千葉県立関宿城博物館メールマガジン バックナンバー
せきはくマガジン第176号(254)
配信日時:2021/04/20 09:10
千葉県立関宿城博物館メール情報∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

          せきはくマガジン

http://www2.chiba-muse.or.jp/SEKIYADO/
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞第176号(254) 2021年4月20日∞
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 もくじ
[1]5月のイベント情報及び5月の休館日について
[2]5月中に募集が開始されるイベントについて
[3]せきはく豆事典「木下茶船で三社詣~江戸時代の船旅ツアー~」
[4]季節だより
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[1]5月のイベント情報及び5月の休館日について

※千葉県立博物館・美術館は、再開しておりますが、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、団体受付・イベント等に
つきましては、引き続き中止となっております。新しい情報につきましては、随時ホームページ上でお知らせいたします。
 
●開館時間 9時開館、16時30分閉館
                       
★(1)2021「国際博物館の日」記念事業 パネル展「船の旅」
    船が交通の主役だった時代は、多くの人が船で旅にでかけました。そんな時代の旅の様子をパネルで紹介します。
   期  日   4月20日(火)~6月27日(日)
        (休館は月曜日。ただし5月3日(祝・月)~5日(祝・水)は開館し、翌6日(木)休館。)
   時  間   9時〜16時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 3階多目的室
   入場料  一般200円(団体160円)、高大生100円(団体80円)、
        中学生以下・65歳以上無料  ※団体扱いは20名以上

★(2)体験教室「関宿城下を歩こう(河川コース)」
    千葉県立関宿城博物館の周辺にある史跡(中之島公園、関宿水閘門、浚渫船、情報・防災ステーションごか)を
    徒歩でめぐります。当館の学芸員が案内し、解説します。(新型コロナウイルス感染拡大防止のため、中止とな
    る場合があります。)
   期  日   5月23日(日)
   時  間   10時~12時
   場  所   【集合場所】千葉県立関宿城博物館 集会室
        【見学場所】千葉県立関宿城博物館周辺の史跡(中之島公園、関宿水閘門、浚渫船、情報・防災ステー
              ションごか)
   定 員  15名
   対 象  一般
   参加費  50円
   申込み  4月23日(金)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

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◆◆◆5月の休館日について◆◆◆
5月6日(木)・10日(月)・17日(月)・24日(月)・31日(月)は休館します。
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[2]5月中に募集が開始されるイベントについて
   (新型コロナウイルス感染拡大防止のため、中止となることがあります。)

◆(1)歴史講座「古文書を読む(入門編)《3回連続》」
    初心者を対象とし、くずし字の「ひらがな」を中心に学習します。
   期  日   6月6日(日)、7月4日(日)、8月8日(日)
   時  間   10時~12時
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  15名
   対 象  一般(3回連続参加できる方)
   受講料   初回のみ200円
   申込み   5月7日(金)9時から電話で申込み受付
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

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[3]せきはく豆辞典「木下茶船で三社詣~江戸時代の船旅ツアー~」
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 新型コロナウイルスの流行で自由な旅行もできない毎日ですが、今回はそんな現代人から見てもうらやましい、江戸時
代の優雅で風流な船旅ツアーをご紹介します。
 江戸時代には、人々の移動自体が原則として規制されていました。とはいえ、実際には社寺への参拝は特例とされてい
たため、江戸時代中期以降は、社寺参詣の旅が一種のブームのようになっていました。そんな中、利根川を船で下りなが
ら鹿島神宮、香取神宮、息栖神社の「三社詣(もうで)」をする、一種のクルーズツアーがありました。世にいう「木下
茶船」です。随分な人気だったらしく、多くの書物にも取り上げられています。なかでも文化2年(1805)刊行の『木曽路
名所図会』は、「名所図会」シリーズの名執筆家である秋里籬島(りとう)が絵師の西村中和(ちゅうわ)を伴い、木曽
路や東国三社、日光などを回る旅程を書いたもので、その第5巻には三社詣の船旅の様子が挿絵を交えていきいきと描か
れています。その概略を見てみましょう。
 
 三社を詣でようと朝方、日本橋の宿を立った籬島と中和。二人は小網町三丁目の行徳河岸から船を手配して乗りこみま
す。小名木川から江戸川に入り、行徳に着いたらまずは茶店で昼食をとり、今度は陸路を歩き始めます。鎌ケ谷の大仏の
前を通り、釜ヶ原(小金原)の牧(まき)の間の道を進めば、野生の馬が5~60頭ほども草をはんでいるのが見えます。
村人に問えば、これは御公儀の馬で、駿馬を選んで官馬にするのだといいます。西に振り返れば、あざやかな富士山が。
日が落ちる頃、白井に入り一泊します。白井からは大森、そしてにぎやかな木下河岸に入ります。船宿に落ち着き、行き
先を伝えると船を手配してもらえました。ここで昼食をとったら橋の脇から船に乗り込みます(これぞ木下茶船です)。
漕ぎ出せば、船足は軽く、葦や真菰(まこも)を揺らす川風や波音が夏の暑さを忘れさせてくれます。ほどなく大河に出
たので船頭に川の名を問えば、「これが坂東太郎、利根川だ」と答え、船頭歌を口ずさみ始めました。両岸ははるかに遠
く、夕日は西に傾いていきます。船は神崎に着き、今夜はここの旅籠に泊まりました。翌朝は早く起きて神崎明神に詣で
た後、再び船に乗ります。さらに東へ進めば、きらきら光る波の向こうの霧間から香取の大鳥居が見えてきました。津の
宮河岸です。ここに船を着け、2キロほど歩くと香取神宮の本社です。広い境内の前に茶店や旅籠が並んでいます。参詣を
済ませ、また津の宮から船に乗って、今度は息栖神社を目指します。途中、行き会った釣り船が魚を分けてくれたので、
船上で炙り、釣人や船頭にも酒を勧めます。共に酔い、歌をそらんじるうちに鳥居が見えてきました。あれが息栖神社の
鳥居です。息栖神社を参詣し、また船に乗ると、川の幅はさらに広くなり霞ヶ浦の北浦に入ります。ほどなく湖畔に建つ
鹿島の一の鳥居に到着しました。今晩はここで宿をとり、翌朝いよいよ鹿島神宮を参拝します。鹿島の社まで2キロほど、
緩い坂道を上り、門前町を抜ければ鹿島神宮に入りました。
 籬島は、ここで東国三社最後の参詣を済ませた後、潮来で泊まり、その後は筑波経由で日光に進みました。いかにも優
雅な江戸時代の船旅です。関宿城博物館では、この行程を多くの絵画などで紹介したパネル展「船の旅」を、4月20日~
6月27日まで開催します。足をお運びいただき、少しでも旅の気分を味わっていただけましたなら、幸いでございます。
                                                (榎 美香)
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[4]季節だより
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 関宿城博物館周辺は、桜の季節も終わり、木々の緑がまぶしい季節となっています。ツバメの姿も見かけるようになり
ました。
 このメルマガが配信される20日(火)からは、2021国際博物館の日記念事業として、パネル展「船の旅」が始まりま
す。江戸からの船旅の様子を、香取・鹿島・息栖の三社詣を中心に紹介しています。どうぞ、お楽しみに。
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す。皆様からのお声をお待ちしております。お気軽にお寄せ下さい。
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せきはくマガジン第176号(254)
発行:千葉県立関宿城博物館
      〒270-0201
      千葉県野田市関宿三軒家143-4 TEL 04-7196-1400  FAX 04-7196-3737
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