千葉県立関宿城博物館メールマガジン バックナンバー
せきはくマガジン第173号(251)
配信日時:2021/01/20 08:55
千葉県立関宿城博物館メール情報∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

          せきはくマガジン

http://www2.chiba-muse.or.jp/SEKIYADO/
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞第173号(251) 2021年1月20日∞
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 もくじ
[1]2月のイベント情報及び2月の休館日について
[2]2月中に募集が開始されるイベントについて
[3]せきはく豆事典「堤防工事をささえた土羽打ち歌」
[4]季節だより
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[1]2月のイベント情報及び2月の休館日について

※新型コロナウイルス感染拡大の緊急事態宣言を受けて、1月9日より臨時休館となっております。期間については当面
の間です。新しい情報につきましては、随時ホームページでご確認をお願いいたします。
 
●開館時間 9時開館、16時30分閉館
                       
★(1)昔のくらし展
    昔なつかしい民俗資料を中心に、「住まう」「食べる」「着る」「働く」「遊ぶ」の五つのテーマに沿って、昭
    和の頃の暮らしを紹介します。
   期  日   1月19日(火)~4月18日(日)
         (休館は月曜日。月曜日が祝日にあたる場合は開館し、翌日休館。)
   時  間   9時~16時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 3階多目的室
   入場料   一般200円、高大生100円
          中学生以下・65歳以上無料
    
★(2)博物館セミナー「野田市の庚申塔と下総印旛・相馬二郡に屹立する生首持型庚申塔」
    当館の調査協力員、石田年子氏による博物館セミナーです。江戸時代中期に下総国印旛・相馬二郡に限定して生
    首持型と呼ばれる特異な青面金剛像が存在します。これは40年にわたりこの地で石屋を営んだ人物の作品と考え
    られ、謎の石屋とその作品ついて紹介します。
   期  日   2月14日(日)(中止となりました。)
   時  間   13時30分〜15時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  15名
   参加費  100円

★※2月に開催予定だった「鷹菜漬け(全4回)」はすべて中止となりました。

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◆◆◆2月の休館日について◆◆◆
2月1日(月)・8日(月)・15日(月)・22日(月)は休館します。
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[2]2月中に募集が開始されるイベントについて
   (新型コロナウイルス感染拡大防止のため、中止となることがあります。)

◆(1)博物館セミナー「戦国後北条氏による関宿城開城と在番衆」
    当館の調査協力員、中村正己氏による博物館セミナーです。天正2年(1574)北条氏政は、古河公方の宿老で反
    北条氏家臣の中心的存在であった簗田晴助、持助父子の籠もる関宿城を囲み開城・降伏させました。城は以降、
    氏政が命ずる在番衆によって天正18年(1590)まで支配されました。この間の様々な歴史的史実を解き明かし紹
    介します。
   期  日   3月14日(日)
   時  間   13時30分〜15時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  15名
   参加費  100円
   申込み  2月14日(日)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

◆(2)体験教室「関宿城下を歩こう」
    千葉県立関宿城博物館の周辺を歩いて、江戸時代の関宿藩にゆかりのある史跡(関宿城本丸跡、筋違い十字路、
    外堀・土塁跡、関宿関所跡石碑、随庵堀と随庵碑や寺院(昌福寺、時間次第で宗英寺)を学芸員が案内し、解説
    します。
   期  日   3月20日(祝・土)
   時  間   10時~12時(現地解散)
   場  所   【集合場所】千葉県立関宿城博物館 集会室
        【見学場所】千葉県立関宿城博物館周辺の史跡や寺院
   定 員  15名(新型コロナウイルス感染拡大防止のため、定員及び内容を変更しました。)
   対 象  一般
   参加費  50円
   申込み  2月20日(土)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

