていますが、保存や運
搬のためにどのような加工がされたかはよく分かりません。
 時代が前後しますが、倭国(当時の日本)が白村江の戦い(663年)に敗れて以後、九州北部の警護のために防人の制
度が始まりました。主に徴用されたのは東国出身者です。『万葉集』には防人の歌が多く収められていますが、その中に
は、武蔵の防人一行が東山道武蔵路を上野国に向かわずに、南に進んで足柄峠に達し、その後は東海道を進んだとみられ
るものもあるそうです。宝亀2年(771)以前まで武蔵国は東山道に属しており、通常であれば武蔵国府(現東京都府中)
から北上して、現在の栃木県足利市付近に出てから西に進むものと思われます。武蔵出身の防人が東海道と東山道のどち
らを多く使ったかは分かりませんが、東海道の方が平坦で歩きやすそうな気がします。
 また、平安時代の『更級日記』(1020年から約40年間を著した)では、菅原孝標が上総国での任期を終えて帰京する際
に、その娘と一行が東海道を通りました。今からちょうど1,000年前ということになります。日記には足柄峠から見た富
士山の噴煙が上がる記述もあり、当時の富士山は活発な活動であったことがわかります。ちなみに延暦19年(800)から
3年にわたる噴火により、東海道の足柄峠を通る道は封鎖され、箱根路が開かれましたが、延暦22年には足柄路に戻った
ことが『日本紀略』(『日本後記』の散逸分などを所収)に記されています。
 箱根と言えば、新春の風物詩で旧東海道(現国道1号線)を走る箱根駅伝が思い浮かびます。「駅伝」という競技名は、
今や「EKIDEN」として世界共通の名称になっていますが、その由来は官道の整備に伴って設置された「駅伝制」という情
報伝達システムを元としており、古代ローマの「マラソン」にも似て、歴史的意義の深い名称だと思います。
                                                (岡田光広)
 (主な参考文献)葛飾区郷土と天文の博物館『古代東海道と万葉の世界』2011

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[4]季節だより
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 ようやく各地から雪の便りが聞かれるようになりました。大雪で困る地域もあるとは思いますが、季節を感じます。寒
いですが、食べ物も美味しい季節です。
 冬には冬の楽しみがありますが、やはり今年は例年とは違うようです。当館でも混雑時には入場制限等の可能性があり
ますので、時間と心に余裕を持ってお越しいただけると、ありがたいと思います。 
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せきはくマガジン第172号(250)
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