千葉県立中央博物館メールマガジン バックナンバー
★ ちば中央博メール 2021年4月号 ★
配信日時:2021/04/11 12:08
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    ちば中央博メール 2021年4月号(2021年4月10日発行・第176号)
        http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/

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目 次
1.お知らせ
2.イベント情報
(1)中央博物館本館・生態園
(2)大利根分館
(3)大多喜城分館
3.中央博の窓-139 九十九里浜の鳥類
4.研究室から-112 熱帯雨林でトカゲの進化を探る
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1.お知らせ
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◆博物館の再開館について
 本館・生態園は10:00~16:30まで開館・開園しています。
 なお、生態園オリエンテーションハウスは土・日・祝日のみ開館(10時)となりま
す。

講座・観察会については、新型コロナウイルスや自然災害などの対応により変更や中
止の可能性がありますので、くわしくはホームページをご覧ください。↓
http://www2.chiba-muse.or.jp/www/NATURAL/contents/1520009714819/index.html


年間パスポートの期限延長を行っています。くわしくはホームページをご覧ください。↓
http://www2.chiba-muse.or.jp/www/NATURAL/contents/1584073375870/index.html#年間パスポート

◆現在休止中の展示・サービス
・1階ホール
・「たいけんのもり」を含むハンズオン展示
・野鳥観察舎(生態園)
・団体受付(学校および一般団体)
・ミュージアム・トーク
・図書閲覧サービス

※開館日をご確認の上ご来館ください。開館日カレンダー↓
  http://www2.chiba-muse.or.jp/www/NATURAL/contents/1517539269054/index.html#kaikanbi

なお、感染拡大の状況などにより変更が生じる場合がございます。ご了承くださるよ
うお願いいたします。

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2.イベント情報
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 (1)中央博物館本館・生態園
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■令和3年春の展示「九十九里浜の自然誌」
会期:~5月30日(日)
会場:本館 第1企画展示室
内容:約60kmにわたりきれいな弧を描いている九十九里浜。一見何もいなさそうな
砂浜にも、様々な生き物がそれぞれに生を営んでいます。あまり知られていない砂浜
の動植物や浜と人とのかかわり、また現在九十九里浜に迫っている危機的な状況につ
いても紹介します。

■収蔵資料展「ノスタルジック・ポストカード」
会期:~5月30日(日)
会場:本館 第2企画展示室
内容:当館が所蔵の故・菱田忠義氏の絵はがきコレクションを中心に展示し、絵はが
きの歴史やその役割の移り変わりについて解説します。また、環境の変化を読み取る
ためのツールとしての絵はがきの有効性についても取り上げます。

■ミニトピックス展 「新鉱物『房総石(ぼうそうせき)』の発見」
会期:~5月30日(日) 
会場:地学展示室前廊下
内容:「千葉石(ちばせき)」に次ぐ千葉県で第2の新鉱物として「房総石」が2020年
12月に正式に新種として認められました。そのことを契機として、房総石の標本を展
示すると共に、鉱物の性質や産出状況について解説します。

■ミニトピックス展 「国内初記録の外来昆虫オオクロマダラナガカメムシ」
会期:~6月27日(日)
会場:本館 生物の分類展示室
内容:県内在住の大学生が都内の大学にて国内で記録のないカメムシを採集しました。
中央博物館の研究員が同定依頼を受けた結果、国内初記録の外来昆虫であることが判
明しました。県民と県立博物館職員による共同研究の成果を展示します。

■生態園トピックス展「身近なコケ」
会期:~5月23日(日)
会場:生態園オリエンテーションハウス
内容:生態園や身近な街中に生えているコケ植物をとおして、コケ植物の不思議なく
らし方と知られざる正体に迫ります。
※生態園オリエンテーションハウスは土・日・祝日のみ開館(10時-16時30分)と
なります。