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[3]せきはく豆辞典「堤防工事をささえた土羽(どは)打ち歌」
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 「エートーナー、エートーナー、わたしゃ 十七 関宿育ち 土羽打ち 音頭で 日をくらす オモシロヤ」
 こんな歌が、昭和30年代の頃まで利根川や江戸川の堤防を作る際に歌われ、大きな役目を果たしていました。
 土を盛り、ならし、固める整地作業のことを「地形(じぎょう)」と言いますが、当時、堤防の地形は、その土地土地
で事業主に雇われた周辺の住人達が、人力で行っていました。堤防の部位や工程によって「土羽(どは)打ち」「タコ搗
き」「杭打ち」などの作業がありました。
 このうち「土羽打ち」は、土端(ドハ)すなわち盛り土の斜面上端部分を棒で打ち固めていく作業で、女性の仕事と決
まっていました。10~20名くらいの女達が土羽棒(または土羽打ち棒)という杉丸太を手に、堤防上部の斜面ぎわに横一
列に並び、腰を屈めて移動しながら足元の法面(のりめん)を打っていくのです。横に並んだ女性達をブチカタ(打ち方)
と呼び、これに対して皆の正面に一人立って歌を歌う専門の歌い手がおり、これを「音頭取り」と呼びました。
 もう20年以上前のことになりますが、実際に音頭取りをしておられた明治生まれの方に、土羽打ち歌を堤防で歌ってい
ただいたことがあります。それはもう、本当にほれぼれするような張りのあるお声でした。その方のお話しでは、ブチカ
タが日当30円の時に、音頭取りは皆より5円多く賃金をもらえたそうです。歌だけ歌って楽なようにも思いますが、広い
河川敷で声を張り上げ、朝から晩まで歌を歌い続けるのはきつかったといいます。歌の歌詞は、いくつか決まったものが
ありましたが、例えば方向転換をする時には「戻るだど、上に着いたならまた下ちょまで」というように動作を促す歌詞
にしたり、また皆が疲れてくると即興でちょっとエッチな内容を歌いこんで笑いを誘い、元気を出させたりしました。音
頭取りは歌がうまいだけでなく、機転も利く人でないといけなかったのです。
 土羽打ちには強く叩いて固めていく「本ぶち」と、表面を平らにならす仕上げ作業の「ならし」という工程がありまし
た。「本ぶち」と「ならし」ではそれぞれ歌の節も異なり、また同じ本ぶちでも叩く回数の違いに応じて、「なあはんよ
えー」「そりゃえー」「やれな」「〇〇だどー」などの言葉を添え、そして「ドッコイセ、アーヨイヨイ」などの合いの
手を交えて節を調整しました。歌に合わせて棒をふるう、ぶち方の手足は全員ピタリと揃っていたそうですから、出来上
がった堤防の土端はさぞや美しかったことでしょう。
 一方「タコ搗き」は、動物の蛸のように重い丸太や石に何本もの持ち手がついた、その名も「タコ」という道具を、大
勢で持ち上げては落とす動作を繰り返して土を突き固める作業です。男女ともに従事しましたが、こちらは音頭取りがお
らず、誰かが歌い出すと他の人がかけ声をかけ、好きな人が代わる代わる歌ったといいます。
 これらの作業は、一斉に息を合わせて行う必要があります。また朝の7時から夕方5時頃まで重労働を単調に繰り返すも
のであったといいますから、皆がリズムを揃えることができ、辛さも紛らわせてくれる歌は、無くてはならないものだっ
たのです。
 今は大掛かりな重機で造られた立派なスーパー堤防が私たちを洪水から守ってくれていますが、その基礎には、こうし
た人々の歌声と手によって固く打ち締められた土台があったのです。                 (榎 美香)

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[4]季節だより
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 再び、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、臨時休館となっております。ご迷惑をおかけしますが、感染拡大防止
のためにできることの一つとして捉え、皆様のご理解をお願いいたします。
 今年は、関宿城周辺も冬の冷え込みが厳しいような気がしますが、梅が少し咲くなど、確実に春は近づいているようで
す。
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す。皆様からのお声をお待ちしております。お気軽にお寄せ下さい。
(お声を当マガジンに掲載させていただく場合もあります。)
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せきはくマガジン第173号(251)
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      千葉県野田市関宿三軒家143-4 TEL 04-7196-1400  FAX 04-7196-3737
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