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せきはくマガジン第177号(255)
配信日時:2021/05/20 09:00
千葉県立関宿城博物館メール情報∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

          せきはくマガジン

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∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞第177号(255) 2021年5月20日∞
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 もくじ
[1]6月のイベント情報及び6月の休館日について
[2]6月中に募集が開始されるイベントについて
[3]せきはく豆事典「古墳時代の水運」
[4]季節だより
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[1]6月のイベント情報及び6月の休館日について

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、団体受付につきましては、引き続き中止となっております。講座等のイベン
トにつきましても、中止や内容等の変更が生じることがあります。新しい情報につきましては、随時ホームページでご確
認をお願いいたします。
 また、入館の際にはマスクの着用と検温にご協力ください。
 
●開館時間 9時開館、16時30分閉館
                       
★(1)2021「国際博物館の日」記念事業 パネル展「船の旅」
    船が交通の主役だった時代は、多くの人が船で旅にでかけました。そんな時代の旅の様子をパネルで紹介します。
   期  日   4月20日(火)~6月27日(日)
        (休館は月曜日。ただし5月3日(祝・月)~5日(祝・水)は開館し、翌6日(木)休館。)
   時  間   9時〜16時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 3階多目的室
   入場料  一般200円(団体160円)、高大生100円(団体80円)、
        中学生以下・65歳以上無料  ※団体扱いは20名以上(団体の事前予約は休止中です。)

★(2)歴史講座「古文書を読む(入門編)《3回連続》」
    初心者を対象とし、くずし字の「ひらがな」を中心に学習します。
   期  日   6月6日(日)、7月4日(日)、8月8日(日)
   時  間   10時~12時
   場  所   千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  15名
   対 象  一般(3回連続参加できる方)
   受講料   初回のみ200円
   申込み   5月7日(金)9時から電話で申込み受付(※好評につき、定員となりました。)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

★(3)パネル展「雲と、お天気」
    さまざまな表情を見せる雲。雲の写真から、お天気のことを楽しく学びましょう。
   期  日   6月29日(火)~9月26日(日)
        (休館は月曜日。月曜日が祝日にあたる場合は開館し、翌日休館。)
   時  間   9時~16時30分
   場  所   千葉県立関宿城博物館 3階多目的室
   入場料  一般200円(団体160円)、高大生100円(団体80円)、
         中学生以下・65歳以上無料  ※団体扱いは20名以上(団体の事前予約は休止中です。)

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◆◆◆6月の休館日について◆◆◆
6月7日(月)・14日(月)・21日(月)・28日(月)は休館します。
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[2]6月中に募集が開始されるイベントについて
   (新型コロナウイルス感染拡大防止のため、中止となることがあります。)

◆(1)博物館セミナー(1)
    当館の調査協力員による博物館セミナーです。利根川・江戸川流域の歴史や民俗、自然について講演します。
   期  日  7月11日 (日)
   時  間  13時30分~15時30分
   場  所  千葉県立関宿城博物館 集会室
   定 員  15名
   対 象  一般
   受講料  100円
   申込み  6月11日(金)9時から電話で申込み受付(先着順)
        04-7196-1400(千葉県立関宿城博物館学芸課)

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[3]せきはく豆辞典「古墳時代の水運」
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 江戸時代初期に東遷事業が行われるまで、利根川は現在の東京湾である内海に向かって流れていたことはよく知られて
います。この古い利根川は、縄文時代の海進が終わり、海が後退していく中で関東平野に姿を現しました。もちろん、利
根川だけでなく、渡良瀬川や荒川をはじめ多くの河川が東京湾に注ぐことになりました。古代において、これらの河川を
使った水運が、どれほど活発であったのか、今回は古墳時代を例に紹介したいと思います。
 埼玉県行田市には、辛亥銘鉄剣(※この場合の辛亥は西暦471年説が有力)の出土で知られる埼玉古墳群がありますが、
その北に2キロほどの場所に、埼玉古墳群より後の築造とされる若小玉古墳群があります。かつては10基ほどの古墳が所
在したといわれますが、現在は地蔵塚古墳と八幡山古墳の2基が残るのみです。地蔵塚古墳の石室の壁には線刻画が認め
られ、馬や家、水鳥、そして舟に乗り櫂を持った人の姿が描かれています。水鳥からは湖沼地が、櫂を持つ人からは舟を
操る様子が想像でき、周囲に多くの湖沼地が残る環境と、そこを舟で行く交通があったことが分かります。余談ですが、
もう一つの八幡山古墳は墳丘が削平され石室が露出していることから、「関東の石舞台」と呼ばれているそうです。
 そして、実際に当時の船の部材が検出された例もあります。東京都足立区に所在する伊興(いこう)遺跡からは、準構
造船の船底と思われる部材や、船の航行の安全祈願的な祭祀に用いられたと考えられる小さな舟形の木製品が見つかって
います。準構造船は、丸木船から一歩進んだタイプの船で、船底は丸木船(船首と船尾に部材を足すこともある)ですが、
舷側を板で作り、安定性や積載量を増やすことができました。
 古墳の石室は、石を積んで壁や天井を作るのですが、その石材をかなり遠方から運んできたものがあります。関東地方
の古墳では、東京湾沿岸の富津市金谷付近や、筑波山麓、秩父などで産出する石材を使用する例が知られています。金谷
付近の海岸にある、いわゆる「房州石」を例に取ると、埼玉古墳群の将軍山古墳、東京都北区の赤羽台古墳群、市川市の
法皇塚古墳、富津市の内裏塚古墳などの石室でその石材が用いられています。これらは関東地方では主に6世紀後半以降
に普及する横穴式石室の材料ということになります。この「房州石」は、東京湾対岸の三浦半島にも同じ地質からなる石
が産出するとの指摘もありますが、いずれにしても、これだけ重いものを遠くの場所まで運ぶには、船の存在が不可欠と
思われます。
 また古墳に関連する出土品で、よく知られるもののひとつに埴輪があります。埼玉県鴻巣市には東日本最大級といわれ
る埴輪生産遺跡の生出塚(おいねづか)埴輪窯跡群があり、関東各地の古墳に埴輪を供給していました。その中でも市原
市に所在する山倉1号墳出土の人物埴輪は、形態の類似だけでなく胎土(材料となる粘土)分析からも生出塚で生産され
たことが明らかにされています。
 以上、いくつかの例をあげましたが、他にも古代香取海(現在の霞ヶ浦周辺)沿岸における石枕の分布や、低地や河川
を見下ろす古墳の立地そのものからも、水上交通を支配していた豪族の存在が窺えます。彼らは水上交通の重要性に気づ
き、いろいろな画策を練っていたのではないでしょうか。                      (岡田光広)

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[4]季節だより
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 最近は、晴れると気温がかなり高めの日もありますが、急に曇ったり雨になったりと、不安定な印象が強いです。これ
も季節の変わり目を表す現象なのでしょうか。
 現在、当館3階多目的室において、パネル展「船の旅」が好評開催中です。また、当館のホームページには、船の旅の
「ぬりえちらし」はじめ、ご家庭で楽しめる企画が満載です。こちらもどうぞ、ご利用ください。
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せきはくマガジン第177号(255)
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