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(2)大利根分館 http://www.chiba-muse.or.jp/OTONE/ 電話:0478-56-0101
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令和3年度春の展示「うめ・もも・さくら」 
会期:令和3年4月1日(木)~5月5日(水・祝)
古来より広く利用されてきた春を代表する花、うめ・もも・さくらについて、標本資
料や民俗資料等の関連資料を展示します。(令和2年度本館展示巡回)
 ※開館日をご確認の上ご来館ください。開館日カレンダー↓
http://www2.chiba-muse.or.jp/www/OTONE/contents/1515477238236/index.html
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(3)大多喜城分館 http://www.chiba-muse.or.jp/SONAN/ 電話:0470-82-3007
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 ※開館日をご確認の上ご来館ください。開館日カレンダー↓
http://www2.chiba-muse.or.jp/www/SONAN/contents/1518773150906/index.html
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3.中央博の窓-139 九十九里浜の鳥類
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海水浴でおなじみの砂浜、九十九里浜には、シギ・チドリやカモメの仲間など多くの
鳥類が飛来します。砂浜の海岸に流入する河川の河口にも、水鳥が生息しています。
海上では、クロガモ、ビロードキンクロやスズガモといったカモの仲間が冬を越しま
す。強風や波浪で、ミズナギドリやアホウドリの仲間が砂浜に漂着することもありま
す。九十九里浜で鳥類の観察をしていると、ウミネコやユリカモメ、セグロカモメが
群がって、魚を捕食しています。そのような場所をよく見ていると、スナメリが海面
から姿を現すことがあります。スナメリがいる所には、アビの仲間もたくさん集まっ
てきます。九十九里浜の海岸では、鳥類だけではなくスナメリも案外簡単に観察でき
るのです。春の展示では、九十九里浜で見られる動植物を展示し、紹介しています。
(生態学・環境研究科 桑原和之)
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4.研究室から-112「熱帯雨林でトカゲの進化を探る」
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私は爬虫類のトカゲやヘビの仲間に注目して進化・多様化の研究をしています。地域
によって多少違いがあるものの、日本の本州地域では生息しているトカゲの種類は2
~5種類とそれほど多くありません。トカゲやヘビの仲間にとっては本州くらいの緯
度だと冬が寒すぎるため、寒い気候でも暮らしていける限られた種類だけしか生息で
きないのでしょう。一方、暖かい地域ではどうかというと、本州から南に約4、000
キロメートル、赤道直下に位置するボルネオ島には、100種をゆうに超えるトカゲの
仲間が生息しています。
これほど多様な熱帯地域のトカゲには日本のトカゲの印象からはかけ離れた体の形、
色、行動、生態を示す種類が多くいます。私は2016年から毎年1~2カ月間ずつ、
ボルネオ島で爬虫両生類の調査を行って(残念ながら2020年の2月以降は調査をで
きていません)、彼らの多様さがどう進化してきたのかを研究しています。
最近では、これまでの発見例数が10に満たない、鼻の先に一本のツノが生えている
トカゲをボルネオ島で捕獲しました。しかも、この種類は単に形が面白いだけではな
く、木の高いところ(熱帯雨林には高さ50~70メートルにもなる木々がそびえてい
ます)で生活し、誰でも簡単に手掴みできるくらいの速さでしか動くことができず、
さらには卵ではなく子どもを直接産むという、”ヘン”のてんこ盛りのようなトカゲな
のです。私はこのトカゲの「卵ではなく子どもを産む」という特徴がどう進化してき
たのかを、生命の設計図である遺伝子(DNA)の情報を使って研究しました。する
と、他の”ヘン”な特徴である「木の高いところで生活する」ことと「とてもゆっくり
としか動けない」ことが、卵を産むトカゲから子どもを直接産むトカゲへの進化を可
能にしたのではないか、という仮説が見えてきました。研究の詳しい内容、また、こ
のトカゲの写真は当博物館のウェブサイトでも紹介しています
(http://www2.chiba-muse.or.jp/www/NATURAL/contents/1603261165791/index.html)。
自然史を扱う博物館には展示を通じて「専門家は知っているけれど、そうでない人に
はあまり知られていない知見」を広める機能がありますが、実はもっと重要な機能と
して「専門家さえも知らないことを新たに自然の中から読み取って人類全体の知識に
加える」というものがあります。私たちの今の生活や知識体系があるのも世界中の先
人たちが新しい知識を常に自然から読み取ってくれたおかげですから、次の世代に新
しい知識を残し、整理していくことが重大な使命です。博物館発の自然史研究がエキ
サイティングなものになるよう、私も爬虫両生類を追い続けます。
(生態学・環境研究科 栗田隆気)
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 千葉県立中央博物館
 〒260-8682 千葉市中央区青葉町955-2
 電話:043-265-3111 FAX:043-266-2481
 URL:http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/
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